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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その20 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 12:43:22.32 ID:jxvlfPEo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士…。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
宿敵ネクロマンサーとの死闘。その果てに待つものとは…!?

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(絵の支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その19)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
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【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 12:44:35.58 ID:jxvlfPEo
◆過去ログ(その1〜18)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 13:24:33.31 ID:AVj00Wgo
20スレ乙!
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 14:17:08.32 ID:O6oCC1s0

いつも楽しませてくれてありがとう!!
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 15:48:24.77 ID:zyK8ZEDO
とうとう20乙っす〜
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 15:54:37.76 ID:L0elUU.o
乙!
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 17:57:31.72 ID:bvfDvQso
>>1乙!
20スレ目おめでとう!
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 20:03:03.31 ID:FGztwgAO
返せ……タポタポだった私の腹筋を返せッ!>>1ィィィィィィ!!

>>1乙!20スレおめでとう!
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 21:28:23.87 ID:o.BxwsDO
20スレおめでとう
乙!
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 21:30:20.00 ID:fbv.0QAO
>>1

前スレおまけクソワロタwww
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 22:21:58.25 ID:SSnRmMs0
20乙でとー

・・・マジシャン死ぬの?
12 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:19:24.15 ID:FNnTrXco
魔剣士「……とっておき?」

マジシャン「…ああ。とっておきだ」

魔剣士「…無謀だな」

マジシャン「ハッハ。無謀ねぇ…」

魔剣士「……」

マジシャン「勇敢の間違いだろ?御託はいい…覚悟しな」

魔剣士「……マジシャン」

ジャキッ

マジシャン「手招きしてんぜ…?師匠とプリーストが涅槃でよ」

魔剣士「……」

マジシャン「……ふーっ」

呼吸を一つ吐く。それからマジシャンはゆっくりと両手を地面へと着けた。

魔剣士「……」

マジシャン「位置について…ヨーイドン・・ってな!」

マジシャンの両手が白く輝きを放ち始める。
13 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:19:51.17 ID:FNnTrXco
ドドオオォォォォンッ!!

魔剣士「!?」

地面へと打ち放たれた風の魔法。それを反動にマジシャンは大きく前方へ飛び出す。

魔剣士「く…っ!」

マジシャン「う……らああぁぁ!」

焦る表情を初めて見せる魔剣士。それはマジシャンによる予想外の行動に於いてである。

一気に間合いを詰めるマジシャンに対し、魔剣士は渾身の一撃を放つ。

魔剣士「……はぁ!!」

ビュオッ!!

大剣とは思えぬ強烈な早さの突き。それがマジシャンめがけ真っ直ぐ放たれる。

マジシャン「……く……うぅ‥‥おおぉぉ!!」

ボンッ!!……ドズウウゥゥ…

マジシャン「……ぐ…うぅ…っ」

魔剣士「……バ…カな…っ!?」

魔剣士の突きはマジシャンの左真横を通過し、ぴたりと静止した。
14 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:20:37.29 ID:FNnTrXco
マジシャン「……ハ…ッハ!」

魔剣士「……」

マジシャン「お前の判断は間違っちゃいねぇよ…」

苦悶の表情でマジシャンが言葉を続ける。

マジシャン「俺の…心臓一点を狙っての突き。かわせるわけねぇ…」

魔剣士「……マジシャン…お前」

マジシャン「さっきも言ったよなぁ?あれから十何年経ってると思ってんだ?」

魔剣士「……」

マジシャン「その年数の間、俺は体術だけを磨き上げてきた……」

魔剣士「…最初から…この為に…っ」

マジシャン「…そうだ。その為にゃあ、左腕の一本くらい…くれてやるよ!」

ツヴァイハンダーの突きにより吹き飛んだマジシャンの左腕が、魔剣士の背後へ落下する。

マジシャン「ま、ここまでせにゃかわせねぇってのも…情けない話だがな」

魔剣士の腹部に突き刺さるマジシャンの右腕が、更に奥へと進む。

魔剣士「……ぐ…っ」
15 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:21:25.43 ID:FNnTrXco
ズグゥ…

マジシャン「…なぁ、俺が手に握ってる物…分かるか?」

魔剣士「……」

マジシャン「……結界石と五行それぞれの鉱石だよ」

魔剣士「……結界石…?」

マジシャン「お前に結界石が効かない事は重々承知だ。これはあくまで媒介…」

ズズッ

マジシャン「増幅装置ってトコだわな……」

魔剣士「……お、お前…っ」

マジシャン「それを体内で…五行ぶっ放したら、さぞやお前でも耐えられんだろ」

魔剣士「…そんな事をすれば…お前も死ぬぞ。確実にな」

マジシャン「……承知の上だ」

魔剣士「…最初からそのつもりか」

マジシャン「ああ。そのつもりだ」

魔剣士「……」
16 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:22:19.83 ID:FNnTrXco
フォンッ

マジシャン「…さ、もうお終いだ。清算しようぜ」

マジシャンの右腕が徐々に明るみを帯び、輝き始める。

魔剣士「……何をそこまで…お前を」

マジシャン「15年前、俺らは既に死んでたんだよ。だから生きてちゃいけねぇのさ」

魔剣士「…マジシャン…!!」

キュイイィィィィ…

マジシャン「あとはよ、若い連中に任せて…ゆっくり休もうや。な?」

魔剣士「…っ!!」

マジシャン「アイツらは強い。おそらく再来なんてあっという間に越えちまうだろうよ」

魔剣士「……く…っ」

マジシャン「だから安心して……逝ける!!」

魔剣士「くあ…あぁ…っ!!」

マジシャン「…師匠…プリースト。今…連れてくからな!」

マジシャンの右腕に宿る光が、魔剣士の体を通し激しく弾けた…。
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 00:24:43.24 ID:ZFf.c.cP
えっ


えっ
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 00:32:41.80 ID:l2.ZMBgo
どうせアバン先生みたいに忘れたころに出てくるんだろ。
そうじゃなかったら練炭買ってくるからな!!!!
19 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:34:14.34 ID:FNnTrXco
タッタッタッタッタ

大軍師「あ…あの光は…!?」

左翼長「……あ…んの野郎っ!!」

召喚士「マジシャンさん!!」

ダッ

崖の上に到達する一同の目先に、光に包まれたマジシャンの背中が飛び込む。

戦士「!!」

マジシャン「……来るな!!」

魔道士「マジシャンさんっ!!」

マジシャン「離…れろっ!巻き添えを食うぞ!!」

召喚士「で、でもっ!!」

マジシャン「……それに、これは…俺の戦いだ!」

盗賊「……っ!」

魔剣士「……ぐ…ぅ!」

マジシャン「これで…全魔力開放だ…っ!!」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 00:35:23.54 ID:4vUTRQAO
>>1乙
20スレおめでとう
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 00:40:04.11 ID:i9iuWxso
練炭買っとけ

さて、冒頭のマジシャンさーんって絶叫はいつ出てくるのかな…
22 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:43:47.96 ID:FNnTrXco
ゴゴゴゴオオォォォォ

白虎長「…五行!?で、でもこんな凄まじいのって…」

戦士「何とかオッサンを…!」

大軍師「無理です!最早、抑制する事は出来ません!」

戦士「だからって…見てるだけってわけにいかねぇだろ!」

左翼長「離れろ!!」

魔道士「!?」

左翼長「アイツの言う通りだ。このままじゃ巻き添え食って全滅だ」

大軍師「…ええ。もう…どうしようもありません…」

マジシャン「…ハッハ」

魔道士「マジシャンさぁん!!」

マジシャン「…ありがとな。あとは…託すぜ!」

キュイイィィィィン

マジシャン「この……世界を――」

辺り一面に輝く光。それを打ち消すかのように空からは雨がぽつぽつと滴り始めた。
23 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 00:49:47.63 ID:FNnTrXco
召喚士「コカトリスーっ!!」

シュウゥゥ

盗賊「……くっ!」

ダッ

左翼長「動くなぁ!!これは命令だ!!」

盗賊「!?」

大軍師「二人の身体を光が取り込んでいます。間もなく……」

盗賊「だからって…!!」

魔道士「マジシャンさん!マジシャンさぁん!!」

ドドオオォォォォ!!

白虎長「きゃあぁ!!」

戦士「ぐく…っ!」

召喚士「ひ…光が……広がって……」

オオォォォ…

白く輝く閃光は天高く突き昇り、同時に二人の身体と周囲をその場より消滅させた…。
24 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 01:00:29.14 ID:FNnTrXco
ドッグオオォォォンッ!!

盗賊「…うっ!!」

左翼長「白虎長!後方の兵を退かせろぉ!」

大軍師「……撤退しましょう。今の衝撃と雨で地盤が緩んでいます」

戦士「撤退…?オッサンは…マジシャンはどうすんだよ!」

召喚士「…………」

魔道士「……う…そ…」

盗賊「……マジ…シャン?」

左翼長「戦士、お前らも早くしろ!」

戦士「……」

ドカッ!!

戦士「……そんなのって」

左翼長「…ガキじゃねぇんだ。戦場でグダグダ泣きべそかいてる場合か!」

大軍師「まずいですね…地盤が崩れ始めています。もう限界です」

召喚士「……マジシャン…さん」
25 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 01:01:47.78 ID:FNnTrXco
夕暮れの紅く染まった空は生憎の雨雲に覆われ、先程とは真逆の様相を見せる。

黒くどんよりと重い空から大粒の雨が降り注ぎ、大地を濡らす。

ザアアァァァァ…

左翼長「もう無理だ!!下がれっ!!」

魔道士「だって…っ!マジシャンさんがっ!!」

大軍師「……っ」

戦士「何でだよぉーっ!ふざけんじゃねぇぞ!!」

北方参謀「豪雨で土砂が起きています!後退しましょう!」

召喚士「だって……マジシャンさんが…マジシャン…さん…」

左翼長「馬鹿野郎がっ!!お前等も死にたいのかぁ!?」

大軍師「全軍、急ぎ撤退を開始して下さい!」

ザアアァァァァ

盗賊「……こ…んな……嘘…だって」

魔道士「マジシャンさああぁぁーんっ!!」

その日、俺らの目の前で…マジシャンさんは死んだ。
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/24(金) 01:05:19.55 ID:FNnTrXco
〜オマケ〜

大軍師「…なーんて、こんな事もあろうかと集めておきました」

ゴトゴトッ

召喚士「こ…これは!?」

大軍師「…出でよ!神龍!!」

シュイィィン

神龍「どんな願いも…一つだけ叶えてやろう」

大軍師「…さぁ、どうぞ」

召喚士「で、では。マジシャンさんを生き…」

ババッ!!

王子「ギャルのパンティーおーくれっ!!」

盗賊「!!」

魔道士「え…!?」

ヒラヒラヒラッ…パサッ

神龍「願いは叶えた…さらばだ」

シュイィン…

王子「ギャルのパンティー…ゲットだぜ!!」
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 01:05:24.86 ID:xFB4f4Yo
ハッハ!…………はは…は……
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 01:06:30.74 ID:xFB4f4Yo
って>>1
糞王子が……俺の練炭自殺に巻き込んでやる
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 01:07:28.34 ID:sQnVSbc0
マジシャン・・・
天国が賑やかになるなぁ・・・
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 01:09:59.30 ID:i9iuWxso
そこは魔道士か盗賊のパンティーだろ

31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 01:10:17.89 ID:EEZMGkDO
>>1のばかやろおおおおお
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 01:12:45.28 ID:ZFf.c.cP
  ( ゚д゚)
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  ( ゚д゚ )
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33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 01:17:51.97 ID:EKFxbIAO
師匠「実は俺でした〜」

一同「な〜んだ、師匠だったのか〜」

ドッ
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 02:11:36.58 ID:1cI7qaso
マジシャン…まだ親子再開イベントとか
フラグ回収しきってないから退場には早すぎるよ…
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 02:13:43.68 ID:i9iuWxso
マジシャンの子供が天才とかメガネとかに並んで協力してくれんじゃね?
まさかのパーティー編入はないだろうね
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 02:20:38.97 ID:Yxp8De60
1乙
再来のプリーストは占い師ちゃんじゃなかったんだ
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 07:59:26.44 ID:sMHuD6DO
次逝くのは青龍先生辺りだな
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 08:08:00.69 ID:HS2W1IDO
あれ?目からなんか出てきた(´;ω;`)

>>1
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 12:38:09.18 ID:smb71Uwo
>>36
プリーストはおまけ編であの世で料理してたぜ
クラーケン使った料理をしてたはず
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 17:44:18.72 ID:F.pT3aso
いちおつおつ

キャラは物語の逝くべき場所で逝くからこそ映えるわけで
マジシャンはそんな映えある場所でだからぜんぜん悲しくなんかない、むしろ必然
悲しくなんか・・・かなしく、な、ん、か、、、、
(´;ω;`)ブワッ
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/24(金) 17:45:31.36 ID:PclyyQQo
カッ!!…ドドオオォォンッ…ゴロゴロゴロッ

占い師「きゃっ!」

パリンッ

占い師「…あーあ、割れちゃった…」

カチャカチャッ

占い師「……なんだか…胸騒ぎが止まらない。何も無ければいいけど…」

ドドオオォォンッ…ザアアァァ…

詩人「……雨が強まってきたな」

眼鏡「……」

詩人「…戻らないのかい?」

眼鏡「やはり…同じ世界には住めないみたいだ」

詩人「……そうかな」

眼鏡「…?」

詩人「僕はそう思わないけど。君は近づきつつあると思うよ…人間にね」

眼鏡「……」
42 :>>41忘れてた!すみません ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:46:58.00 ID:PclyyQQo
バシャバシャバシャッ

魔法剣士「……やはり駄目か。この辺りに逃げたと思ったが…」

ザアアァァ

魔法剣士「それより…今の光は?この上か……」

タッ…バシャバシャバシャッ…

崖の上に走り去る魔法剣士と入れ違いに現れた男。

ゆっくりと岩の陰に落ちたツヴァイハンダーを拾い上げる。

カチャッ…ザアアァァァァ

北方司令「……」

ザッザッザ

お父「……行くぞ」

北方司令「…ああ」

お父「……どうだ?」

北方司令「…しっくりくる」

お父「……そうか」
43 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:48:04.59 ID:PclyyQQo
〜最北の村、西側〜

大軍師「退避後、魔道兵を此方へ。土砂の二次災害を防ぎます」

白虎長「分かりました!交代で向かわせますっ!」

左翼長「……」

ザッザッザ

戦士「……召喚士」

召喚士「……戦士、俺は…大丈夫だよ。それより……」

魔道士「いやぁ!いやよっ!だって…マジシャンさんがっ!!」

盗賊「…魔道士、落ち着くんだ」

戦士「…それはお前の役目だろ。任せるぞ」

召喚士「……」

戦士「盗賊!怪我してんだろ!?無理せず行け!」

盗賊「…あ、う…うん」

召喚士「盗賊さん、代わります」

盗賊「……すまん」
44 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:48:37.55 ID:PclyyQQo
魔道士「マジシャンさんが…っ!マジシャ…」

召喚士「…魔道士さん」

魔道士「ひぐっ!嘘…嘘ですよね!?ねっ!?召喚士さんっ!?」

召喚士「……魔道士さん、落ち着いてください」

ザッザッザ

左翼長「…パニックに陥ってるな。衛生兵呼ぶか?」

戦士「……いや、大丈夫。召喚士に任せよう」

左翼長「…そうか。先に行ってるぞ、土砂に気を付けろよ」

戦士「…ああ」

左翼長「オラ、モタモタすんな!迅速に進め!!」

ザッザッザ

魔道士「だって…マジシャンさん…マジ…シャン…」

召喚士「…そう、ゆっくり呼吸を……ゆっくり大きくですよ」

魔道士「……マジ…シャン……さん」

召喚士「……」
45 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:49:19.16 ID:PclyyQQo
〜最北の村、中央〜

ザッザッザ

戦士「…気ぃ失っちまったか?」

召喚士「…うん、でも大丈夫。このまま安静に…」

戦士「…ん、ああ」

タッタッタッタッタ

衛生兵「怪我人はいらっしゃいますか!?」

召喚士「この二人を…」

盗賊「わ、私は…っ」

戦士「いいから診て貰ってこい」

盗賊「……う、うん」

衛生兵「ここでは応急処置程度ですが、司令部までの我慢ですからねっ」

盗賊「…大丈夫。傷は…浅い」

衛生兵「…強いですね。こちらのお嬢さんもお預かり致しますねっ」

召喚士「……お願いします」
46 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:50:30.10 ID:PclyyQQo
ザアアァァァァ

北方兵「退却の準備、整いました」

左翼長「ご苦労。そっちは…?」

大軍師「参謀を始めとする魔道兵が土砂を防いでおります」

左翼長「任せて問題ないか?」

大軍師「ええ、大丈夫でしょう」

左翼長「…よし。このまま南進し、北の村を抜けた後…騎士団と合流」

北方兵「はっ!!」

左翼長「そのまま司令部へと退却する!前進!!」

青龍兵「豪雨で足元が悪い。気をつけろよ!」

バリスタ兵「場合によってはバリスタを置いていく。後日回収するぞ!」

左翼長「…追撃はどう見る?」

大軍師「おそらくないでしょう。魔王軍も主力が落ちたようですし」

左翼長「……双方…大損害、か」

大軍師「…残念ですが」
47 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:51:12.53 ID:PclyyQQo
ザアアァァ…

戦士「…あれ?召喚士は?」

盗賊「……見てない」

戦士「先に行っちまったか?もうみんな出発してる…」

盗賊「…荷物は…あるぞ?」

戦士「……」

盗賊「……」

戦士「…ちょっくら…見てくるわ」

盗賊「あっ、わ…私も…行く」

ザアアァァ…バシャッ…バシャッバシャッ

戦士「…どこ行っちまったんだ…?」

盗賊「……あ…っ」

戦士「ん?……お、いた」

ザアアァァ…ゴロゴロッ…ドドオオォォンッ

召喚士「……く…くく…っ!!ぐ…っ…うぅっ」
48 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:51:48.65 ID:PclyyQQo
ドカァッ!!

召喚士「うああぁぁ!!」

ガスッ!!

召喚士「…助け…られなかったっ!マジシャンさんを…っ」

ドカッ…ドカッ!!

召喚士「何が朱雀先生だ!!非力で…ちっぽけで…!!」

戦士「!!…おい、召……」

ガシッ

盗賊「……」

戦士の腕を掴む盗賊は、ただ黙って首を横に振る。

戦士「……戻って…司令部行く支度しとくぞ」

盗賊「…ああ、そうしよう」

バシャッ…ザッザッザ…

召喚士「く……っ!うああぁぁーっ!!」

その場に座り込み、雷雨の空めがけ叫ぶ召喚士。大粒の雨が顔と身体を濡らした。
49 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/24(金) 17:52:43.46 ID:PclyyQQo


バシャッバシャッ…

戦士「…おう、どこ行ってたんだ?」

召喚士「…あ、ごめん……」

戦士「軍の連中は司令部へ向かった。俺らも戻ろうぜ」

召喚士「……」

盗賊「…ん」

召喚士「…?」

盗賊「…東方の茶だ。温まるぞ」

召喚士「……ありがとうございます」

戦士「…おっし、司令部へ戻ろうか」

召喚士「……うん。二人とも、ありがとう」

盗賊「…気にすんな」

戦士「……さーて…近道しちまうかぁ」

豪雨の中、三人は最北の村を後にする。
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 18:10:21.94 ID:7SQLgAAO
>>1

オジシャンが逝ったか…
だが奴はスケベの中でも最弱
魔道士ちゃんの尻も眺められずにやられるとは、情けない奴よ…

とりあえずなぜか懐かしい>>33に癒された
やっぱり身近な良いキャラが死ぬのは辛いな
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 18:25:37.90 ID:wr1rSkAO
>>39
それって再来のプリーストじゃないはず
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 18:28:39.68 ID:mrbXEUE0
1乙
召喚士は故郷で両親にマジシャンまで…
つらい思い出ばかりでかわいそう……
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 18:57:39.95 ID:KWzZQ520
戦士父何処行った?
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 19:33:09.61 ID:smb71Uwo
>>39
まじか、ってことは短髪の仲間のほうかな?
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 19:35:01.52 ID:EEZMGkDO
やっとマジシャンと師匠の過去が語られるんだな
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 19:42:51.46 ID:Dsomc32o
マジシャン…
かなり好きだったんだが…
章の冒頭であったのが実は死亡回避につながるんじゃ
ないかと思ったけど甘かった

眼鏡は死なないよな…?
犬が死ぬのはハチ公物語だけで十分だ
なんかいろんなものが死亡フラグに見えていかん
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 19:58:30.44 ID:xFB4f4Yo
召喚士にまで泣かれると、俺もかなり悲しくなってきたぞ…
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 20:14:30.74 ID:EKFxbIAO
まままだあわてあわあわて慌ててるてるような時間じゃない
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 20:21:08.79 ID:82sRAYSO
>>58

銭湯乙。
おまうらおちちけ
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 22:54:04.86 ID:7SQLgAAO
これが落ち着いてなんかいられるかってんだ!

仮にも再来って名前なんだから、ネクロ様にでも生き返らせてもらって再び召還士達の前に再来して元気な姿を見せてあげてほしい
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/24(金) 22:57:26.49 ID:ztDPFuIo
オオオオチツクンダ
コレハキット、アバンセンセイトオナジパターン

ダヨネ?
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 00:21:51.45 ID:ylqqlvQo
そろそろ再来の外伝なんてどお?
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 02:38:05.53 ID:hSyCusDO
>>60

敵フラグじゃねーか
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 05:54:42.65 ID:TPyWfkSO
ま、死んじまったもんはしゃーない。仇を討ってもらおうぜ


戦士に
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 14:37:50.70 ID:GniMeEDO
やっぱ魔道士に仇とってもらいたいな
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 14:54:49.72 ID:akTySC.o
ネクロマンサー相手ならものすごい土行が放てそうだな
67 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:51:08.57 ID:IXLZKgko
……――

マジシャン「…なぁ魔道士ちゃん」

魔道士「はい?」

マジシャン「やっぱり…このままワーカーとして戦い続けるの?」

魔道士「もちろんですよっ」

マジシャン「だって…人とかいっぱい死んじゃうんだぜ?」

魔道士「……でも、私が戦う事でもっと沢山の人が救えるんですもの」

マジシャン「その為に…自分が犠牲になるってか?」

魔道士「以前は…ただ、縛られた生活が嫌でワーカーになりました…」

マジシャン「…ああ、そうだっけか」

魔道士「でも今は違います。私の力でも…色んな人を救えるのならって…」

マジシャン「……」

魔道士「マジシャンさんや…色んな方に出会って…そう思ったんです」

マジシャン「…ハッハ!偉いな魔道士ちゃんは。頑張ろうな!」

魔道士「はいっ!えへへ!!」

――……
68 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:52:20.24 ID:IXLZKgko
〜北方司令部〜

魔道士「…………」

衛生兵「…気付いた!?具合はどう?大丈夫…?」

魔道士「…こ…こは?」

衛生兵「北方司令部よ。安心して…戦いはもう終わったから…」

魔道士「…え…っ?」

衛生兵「魔王軍は大将含め壊滅。増援もないそうよ」

魔道士「……あ、あの…っ」

衛生兵「まだ動いちゃダメよっ」

魔道士「マジシャンさんは…!?マジシャンさんは!?」

衛生兵「無理しないで!急に動いたりしたら……」

魔道士「マジシャンさんは無事なんですよねっ!?」

衛生兵「……」

魔道士「無事……なんですよね…っ」

衛生兵の両袖をぎゅっと握りしめる魔道士は、その場に崩れ落ちた。
69 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:53:19.44 ID:IXLZKgko
〜大会議室〜

左翼長「……」

騎士団長「……」

騎士長「…もう一度…頼む」

参謀「…はい。此度の戦における損害は、魔王軍…軍団長始め全軍壊滅」

大軍師「……」

参謀「対して国軍は、死傷者は50名程度。召喚隊、死者1名。重軽傷数名…」

青龍士官「……」

参謀「ワーカー負傷者数名。1名……死亡です」

騎士長「……本当に…マジシャンが…」

大軍師「残念ですが…間違いありません…」

騎士長「はぁ!?マジシャンだぞ?あんな…殺しても死ななそうな…」

左翼長「んな事ぁ誰も信じたくねぇんだよ!でもなぁ、目の前で……」

大軍師「左翼長殿、落ち着きましょう…」

左翼長「……っ」
70 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:54:21.63 ID:IXLZKgko
騎士団長「それで、ひとまず戦いは終わったというのだな?」

参謀「ええ。損害から考えるに、魔王軍の再侵攻には時間を要するでしょう」

大軍師「結果としてみれば今回の戦果は非常に大きいものですね」

白虎長「……でも、失ったものも…大きいわ」

参謀「後続の援軍を出させなかったのは非常に大きかったですね」

騎士長「……」

左翼長「ごく僅かのワーカーが来たの最前線で魔王軍のルートを食い止めたらしい」

騎士団長「……ほぉ。道理で援軍が少数だったわけだ」

騎士長「ワーカーといや……アイツらは?」

参謀「医務室と自室にて休んでおります」

左翼長「気丈に振る舞っちゃいるがショックは大きいだろう。俺ら以上にな…」

騎士長「……そうか、そうだよな。まだ若い。感受性も豊かなんだろうな…」

左翼長「…今日中に戦後処理と司令部の修復、および村への防備を強化するぞ」

参謀「はっ。各員に指示致します」

左翼長「……では、解散。皆…ご苦労であった」
71 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:56:05.25 ID:IXLZKgko


召喚士「……」

戦士「……」

盗賊「…………」

カチャッ

召喚士「…あ、魔道士さん…っ!」

魔道士「……」

戦士「もう…大丈夫なのか…?」

魔道士はこくりと頷き、再び俯く。

盗賊「……魔道士」

戦士「盗賊」

盗賊「…ん?あ、ああ」

戦士「…ちょっくら医務室に行ってくる。盗賊の包帯も変えなきゃならんしな」

召喚士「あ…っ、うん…」

テクテクテク…パタン
72 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:57:14.74 ID:IXLZKgko
召喚士「……」

魔道士「…………」

テクテクテク

魔道士「召喚士……さぁん…っ」

ギュッ

召喚士「……魔道士さん」

魔道士「…本当に…マジシャンさん」

召喚士「……」

魔道士「だってついさっきまで…っ…」

召喚士「…魔道士さん、大丈夫です」

魔道士「……」

召喚士「マジシャンさんは…きっと生きてます。きっと…」

魔道士「…召喚士さん」

召喚士「そう簡単に死んだりする人じゃありません。きっと生きてます。だから……」

魔道士「……っ」
73 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 02:59:11.89 ID:IXLZKgko
テクテクテク…

戦士「……」

盗賊「……」

戦士「…お前は…大丈夫か?」

盗賊「……うん」

戦士「強がる事はねぇぞ。寝るなり食うなり…とにかく休め」

盗賊「…戦士こそ」

戦士「…ん、俺は平気だよ」

盗賊「……戦士」

戦士「悪いな。慰めてやれなくて…」

盗賊「……ううん。ありがとう」

カツカツカツ

戦士「……お」

大軍師「……これはすみません。お邪魔でしたかな?」

盗賊「あ、い…いやっ。……包帯…変えてくるっ」
74 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:00:20.29 ID:IXLZKgko
タッタッタッタッタ

大軍師「…これは失礼」

戦士「…いや」

大軍師「……北の村々は風通しがよくて、いい作物の産地になりそうです」

戦士「……そうか」

大軍師「…約束したんですよね。酒を醸造して…銘柄にお名前を拝借する…って」

戦士「……そ…うか」

大軍師「葡萄なんて頃あいで、ワインなど宜しいかななどと考えていました…」

戦士「…付けてやってくれ」

大軍師「……」

戦士「名前、付けてやってくれ。きっと帰ってくっから。飲みに…帰ってくっからさ…」

大軍師「…そうさせて頂くつもりです。……では、戦士殿もゆっくりお休み下さい」

カツカツカツカツ…

戦士「……きっと……帰ってくっから…さぁ…」

戦士はその場に蹲り、一目もはばからず大粒の涙を溢れさせた。
75 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:01:03.56 ID:IXLZKgko


召喚士「魔道士さん、涙を拭いて下さい」

魔道士「ひぐぅ……うっ…う…っ……」

召喚士「笑顔で待ちましょう。マジシャンさんの帰りを…」

魔道士「ひぐ…っ、も……少し……もう少しだけ…ぐっ…」

ギュウゥ

召喚士「……はい。でも…今だけですからね…今だけ……」

魔道士「…ふぐぅ……う…うぅ…っ」

召喚士「……っ」

抱きつく魔道士の頭を撫でながら天井を眺める召喚士。

魔道士の涙につられてか、召喚士の瞳からも涙がとめどなく流れる。

魔道士「うあぁ…っ…召喚士さぁん…!」

召喚士「……ぐ…っ」

魔道士「私……私…っ!うああぁぁ!!」

司令部の一室。しばらくの間二人の涙と鳴き声が空しく響き渡った。
76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:01:45.35 ID:IXLZKgko


騎士長「…もう引き揚げるのか?」

騎士団長「ええ、少なからずこちらも損害を受けておりますので」

青龍士官「……すみませんでした。色々と…」

騎士長「お前はよくやったよ。いいか…?」

青龍士官「……」

騎士長「失敗をただ引き摺るだけの者はそれで終わりだ」

白虎長「……」

騎士長「それを糧に…更なる先を歩む者が本当の強い者だ」

青龍士官「……はい」

騎士長「まだ若い、お前には次がある。同じ過ちを繰り返さなきゃ良い」

騎士団長「…変わりませんね。そういうところ」

騎士長「…あ?うるせぇ野郎だ、さっさと行け!」

騎士団長「…では。あ…そうそう」

騎士長「……?」
77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:02:17.79 ID:IXLZKgko
騎士団長「鉱山の街に腕の良い鍛冶屋がいます。元国軍の研究機関にいた…」

騎士長「それが何だよ」

騎士団長「腕の立つ鍛冶屋は、高性能の義肢も容易いでしょうね」

騎士長「……何が言いたい?」

騎士団長「やはり貴方は前線に立つべき方です。待ってますよ」

騎士長「……」

騎士団長「本部へ戻るぞ。進軍っ!」

白虎長「…召喚隊は貴方に任せるわ…行って。すぐに追うから」

青龍士官「…はっ。召喚隊、騎士団の後に続け…!」

パッカパッカパッカ…

白虎長「…北方司令」

左翼長「…?」

白虎長「あの男…次、また現れた時は……」

左翼長「一つ聞きたい」

白虎長「……」
78 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:02:45.53 ID:IXLZKgko
左翼長「…あれは白虎先生じゃないのか?」

騎士長「!?…まさか…だとすればそれは、白虎長の……」

白虎長「…ええ、おそらく……私の父です」

左翼長「……」

白虎長「……あの男の責任は私の責任でもあります。処罰は…」

左翼長「それとこれとは無関係だ。お前に罪はない」

騎士長「ああ。だが…すまんがもし、次に奴とやりあう時は……」

白虎長「…はい。討って下さい」

左翼長「……」

白虎長「悪魔に魂を売った者は…人間を捨てた…悪魔ですから」

騎士長「…いいんだな?」

白虎長は黙って頷く。

左翼長「…分かった。じゃあ…気を付けて戻れよ。怪我してんだろ?」

白虎長「お気遣い…痛み入ります」

一つ敬礼をすると、白虎長は馬に跨り、先行した兵らへと合流していった。
79 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:03:12.30 ID:IXLZKgko
騎士長「こんなんで本当に、五ヶ年計画は成就すんのかね」

左翼長「…さぁな。それは俺らの考える事じゃねぇさ」

騎士長「そりゃそうだが…」

左翼長「間もなく地獄の壁の最終工事も始まる」

騎士長「出丸にあたる村も無事だったしな。早急に進めんとまた荒らされるな…」

左翼長「軍事費にモタモタ手間取りやがって…っ。どうしようもねぇ連中だよ」

騎士長「魔王軍より厄介な敵だよ。戦場にも出た事ねぇ連中が…くそっ」

左翼長「……前線復帰しろよ。これからはもっと忙しくなる。俺一人じゃ手に追えん」

騎士長「……考えておくよ」

左翼長「…へっ」

左翼長は胸のポケットよりタバコを取りだし、火を点け煙をくゆらす。

スッ…

騎士長「…なんだ?まだ吸いかけじゃねーか。地面なんかに……」

左翼長「これはアイツの分だ。吸ってゆっくりしてぇだろうよ…」

土に突き立てられた煙草の煙が、白く空へと昇っていった。
80 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:03:40.49 ID:IXLZKgko


暗い森の奥、呼吸を荒げる影が這いずるように歩く。

ズズッ…

ネクロマンサー「…ハァ…ハァ……グ…ウゥ」

胸に突き刺さるクナイを苦しそうに押さえ、岩を背に倒れるように腰掛ける。

ザッザッザッザ…

ネクロマンサー「遅かった……ですね」

お父「…………」

北方司令「……」

ネクロマンサー「…ククッ…手痛くやられてしまいました…よ…っ」

お父がゆっくりと近づき、ネクロマンサーの胸に刺さるクナイを引き抜く。

ズブゥッ…ブシュッ!!

ネクロマンサー「クッ…アァ!!」

お父「……」

ネクロマンサー「…ハァハァ…ハァッ…ハァ…」
81 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:04:12.86 ID:IXLZKgko
カランッ…シュウウゥゥ…

北方司令「……」

ネクロマンサー「…その剣、まさか…」

北方司令「……」

ネクロマンサー「そうですか…。また…人形を一体失いましたか…ククッ」

お父「……」

ネクロマンサー「やってくれるじゃありませんか……召喚士クン」

北方司令「…ネクロマンサー様」

ネクロマンサー「必ず私の人形にして差し上げますよ。貴方達をね…ククッ!」

ザッ

ネクロマンサー「戻りましょう。ベルゼブブ様へ報告しなくてはね…」

お父「はっ」

北方司令「……」

ネクロマンサー「今回の劇は…主役ではなかった。認めましょう…クッククク!」

ババッ!!……シュウウゥゥン
82 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:04:46.61 ID:IXLZKgko
明朝…マジシャン戦死の悲報は、全土へ瞬く間に広がった…。

〜国軍本部〜

司令官「…そうか。再来の大魔道士が…ねぇ」

騎士団長「…はい」

副司令官「まさか…あれ程の者が。そうか…」



青龍先生「…分かった。下がれ」

青龍士官「…はっ。失礼致します」

青龍先生「…先に逝くとは。あの…馬鹿者めが…っ」



ガシャアァンッ

占い師「嘘…よ!だってそんな…予言にだって……」

白虎長「占い師…!?」

占い師「マジシャンが…そんな……は…ははっ!は…っ」

白虎長「占い師!?占い師っ!!」
83 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:05:15.37 ID:IXLZKgko
〜海峡〜

将軍「…馬鹿な!?そんなはずがなかろうっ!」

海峡兵「…し、しかし…確かな話です…っ」

将軍「…そんな…そんなはず……」

海峡兵「将軍……」

〜バーテンの店〜

バーテン「……」

パサッ

バーテンは新聞をテーブルに置き、静かに天を仰ぐ。

バーテン「……馬鹿野郎が。生き急ぎやがって…」

ドサッ

バーテン「方法なんて…幾らでもあったろうに……」

クシャッ

バーテン「ツケだって…溜めるだけ溜めて…。本当に馬鹿野郎だよ…」

カウンターの奥に置かれた赤ん坊を抱えるマジシャンの肖像画が、朝日に照らされた。
84 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:05:42.42 ID:IXLZKgko
〜北方司令部〜

戦士「……おはよう」

召喚士「…うん、おはよう」

戦士「寝れたか…?」

召喚士「……全然」

戦士「…だよな。俺もだ」

召喚士「……」

テクテクテク

魔道士「……」

召喚士「あ…おはようございます」

盗賊「……おはよう」

戦士「…飯、食うか?」

魔道士は首を横に振る。

召喚士「……」

戦士「…んじゃ、行くか」
85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:06:22.65 ID:IXLZKgko
盗賊「……うん」

召喚士「ひとまず本国に戻りましょうか」

魔道士「……はい」

カツカツカツ

左翼長「…もう行くのか?」

戦士「……おじさん。あぁ、戻るよ」

左翼長「…そうか。今回もご苦労だったな」

召喚士「…いえ、俺は……その…」

左翼長「なぁ、マジシャン…死んだと思うか?」

召喚士「…いえ。マジシャンさんはきっと…」

左翼長「じゃあ何を堕ち込む事がある」

魔道士「……」

左翼長「お前らは自分達の為すべき事をして、信じて待てばいいじゃねぇか」

盗賊「……うん」

左翼長「お前らの為すべき事は何だ?立ち止ってる暇はねぇぞ?」
86 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:07:08.03 ID:IXLZKgko
戦士「……ああ、分かってる」

左翼長「…何か…手助けが必要な時は言ってくれ。幾らでも手を貸してやる」

召喚士「……ありがとうございます」

左翼長「…気を付けてな。またな」

戦士「…おじさんも」

カツカツカツカツ…

盗賊「……行くか」

戦士「…だな。荷物取ってくるわ。正門にいてくれ」

召喚士「…行きましょう。魔道士さん」

魔道士「……はい」



戦士「…お待たせ。んじゃ行くか」

召喚士「…うん」

盗賊「…魔道士……行こう?」

魔道士「……はい」
87 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/26(日) 03:07:59.54 ID:IXLZKgko
テクテクテクテクテク

戦士「…まっすぐ…陸路で本国へ入るか?」

召喚士「…うん。あ…そうだ…」

盗賊「……?」

召喚士「…バーテンさんの所へ寄って行かないと」

戦士「…ああ、そうだな」

魔道士「……」

召喚士「……」

盗賊「……」

戦士「……」

テクテクテク

召喚士「マジシャンさん…早く帰って来るといいですね…」

魔道士「……ええ」

召喚士「……」

四人は北方司令部を離れ、バーテンの店へと向かった。
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 03:17:57.92 ID:vc.YEkAO
こんな時間に乙
いろいろ動きまくっていただけにマジシャンは影響力が半端ないな
占い師が気になる…
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/26(日) 03:25:04.47 ID:IXLZKgko
こんな時間に更新で申し訳ありません…
多分次あたりで二十二部も完です!!ではおやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

マジシャン「……どこだここは!?えぇと…確か川を渡って…」

短髪「ウェルカーム!ようこそ天国へ!!」

マジシャン「はぁ!?」

師匠「やっと来やがった!待ってたぜ…涅槃で手招きしてよぉ!!」

マジシャン「うげぇ!!て事は……」

師匠「ウェルカーム!ようこそ天国へ!!」

マジシャン「いやだああぁぁーっ!帰る!帰ーる!!」

魔剣士「ならばこちらへ…」

お父「……ようこそ」

北方司令「ウェルカーム」

マジシャン「こっちも嫌だああぁぁ!!」

ダッ!!

師匠「あっ、コラ!!逃げやがった!てめぇまだ死なねーつもりかっ!!」
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 04:58:33.90 ID:4EQ2icSO
おまけで復活フラグだと……
>>1
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/26(日) 05:19:37.17 ID:ujHkXBA0
1乙
コート男は人間なのかアンデッドなのか…
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 05:36:38.52 ID:5QI.1PYo
種なら!! 種なら爆発の中心でも生きていられるはずっ!!
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 07:17:15.12 ID:A4hNrwSO
>>92


宇宙でも生きてたからなぁ…
っていうかあれ基準にしたら何でもありだろ。
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 12:23:10.35 ID:mchnJ.oo
……あれ?師匠達死神に転職してね?
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 12:59:31.13 ID:rlBixx6P
>>94
寂しいんだろうよ
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 17:45:25.45 ID:eSS3doAO
師匠さんマジ天使
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 17:54:24.32 ID:gg8nn6DO
マジシャンが根暗マンサーに使われないように火葬しようぜ°・(ノД`)・°・
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 18:30:34.73 ID:yPk3aOYo
五行だから消えたんじゃないのか?
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 23:24:13.13 ID:42ELsB60
>>91
以前、戦士親子と対戦した時にハァハァ呼吸を乱して蹲ってたりしてたから
アンデッドじゃないんだろうな
100 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:09:08.16 ID:pFC3T6Mo
辺りは暗く染まり、あっという間に日没を迎える。

〜バーテンの店〜

バーテン「……」

カチャッ…チリチリン

バーテン「…すまんな。今日は休み……」

ガタッ

バーテン「……お前ら」

召喚士「……」

戦士「…ただいま」

召喚士「…あ、あの……」

バーテン「……」

魔道士「……」

バーテン「とにかく入って座んな。腹も減ってんだろ」

盗賊「…お邪魔します。…入ろ、魔道士?」

魔道士「……はい」
101 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:09:36.18 ID:pFC3T6Mo


コトッ

バーテン「…新聞で見たよ。まさか…だったな」

戦士「……」

召喚士「…すいませんでした。俺…」

バーテン「もし…自分達のせぢあと思ってんなら、それは筋違いだぞ」

召喚士「……」

バーテン「アイツとお前、どっちが強かったんだ?」

召喚士「それは…もちろんマジシャンさんです…」

バーテン「それにな、野郎は死に場所を選んだんだ」

魔道士「……」

バーテン「どうしても…ケジメ着けたかったんだよ」

召喚士「……」

バーテン「お前も薄々感じてたはずだ。そういう節があるって事…」

召喚士「……っ」
102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:10:04.31 ID:pFC3T6Mo


バーテン「なんか食うか?飯…ロクに食ってないんだろ?」

魔道士「……大丈夫です」

バーテン「そうか…。んじゃ、二階空いてっから…」

魔道士「…ありがとう…ございます」

テクテクテク…トントン…

バーテン「……ふー」

盗賊「……」

バーテン「ありゃ、相当滅入っちまってるな」

戦士「…ああ。流石に…目の前でなぁ……」

バーテン「お前らも無理すんなよ…?」

盗賊「…大丈夫」

バーテン「……強いな」

戦士「慣れちまってるだけさ…。悲しい事にな」

召喚士「……」
103 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:10:32.05 ID:pFC3T6Mo
バーテン「だがなぁ、いつまでもあのままじゃ…なぁ…」

召喚士「ええ…。ずっと考えてるんですが…なかなか…」

盗賊「……」

バーテン「……ま、とにかくお前らも休め。疲れたろう?」

戦士「すまねぇ」

バーテン「食い物と酒は適当に取ってつまんでくれ」

盗賊「…うん」

ガチャッ

召喚士「…どちらに?」

バーテン「裏手にいる。明日の仕込みだ」

召喚士「あ…手伝いましょうか……!?」

バーテン「いい、いい。休んでてく……そうか…っ!」

召喚士「…?」

バーテン「…すまん、やっぱ手伝ってくれ」

召喚士「えっ?あ…はい…!」
104 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:11:03.19 ID:pFC3T6Mo
……――

戦士「どうした!?」

船員「あっ、危険です!魔物が!」

魔導士「!?」

乗客「キャアァッ!」

召喚士「…クラーケン!!」

戦士「おい!客の避難をっ!」

船員「は、はいっ!」

盗賊「…でかい」

召喚士「強敵ですね(俺らに…やれるか?)」

タッタッタ

男「ほーコイツはデカイな…」

召喚士「!?」

男「お前ら一番乗りか?」

魔導士「…みたいです!」
105 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:11:31.07 ID:pFC3T6Mo
男「そうか。んじゃどうぞ」

召喚士「えっ?」

男「獲物は一番乗りのモンだ。じゃヨロシク」

盗賊「…」

召喚士「あ、あの…!」

男「…ん?」

召喚士「ちょっと手に負えない…というか」

戦士「くるぞっ!」

召喚士「援護頂けると…うわっ!」

ドスンッ!!

盗賊「…!」

男「倒せそうもねぇか。しゃーねぇ…」

魔導士「詠唱します!」

戦士「魔導士援護すんぞ!」

男「へー、お嬢ちゃんは魔導士か」
106 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:12:11.62 ID:pFC3T6Mo
盗賊「…ちっ!」

ザシュッ

盗賊「…硬い」

ズバッ

戦士「イカのくせに!かってぇ!」

召喚士「大丈夫か!?」

戦士「あぁ。動きは遅いが…硬い!」

盗賊「…」

スタスタ

男「さて…ちいっと下がってくれや」

キュイィィィン

男「はっ!!!」

ドンッ…ゴオォォォ!!

召喚士「でかい!」

戦士「うおっ!!」
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 00:12:33.98 ID:ZR4qzIAO
>>1

とうとうマジシャンも、マジシャンが倒したクラーケンの足入りカレーを食べる日が来たか
あれをリクして以来、いつかはこの日が来るんじゃないかと思っていたよ…


てかいつもの笑顔と持ち前の明るさで天使可愛い俺の魔道士ちゃんが、初期の盗賊ちゃんみたいな口調になっちゃったな…よっぽどショックなんだろうが…こんな時こそ画面にダイブして彼女を抱きしめられたら…と、3次元から抜け出せない自分の不甲斐なさに苛立ちをおぼえるよ
108 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:12:40.10 ID:pFC3T6Mo
クラーケン「グギャアァァ!」

バッシャアァン…

魔導士「凄い…一撃!?」

召喚士「(詠唱なんて…ほとんどなかったぞ?)」

戦士「おい、おっさん!」

男「ふーっ…ん?」戦士「助かっけど…危ねぇなぁ」

男「おいおい、だから下がれって言ったろ」

戦士「そりゃそうだが…撃つの早えぇよ!」

男「ハッハ!お前勘違いしてねーか?」

戦士「あ?」

男「ちんたらしてたらお前が海の藻屑になってたかもしれんぜ?」

盗賊「…」

男「それに…お前らそんな実力でクラーケンに挑むなんて…ハッハ!」

召喚士「(…確かに…そうだけど)」

男「度胸と観察力は評価してやるよ。ハッハ」
109 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:13:09.31 ID:pFC3T6Mo
魔導士「むー…」

男「でもなぁ…無謀と勇敢を履き違えるなよ?死ぬぜ?」

戦士「…ちっ!」

男「悲鳴に気付いたのは…誰だ?」

盗賊「…」

男「姉ちゃんか…まぁ大したモンだわ」

男「俺は褒めてんだぜ?お前らその若さでなかなかのモンだよ」

戦士「…そいつはどーも」

男「ま、頑張んな」

盗賊「…気配!!」

ザバアァァッ

クラーケン「グガァーッ!」

男「ちっ…しぶてぇ!」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

シュイィィン
110 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:13:39.80 ID:pFC3T6Mo
男「なに…!?」

シュッ…ドスッ!!

クラーケン「ギイィィィッ!」

ドシャッ…ズズズ…バシャァン

召喚士「ふー…」

魔導士「今度こそ…倒しましたね」

男「コカトリスの…毒か」

コカトリス「…」

男「…」

シュイィィン

盗賊「…気配なし」

戦士「おっさん、エラソーな事言って…トドメ刺してねーじゃねぇか!」

男「ハッハ、悪い悪い!」

魔導士「と、とにかく良かったですね!」

盗賊「…うむ」
111 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:14:07.07 ID:pFC3T6Mo
男「…トドメはそっちの兄ちゃんが刺したからな。手柄はくれてやるよ」

戦士「当たり前だっ!」

召喚士「あっ!いやいやでもほとんど貴方が…」

男「なぁ兄ちゃん?そのコカトリス」

召喚士「は、はい…?」

男「いや…若けぇのに凄げぇなってな」

召喚士「あ…これは師匠から受け継いで…」

男「…師匠。そーか…」

召喚士「…?」

男「おっと!酒が冷めちまう!じゃあなっ」

召喚士「あ!あのっ」

男「あ?」

召喚士「あ、ありがとうございました」

魔導士「ありがとうございました!」

盗賊「アリガトウゴザイマシタ」
112 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:14:34.62 ID:pFC3T6Mo
男「ハッハ!感謝されるのも悪かねぇな!」

召喚士「あの良かったらお名前を…」

男「俺か?俺は魔導士のマジシャンだ」

魔導士「詠唱とか…凄いですね!」

マジシャン「ハッハ。お嬢ちゃんも頑張んな」



戦士「腹立つヤローだな!」

魔導士「えー?いい人じゃないですかー」

召喚士「悪い人じゃなさそうですね。口は悪いけど…」

戦士「けっ…」

召喚士「(師匠みたいな人だな…)」

――……

ガバッ!!…ゴソッ

魔道士「…………」

カーテンの隙間から入る朝日の光。それを遮るように魔道士は再び布団の中へと潜った。
113 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:15:06.30 ID:pFC3T6Mo
カチャッ…チリチリン

戦士「…おう、早いな」

召喚士「おはよう、戦士こそ早いね。どこ行ってたの?」

戦士「ちょっと身体動かしにな。こんな時でもやっておかんと…鈍っちまう」

召喚士「そっか…」

戦士「バーテンさんと盗賊は?」

召喚士「あ、港まで魚を仕入れに行ったよ」

戦士「…て、事は」

召喚士「うん…。予定通りに……」

ガチャッ

バーテン「…おっ、調子はどうだ?」

召喚士「おはようございます。大丈夫です」

バーテン「…そうか」

盗賊「…これ、そこに置いとけばいい?」

バーテン「ああ、すまん。……嬢ちゃんはどうした?」
114 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:15:33.64 ID:pFC3T6Mo
召喚士「…まだ…寝ているようです」

戦士「起こしてくるか?」

バーテン「いや、放っておいてやれ」

盗賊「……」

戦士「…そう…だな」

バーテン「さーて、夕方から店を開けるぞ。仕込みを始めよう」

召喚士「はい」

戦士「んじゃ俺は酒の毒見でも…」

召喚士「ちょっと、戦士っ!?」

戦士「冗談だよ冗談!」

召喚士「……全く」

バーテン「…ふん、やっとらしくなってきたじゃねぇか」

盗賊「……全く」

召喚士「……は、ははっ」

戦士「…はははっ」
115 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:16:01.39 ID:pFC3T6Mo
〜夜〜

バーテン「……さぁ、忙しくなるぞ」

召喚士「来てくれると良いですけど……」

カチャッ…チリンチリン

盗賊「…あ、いらっしゃいませ」

青年「…本当に…あ、あの店員さんが…!?」

母親「…ほら、座りなさい」

娘「はーい!」

戦士「す…すっげぇ人数の客が……」

バーテン「なんだか…ファンが多いみてぇでな…」

召喚士「す…凄いですね……」

老人「おや…?いないではないか!?」

酒飲み「おいおい…嬢ちゃんはどこだ…?」

ワーカー「い、いや…でもあの娘もなかなか…!」

バーテン「…やれやれ」
116 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:16:29.74 ID:pFC3T6Mo
ワイワイ…ガヤガヤ

戦士「酒追加だっ!こっちこっち!!」

召喚士「ちょっと待って…!あ、これ先に…」

盗賊「…も、もう一度…お願いします」

バーテン「ほらよっ!次は!?」

ザワザワザワ…

魔道士「……」

モゾッ

魔道士「…何だろ…なんだか賑やか」

ワイワイワイ

魔道士「……?」

カチャッ…テクテクテク

魔道士「!?」

バーテン「…おう、悪い!手伝ってくれ…」

魔道士「あ…あの…っ」
117 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:16:57.33 ID:pFC3T6Mo
バーテン「人手が足りねぇんだ。顔洗って風呂入ってすぐ来てくれ!」

魔道士「あ、あの……でも…」

バーテン「急いで!!」

魔道士「は、はいっ!」



青年「あっ!!」

娘「お姉ちゃーん!」

母親「ほら…こんばんは、でしょ!」

魔道士「皆…さん……」

酒飲み「おぉ、やっと来たかぁ!待ってたぜ!!」

ワーカー「アンタのつまみがねーと、酒が進まねぇよ!」

魔道士「あ、あの……」

老人「こっちで酌して貰えんかのぅ?」

召喚士「魔道士さん、出来ますか…?」

魔道士「……は、はいっ」
118 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:17:35.29 ID:pFC3T6Mo


魔道士「お待たせしました!」

戦士「あいよっ!次…シーザーサラダにローストビ−フ!」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…ど、どうぞ」

トクトクッ

老人「…うぅむ。たまらんのぅ」

召喚士「…魔道士さん、卵焼きこっちに置いときますね!」

魔道士「ありがとうございます!あとは……」

バーテン「…何とかうまくいったみたいだな」

戦士「ああ。一時凌ぎかもしれんが…これで少しは気が晴れてくれんだろ」

テクテクテク

バーテン「お前のお陰さ」

召喚士「いや…バーテンさんのアイディアですよ」

バーテン「……へっ」
119 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:18:05.62 ID:pFC3T6Mo


魔道士「ありがとうございましたー!!」

娘「またねーっ!」

青年「つつ…次はいつ…会えますか!?」

バーテン「ほーら、もう店終いだ。さっさと出てくんな」

酒飲み「ツケで頼むわ!ガッハッハッハ!!」

バタンッ

戦士「…ふー、終わったぁ…」

盗賊「……凄かった」

召喚士「大繁盛でしたね!」

バーテン「嬢ちゃんのお陰さ。ありがとな」

魔道士「い、いえ…っ。私は…別に……」

召喚士「魔道士さん、お腹…空きません?」

魔道士「え?…あ、す…少し…」

召喚士「…はい、どうぞ」
120 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:18:33.42 ID:pFC3T6Mo
コトッ

魔道士「!?」

召喚士「魔道士さんの好きな…ペスカトーレです」

魔道士「…召喚士さん…っ」

召喚士「二回目だから…前よりはマシだと思います」

魔道士「…わざわざ、ありがとうございます」

バーテン「やっぱり嬢ちゃんは…笑顔が似合う」

戦士「…だな。お前の馬鹿笑いがないと味気ないもんな…」

魔道士「…馬鹿笑いって…もうっ」

盗賊「…ふふっ」

召喚士「はははっ」

魔道士「ちょ、ちょっと!笑わないで下さいっ!」

戦士「あはははは!!」

バーテン「……へっ」

魔道士「も、もう…っ!みんなして……えへへ!」
121 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:19:13.39 ID:pFC3T6Mo


魔道士「召喚士さん」

召喚士「…はい?」

魔道士「ありがとうございました。色々と…」

召喚士「……?」

魔道士「…私、もう…大丈夫ですから……」

召喚士「…はい」

魔道士「生きてますよね。きっと…帰って来ますよね…!?」

召喚士「…勿論です。だから…信じましょう。…笑顔で待ちましょう」

魔道士「……はいっ」

召喚士「お疲れ様でした。今日はもう休みましょうか」

魔道士「はいっ。召喚士さんもお疲れ様でした!」

召喚士「…ははっ!」

魔道士「ふふっ…えへへ!!」

静寂を取り戻したバーテンの店は再び朝を迎えた。
122 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:19:42.11 ID:pFC3T6Mo
トントントン…

バーテン「…おはよう。早いな」

魔道士「あ、おはようございます!」

バーテン「ん?どっか行くのか…?」

魔道士「ええ…ちょっと出かけてきます」

バーテン「他の奴らには…」

魔道士「すぐ…戻りますから。行ってきます!」

バーテン「お、おう…気を付けてな」

ガチャッ…バタンッ

魔道士「……」

テクテクテクテク…

魔道士は一人バーテンの店を後にし、ふもとの山へと登る。

魔道士「…んしょ……ふぅ…っ」

テクテクテク

やがてしばらく登ると、魔道士にとってなじみのある建物が見え始めた。
123 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:20:10.50 ID:pFC3T6Mo
〜マジシャンの別荘〜

魔道士「…着いたぁ」

カヤカチャッ…ガチャッ

魔道士「…お邪魔しまーす」

テクテク…

魔道士「ちょっと…埃溜まっちゃってるなぁ」

トスッ

魔道士「…よしっ!お掃除開始!!」



魔道士「……ん、こんなところかなぁ」

テクテクテク

魔道士「……」

魔道士はテーブル上の小さな肖像画を手に取る。

魔道士「……」

笑顔の親子が描かれた、マジシャンと赤ん坊の肖像画である。
124 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 00:20:39.65 ID:pFC3T6Mo
魔道士「…マジシャンさん」

コトッ

魔道士「…ここに来れば…マジシャンさんに会えるような…そんな気がして…」

――「……ハッハ!!」

魔道士「…え…っ?」

クルッ…バッ!!

魔道士「マ……マジシャン…さんっ!?」

逆光に照らされ、ドアの前に立つ一人の男。ゆっくりとマジシャンに近づく。

――「…いかにも。それで…君は?」

魔道士「あ…ま、魔道士・・ですけど…っ」

――「魔道士…良い名だ。それに…」

サワサワッ

魔道士「きゃっ!!」

――「おっと失礼。改めて…俺はマジシャン。マジシャン……ジュニアだ」

魔道士「マジシャンジュニア…。えぇ…っ!?ジ…ジュニア!?」

ジュニア「…いかにも!ハッハ!!」



〜第二十二部、完〜
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 00:26:42.53 ID:ZR4qzIAO
ぶるぁあああああああああああアアァァァァァアアアア
ぶ、ぶるぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁおああああああ

何という終わり方…興奮が最高潮にMAXにhighだ!!!!
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 00:27:43.92 ID:pFC3T6Mo
こんばんは!これで二十二部も完です!
ご支援ありがとうございました!それではおやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

朱雀嬢「…あら?どうしたの?」

玄武娘「あ、朱雀嬢ちゃん。これ……」

朱雀嬢「新聞?えぇっと……」

玄武娘「なんだかまた…大っきな戦いで死んでしまった人がいるみたいですの…」

朱雀嬢「…全く、嫌ですわねぇ」

玄武娘「なんだか私…怖くなってきましたの……」

朱雀嬢「…あら、それなら帰る?」

玄武娘「か、帰るのは嫌ですの!」

朱雀嬢「じゃあ頑張りましょう。私達ならそう簡単にやられたりしませんわっ!」

玄武娘「そ…そうですのっ!サモナー様に会うまで…絶対に諦めませんの!」

朱雀嬢「……行きましょ。お腹空きましたわ」

玄武娘「はいですの!っていうか…ここ、どこですの…?」

朱雀嬢「…さぁ?」
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 00:40:49.48 ID:9OE3icQo
マジシャンがピッコロ大魔王になったでござる
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 00:51:15.91 ID:vHR./gSO

召喚士に強力なライバル登場だな
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 01:18:22.14 ID:dTWsSW.o
とりあえずジュニア死刑確定な
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 02:00:09.83 ID:xCqQziU0
真っ先に千原ジュニアが浮かんだ・・・
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 02:25:18.09 ID:bkgDdlE0
1乙
あの5行のクナイ、ネクロマンサーにささりっぱなしだったんだ
絶対に悪用されるよね
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 02:58:43.16 ID:aMmN34I0
お疲れすぎる。最後のほう早く終わらせようとしたのかちょっと走り気味なのがもったいなかった。
でも凄い引き込まれた。色々聞くのは明日か…楽しみだ。
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 03:03:24.00 ID:ikqy0swo
ジュニア遂に登場したな
「いかにも」のせいで青龍先生クラスのご老体の印象だけど
何歳位なのかな?
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 03:59:12.34 ID:bkgDdlE0
>>133
二十部で28歳って言ってたよ
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 04:18:04.09 ID:ceZ7h6SO
マジュニアでいいよ
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 04:36:20.33 ID:ion9PESO
マニアでいいよ
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 05:22:48.07 ID:laDHy4so
何気に功績ランク3位がマジシャンジュニアだったのか…
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 05:26:03.55 ID:tymluEDO
マジシャンのまんまでオマケ読んでるのかと思ったw
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 11:32:10.50 ID:pYKjaAAO
ジュニアのジュニアが魔道士n(ry
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 14:25:14.90 ID:vnHohoDO
魔道士NTRフラグ
141 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:48:19.90 ID:U36dZdco
〜国軍本部〜

白虎長「え…今、なんて……」

占い師「…だから…分からないのよ…っ」

白虎長「……っ」

占い師「予言が…未来が分からなくなっちゃったのよぉ!」

白虎長「……貴方」

ガシッ

占い師「ねぇ!私…どうしたら…っ」

白虎長「占い師……」

占い師「私…どうしたらいいのよ…っ!」

白虎長「……しっかりして!貴方の問題でしょうっ!?」

占い師「……」

白虎長「冷たい言い方かもしれないけど…貴方自身の事でしょう!?」

占い師「…もう…何も分からないの。何も…分からないのよっ!」

白虎長「……っ」
142 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:49:02.84 ID:U36dZdco

マジシャンの死は、各方面に伝えられ悲しき影を落とす。

馴染みのある者は元より、その大きすぎる名声の為か、

国民中、果ては他国の一部においても、その悲報に落胆した…。



召喚士「行けっ!コカトリス!!」
    
     〜第二十三部〜
143 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:49:53.72 ID:U36dZdco
〜本国〜

パカラッパカラッ…ドドォ

衛兵「ご苦労様です!」

一人の衛兵が開ける馬車の扉から、羽扇の先がひらりと顔を出す。

大軍師「…どうも」

〜大広間〜

ガチャッ…ギイィ…カツカツカツ

皇太子「立たずとも良い。待たせて済まないな」

大軍師「いえいえ」

一同はほぼ同時に椅子を引き、腰掛け始める。

青年兵「今回も色々と大変のようでしたね…」

エリート「なんでも…再来の大魔道士が逝ったとか…」

大軍師「…はい。しかしながら功績はめざましく…」

皇太子「……」

大軍師「ワーカー1名に対し、軍団長及びアンデッドタイプの人間1名…」
144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:50:36.69 ID:U36dZdco
エリート「更には1個中隊クラスの魔王軍…か」

大軍師「…まぁ、マジシャン殿一人で大隊クラスとも謳われていましたがね…」

皇太子「それもあるが…士気の問題が大きいな」

青年兵「ええ…」

皇太子「それで、占い師の様子はどうなのだ?」

大軍師「私もつい先程本国へ戻ったばかりでして…詳細は…」

皇太子「……そうか」

エリート「しかし、これはまずい事となったぞ…」

大軍師「どうなさるのですか…?」

皇太子「…五ヵ年計画か?」

大軍師「占い師殿の予言に基づき行動して参りましたが…」

青年兵「それがなくては、動くに動けませんね…」

エリート「しかしだな、ここで中断するわけにもいかないのが現状…」

皇太子「……」

大軍師「それは司令官も同様のご意見でした」
145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:51:07.28 ID:U36dZdco
皇太子「予言では…次の日蝕こそが、魔王を討伐できる好機なのだ」

青年兵「……」

皇太子「最も損害が少なく、七人もの魔王を一度に打ち倒せる好機なのだ…っ!」

大軍師「このまま…続行で宜しいのですね?」

エリート「今更中断するわけにもいかんだろう。戻る道は最早ないのだ」

大軍師「確かに…。これまでとは違い、やや消耗が大きすぎますね…」

皇太子「むざむざとサタンやパズズの復活を見過ごすわけにはならん」

青年兵「そうなれば…更に激しい戦いが強いられますからね…」

大軍師「ともかく、占い師殿の早急な回復を祈るしかありませんな…」

エリート「あとは…」

大軍師「左大臣派の連中を…どう押し込めるか…」

皇太子「それはこちらで引き受ける。大軍師は国軍内をうまく纏めてくれ」

大軍師「…畏まりました」

皇太子「互いに苦しい立場であるが、同じ志を持つ者として…頼むぞ!」

大軍師「心得ております。ふふっ」
146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:51:38.88 ID:U36dZdco
〜マジシャンの別荘〜

魔道士「ジュニアさん…って!?あ…あのっ、マジシャンさんの息子…」

ジュニア「ああ…そうだ。ま、そう言っても顔を合わせた事はないがな…ハッハ」

ジュニアはテーブル上の肖像画を手に取り、魔道士へ笑顔を見せる。

魔道士(笑い方とか…目元とかソックリ……)

ジュニア「それで、魔道士ちゃんは何者?まさか……」

魔道士「……!?」

ジュニア「養母…」

魔道士「違いますっ!!」

ジュニア「ハッハ!冗談だよジョーダン!」

魔道士「…もうっ」

ジュニア「しっかし…まさかこんな所があったとはなぁ。盲点だったわ…」

魔道士「マジシャンさんの…別荘のようです…」

ジュニア「ふぅん。それで魔道士ちゃんは親父の仲間ってとこかい?」

魔道士「あ、え…えぇっと……」
147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:52:53.39 ID:U36dZdco


ジュニア「…へぇ、なるほどなぁ。師弟に近しい関係なわけだ」

魔道士「そういう事になります…」

ジュニア「……そっかぁ」

魔道士「……あ、あの…っ」

ジュニア「んー?」

魔道士「マジシャンさん……その…」

ジュニア「…ああ、知ってるよ。死んだんだろ?国中大騒ぎだよ」

魔道士「……っ」

ジュニア「…ま、お陰でこの場所を知ったってワケなんだがね。…ハッハ」

魔道士「そう…だったんですか……」

ジュニア「…何か、言いたげだねぇ」

魔道士「…私が…もっとしっかり、魔法とかちゃんと出来て…その…」

ジュニア「魔道士ちゃんのせいじゃないんじゃない?」

魔道士「…で、でもっ」
148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:54:23.44 ID:U36dZdco
ジュニア「確かにキミはその場に居合わせた。でも…それだけだ」

魔道士「……」

ジュニア「居ようが居まいが親父は死んでた。間違いなく…な」

魔道士「…ジュニアさん」

ジュニア「おっ!名前で呼んでくれたねぇ!ハッハ!」

魔道士「……」

ジュニア「いくら気にしたって死んだ人間は帰って来ない」

魔道士「…っ」

ジュニア「頭切り替えて、前向きに行こうや。ハッハ!」

魔道士「……は…い」

ジュニア「…んー腹が減った。どこかに良い食事処ないかな?」

魔道士「えっ?あ…それなら……」

ジュニア「知ってる!?よし、そんじゃあ行こう!今から行こう!出発ーっ!」

魔道士「ちょ、ちょっと…っ!え…!?」

ジュニア「善は急げ!腹が減っては戦は出来ぬ!ハッハッハ!!」
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:56:43.04 ID:U36dZdco


ジュニア「おーっ、夕焼けが綺麗だねぇ」

魔道士「え、あ…はいっ」

二人は別荘を後にし、下山をまもなく終えようとしていた。

魔道士「あ、あの…ジュニアさん…」

ジュニア「んー?」

魔道士「ジュニアさんは…マジシャンさんとお会いになった事は…」

ジュニア「さっきも言ったけど、物心ついてからは一回もないよ」

魔道士「…そう…ですか」

ジュニア「別に会う気もなかったしねぇ」

魔道士「そう…なんですか?」

ジュニア「だってよ、こっちからしたら捨てられた身だぜ?会う気にもならんよ」

魔道士「…でも、マジシャンさんに限って。きっと何か事情が…」

ジュニア「あったんだろうね。それでも…捨てた事にゃ変わらないよ」

魔道士「……」
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:58:05.37 ID:U36dZdco
〜バーテンの店〜

召喚士「魔道士さん…遅いですね」

戦士「…心配か?」

召喚士「そ、そりゃ心配だよ。戦士は心配じゃないの?」

戦士「いや…心配だけどそういう事じゃなくてだな…」

召喚士「…どういう事?」

戦士「だーかーらー」

バーテン「おら、くっ喋ってないで手伝え!今日からはタダ飯じゃないぞ?」

戦士「へーい」

召喚士「……」

カチャッ…チリチリン

魔道士「ただいま帰りましたー」

盗賊「…あ、おかえり」

召喚士「おかえりなさいっ!……あれ?」

ジュニア「お邪魔しまーす。おぉ!なかなかの雰囲気!ハッハ!」
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 17:59:34.36 ID:U36dZdco
召喚士「…なんか…どこかで見た事あるような」

戦士「誰だアンタ?」

ジュニア「おー、俺の名はジュニア。ヨロシクな!ハッハ!」

戦士「ジュニア!?まさか…功績ランク三位の…!?」

召喚士「ジュニアさん…!?」

ジュニア「おや?俺も有名になったもんだなぁ。ハッハ!」

魔道士「それだけじゃありませんよ…」

盗賊「……?」

魔道士「ジュニアさんは…」

ジュニア「あぁ…自分で言うよ。本名はマジシャンジュニア…だ」

召喚士「マジシャン…って!?つ、つまり……」

盗賊「…マジシャンの…息子!?」

ジュニア「そういう事になるかな!」

ガタッ

バーテン「……ほ、本当なのか…っ!?」
152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 18:00:56.73 ID:U36dZdco
ジュニア「…?」

魔道士「とと、とにかく…座りましょうか!」

ジュニア「おう、そうだなぁ」

魔道士「すぐ…飲み物持ってきますから!」

召喚士「あ、手伝いま…」

魔道士「大丈夫ですっ!」

タッタッタッタ

ジュニア「…ふー、よっこいしょ…っと」

戦士「まさか功績三位がオッサンの息子だったとはなぁ…」

バーテン「…そうかぁ、お前が。随分立派になったなぁ」

ジュニア「…ん?俺の事知ってんのか?」

バーテン「…会ったのはまだ、お前が赤ん坊の頃だがな」

バーテンはカウンターからマジシャンと赤ん坊の肖像画を持ち、ジュニアに手渡す。

ジュニア「…ほー。それはお久し振りです」

バーテン「へっ!しかし…親父ソックリになっちまってまぁ……」
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 18:17:52.90 ID:ZR4qzIAO
>>1


ジュニアの登場…嬉しいんだか恋敵が増えて悲しいんだか
でも功績2位があんな散り方じゃあ3位とて危ういな
154 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 18:26:00.61 ID:U36dZdco
コトッ

魔道士「どうぞっ」

ジュニア「おっ、サンキュッ!」

魔道士「召喚士さんもどうぞっ!」

召喚士「ありがとうございます」

ジュニア「いやしかし…こんな若い連中がなぁ…」

戦士「自分だってそんな変わらんでしょうよ」

ジュニア「そりゃそうだが、あの名高き朱雀先生だぜ?驚きだよ…!」

召喚士「ジュニアさんこそ、その若さで功績三位だなんて凄いじゃないですか!」

ジュニア「んーまぁ特殊な任務してっからかねぇ…ハッハ」

盗賊「…特殊?」

ジュニア「そ。モチロン戦ったりもするけど、裏方のが多いからねぇ」

バーテン「…もしや、竜脈絡みのアレか!?」

ジュニア「ご名答!でも…国家機密なんでこれ以上は言えませーん」

召喚士(…竜脈?何か…機密で動いているのか…?)
155 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/27(月) 18:29:58.57 ID:U36dZdco
バーテン「マジシャンの所在なんてすぐ分かったろうに…。なんで会わなかった?」

ジュニア「…別にこっちから会う事もないしなぁ」

盗賊「……」

ジュニア「あ、モチロン向こうから来たら会うつもりだったぜ?」

バーテン「…ったく、親父も親父なら息子も息子だわな」

バーテンは呆れ顔でタバコに火を付けた。

召喚士「じゃあ…そろそろ食事にしましょうか」

ジュニア「おう!そうしようそうしよう!腹減ってぶっ倒れそうだわ…」

盗賊「……同意」

魔道士「じゃあ、すぐに準備してきますね!」

バーテン「おいおい、客の事も忘れんなよ!?」

戦士「げぇ!?今日も手伝い…?」

バーテン「当たり前だ、タダ飯は食わさねぇってさっき言ったろ?」

戦士「ちぇっ、まだ働かせるのかよー」

召喚士「ははっ!さぁみんな、頑張ろう!」
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/27(月) 18:32:49.54 ID:U36dZdco
こんばんは!二十三部スタートです!
ドタバタシーンは落ち着いたのでしばらくはマッタリシーンで…
本日もご支援ありがとうございました!それでは!ノシ

>>131
抜いた時に消滅しました

>>132
確かに無駄を省こうと走ってしまいました…反省…
凄くありがたい書き込みです!感謝!
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 18:41:26.35 ID:tymluEDO
>>1
過去編楽しみにしてる
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 19:35:35.75 ID:BKGUuW20
1乙
でも内部に敵をかかえて魔王討伐とか
はっきり言って夢のまた夢だよね
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 23:39:54.55 ID:xCqQziU0
>抜いた時に消滅しました

///
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/28(火) 00:04:16.57 ID:FPlwIUDO
最近、魔法や召喚獣の五行連発で、戦闘がハデになってきたよな!

ただ、いくら敵が強くても、五行に頼りすぎじゃないか?伯爵に魔導士やられてぶちギレた召喚士は、覚醒したってより無謀なだけな気もしたし…


盗賊は、兄のクナイで活躍したってのに、戦士のゾディアックはいつ集まるんだ?
いや、斧もまだ火の石しか装備されていないし、女とばっかフラグ立てていいのか?


23部は、日常パートだって言ってたのに蒸し返すような発言ですまん…。
>>1乙!毎日欠かさず見てるぜ!
完結まで頑張って下さい!
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 00:15:52.62 ID:H6OTm6AO
逆に考えるんだ

魔王や魔族上位クラスになると、単属性じゃ倒しきれない。

そこまでヤバい奴らを毎度相手に出来るまでに成長したんだよ俺は
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 00:25:43.69 ID:4recokQo
お前誰だよww
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 00:26:20.42 ID:t4x9Ldwo
>>161
おまえすげえな
俺たちにできないことを平然とやってのける!そこにしびれるあこがれるぅ!
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 00:43:57.85 ID:fBzS1EAO
マジシャン親子と戦士親子はどっちが強いのか気になる
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/28(火) 04:29:04.75 ID:VTuryoSO
ジュニア「ホラホラハラがすいたのか!?」
ジュニア「マイケルにプリンスがっつくんじゃあないぞッ!」

魔導士「何者なんですかっ!」
戦士「あのうしろ姿はッ!まさかッあの男はっ!」
バーテン「待て!」
バーテン「俺が話をする、みんなここにいてくれい……」
〜色々あって〜

魔導士「マジシャンさん!」
マジシャン「YES I AM!」




こんな展開なら良いのに……
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/28(火) 07:20:03.35 ID:FPlwIUDO
>>161

成る程。お前が召喚士だったのか。
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 10:40:41.83 ID:ypG7PkAO
ネットに精通する召喚士△
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 10:50:05.25 ID:Knesm3UP
>>167
召喚士「出来る事なら画面の中にダイブして魔道士ちゃんを慰めてあげたいよ」
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 14:15:34.06 ID:wegeu0Ao
マジシャン「五行の力で若返った」「魔導師ちゃんちゅっちゅしようかwwwwww」



ハッピーエンド
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/28(火) 15:26:50.84 ID:lir/Wjg0
俺の中でマジシャンはホランドのイメージだったんだが・・・
なんかジュニアのほうがホランドっぽいなww
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 16:14:32.09 ID:8rGKebM0
>>168
オマエノシワザダタノカ
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/28(火) 17:23:13.51 ID:8prk0IDO
マタダマサレタナ
173 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 17:56:16.26 ID:X68ZLiQo
窓には闇に包まれた街並みが映し出され、バーテンの店は瞬く間に賑わいを見せた。

ザワザワザワ…ガヤガヤッ

盗賊「…え、えっとぉ…カルボナーラと…サーモンのムニエルを」

魔道士「了解でっ!あ、盗賊さんそれ持っていって下さい!」

召喚士「やばっ、ワイン切れた…」

戦士「俺が取ってくる!バーテンさん、裏手の樽でいいんだよな?」

バーテン「ああ」

ジュニア「…おお賑わいだねぇ」

バーテン「手伝わんならカウンターの隅にいろ」

ジュニア「…へいへい」

休む暇もなく目まぐるしい時間は過ぎさり、閉店の看板と同時に静けさが戻る。

戦士「……あーきっつぅ」

盗賊「……ほんと…しんどい」

召喚士「…お疲れ様でした」

魔道士「お疲れ様でしたっ!えへへ!!」
174 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 17:57:04.38 ID:X68ZLiQo
ジュニア「いや凄かったねぇ。この店流行ってるのね」

バーテン「いんや、こいつらがいる時だけだ」

ジュニア「そーなの?」

戦士「魔道士の手料理目当てで賑わってんだとさ」

ジュニア「へぇ、魔道士ちゃんと結婚する相手は…幸せモンだなぁ」

戦士「…だなぁ」

盗賊「…だなぁ」

召喚士「な、なんですか…っ!?」

バーテン「あぁ、そうだ。これ……」

ジュニアはウィスキーのグラスを片手に、バーテンより紙切れを受け取る。

ジュニア「何これ…うわ、すっげぇ金額……」

バーテン「お前の親父のツケだ。払ってくれ」

ジュニア「ブフッ!…ゴホゴホッ!こ、こんなん知るかよっ!」

バーテン「マジシャンがいねーんだから息子のお前が払う。これは当然だろ」

ジュニア「…そ、そんなもん相続破棄だ!破棄っ!」
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 17:59:10.97 ID:X68ZLiQo


戦士「風呂沸いたぞー」

バーテン「だってよ。ほれ、行って来い」

魔道士「はぁい!行きましょっ、盗賊さん!」

盗賊「…う、うん。行ってきます」

バーテン「良かったな。笑顔が戻って」

召喚士「…本当ですね」

戦士「何だかんだでアイツはパーティーのムードメーカーだからな」

ジュニア「……」

バーテン「…お前は…良かったのか?」

ジュニア「…?」

バーテン「今となっちゃどうしようもねぇが、会わなくて良かったのか?」

ジュニア「…うーん、どうなんだろうなぁ」

召喚士「……」

ジュニア「別に実感ねぇし、まぁ…ちょっとだけ後悔?みたいな」
176 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 17:59:57.34 ID:X68ZLiQo
戦士「……」

ジュニア「どうせ会ったって互いに気まずいだけだって!ハッハ」

バーテン「…まぁな。アイツ自身も会う気はなかったみたいだしな」

ジュニア「だろ?そんなもんだって」

召喚士「まだ可能性は0じゃないですよ」

戦士「…?」

召喚士「だって…だってまだ、生きているかもしれないじゃないですか」

ジュニア「でもよ、五行で消えたんだろ?」

召喚士「確かに…でも、その…死体があったわけでもなく…」

バーテン「……」

召喚士「師匠の時みたいに…看取ったわけでもなく……」

戦士「召喚士…」

バーテン「だったら確認すりゃいいじゃねぇか」

召喚士「……え?」

バーテン「いんだろ。人の生死が読めちまう奴が…よ」
177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 18:00:36.31 ID:X68ZLiQo
召喚士「…そ、そうか…っ!!」

戦士「…?」

ジュニア「あとはその現場に行って、遺体でも引き上げたら?」

戦士「あ、ああ…」

召喚士「ただ、今は土砂がひどくて立ち入り禁止に…」

ジュニア「国軍の管理下だろ?どうとでもなるさ」

戦士「そうだよな…。せめて俺達の手で…弔ってやらないと」

召喚士「……」

テクテクテク…カチャッ

魔道士「お待たせしました!どうぞっ!」

盗賊「…どうぞ」

ジュニア「うぅーん、いい匂い…」

バーテン「ほれ、順番に済ませてこい」

召喚士「あ、お先にどうぞ」

ジュニア「じゃあ、お言葉に甘えて…んしょっと」
178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 18:02:32.41 ID:X68ZLiQo


風呂を済ませた召喚士は店の裏手で夜風に当たる。

召喚士「……ふー」

テクテクテク

召喚士「…あれ?」

タッタッタ

召喚士「……ジュニアさん」

ジュニア「…おーう、召喚士クンも一杯飲むかい?」

召喚士「あ、じゃ…じゃあ頂きます」

ジュニア「乾杯〜!風呂上りの一杯は最高だね…ハッハ!」

チィン…ゴクゴクッ

召喚士「……っはぁ!本当ですね…ははっ!」

ジュニア「風も心地良いし…久々だなぁ、こういうのは…」

召喚士「…ジュニアさんは、普段どちらにいらっしゃるんですか?」

ジュニア「…んー知りたい?」
179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 18:03:47.55 ID:X68ZLiQo
召喚士「…え、ええ」

ジュニア「あんま深い事は言えないけどね…ココ」

ジュニアは地面を指差し、ニッコリと笑う。

召喚士「え…?ここって……!?」

ジュニア「酷い時にゃ一週間ぐらい篭ってる時もある…」

召喚士「そ、そんなに…ですか!?」

ジュニア「そ。モグラも顔負けってね…ハッハ」

召喚士「そうだったんですね…」

ジュニア「お陰で功績は勝手に溜まる一方ってわけ」

召喚士「大変な仕事ですね」

ジュニア「役割分担さ。別に最前線で戦ってるだけがワーカーじゃないって事よ」

召喚士「……ええ」

ジュニア「いくら強くたって…死んじまったら全ておしまいさ」

召喚士「……」

ジュニア「召喚士クンもそう思わないかい?」
180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 18:07:24.44 ID:X68ZLiQo
召喚士「……確かに…そうだと思います」

ジュニア「……」

召喚士「今回もそうですけど、ここ最近の戦いで…改めて恐ろしさを知りました」

ジュニア「…恐ろしさ」

召喚士「はい。魔王軍もですが、五行の強大すぎる力…」

ジュニア「…ああ、手加減したって死ぬかもしれないんだ。易々と使うもんじゃないよ」

召喚士「やっと青龍先生の仰ってた意味が分かってきました…」

ジュニア「青龍先生…国軍召喚隊の…?」

召喚士「自己犠牲の上に成り立つ勝利なんて…その場だけですよ」

ジュニア「……」

召喚士「死して悲しむ人がいる限り…真の平和だなんて…」

ジュニア「平和って何だろうなぁ」

召喚士「……」

ジュニア「魔王を倒したその先に、平和があるのかねぇ」

召喚士「…いえ、きっとそこがスタートなんですよ。きっと…」
181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 18:08:21.93 ID:X68ZLiQo
ジュニア「……うぉっと、冷えてきたな」

召喚士「あ…そうですね。結構経ってしまいました」

ジュニア「店に戻ろうかね」

召喚士「はい」

テクテク…ピタッ

召喚士「あの、ジュニアさん」

ジュニア「んー?」

召喚士「良かったら、一緒に行きませんか?」

ジュニア「…?」

召喚士「マジシャンさんの…その、最北の村へ…」

ジュニア「あぁ、遺体捜索?」

召喚士「……えぇ」

ジュニア「うーん、そうだなぁ。そう長々とは休めないんだよなぁ…」

召喚士「……」

ジュニア「最近メンバーが一人抜けちまってさ。穴開けると結構シンドイのよ」
182 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 18:08:56.46 ID:X68ZLiQo
召喚士「…そう…ですか」

ジュニア「でも…ま、いいか」

召喚士「!?」

ジュニア「いちおう肉親の事だし、忌引って事で…」

召喚士「そ、そうですよっ!」

ジュニア「そう…そうだよね!ハッハ!」

召喚士「はははっ!」

テクテクテク…カチャッ…チリチリン

戦士「…?なんだ馬鹿笑いして」

盗賊「……?」

召喚士「…明日、行きましょう!」

魔道士「へ…っ?」

召喚士「最北の村へ…!」

戦士「最北って……まさか、オッサンを…!?」

召喚士「うん!」
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 18:10:26.21 ID:H6OTm6AO
>>1

一時はどうなるかと心配で心配で仕方なかったが、どうやらジュニアは恋のライバルにはならない空気だな…良かった良かった
これであと残るは王子とエリートと召還士くらいだな
早く戦争になぁ〜れっ!
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/28(火) 18:14:35.00 ID:X68ZLiQo
順調だったのですがいきなり仕事が…抜けます
ご支援感謝!それではまた!ノシ
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/28(火) 19:08:10.46 ID:FPlwIUDO
>>1乙!

五行連発してたのは、まだその恐ろしさを実感してなかったからか。
すっきりしたぜ!ありがとう!
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 19:08:34.20 ID:4MU1M6s0
>>1乙!

召喚士の「うん!」が出るたびに俺の中の何かが崩壊していく
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 19:42:17.18 ID:t4x9Ldwo
>>1乙

そして女装召喚士は俺の嫁だからな?
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 19:53:26.23 ID:7/zqXes0
召喚子はいただいた
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 20:21:31.98 ID:33K23PEo
召喚子なら俺の横で寝てるけど?
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 20:38:27.94 ID:8rGKebM0
召喚子なら俺の横で恥ずかしそうにもじもじしてるぜ
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 21:07:55.39 ID:ltSYccDO
お前らがそうしてる間に占い師ちゃんはいただいていくぜ

この流れは無駄にレス消費するだけだな、すまん
192 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 23:28:35.66 ID:4ZLFVpAo
バーテン「そんならまずは本国へ行った方がいいだろうな」

魔道士「本国…ですか?」

召喚士「占い師さんですよ。あの人ならマジシャンさんの……」

魔道士「…あっ」

バーテン「行って無駄足になるよかは……おっと…」

魔道士「……」

バーテン「すまん。悪気があったわけじゃねぇんだ」

魔道士「…いえ。大丈夫ですから…っ」

盗賊「……」

召喚士「そうですね。ずは国軍本部に向かい、占い師さんに会ってみましょうか」

戦士「そうだな…しかし……」

ジュニア「だったらその間に、俺は仕事の都合を付けてこようかね」

召喚士「…分かりました」

ジュニア「最北の村ってとこへ行きゃいいんだな?」

召喚士「はい。地図に記載がないので、いさとなったら北方司令部に…」
193 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 23:29:25.50 ID:4ZLFVpAo
ジュニア「大丈夫大丈夫。任しとき!」

盗賊「…よし」

戦士「んじゃ、今日は下準備して…寝るとすっかね」

魔道士「はいっ」

召喚士「そうですね。そうしましょうか」

バーテン「今日もご苦労だったな。お疲れさん」

魔道士「いえいえっ!こちらこそ」

盗賊「……おやすみなさい」

ジュニア「俺はもう一杯飲んで…寝るとすっかな」

バーテン「…ちゃんと金払えよ?」

ジュニア「えぇ!?オゴリじゃないの?」

バーテン「……ったく、そういうとこは親父ソックリだな」

ジュニア「…ちぇっ!」

召喚士「…はは…はははっ」

ジュニア「…ま、仕方ねーか。ハッハ!!」
194 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 23:30:05.47 ID:4ZLFVpAo
〜次の日〜

バーテン「戦いが終わったとは言えまだ魔物もいるかもしれん。くれぐれも気を付けてな」

魔道士「はいっ。行ってきます!」

召喚士「ありがとうございました」

バーテン「なぁに、またな」

ジュニア「さーて、俺もぼちぼち行くとすっかな」

召喚士「それじゃジュニアさん。また最北の村で」

ジュニア「おうよ」

盗賊「…では」

戦士「目指すは…本国!」

大きく手を振る魔道士。それにバーテンとジュニアは笑顔で応えた。

ジュニア「んじゃ、世話になりましたっと…」

バーテン「…あー」

ジュニア「…?」

バーテン「ここはアイツにとっても馴染みだ。いつでも来てくれや」

ジュニア「…ハッハ!あいよっ!」
195 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 23:31:03.71 ID:4ZLFVpAo
テクテクテク

魔道士「本国までは……」

召喚士「えぇと、港から船んで直接行くのが一番早いですね」

魔道士「なるほどですね」

召喚士「じゃあチケット取ってきますね」

盗賊「…私は…食糧を」

魔道士「あっ、じゃあ私も〜」

グイッ

召喚士「!?」

戦士「…召喚士」

召喚士「ど、どしたの?」

戦士「本国…大丈夫だよな?」

召喚士「え…?だって戦士、この前も来たんだよね?」

戦士「確かにそうだが…堂々とは…」

召喚士「…まぁ、念の為ウィッチさん宅には近寄らないようにしよう」
196 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/28(火) 23:45:46.19 ID:4ZLFVpAo


魔道士「準備出来ました〜」

戦士「おーし、そんじゃあ出発ー!」

盗賊「…おー」

〜船上〜

魔道士「…んーっ!久々ですねぇ…海の匂い!」

召喚士「そうですね、こうして四人で船に乗るのも久々な気がしますね」

魔道士「なんだかバタバタしてましたからね」

召喚士「ええ。修行終えてから…ずっと休む間もなくでしたね…」

魔道士「…ええ」

テクテクテク

盗賊「…やっぱり…いいな」

魔道士「え…?」

盗賊「…あ、いや」

戦士「…ははっ、そうだよなぁ。やっぱ…いいよな!」
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/29(水) 00:10:21.22 ID:L7UbXU2o
>>185
頭で分かっていても実際目の当たりにして怖さを知る…
現代で言う核兵器のようなものでしょうか…

>>186-191
ま、まさかの召喚士人気が……

〜オマケ〜

先の戦いでの傷跡深く、改修費用もバカにならない南方であった。

南方参謀「……困ったわね」

南方弓長「もう…アレでいくしかないわねっ」



南方参謀「さぁ、次のオークションは…なんと召喚子ちゃんのサイン入り肖像画…」

老人「買ったああぁぁ!」

男「いやいや倍だ!倍出すぞぉ!!」

南方弓長「さぁさぁこっちは…まさかまさかの召喚子ちゃん次用済み衣装…」

観客「三倍!!」

番長「…全財産でゴワス!!」

こうして、国会にて削減された南方国軍の設備費は、事無きを得たのであった…。
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 00:18:31.75 ID:L7FiwIAO
ばwwwwwwんwwwwwwちwwwwwwょwwwwwwうwwwwww
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 00:19:19.86 ID:MUSqPVIo
>>1
私の出す額は53万です
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 00:27:03.17 ID:iQOmPSAo
その夜必死に衣装の脇をペロペロする番長の姿が
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/29(水) 02:12:21.45 ID:Gs7MZ4o0
番長といえばペルソナ4の……

あれ?ペルソナ4の番長も女装したよな?
しかもペルソナも番長よな?
あれ?あれ?
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 02:13:30.62 ID:y9G97.o0
召喚士は料理もできてかわいくて気配りもできて嫁に欲しい…
あれ?
203 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 15:59:22.42 ID:T9NIAOYo
〜本国、港〜

魔道士「到着〜」

戦士「あっと言う間だったなぁ」

魔道士「近い距離ですから…」

召喚士「新しい船みたいだし、速度も上がってるようだね」

戦士「なんかいいよな。こういうの見てるとさ」

盗賊「…?」

戦士「街とか発展っつうのかな。新しい時代っていうかさ…」

魔道士「あ、分かりますっ!いいですよね〜」

戦士「その為にも…早く安全な世界を作らなきゃいけないんだな…」

召喚士「…そうだね。平和で安全な世界を」

盗賊「…ああ」

召喚士「さて、それじゃ早速国軍本部へ向かいましょうか」

戦士「だな。この先を右に曲がって裏路地を行けば、裏門まで辿り着けるはずだ」

召喚士「…うん。念のため裏門経由で行こう」
204 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:00:01.20 ID:T9NIAOYo
〜国軍本部、裏門〜

戦士「ちわーっす」

テクテクテク

門兵「……?」

召喚士「あ、こ…こういう者です」

召喚士は慌てて朱雀先生の紋章を取り出し、門兵へ見せる。

門兵「これは朱雀先生…!どうぞ、お通り下さい!」

魔道士「失礼します〜っ」

テクテクテク…

門兵「…何で裏門なんだ?」

衛兵「……さぁ?」

テクテクテク

召喚士「あ、ここ…資料室だね。奥に行けば講堂かぁ」

魔道士「何だか自然が多くて、公園とか庭園みたいな雰囲気ですね!」

召喚士「同じ場所でも表裏で違う一面があるんですね」
205 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:00:29.33 ID:T9NIAOYo
〜本部内〜

召喚士「あ、あの…すいません」

本国兵「…?」

召喚士「占い師さんにお会いしたいのですが…?」

本国兵「占い師…様?今はいらっしゃらないぞ?」

魔道士「えっと、どちらに…?」

本国兵「国立病院だ。入院なされてる」

盗賊「!?」

召喚士「そ、そうなんですか!?」

本国兵「…ああ。すまんな急いでるんだ」

魔道士「あ、ありがとうございます」

戦士「…入院?病気か?」

召喚士「…とにかく行ってみましょう。お見舞いも兼ねて…」

盗賊「…だな。…えっと…国立病院は」

召喚士「すぐ近くですね。今から行きましょう」
206 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:01:49.57 ID:T9NIAOYo
テクテクテクテク…

戦士「ついでに顔見知りにも挨拶してくか」

召喚士「あ、そうだね」

カツカツカツ…

召喚士「あ、すみません」

召喚士達は通路の端に寄り、そのまま先へ進む。

左大臣「……今のは?」

左文官「…さて。どうやらワーカーのようでしたが」

左秘書官「全く…。施設内を自由にうろつかせるなど…管理はどうなっておるのだ!」

左大臣「まァ良いではないかァ。それよりも…」

左秘書官「……?」

左大臣「気になるなァ。今の連中の素性を調べておけい」

左文官「…畏まりました」

カツカツカツ…

秘書官「これは左大臣様、どうぞお入り下さい」
207 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:02:56.45 ID:T9NIAOYo
ガチャッ

左大臣「北ではなかなかの戦果だったようだなァ?」

司令官「…どうも」

左大臣「特に用…というわけではないのだがァ、これkらまた発つのでなァ」

司令官「…それはわざわざ…痛み入ります」

左大臣「…それで、どうするのかね?」

司令官「……」

左大臣「予言の娘…役立たずになったのだろう?まだ続けるのかね?」

司令官「……変更はありませんよ」

左大臣「あんなものに頼るからこうなるのだよ。どうするつもりだァ?」

司令官「…最終的な方針は、いずれ本国よりあるでしょう」

左大臣「…まァいい。くれぐれも損害を出さぬようになァ」

司令官「…畏まりました」

左大臣「しくじれば君の立場もないぞ?……心得ておけよ」

左大臣は見下すように笑みを浮かべ、司令室を後にした。
208 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:03:54.58 ID:T9NIAOYo
〜国立病院〜

戦士「ここ…か」

召喚士「うん。えぇと、占い師さんは…どこだろ?」

魔道士「……受付で聞いてみましょうか」

テクテクテク

召喚士「すみません。こちらに占い師…という方が入院しているかと…」

受付「少々お待ち下さい。……あ、いらっしゃいますよ。面会ですか?」

魔道士「はいっ」

受付「では、こちらにお名前など詳細をご記入下さいませ」

召喚士「はい。えぇっと…」

キュキュッ…カキカキ

受付「はい、ありがとうございます。では許可を取って参ります」

受付の一人が書類を手に、その場を離れる。

魔道士「厳重ですねぇ」

戦士「そらまぁ…相手は病人や怪我人だからなぁ…」
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:05:10.52 ID:T9NIAOYo
テクテクテク

受付「…お待たせ致しました。ご本人の許可がおりましたのでどうぞ」

召喚士「ありがとうございます」

受付「病室は四階の一番奥です」

盗賊「…どうも」

テクテクテクテク…

戦士「この…医薬品の臭い、苦手…」

魔道士「あ、分かります。私も苦手……」

召喚士「…そうですか?」

魔道士「召喚士さんは平気なんですか?」

召喚士「好き…ってわけではないですが、嫌いではないですね」

盗賊「…変わってるな」

召喚士「え…!?」

魔道士「あ、ここじゃないですか!?」

四人は一番奥の部屋に辿り着き、ドアをノックする。
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:06:51.77 ID:T9NIAOYo
コンコン…カチャッ

魔道士「こんにちはー」

占い師「…あら、みんな揃って。ありがとね」

ベッドの上に座る占い師。布団をめくりベッドから降りる素振りを見せる。

召喚士「あ、そのままでいいですから…っ」

占い師「…ふふっ、気にしないで。ただの心労…怪我とかじゃないから」

盗賊「……」

占い師「何か飲む?今…入れるわね」

魔道士「あっ、私やりますよ!」

戦士「あとこれ、大したもんじゃないけど…」

ガサッ

占い師「あら、フルーツ!?ありがとーっ」

魔道士「紅茶、入りました」

占い師「じゃあ、せっかくだからフルーツも頂きましょうか」

盗賊「…あ、うん。切ってくる」
211 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:07:54.85 ID:T9NIAOYo


占い師「…んっ!おいしー!」

魔道士「ほんとだぁ!良かった〜っ」

カチャッ

占い師「……みんな、北では大変だったわね」

盗賊「……」

召喚士「…あの、占い師さん。一つお願いが…」

占い師「…何かしら?」

召喚士「見ては頂けませんか?マジシャンさんの生死を…」

占い師「……」

召喚士「辛いとは…思いますが、もしかしたら…生きている可能性だって…」

占い師「ありがとう。でも違うの。実はね…見えなくなってしまったのよ」

魔道士「え……っ?」

占い師「未来が…見えなくなってしまったの……」

召喚士「……っ!!」
212 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:08:52.39 ID:T9NIAOYo
戦士「それって……」

占い師「…そう。もう占いも予言も…なーんにも分からない」

盗賊「…いつから?」

占い師「明確には分からないけど、多分…北の戦いが終わってからよ」

戦士「……」

召喚士「そう…だったんですね…」

占い師「ごめんなさいね、力になってあげられなくて…」

召喚士「い、いえいえっ。気になさらないで下さい!」

戦士「こうなったら…自力で頑張るかぁ!」

盗賊「……だな」

魔道士「お大事に…なさって下さいね…」

占い師「ありがと。みんなも無茶しちゃ駄目よ…?」

召喚士「…はい。怖さを十分に感じました。もう無理はしません」

占い師「そうそう。無謀と勇敢をは履き違えるな!…よっ?」

召喚士「……はいっ!」
213 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:11:22.26 ID:T9NIAOYo


占い師「じゃあ気を付けてね。わざわざありがとうねっ」

魔道士「こちらこそお邪魔しましたっ」

召喚士「それではまた…」

戦士「…お大事に〜」

盗賊「…お大事に」

占い師「ふふっ、ありがとう」

占い師は笑顔で手を振り、一同はそれを見て病室を後にする。

パタンッ

占い師「……」

再び静まり返る個室。占い師はベッドの淵へちょこんと腰掛ける。

占い師「……直に聞いちゃうと…やっぱりダメね」

ボフッ

占い師「……っ……うっ…うっ」

ずっと堪えてきた占い師の何かが、堪えきれず溢れ出した。
214 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:12:06.36 ID:T9NIAOYo
テクテクテクテク…

戦士「参ったねこりゃ……」

召喚士「占い師さんも…辛かったんですね……」

盗賊「……」

戦士「んで、どうするよ?」

召喚士「…このまま最北の村へ行こうか」

魔道士「……ですね」

召喚士「念のため、このまま船で北の港まで出て、そこで宿を取りましょう」

盗賊「…ああ…それがいいだろうな」

戦士「…しっかし病院ってのはいつ来ても忙しないなぁ」

魔道士「お医者さんも行ったり来たり……」

一同が立ち止まり眺める景色の正面から、一人の医者が近づいてくる。

ドクター「これは皆さん、お久し振りです!」

戦士「…!?あ、あぁ!確か…鉱山の時の!!」

ドクター「はい。お元気そうで何よりです!」
215 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:14:57.89 ID:T9NIAOYo
召喚士「ドクターさんも…!今はこちらの病院で…?」

ドクター「え、ええ…。ちょっとしてツテで…まぁ…」

盗賊「……?」

ドクター「今日はどうしました?誰か病人…あ、先日の方ですか!?」

戦士「あーいやいや、あれはもう大丈夫」

ドクター「!?」

戦士「あんたの言う通り、色んなとこ回ったりしたら記憶が戻ったよ!」

ドクター「そうでしたかぁ…!それは良かったです」

戦士「ありがとう!会って礼を言いたかったんだ!」

ドクター「いえいえ、父を想う貴方の献身の賜物ですよ」

召喚士「実は四階の占い師さんと知り合いでして…」

ドクター「そうでしたか。心労ですのでご心配はないと思います」

魔道士「よろしく…お願いしますね…っ!」

ドクター「…担当する機会があるか分かりませんが、その時はお任せ下さい!」

盗賊「……頼む!」
216 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 16:16:15.78 ID:T9NIAOYo
召喚士「それでは、失礼します」

ドクター「はい。また会う事もあるでしょう…それでは」

テクテクテクテク

戦士「いやースッキリした!」

魔道士「…?」

戦士「ずっと礼を言いたかったんだよ」

召喚士「確かに…恩人だもんね」

戦士「ああ!お陰で親父も今じゃ…」

盗賊「…元気なのか?」

戦士「……多分」

魔道士「た、多分…って」

戦士「いや、またどっか行っちまったからなぁ。まぁ大丈夫だろ…今度は武器もあるし」

召喚士「…目的が同じ以上、どこかで会う事もあるだろうね…」

戦士「…だな。ま、俺らは自分達の事を頑張ろうぜ!」

魔道士「はいっ!えへへ!」
217 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 17:48:18.74 ID:T9NIAOYo
〜本国、港〜

召喚士「…あ、来た来た。あの船ですね」

戦士「よっしゃあ、行くかぁ!」

テクテクテク…

召喚士「客室は…と」

テクテクテクテク

盗賊「…ん?」

船長「ワーカーの方ですかな?」

魔道士「え、ええ。そうですが何か…?」

船長「実はこの船、護衛のワーカーがおりませんでして…」

魔道士「護衛…ですか?」

戦士「ああ、魔物なんかが出た時の用心棒みたいなアレだな」

船長「無理を承知でお願い出来ませんでしょうか…?」

召喚士「それはもちろん構いませんよ!」

船長「おぉ!本当ですか!?これはありがたい…!」
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 17:49:14.75 ID:T9NIAOYo
戦士「よーし、魔物が来たらパパっと追いやってやりますよ!」

召喚士「出ないに越した事はないけどね…」

戦士「ははっ!それもそうだわな!」

船長「ありがとうございます。報酬は後ほど…」

魔道士「お、お気にせず!」

船長「もちろん船代も無料で結構でございます。お部屋はこちらに…」

テクテクテク…カチャッ

魔道士「お、おぉー!」

盗賊「…豪華」

戦士「…テラスが甲板に直結か…なるほどな」

召喚士「もし魔物が出てもすぐに対処出来るようにって作りですね?」

船長「そういう事になります。では…宜しくお願い致します」

船長は深々と頭を垂れ、護衛専用の部屋を後にする。

戦士「なんだかVIP待遇みたいでいいな!」

魔道士「でも、いざという時はちゃんと働かないとですよ〜?」
219 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 17:52:55.00 ID:T9NIAOYo
戦士「…そりゃ分かってるよ」

魔道士「じゃあお酒も飲めませんね」

戦士「なに!?」

魔道士「だってぇ、いざという時酔っ払ってたら戦闘になりませんよぉ?」

召喚士「た、確かに…」

戦士「…やっぱ辞めよう」

盗賊「…もう…遅いよ」

戦士「くそーっ、これは失態だ…!」

魔道士「ちょっとの我慢ですよっ」

召喚士「仕方ないね。我慢しよ?戦士?」

戦士「しゃーねぇ。水で我慢するっ!!」

魔道士「……エヘヘ!」

ボーッ

召喚士「お、船が出るみたいですね!」

魔道士「せっかくだから甲板に出ません?」
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 17:54:11.26 ID:T9NIAOYo


ザザーン

魔道士「あーっ、カモメ!」

召喚士「…凄い数ですね!」

テクテクテク

盗賊「…戦士は?」

魔道士「ふてくされて仮眠とってますよ?」

盗賊「…そか」

テクテクテク

召喚士「…?」

盗賊「…私も…寝る」

魔道士「はーい、おやすみなさい!」

召喚士「途中鉱山の街に夜みたいなんで、そこで起こしますね」

盗賊「…おやすみー」

盗賊はあくびをしながら部屋の中へと戻っていった。
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 17:55:17.43 ID:T9NIAOYo


魔道士「…風が気持ちいいですねぇ」

召喚士「ええ…」

魔道士「この辺の風は、色々と入り混じっていて…何とも言えませんけど…」

召喚士「そうなんですか…?」

魔道士「ええ…。西方からの暑い風に北からの冷たい風…。大陸からの忙しない風…」

召喚士「……なるほど」

魔道士「でも、それが良いのかもしれませんねっ」

召喚士「そうですね。多種多様…色々な人の思いを乗せているんでしょうね」

魔道士「…ふふっ」

召喚士「…?」

魔道士「召喚士さんたら〜ロマンチックじゃないですかぁ」

魔道士は召喚士の脇腹を肘でグイグイと押す。

召喚士「い、いやっ…そんなつもりは……」

魔道士「…素敵ですっ。えへへ!」
222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 17:57:26.73 ID:T9NIAOYo
召喚士「……え…?」

魔道士「…っ!?」

召喚士「あ、いや……っ」

魔道士「な、何でもありませんっ!ごめんなさい!」

召喚士「い、いえ!こちらこそ…っ」

魔道士「……」

召喚士「……」

魔道士「…部屋…戻りましょうか」

召喚士「…そ、そうですね」

テクテクテク

盗賊「…すー…すー」

魔道士「あーっ!盗賊さんっ、こんな所で寝てないでちゃんとベッドで寝て下さいよ!」

盗賊「…んー」

召喚士「ははっ」

魔道士「全くもう…っ!」
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 18:00:48.69 ID:T9NIAOYo


ボーッ…ボーッ

船員「間もなく鉱山の街へと入港致します。お降りの方は〜」

伝管から響き渡る船員のアナウンスに、戦士は気だるそうに起き上がる。

戦士「……んーっ…鉱山の街かぁ?」

召喚士「あ、おはよ。うん…今着いたところみたいだよ」

戦士「ふあ〜。召喚士は寝なくて大丈夫か?」

召喚士「うん。気にしないで」

戦士「……何読んでんだ?」

モゾッ

召喚士「朱雀召喚獣の本。ほら、師匠の家にあった…」

戦士「おぉ、あれか…」

召喚士「こういう時じゃないとまとめて読書の時間は取れないからね」

戦士「…なるほどなぁ。あの二人は…?」

召喚士「寝室で休んでるよ」
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 18:12:58.53 ID:3tt1mmgo
キテター
wktk
wktktktk
225 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 18:27:16.38 ID:T9NIAOYo
戦士「そっか…。まぁ休めるうちに休んでおかねーとな…」

ゴソゴソゴソッ

戦士「……あった」

召喚士「…何それ?」

戦士「俺もたまには読書」

召喚士「本なんて持ってたんだ…」

戦士「何だその心外みてぇな顔…。師匠んちで貰ってきただろ」

戦士は手にした本を召喚士に見せ付ける。

召喚士「あっ!それ……」

戦士「じゃーん!武器図鑑!!」

召喚士「そういえば……」

戦士「たまにはじーっくりとお勉強でもしようかね…」

船員「間もなく乗船を締め切ります。出航致します」

召喚士「お、船も出るみたいだね…!」

戦士「北の港までは数時間…ってとこか」
226 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 18:31:02.06 ID:T9NIAOYo
ザザーン…ザザーン

召喚士「……」

戦士「……んー」

召喚士「…どしたの?」

戦士「…いや、解説付きなんだが…いまいち専門用語で分からん」

召喚士「どれどれ……た、確かに…」

戦士「鍛冶屋の旦那にでも聞いてみるかぁ…」

召喚士「…専門家に聞くのが一番早いね」

戦士「そっちはどうだ?何かあったか?」

召喚士「まぁ…。問題は使い手となる朱雀召喚士がいるかどうかだね…」

戦士「あー…そうだよなぁ。朱雀なんて召喚士と師匠以外会った事ねぇもんな…」

召喚士(……そういえば同門さん…元気かな?)

ガチャッ

魔道士「…おはようございますー」

盗賊「……おはよう…ぅ」
227 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/29(水) 18:34:45.33 ID:T9NIAOYo
召喚士「あ、おはようございます。ゆっくり休めましたか?」

魔道士「お陰様で…。もう鉱山の街は過ぎちゃいましたか!?」

戦士「おう、ついさっきな」

魔道士「起こしてくれればいいのに〜」

戦士「別に降りる用もなかったし…」

魔道士「……そうですかぁ」

召喚士「あとは北の港までですね。夕食どうします?」

戦士「小腹は空いたけど、北の港に着いてからでいいんじゃねぇか?」

盗賊「…何読んでんの?」

魔道士「そうですね。おつまみ程度の物ならありますけど…」

召喚士「じゃあ北の港に着いてから食事にしましょうか」

戦士「おうっ!」

ズドオオォォンッ!!

召喚士「!?」

戦士「な、何の音だ…っ!?」
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/29(水) 18:35:39.90 ID:T9NIAOYo
本日もご支援ありがとうございます!感謝感謝!
それでは失礼致します〜!ノシ
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 18:37:03.60 ID:VjWSN0E0
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/29(水) 18:40:11.24 ID:fv8QXwDO
いちおつ!

盗賊が華麗にスルーされてて泣いた
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 19:09:09.74 ID:LoSavYDO
>>1乙っす
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 19:52:05.31 ID:osxix2s0
>戦士「あー…そうだよなぁ。朱雀なんて召喚士と師匠以外会った事ねぇもんな…」


朱雀嬢乙
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 19:52:59.69 ID:89n2waAo
確か戦士は会ってないんじゃなかったっけ・・・結構前だから覚えてないな
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 20:16:11.75 ID:g0cqjZgo
騎都尉のとこで会ってたと思うけど

自己紹介やらなにやらはやってなかったと思うから
名前やらなんやらは知らないんじゃね?
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 20:23:04.91 ID:KOKmmFA0
乙です。
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 21:31:35.62 ID:IL6tkUSO
船でお酒で魔物といえば…

召喚士「戦士!魔物だ!戦闘の準備を!」
戦士「う……駄目だ…頭が……二日酔いだ………」
召喚士「ま、魔導士さん!」
魔導士「う…船酔いで気分が……ごめんなさい……」
召喚士「とと、盗賊さんはっ!?」
盗賊「…………気持ち悪い……」

結局一人で戦う召喚士、という流れが……
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 21:53:08.98 ID:zMAMoLIP
> 我慢しよ?戦士?
召喚士はどうなりたいんだろうかww
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 21:55:31.15 ID:R96NQ2Uo
召喚子になりすぎて心も乙女になりだしたか召喚士よ……
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 22:21:29.44 ID:MUSqPVIo
召喚士は薬品の臭いが大丈夫なのか…
次はナースだな
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 22:48:36.12 ID:UiIgui.0
1乙
朱雀嬢、忘れられすぎワロタ
召喚子と同じ指輪もってるのにね
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/29(水) 22:59:56.66 ID:YNHthgAO
>>1おつ

最近召喚士の召喚獣の数増えてないしなんか新しいの見てみたいッス
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 00:36:00.33 ID:cTs3KfUo
そういやアヌビスはいつでてくるんだろうな
今更出てきても五行しか通用しませんって感じの足手まといにはなりませんように
あとベヒーモスとはどっちが格上にあたるのかね
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 14:13:21.97 ID:5D7Bp5Eo
おまけで「行けっ!最強召喚獣>>1!!」とかやると…
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/09/30(木) 14:37:27.65 ID:Xpn7mVMo
シュイィン…

>>1が召喚されます

↓続き
245 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:38:31.24 ID:Xpn7mVMo
ドズウウゥゥンッ

魔道士「きゃっ!」

盗賊「…音だけじゃない…この揺れは…!?」

戦士「…魔物かっ!」

ダダッ!!

召喚士「…こ、これは…っ!」

甲板へ飛び出す四人の前に、巨大なイカの化物が海上より姿を現す。

戦士「…クラーケン!」

盗賊「…あの影…複数いるぞ」

タッタッタ

船員「!?」

召喚士「乗客を船内へ!甲板には出させないで下さい!」

船員「わ、分かりました!」

タタッ

召喚士「戦士、盗賊さんは前衛で牽制を!魔道士さんは支援お願いします!」
246 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:39:39.96 ID:Xpn7mVMo
魔道士「はいっ!」

戦士「盗賊、二列目から頼む」

盗賊「…ああ」

右手に戟を握り左手で盾を身構える戦士。そのすぐ背後に盗賊が備える。

ザッ

戦士「…なんか…思い出すな」

召喚士「…うん」

海面より伸びるクラーケンの足。それを戦士が盾でいなす。

ギュオォッ!!……ギィンッ!!

戦士「う…おりゃああ!!」

すかさず戟が触手のような足に伸び、その先端を斬り落とした。

ズバシュッ!!

クラーケン「…グガアアァァ!!」

戦士「盗賊っ!」

盗賊「ああっ!」
247 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:40:39.03 ID:Xpn7mVMo
戦士がクラーケンの攻撃を引き付けていう間に、盗賊が頭上を飛ぶ。

タンッ…ザシュッ!!…ガカアアァァ

盗賊の手にした雷切が稲光を発し、クラーケンの巨体を押しのける。

盗賊「右から来るぞ!」

魔道士「任せて下さいっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアアァァァァ

戦士「…おぉ、見事なイカ焼き……」

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

シュイィィン

コカトリスが船上を旋回しつつ、クラーケンを次々と石化していく。

戦士「こっちも負けてらんねぇな!」

盗賊「…ああ!」

船長「…な、なんて見事なコンビネーションだ…っ」

船員「すっげ…。名のあるワーカーだったのか…!?」

次々とクラーケンを退ける四人に、船長らはただ目を奪われるのみであった。
248 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:41:37.26 ID:Xpn7mVMo
ズガアァァ!!

盗賊「…ふーっ…次!」

戦士「どうなってんだ、こりゃ…」

召喚士「胴体を石化しても…足だけ動いて……」

シュルルルッ

召喚士「戦士!!」

戦士「後ろかぁ!」

ビュオォッ…ギィンッ!!…ザシャッ

召喚士「!?」

戦士「大丈夫!足が滑ってバランス崩しただけだ!」

執拗に迫り来る無数の足。四人は四方を囲まれ忙しなくそろえを撃退する。

盗賊「…キリがないな」

戦士「しぶてぇヤツらだ!」

魔道士「盗賊さんっ!後ろ……」

召喚士「……違う!そっちが狙いだ!」
249 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:42:11.11 ID:Xpn7mVMo
盗賊「…!?」

突如盗賊の背後から向きを変え、魔道士めがけ迫る一本の足。

盗賊はそれを必死で打ち払いながら、魔道士を庇う。

ギュルルッ!!

盗賊「あぐ…ぅ!!」

魔道士「盗賊さぁん!」

戦士「しまった!盗賊が捕ま……」

ズルッ…ギュルルッ!!

魔道士「きゃあぁ!!」

召喚士「魔道士さんっ!?」

ギチギチギチッ…ググゥ

盗賊「…ん……っく!!」

魔道士「っは…ぁ!!」

召喚士「くそ…っ、迂闊に手を出せない…!」

戦士「俺が気を引く!その隙にコカトリスで何とかしてくれ!」
250 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:46:44.50 ID:Xpn7mVMo
ダッ!!

クラーケン「グガアアァァ!!」

戦士「ちぃっ!!」

召喚士(普段なら力攻めで簡単に終わるところだけど…)

チラッ

船長「……っ」

召喚士(船を傷つけるわけにはいかないし…なんとか足だけを…)

召喚士は上空のコカトリスへ合図を出し、自身も真っ直ぐクラーケンへと迫る。

召喚士「はあぁっ!」

ヒュオッ!!…ザシュッ

召喚士の振るうレイピアよりカマイタチが巻き起こり、クラーケンの足を襲う。

だが、それは表面のみを傷つけ、魔物にとって致命傷とは至らなかった。

召喚士「……くそ…っ!」

戦士「次から…次へとっ!こんにゃろ!!」

召喚士「な…っ!?」
251 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:48:25.97 ID:Xpn7mVMo
召喚士と戦士の前へゆっくりと伸びる足。

その先には先程から捕まった魔道士と盗賊が苦悶の表情を浮かべている。

魔道士「は……うん…っ!!」

盗賊「…は…なせ…ぇ!!」

戦士「くそ…盾にする気か…っ!」

召喚士「……いい加減に」

ドドオオォォンッ!!

突如鳴り響く轟音と共に、魔道士を縛り付ける足が分断される。

魔道士「きゃ…っ!」

召喚士「魔道士さん!」

タタッ…・・・ガシィッ!!

召喚士「だ、大丈夫ですか!?」

魔道士「は…はいっ!」

ドドオオォォンッ!!…ゴアアァァァァッ!!

戦士「うお……っとぉ!」
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 14:58:51.66 ID:Tn.WEXAo
あぁ触手・・・そういう・・・
253 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 14:59:41.31 ID:Xpn7mVMo
スタッ

盗賊「…自分で…立てる」

戦士「……あ…そ」

クラーケン「グ…オオォォ…ッ!」

召喚士「今のうちに…!」

コカトリス「おおう!」

ギュオォッ!!……ゴオオォォ!!

クラーケン「……ッ!!」

戦士「離…れろ、おりゃあぁ!!」

グオッ!!…ドズゥ!!

戦士「…ふー。何とか撃退…か?」

召喚士「…様子を伺ってるみたいだけど、仕掛けてくる素振りはなさそうだね」

盗賊「…一応…見張っていよう」

召喚士「それにしても…今の魔法は…?」

ザッザッザッザ…
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 15:03:33.93 ID:sqPxl12o
触手プレイか…ふぅ…
255 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 15:04:58.29 ID:Xpn7mVMo
ジュニア「…ハッハ!大丈夫だったか?」

魔道士「ジュニア…さん!?」

召喚士「何…で……」

ジュニア「同じ船だったみてぇだな!」

戦士「の、乗ってたのか!?」

ジュニア「鉱山からな。しっかし…まさか魔物が出るとはなぁ…」

盗賊「……」

ジュニア「…ん?どした?お前ら……」

魔道士「……っ」

召喚士「…い、いえ…っ!何でもありません」

戦士「ちょっと…な…」

ジュニア「…変な奴らだな。涙ぐんで…」

魔道士「だってぇ……」

召喚士「ま、まぁいいじゃないですか!ははっ!」

ジュニア「……いや、別にいいけどさ…ハッハ」
256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 15:09:52.44 ID:Xpn7mVMo
召喚士「助かりました。ありがとうございます!」

ジュニア「いやいや、相性の問題さ。普段なら四人でも十分な敵だろ?」

盗賊「……」

ジュニア「…ま、せっかくだから礼に酒でもオゴって貰うとすっかね」

召喚士「あっ、それはもちろん……」

魔道士「でも、北の港に着いてからですよっ?」

ジュニア「!?」

魔道士「私達はこの船の護衛をしなくてはいけませんから!」

戦士「そーいう事」

ジュニア「マジかよ!?まぁ…仕方ねぇか…ハッハ!!」

召喚士「とりあえずこのまま…甲板で見張ってましょう」

ジュニア「そういう事なら俺も協力するわ」

戦士「そうやってオゴリを上乗せしようってハラか?」

ジュニア「ハッハッハ!バレたかっ!」

魔道士「えへへっ!」
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/30(木) 15:15:08.00 ID:GeCp.m2P
バカやろう!!
仕事中にオレもナミナぐんでしまったじゃねーか(´Д⊂ヽウェェェン
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/30(木) 15:25:18.70 ID:9AJXlUQo
ナミナ=グンデル
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 16:22:00.38 ID:5D7Bp5Eo


俺って>>1を召喚できるんだwwwwwwwwww
>>1は朱雀系なのかな?wwwwwwwwww
260 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 17:21:05.73 ID:Xpn7mVMo
暗闇の海を北へ進む船は暫くの後、光で賑わう北の街へと入港した。

〜北の街〜

魔道士「到着〜っ!」

ジュニア「はいよ、お疲れさん」

船長「いやはや本当にありがとうございました!」

船長は報酬の入った袋を召喚士へと手渡す。

召喚士「いえいえ、こちらこそ」

船員「さぞ名のあるワーカーなのでしょうね」

召喚士「そ、そんな事は……」

ジュニア「謙遜しちゃって…。聞いて驚け、なんとあの朱雀先生で在らせられるぞ!」

船長「!?」

船員「朱雀先生って…最近、噂の…あの…?」

ジュニア「おぉ、知ってるってよ。この有名人!ハッハ!」

召喚士「ちょっと…や、やめて下さいよ!」

ジュニア「何だぁ?照れちゃってぇ!」
261 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 17:21:38.27 ID:Xpn7mVMo
魔道士「でも、凄いじゃないですか!」

戦士「ああ!有名になったもんだな!」

召喚士「みんなの力だよ!俺の事じゃなくて…」

戦士「いやいや、でも召喚士がいなくちゃ成り立たんからな!」

魔道士「そうですよっ!」

盗賊「…ああ」

召喚士「もう…っ、勘弁してよ…」

船長「では、ありがとうございました。朱雀先生!」

船員「俺…自慢しちゃお!」

ジュニア「さーて俺らも行きますかぁ!」

戦士「…飲みにか?」

ジュニア「もっちろん!お前は行かないのか?」

戦士「もちろん行く!」

魔道士「先にご飯にしましょうよ〜?」

召喚士「じゃ、じゃあ両方賄えるお店にしましょうか…ははっ…」
262 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 17:22:19.67 ID:Xpn7mVMo
〜食事処〜

盗賊「…あと…生春巻きとサーモンのカルパッチョ。あと…」

ジュニア「…よく食うなぁ」

魔道士「ジュニアさんはお酒だけでいいんですか?」

ジュニア「ん?ああ。酒は命の水よっ!!」

戦士「良い事言う!」

召喚士「……マジシャンさんと何一つ変わらない…っ」

テクテクテク…コトッ

店員「お待たせ致しました〜!」

ジュニア「来た来たぁ!待ってました!!」

戦士「…さーて、それじゃあ早速……」

召喚士「カンパーイ!」

チィンッ!!

ジュニア「………っかあぁ!うまいっ!おかわり!!」

盗賊「…早っ!!」
263 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 17:25:51.98 ID:Xpn7mVMo


ジュニア「んで、明日はどうするつもりだい?」

召喚士「まずは早朝のうちに北の村へ向かいます」

ジュニア「北の村?最北じゃなくて?」

召喚士「北の村に管轄責任者の大軍師さんがいますので…」

戦士「一応許可取っておかねぇと、何かあった時にマズイもんな」

ジュニア「別に良いと思うけどなー」

召喚士「まぁ…一応ですよ」

ジュニア「だいたい今まで無関心だった国軍の連中が、今更介入するってのも気に食わん…」

戦士「そりゃそうだけどな…」

召喚士「でも、それは国軍の体質が変わりつつあるって事にもなりませんか?」

盗賊「……確かに」

ジュニア「そうなのかねぇ…」

魔道士「召喚士さんにとっては…故郷でもあるんですものね…」

ジュニア「…そうなのか?」
264 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 17:29:08.36 ID:Xpn7mVMo
召喚士「え、ええ…まぁ。とは言っても幼い頃に離れましたけど…」

ジュニア「…やられたのか?」

召喚士「みたいです。3歳の頃だったのであまり記憶が…」

ジュニア「そうか……」

戦士「あ…」

魔道士「どうしたんですか?」

戦士「何かさ、手掛かりとかねぇのかな?」

盗賊「…手掛かり?」

戦士「ほら、召喚士の両親…形見だったりとかさ…」

魔道士「あ…っ」

戦士「だろ!?なぁ召喚士!ついでに探索してみようぜ!」

召喚士「…うぅん、随分経つから残ってるとは思えないけど…」

魔道士「探すだけ探してみましょうよっ!」

召喚士「ま、まぁせっかくですし…そうですね!」

魔道士「そうですよっ!えへへ!!」
265 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 18:17:32.11 ID:Xpn7mVMo
ジュニア「そうと決まれば…今日はたらふく飲んで…」

盗賊「…たらふく…食べる」

ジュニア「ハッハ!」

戦士「よっしゃ!俺も食う…ってほとんど残ってないじゃんかよ!」

魔道士「だって飲んでばかりで遅んですもの…」

召喚士「追加しようよ、ねっ?」

戦士「前祝いだ!パーっといくぞぉ!」

ジュニア「おうよ!その意気だっ!!」

召喚士「ま、前祝い…って」

盗賊「…意味が…分からぬ」

ジュニア「細かい事は気にすんなって!楽しくいこう、楽しく!」

戦士「そうだそうだ!」

盗賊「…酔ってる?」

魔道士「何だか…久々ですね、こういうのっ!」

召喚士「ジュニアさんのお陰ですね。あははっ」
266 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 18:20:45.63 ID:Xpn7mVMo


戦士「…うっぷ…食いすぎた」

盗賊「…無茶するから」

召喚士「さて、宿は…あ、あれですね」

ジュニア「悪いな。何だか俺も部屋まで取って貰っちゃって…」

魔道士「気にしないで下さい!」

戦士「そうそう。ジュニアさんも既に仲間よ、な・か・ま!」

ジュニア「ハッハ!そいつはありがたいね〜!」

召喚士「それぞれ個室ですので、明日は7時にロビーで」

盗賊「…了解……おやすみー」

魔道士「おやすみなさいですっ。また明日!」

戦士「さーて、風呂入って寝るかぁ…」

召喚士「…あれ?ジュニアさんは?」

ジュニア「バーで飲み直してくらぁ」

召喚士「まだ飲むんですかっ!?…ほ、程々にして下さいね」
267 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/09/30(木) 18:45:48.67 ID:Xpn7mVMo
〜宿〜

召喚士「……あぁ〜っ」

ボフッ…ドサッ

召喚士「……故郷…」

〜♪

召喚士「……?」

召喚士は外から聞こえる音色に窓を開ける。

カチャッ

召喚士「……この…音色」

〜♪

召喚士「…やっぱり…っ!」

バッ…タタッ…

慌てて宿の外に飛び出した召喚士は、一直線に音の主の下へと急ぎ駆ける。

召喚士「……いたっ!」

噴水のほとりで小さな琴を奏でる一人の見覚えある男。詩人であった。
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 19:17:49.02 ID:RhHQOYIo
いちおつおつ

詩人キタ!
>>1には濡れるが、詩人もなかなかwkwk
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/30(木) 19:21:12.13 ID:.Aiwzd6o
やっぱり詩人は男なんだね
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 19:33:03.16 ID:AptI.Ego
詩人ktkr
…死人?
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 19:56:27.38 ID:7Fo4MoAO
ホイミンきた!
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 21:49:48.66 ID:iBK41UDO
召喚士の出生の秘密が少しは明らかになるのかな?
wwktk
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/30(木) 23:12:11.15 ID:oc3a9wQ0
1乙
初代ユニコーンの再登場かな
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 05:56:02.86 ID:.DN7YYAO
>>1乙

ギルバートさんなにやってんすかwwww
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 07:58:55.55 ID:psi4kgAO
詩人と聞いたらモンスターの能力を一つ伸ばしてくれるってのしか思い浮かばない
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 08:41:48.08 ID:RoGjBUMo
詩人と言ったらエロールさんだろjk
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/01(金) 10:56:26.01 ID:B.PlLADO
ギルバートはThe Afterで強くなったんだぜ…
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:16:35.49 ID:r0Qny9Uo
〜♪

召喚士「…あ、あなたは…!?」

詩人「…おや、君は確か…一風変わった召喚術士君」

召喚士「…召喚士と申します」

詩人「召喚士君か…僕は詩人。宜しく」

召喚士「詩人…さん……」

詩人「先日は素晴らしい音色を聞かせて貰ったよ。ありがとう」

召喚士「えっ?あ…い、いえ…こちらこそ…っ」

詩人「今日は何か?」

召喚士「いえ…っ、聞き覚えのある音色だったもので…」

詩人「…そう」

召喚士「…あ、あの…っ」

詩人「…?」

召喚士「詩人さんは…何者なんですか?」

詩人「何者でもないよ。ただの吟遊詩人さ」
279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:17:01.79 ID:r0Qny9Uo
召喚士「……」

詩人「何か言いたそうな表情だね」

召喚士「あの時、あなたの力によって俺は……」

詩人「あのような魔力、僕も始めて見たよ…ふふっ」

召喚士「……」

詩人「君の魔力、何か特別な力をもっているね?」

召喚士「…!?」

詩人「…おや、これは本人も気付いていなかったのかな…?」

召喚士「…確かに、召喚術については思い当たる節が…」

詩人「何て言うのかな、召喚士君の魔力は…一つじゃないんだよね?」

召喚士「……?」

詩人「通常魔力と言うのは、一つの源を変化させて使用しているんだ」

召喚士「…変化…!?」

詩人「そう。例えば……」

詩人は足元の水の瓶を手に取り、小さなコップへと注ぎ込む。
280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:17:27.37 ID:r0Qny9Uo
トポトポトポッ

召喚士「……」

詩人「これが魔力の源、まっさらな状態だとしよう。これに…」

詩人は続けて、足元の茶色い酒瓶を手に取り、それをコップの水へと注ぎ足す。

トポトポッ

詩人「…これが一つの行に染まった魔力…。どうぞ」

召喚士「あ…ど、どうも…」

詩人の差し出すコップを受け取り、召喚士はそれを一口喉に通す。

詩人「ちょっと薄かったかな?」

召喚士「い、いえ…っ。丁度いいですよ、ありがとうございます」

詩人「今度は更にこれを入れてみようか」

詩人はバッグよりオレンジを1個取り出し、ナイフで皮を剥き始める。

詩人「これを……」

ギュッ…ポトポトッ

詩人「ウィスキーオレンジの水割り…ってとこかな」
281 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:17:53.70 ID:r0Qny9Uo
詩人は再び、コップを召喚士へと差し出し、召喚士はそれを口にする。

召喚士「……んっ、美味しいですね…!」

詩人「これが二行合体といったところかな」

召喚士「……なるほど」

詩人「でも、召喚士君の場合は…」

トポトポトポッ…コトッ

詩人「……こういう事」

詩人は二つのコップに水を注ぎ、それを置く。

召喚士「…二つ…ですか?」

詩人「そう。源となる魔力が一つではないって事さ」

召喚士「それってどういう…」

詩人「さぁ、それは僕にも分からないな」

召喚士「……」

詩人「はっきり言える事、それは君の奏でる音色が一つではなかったって事」

召喚士「複数の…魔力の源…」
282 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:18:19.52 ID:r0Qny9Uo
詩人「何か思い当たる?」

召喚士「い、いえ…特には……」

詩人「…そう。ならそれは、生まれつきのものかもしれないね」

召喚士「……」

詩人「召喚士君のご両親は?」

召喚士「…すでに死別してます」

詩人「魔道士か召喚士だったとか?」

召喚士「…いや、詳しくは知りませんが…おそらく違うかと…」

詩人「……そうか」

コトッ…ゴソゴソ

召喚士「……?」

詩人「さて、僕はそろそろ失礼するよ」

召喚士「あっ、すみません…お引止めしてしまって…」

詩人「いやいや、それじゃ…」

召喚士「…あの、また…聞かせて下さい!」
283 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:18:46.07 ID:r0Qny9Uo
詩人「…いつでも。北にいる限りまた会う事もあるだろうね」

召喚士「は、はい…っ」

テクテクテク…

詩人「…あ、そうそう」

召喚士「…?」

詩人「召喚士君は魔物が全て、敵だと思ってるかい?」

召喚士「…いえ」

詩人「理由は…?」

召喚士「特にありませんが、志を共にする魔物を何度も見て…」

詩人「……」

召喚士「…そして、共闘してきましたから」

詩人「…そうか、それならば良かった」

召喚士「……?」

詩人「…それじゃ」

詩人は一瞬微笑み、その場を立ち去って行った。
284 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:19:12.93 ID:r0Qny9Uo
〜次の日〜

戦士「……遅せぇ」

盗賊「……」

テクテクテク

ジュニア「おっはよう」

戦士「おっはよう…じゃねぇよ!7時って言ったろ!?」

ジュニア「…ありゃ?そうだっけか?」

魔道士「もう8時ですよ!」

ジュニア「ハッハ!細かい事は気にすんなって!」

戦士「細かくねぇだろ!一時間はよぉ!」

ジュニア「悪い悪い…ハッハ!」

召喚士「と、とにかく行きましょうか」

盗賊「……ああ」

ジュニア「先が思いやられるなぁ」

戦士「誰のせいだっ!!」
285 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/01(金) 17:19:50.85 ID:r0Qny9Uo


魔道士「えぇと、ここから北の村は……」

召喚士「街道を行くよりは山脈を行ったほうが近いですね」

戦士「でもあっちは結構険しいぜ?」

盗賊「…私は…構わぬ」

魔道士「私も平気ですっ」

ジュニア「俺は楽な方がいいなぁ…」

戦士「……よし、山脈で行こう!」

ジュニア「おいおい…聞いてましたかぁ?」

召喚士「さ、山脈経由でいいですかね…?」

ジュニア「…まぁいいさ。お任せするよ」

魔道士「……て、適当というか柔軟というか」

盗賊「…適当だ」

戦士「…ああ」

一同は北の街を発ち、一路山脈経由で北の村を目指す。
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 18:18:04.30 ID:jL09fMDO
>>1乙!
左大臣のフラグがやな感じだぜ…
鍛治屋フラグは嬉しいけどな
そういえば眼鏡と始めて出会ったのは鉱山の町だったな
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/01(金) 19:48:40.14 ID:NbDFDYAO
乙!

>>1が毎日頑張ってるというのに何もしてやれない俺…せめてあげ!
書籍化したら各巻10冊買うから勘弁して下さい
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 21:57:56.98 ID:/TKejgDO
>>1
アニメ化マダー?
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 22:25:34.09 ID:MCKZ6oAO
>>288
王子氏ね、で実況スレの勢いが跳ね上がって鯖が落ちるところまで想像した
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/01(金) 23:54:33.83 ID:Ge9Zxsc0
最初の方の下ネタでアニメ化アウト
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 00:09:03.14 ID:7vMxfj.o
アニメ化するとダサいタイトルに改変されるからおk
下手するとコカトリスリストラ
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 01:21:44.96 ID:kM4F5cAO
王子の顔にはつねにモザイクが
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 08:36:11.82 ID:Gg99Tfwo
四万十川の君
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 08:45:14.43 ID:MMJvo5U0
コカトリス→チルタリス
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 19:20:22.42 ID:t9AUpgAO
連載1年までもう1ヶ月切りましたね、無理せず100部完結まで頑張って下さい。
某格ゲーで作成した画像をアプしましたのでもし見かけた際はよろしくお願いします。
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 21:45:49.07 ID:pkRSXYgo
もうそんなに経ってるのか・・・

このスレVIPで見つけたときがちょうど失業1日目
なるほど・・・もうNEET1年・・・か
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 22:27:12.74 ID:r85MmMM0
>>296
俺は新卒採用を目指していたよ
お互い頑張ろう…
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 22:27:31.28 ID:fCWanL.0
やっと追いついた
読み切るのに一週間かかった
頑張れ1!!!
299 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:39:25.64 ID:jAGsW0Mo
テクテクテクテク

魔道士「ジュニアさんは鉱山の街で働いてるんですか?」

ジュニア「…ん?」

魔道士「いや…途中乗船だったから、そうなのかなって…」

ジュニア「んー、まぁ…別にいっか」

盗賊「……」

ジュニア「…ああ。鉱山の街で働いてるよ」

魔道士「何だぁ!やっぱりそうだったんですねっ!」

ジュニア「……?」

召喚士「何度か立ち寄った事あるんですよ、鉱山の街」

戦士「馴染みの鍛冶屋がいてな」

ジュニア「ほぉ、そうだったのか」

魔道士「ええっ。鉱山にも行った事ありますよ」

ジュニア「……鉱山…ねぇ」

召喚士「……?」
300 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:42:27.69 ID:jAGsW0Mo
ジュニア「鉱山へは何しに行ったんだ?…依頼か?」

召喚士「あ、いえ…」

戦士「鉱石発掘さ。個人的な理由でな」

ジュニア「…そういう事か。なるほどな」

召喚士「ジュニアさんは鉱山の護衛とか見張りですか?」

ジュニア「んーまぁそんなとこだね」

召喚士「やっぱりそうでしたか」

盗賊「……?」

ジュニア「…ハッハ、いや正直シンドイのよ…」

魔道士「大変そうですものね……」

ジュニア「ただですら忙しいのに主力が一人抜けちまってなぁ」

戦士「……サボってていいのか?」

ジュニア「ああ…いい、いい。忌引休暇ってとこさ。ハッハ」

戦士「ま、そんならいいけどよ……」

ジュニア「国軍もカバーしてくれんだろうよ。気にすんなって!先を急ごうぜ!」
301 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:43:09.34 ID:jAGsW0Mo
山あいの道をしばらく進むと、間もなく北の村のふもとへと辿り着く。

魔道士「この辺も魔物…減りましたね」

召喚士「そうですね。北方の皆さんが頑張ってますからね」

戦士「なーんか狩りしてた頃が懐かしいなぁ」

召喚士「うん…」

ジュニア「それだけ強くなったって事さ」

戦士「ま、そうだよな…」

ジュニア「国軍だけじゃねーぞ?至る所じゃワーカーが昔のお前らみたいに頑張ってる」

魔道士「そうかぁ…そうですよね」

盗賊「……見えてきたぞ」

〜北の村〜

戦士「…何だ?国軍の連中がやたらいるが……」

召喚士「えぇと、大軍師さんは…」

テクテクtク

召喚士「あの…すみません」
302 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:43:56.55 ID:jAGsW0Mo
ヒゲの男「…はいよ?ワーカーの方かね?」

召喚士「こちらに大軍師さんはいらっしゃいますか?」

ヒゲの男「大軍師様?今は本国に戻られてるぞ」

召喚士「そうなんですか?」

ヒゲの男「ああ。何か用か?」

戦士「参ったな…」

召喚士「他に責任者の方は?」

ヒゲの男「今はあちらの男が代行だが…?」

ヒゲの男は一人の軍人を指差す。

魔道士「あの人…っ」

召喚士「…参謀さん?」

参謀「……?おや、朱雀先生っ!」

召喚士「どうも。今は参謀さんがこちらを?」

参謀「ええ、兄が本国へ戻っている最中を頼まれまして…」

召喚士「!?」

盗賊「…兄?」
303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:44:52.55 ID:jAGsW0Mo
参謀「あ、ええ…。大軍師は私の兄です」

魔道士「そうだったんですかぁ!」

参謀「ところで、何かご用ですか?」

召喚士「あ、実は……」

召喚士はマジシャンの遺体捜索についての詳細を問う。

参謀「……成程」

召喚士「ダ、ダメでしょうか…?」

参謀「…いや、ご子息がいらっしゃるなら…駄目とは言えませんよ」

ジュニア「…すまんね」

参謀「いえいえ」

戦士「んじゃ早速、最北の村へ行きますか」

参謀「ちなみに催促の村には、北方司令がいらっしゃいますので…」

召喚士「左翼長さんが…!?」

参謀「はい。戦後処理と…やはり捜索活動を……」

召喚士「そうですか…」
304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:47:14.10 ID:jAGsW0Mo
参謀「事情は分かっているはずです。言えば合流出来るかと…」

召喚士「分かりました」

魔道士「ありがとうございますっ」

参謀「此処には衛生兵も居ますし、いざという時は無理せず…」

召喚士「はいっ、ありがとうございます!」

参謀「では、お気を付けて」

魔道士「行ってきますっ!」

戦士「さーて、最北へはこのまま北に真っ直ぐか…」

ジュニア「山道続きだが、夕方までには着くだろう」

盗賊「…だな」

五人は北の村を後にし、最北の村を目指し出発する。

テクテクテクテク

魔道士「ジュニアさんは、マジシャンさんの記憶とか…ないんですか…?」

ジュニア「…んー、ないなぁ。俺が生まれて間もなく別れたらしいしなぁ」

魔道士「そうですかぁ……」
305 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:47:46.44 ID:jAGsW0Mo
ジュニア「そっ。だから親子っつっても実感ねーし、関わりもねーのよ」

盗賊「……」

ジュニア「頂いたのは名前だけってか…。ハッハ!」

召喚士「それでも…親には変わりないですよ」

ジュニア「…まぁな。だからこうして…な。せめて墓でも建ててやらんとな」

魔道士「……はい」

ジュニア「…まぁまぁ、楽しく行こうじゃないの!ハッハ…あっ」

盗賊「……?」

ジュニア「……腹…減った」

魔道士「あっ、ちょっと待って下さい!」

ゴソゴソッ

ジュニア「……?」

魔道士「おにぎり、作ってきたんです!」

ジュニア「おぉ!?マジかよ!いっただっきまーす!」

戦士「俺も一個くれ!」
306 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:48:19.81 ID:jAGsW0Mo
盗賊「……わ、私もっ」

召喚士「じゃ、じゃあちょっと休憩にしましょうか…」

ジュニア「あーいいよ。歩きながらでさ!」

召喚士「そうですか?」

ジュニア「なかなかオツなもんじゃないの。こういうのもさ」

戦士「青い空…自然の中でおにぎり食いながら散歩…」

召喚士「さ、散歩って……」

盗賊「…心地良い。はむっ」

ジュニア「‥‥んー!うまい!!」

魔道士「本当ですかっ!?良かった…えへへっ!」

戦士「さぁ、元気も出たところでもうひと踏ん張り…頑張りますかぁ!」

ジュニア「ですなぁ!」

盗賊「…ですなぁ」

魔道士「ですなー!!えへへ!!」

召喚士「……あははっ!」
307 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:50:34.19 ID:jAGsW0Mo


魔道士「あっ、見て下さい…!綺麗〜っ!」

召喚士「渡り鳥ですね。もうすぐ冬なので群れで南へ向かっているようですね」

戦士「夕暮れに染まって…絵にしたい一枚だな!」

盗賊「…ああ」

ジュニア「いいじゃないのこういう光景…。ずっと見ていたいねぇ」

魔道士「そんな日が来ると…いいですね」

召喚士「……頑張りましょう」

ジュニア「…おっ、あれか?最北の村ってのは!」

戦士「見えてきたな!なんとか日没前に間に合ったぜ」

召喚士「よし…。行きましょうか」

〜最北の村〜

テクテクテク…

北方兵「ゆっくりだぞ!そーっと!!」

戦士「…何やら忙しそうだな」
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/02(土) 23:50:55.31 ID:khBwOsSO
初めてレスする(´・ω・`)

やっと追いついた…1ヶ月かけて最初からコツコツ読んでた
ずっと>>1に言いたかった




なげえぇぇよ(;д;)

とはいえ、もはやタバコ並の中毒…ずっと続けてくれ^^
309 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:51:25.79 ID:jAGsW0Mo
召喚士「土砂が凄かったから…復興作業みたいですね」

ジュニア「なかなか難しいんだぜ?崩れないように土を取り除くってのは…」

召喚士「……すみません」

北方兵「……?」

召喚士「左翼長さんはいらっしゃいますか?」

北方兵「司令…?えぇっと……あ、あれ?」

召喚士「…?」

北方兵「もしや…朱雀先生…!?」

召喚士「え、えぇ」

北方兵「これはこれは!少々お待ちをっ!!」

タッタッタッタッタ

ジュニア「すげーな…朱雀先生効果……」

戦士「…だろぉ?」

しばらくすると北方兵が左翼長を連れ、戻って来る。

魔道士「あっ!左翼長さん!!」
310 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:53:08.40 ID:jAGsW0Mo
ザッザッザ

左翼長「おう、お前らか。どうした?」

召喚士「実は……」

左翼長「…ん?」

ジュニア「…どうも初めまして。ハッハ!」

左翼長「……」

戦士「…どした?」

左翼長「…ん、あ…いやっ。ちょっと似てたもんだからよ…」

戦士「マジシャンのオッサンにか?」

左翼長「あ、ああ…っ」

魔道士「それはそうですよっ!この人はマジシャンさんの息子さんですから!」

左翼長「何ぃ!?」

召喚士「ジュニアさんです」

ジュニア「…アンタも親父の事知ってんのか?」

左翼長「……そ、そういう事か…!!こりゃあ…たまげたわ」
311 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:53:45.53 ID:jAGsW0Mo


左翼長「……ふぅん。なるほどねぇ」

召喚士「…というわけで、駄目でしょうか?」

左翼長「あー構わんよ。ただ……」

盗賊「……?」

左翼長「俺らもここ数日、作業をしてるが…」

ジュニア「進展なし…?」

左翼長「…そういう事だ」

戦士「…そっか」

召喚士「それでも…構いませんよね?」

魔道士「もちろんですっ!」

ジュニア「まぁ、やるだけやろうじゃないの!」

左翼長「夜間作業は危険だ。明朝、開始してくれ」

戦士「おうっ」

召喚士「じゃあ…どこかでキャンプを張っても…?」
312 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:54:44.57 ID:jAGsW0Mo
左翼長「ここには今、軍の関係者しかいない。好きに使ってくれ」

召喚士「ありがとうございます」

左翼長「食料と武器や防具。応急処置程度の衣料品はある。必要なら言ってくれ」

盗賊「…助かる」

戦士「そんじゃあっちの方にでもテントを張るか」

左翼長「なんなら軍のを使っても構わんぞー?」

戦士「あぁ、大丈夫!」

魔道士「ありがとうございます。お構いなくーっ!」

タッタッタッタ…

左翼長「ったく。元気な連中だ…」

ザッ

左翼長「おーし、日没までにこのエリアを完了させて…今日は上がるぞ!」

北方兵「了解です!」

左翼長「……ま、お陰でこっちも少し元気になったかな?」

左翼長は口元を緩め、煙草を咥え火を点けた。
313 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:56:21.91 ID:jAGsW0Mo
テクテクテク

召喚士「この辺りでいいかな?」

ジュニア「よっしゃ、んじゃここに…」

ドウンッ…ボオオォォ

盗賊「…暖か」

ジュニア「灯り兼任でな!ハッハ」

戦士「……せーのっ!!」

バサッ…トントントンッ

召喚士「…こっちはオッケー!」

戦士「あいよ!こっちもオーケーだ!!」

魔道士「出来たーっ!」

戦士「さーて、それじゃ早速……」

盗賊「……食事か!?」

戦士「違げーよ。何しに来たんだ…キャンプしに来たわけじゃないだろ?」

盗賊「……しかし…作業は明日…」
314 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:57:28.40 ID:jAGsW0Mo
戦士「もう一つ目的があるだろ」

魔道士「あっ!召喚士さんの手掛かり……」

召喚士「あ…っ」

戦士「そーいう事!村の中ならこの時間でも探索出来るってもんだ」

ジュニア「そうだな。逆に人も少ない分、効率いいだろうな」

召喚士「…明日でもいいよ?」

戦士「バッカ。善は急げってやつだよ!ほれっ!」

召喚士「あ、う…うん」

戦士は召喚士の背中を押し、民家の前へと足を進める。

戦士「まずはこっから行ってみようか!」

魔道士「何か思いだす事とか…あります?」

召喚士「…いやっ、自分の家すらも…」

魔道士「そう…ですか…」

ジュニア「どうせ空き家なんだし、片っ端から調べてみようや」

戦士「…だなっ!宝探しみたいでワクワクするな!」
315 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:58:54.89 ID:jAGsW0Mo
盗賊「…ああっ!」

召喚士「ちょっと…本題忘れないでよ?」

ジュニア「本題は明日、今日はお前さんの手掛かり探索が本題!」

召喚士「……はぁ」

ガチャッ

戦士「お邪魔しまーす!」

魔道士「…中もボロボロですね…っ」

戦士「床も古いな…。底抜けるかもしれないから気を付け…」

バキッ!!…ズボッ

戦士「……なっ?」

魔道士「…はい」

盗賊「…私が行くよ」

テクテクテク

戦士「おー、流石は盗賊!」

盗賊「……忍びの基礎だ」
316 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/02(土) 23:59:46.18 ID:jAGsW0Mo
ジュニア「忍び足ってやつか!かっこいいな…ハッハ!」

召喚士「…ここは民家なのかな?」

戦士「そー見えるけどなぁ」

魔道士「すっごい本の数ですね…!きっと…本が好きな方だったんでしょうね」

戦士「どうだ?そっち何かあるか…?」

盗賊「…いや、特には」

戦士「ここは何もなさそうだな…」

魔道士「…ですねぇ」

ジュニア「…本もこれと言って…特筆するようなモンはないな」

召喚士「…ですね」

戦士「…よし、次の家に行くか」

魔道士「そうしましょう」

テクテクテク…

魔道士「…?」

戦士「…どした?」
317 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/03(日) 00:01:37.49 ID:qTr4JTgo
魔道士「いや、何でもないです。あ、そこ抜けた床ですよ!気を付けて下さい!」

戦士「うおっと!そうだった…」

五人は民家を後にし、隣の建物へと移動する。

召喚士「……ここは、お店のようですね」

盗賊「…ああ。日用雑貨かな」

先頭を歩く盗賊が床に転がる瓶を拾い上げ、つぶやく。

ジュニア「…みたいだな。棚にも雑貨品が並んでる」

戦士「すっげぇ埃…」

ジュニア「ここも特に何もなさそうだなぁ…」

戦士「なんの薬草だこれ?枯れてて分からん…」

魔道士「何でしょうね?あんまり触らない方がいいんじゃないですか?」

ジュニア「…うん、何もなし!次行くか」

召喚士「はい」

盗賊「…そうしよう」

道具屋らしき廃墟を出て、更に隣の民家へと移動する召喚士達。
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/03(日) 00:08:35.04 ID:qTr4JTgo
>>アニメ化
色々とアウトです。本当にあり(ry

>>295
ありがとうございます!あんなにカスタマイズ出来るんですね!
てかカッコよすぎて某格ゲーに申し訳ないです…

>>296-297
ありがとうございますー!もうそんなに経ったんですね…

>>298>>308
追いついて頂きありがとうございます!
未だに新しく読んでくれる方がいらっしゃる事に大変感謝です!
それもまとめてくれてるからこそ…!ななばつ様ありがとう!
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 00:34:20.47 ID:b.tvDwIo
いつもしえん

いちおつおつ
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/03(日) 01:15:43.90 ID:DEqHTUAO
眼鏡はだから鉱山にいたのか?
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 02:42:24.00 ID:MHx3VtUo
眼鏡 はだか ら
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 02:53:50.36 ID:s1zQb2SO
ようやくまとめを最初から読み終えて来てみたら…

催促の村……?

>>1は昔と変わらないんだなぁ…
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 03:24:08.09 ID:Giqkn1Eo
>>1
盗賊ちゃんが食いしん坊キャラへ加速の一途を・・・
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 03:27:07.91 ID:6NP60IDO
いろんなことを催促される村なんだろうな
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/03(日) 04:50:18.80 ID:JBw7/ZU0
1乙
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 08:07:13.77 ID:XiwWkYSO
誤字のない>>1なんて誰得だよwwww
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/03(日) 09:09:55.12 ID:DnG5vEAO
フリーターしてる時VIPで見つけて以来毎日読んでるぜ!
社会人になった今は毎朝の通勤の楽しみになってます
>>1
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 09:29:09.83 ID:ckRw.QDO
ああ最北の村か
新しい村かと思った
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 17:01:34.36 ID:ws5WtEDO
>>1の伏線回収力は天才的だな
緻密に計算されすぎワロタ
330 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/03(日) 22:39:20.64 ID:qTr4JTgo
カチャッ…キイィ…

魔道士「…ここは?」

ジュニア「うーん…ただの民家みてーだなぁ」

戦士「ここも外れか…?」

召喚士「…違うみたいだね」

戦士「盗賊、先頭頼むぞ」

盗賊「……うん」

テクテクテクテク

戦士「なーんもねーなぁ」

ジュニア「こっちは手掛かりなし、と…」

盗賊「……ん?」

戦士「どした?」

盗賊「…ここ」

召喚士「…地下?でも、土砂が詰まって地下へは行けそうもないですね」

ジュニア「…だなぁ。ここも手掛かりは特になし、と…」
331 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/03(日) 22:46:40.65 ID:qTr4JTgo


戦士「……だいぶ回ったが」

魔道士「何もありませんでしたね……」

盗賊「……残るは…ここ」

召喚士「村の一番外れですね」

テクテクテク…カチャッ

魔道士「お邪魔しまーす」

テクテクテク…ピタッ

ジュニア「…待て」

魔道士「…?」

ジュニア「……盗賊ちゃん」

盗賊「…は、はい」

ジュニア「ちょっとこっち見てくれる?」

盗賊「……はぁ」

盗賊はジュニアの元に歩み寄り、二人がドアの前にしゃがみこむ。
332 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/03(日) 23:08:04.23 ID:qTr4JTgo
ジュニア「……ちょっと見てくんねーか?」

盗賊「……?」

ザッ

戦士「…どした?」

ジュニア「…うまく隠しちゃいるが、誰かが入った形跡がある」

盗賊「……確かに」

魔道士「国軍の方じゃないですか?」

召喚士「いや…。もしそうなら隠す必要はないはずです」

ジュニア「そーいうこった。こりゃ相当のモンだぞ」

盗賊「…よく気付いたな」

ジュニア「もし序盤がこの家だったらアウトだったな。ラストだからこそ違和感があった…」

戦士「……数は?」

盗賊「……足跡は少なくとも…一人だな」

ジュニア「…コソ泥か。しかしそれにしちゃイイ腕してるわ…ハッハ」
333 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/03(日) 23:33:09.18 ID:qTr4JTgo
戦士「この家…何かお宝でもあんのか?」

魔道士「でも、そうは見えませんけどね…」

召喚士「ええ…」

ジュニア「行くだけ行ってみっかねぇ」

ジュニアと盗賊はゆっくりと民家の中へ入って行く。

戦士「ここも、見覚えはなしか?」

召喚士「……うぅん、特に」

魔道士「そうですかぁ……」

戦士「どうだ?何かあったか?」

盗賊「……いや」

ジュニア「日用品と本棚だけだな…」

テクテクテク

ジュニア「……本棚」

盗賊「……?」

ジュニア「…ここだけ…埃が抜けてるな」
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/03(日) 23:40:36.93 ID:qTr4JTgo
盗賊「…!?」

ジュニア「いや、埃じゃねぇな。元自体が抜けてんだわ」

魔道士「つ、つまり…?」

ジュニア「コソ泥の目的は、ここにあった本ってこった」

戦士「そんなに重要なモンなのか?」

ジュニア「……いーや、そうは見えないがなぁ」

ジュニアは何冊かの書籍を手に取り、パラパラとめくる」

盗賊「……」

ジュニア「どこにでもありそうな他愛ない本だな」

召喚士「その人にとっては、何か重要な意味合いがあったのかもしれませんね…」

ジュニア「…んー、まぁ色々と謎だらけだわな…ハッハ」

魔道士「でも…私達の目的とはあまり関連性はなさそうですね…」

召喚士「ええ…。ただ気にはなりますね。国軍に報告はしておきましょう」

戦士「そうだな。んじゃ、ここも用なしっと…。結局手掛かりは何もなしかぁ」

召喚士「残念ですけど、ひとまず戻るとしましょうか…」
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 01:56:48.49 ID:cjwZWbc0
>>1
おやすみ〜
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 04:35:59.49 ID:q21oOUDO
すごくワクワクする展開だ
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 08:53:02.86 ID:bZxzGkEo
某エロゲやったら雷切と蜘蛛切が出てきてちょっと興奮したわ
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 09:27:27.87 ID:J3AlIxoo
戦士が使ってた雷切ハアハアなんてやってんのかな
339 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 15:43:24.49 ID:XaUHOWM0
>>1乙!
マジシャンショックが後を引いてるがそれでもワクワクしちゃうのは凄いよな

>召喚士「もう…っ、勘弁してよ…」
>召喚士「ちょっと…本題忘れないでよ?」
召喚士最近破壊力が増しただろ…けしからん
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 16:01:26.04 ID:6CLhUUDO
空いてるところに召喚士のもっている…なわけないか
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 16:17:45.02 ID:l4XWfT.o
考えようによっては召喚士パーティー全員女ってことも想像出来る。
戦士は男勝りな・・・と考えると百合になってしまうか
342 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:33:03.94 ID:AoAbU/co


魔道士「それじゃお休みなさいですっ!」

召喚士「おやすみなさい。また明日…」

戦士「盗賊も寝とけ」

盗賊「…見張りは…いいの?」

戦士「国軍の連中がこんだけいりゃ見張る必要もねーだろ」

盗賊「…そっか」

召喚士「あれ?ジュニアさんは?」

戦士「…さぁ?どーせまた酒だろ…」

召喚士「よく飲むなぁ…」

戦士「マジシャンといい…。酒豪一家だ」

召喚士「た、確かに…」

戦士「…ふあ〜ぁ。さーて俺もちょっくら寝るわ、おやすみ〜」

召喚士「あ、うん。おやすみ!」

戦士を見送った召喚士は、一つ背伸びをし、自身もテントの中へと入っていった。
343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:34:33.12 ID:AoAbU/co
〜次の日〜

召喚士「……うぅん」

モゾモゾッ…ノソッ

召喚士「……くあぁ」

バサッ…テクテクテクテク

召喚士「…えぇと、井戸は…あっちか」

スタスタスタ…

召喚士「…ん?」

ジュニア「……」

コンコンコン

召喚士「ジュニアさん」

ジュニア「…ん?おう、おはよう!」

召喚士「早いですね。どうしたんですか?」

ジュニア「いやー、何だか早く目が覚めちまってな!大自然のお陰かな?ハッハ!」

召喚士「どうしたんです?壁なんか叩いて…」
344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:35:27.12 ID:AoAbU/co
ジュニア「いや、いいデザインと素材だなぁって思ってさ」

召喚士「はぁ…」

ジュニア「近々マイホーム建てようと思ってんだ!」

召喚士「そうなんですか!?」

ジュニア「実はな…これがそろそろ結婚したいってウルサくてよー!」

ジュニアはいやらしく小指を立て、召喚士に語りかける。

召喚士「……はぁ」

ジュニア「召喚士クンも将来の事とか、そろそろ考えた方がいいぞー?」

召喚士「な、何言ってるんですかっ!?」

ジュニア「まさか生涯独身なんて考えてるワケじゃないんだろ?ん?」

召喚士「そ、それはそうですけど……」

ジュニア「……なーによ?」

召喚士「も、もっと先に…すべき事があるのでは……」

ジュニア「……」

召喚士「……」
345 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:36:03.36 ID:AoAbU/co
ジュニア「…ナールホド!結婚前に経験しておきたいって事か…!」

召喚士「……は!?」

ジュニア「確かに今時、新婚初夜なんて発想は古い…」

召喚士「何を言ってるんですかっ!!」

ジュニア「いいじゃーん、既成事実作って結婚…」

召喚士「違いますっ!!」

ジュニア「…ハッハ!分かってるよ!」

召喚士「……もう!」

ジュニア「でもな、あんまり戦いの事ばっかりになるなよ?」

召喚士「…?」

ジュニア「一つを追いすぎると、他が見えなくなるってモンさ」

召喚士「…ジュニアさん」

ジュニア「気付いた時にはもう…引き返せないぜ?」

召喚士「……覚悟の上です!」

ジュニア「……ん、いい眼だ」
346 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:40:08.96 ID:AoAbU/co
召喚士「……」

ジュニア「…先に国軍のとこ行ってるわ〜」

ザッザッザッザ

召喚士「……あっ、顔洗わなきゃ…!」

立ち去るジュニアを後に、召喚士は急ぎ井戸へと走った。

タッタッタ…

魔道士「あっ召喚士さん、おはようございます!」

召喚士「魔道士さん…おはようございます」

魔道士「……大丈夫ですか?」

召喚士「…へ、へっ?」

魔道士「顔…真っ赤ですよ?」

召喚士「!?……あっ、い…いや、なんだか暑くて…ははっ!」

魔道士「そうですか?結構涼しいですけど…」

召喚士「そ、そうですね!あはははははっ!!」

魔道士「……?」
347 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:42:29.42 ID:AoAbU/co
〜本陣〜

ザッザッザ

左翼長「…おぉ、早いな。作業はもうすぐ開始……」

ジュニア「…話がある」

左翼長「…?」

ザッザッザッザッザ

左翼長「…んで、何だ?」

左翼長がタバコをポケットから取り出した途端、それをジュニアが奪い取る。

ボッ…プカァ…

左翼長「あっ、おい…!?」

ジュニア「……ふーっ」

左翼長「ったく…返せ。また値上がって貴重なんだぞ…?」

文句を垂れつつ、左翼長は自分もタバコを燻らし始める。

ジュニア「…んで、何だこの村は?」

左翼長「……あん?」
348 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:43:39.37 ID:AoAbU/co
ジュニア「すっとぼけんな。この村…何かおかしい」

左翼長「……?」

ジュニア「…ちっ、気付いてなかったのかよ…っ」

呆れ顔でジュニアは言葉を吐き捨てる。

左翼長「おい…どういう事だ?」

ジュニア「まずは建物だが…あの壁の素材や作りから見て……」

左翼長「……」

ジュニア「建てて三十…いや、二十年程度だろうな」

左翼長「…それが何だ?」

ジュニア「何だ?じゃねーよ!建てて二十年弱なんだぞ!?この村の建物全てが!」

左翼長「…何だと…っ!?」

ジュニア「確かこの村は、召喚士が幼い頃に滅んだと言っていた…」

左翼長「らしいな。軍事記録にもそうある」

ジュニア「アイツが三歳…つまり、二十二年前の出来事だ!」

左翼長「…ちょっと待て、お前…さっきなんて言った?」
349 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:45:06.83 ID:AoAbU/co
ジュニア「…いいか?この村は出来て間もなく、滅ぼされたんだよ!」

左翼長「――っ!!」

ジュニア「どーりで地図にも載ってねぇワけだよ…」

左翼長「…だが、当然と言えば当然ではないのか?」

ジュニア「そりゃあそーだ。こんな北の地にあるんじゃ、いつ狙われてもおかしくねぇ」

左翼長「…あぁ、立地からして無謀と言うか…」

ジュニア「…それだよ」

左翼長「…?」

ジュニア「第二の不思議、何故…こんな危険地帯に村を開拓したんだ?」

左翼長「……」

ジュニア「一晩かけて村の周囲を見て回ったが、どうみても不便でならん」

左翼長「確かに…山脈に囲まれて寒暖差は激しいし、水害も多いだろう…」

ジュニア「土砂が良い例だよ。大雨が降ろうもんなら村の危機に関わってくる」

左翼長「……」

ジュニア「唯一の利点は、高台の来たの村と直線上で繋がってる事…」
350 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:45:37.86 ID:AoAbU/co
左翼長「…だな。まぁ南下は登りでキツイがな」

ジュニア「……断言する。この村はダミーだ」

左翼長「!?」

ジュニア「あくまで見かけだけは村を形成しつつ、裏では何かをしていた…」

左翼長「バカな…!?じゃあ一体何を…」

ジュニア「この村の管轄は?」

左翼長「今は国軍だがその前は知らん」

ジュニア「記録もなしか?」

左翼長「さっきも言ったが、地図にないって事は本国が把握してねぇって事だ」

ジュニア「…確かに、そりゃそうだわな」

左翼長「…おい、この件……」

ジュニア「こっちは誰にも言えん。アンタの信用出来る人物で回してくれ」

左翼長「…わ、分かった」

ジュニア「…召喚士には…黙っておいてやれよ?まだ…な」

左翼長「…無論だ。アイツは…最後の鍵だ」
351 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:46:15.23 ID:AoAbU/co


盗賊「……おはよー」

魔道士「おはようございますっ!」

戦士「おっ、いい匂い…。ベーコンエッグかぁ!」

魔道士「今日はクルミパンですっ」

戦士「いっただきまーすっ!!」

召喚士「……うんっ、美味しいです!」

魔道士「良かったぁ!えへへ!」

盗賊「…ジュニアは?」

召喚士「先に国軍と合流するって行ってました」

戦士「…ふぅん」

魔道士「私達も食べ終えたら、早速…」

戦士「あぁ、行こうか!」

盗賊「…おーっ……モグモグ」

召喚士「あはははっ!」
352 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:46:47.29 ID:AoAbU/co


戦士「おっしゃ!腹も膨れて…準備万端!!」

召喚士「それじゃ行きましょうか」

テクテクテク

魔道士「おはようございますーっ!」

左翼長「おう、来たか!準備は出来てるぜ!」

ジュニア「んで、場所ってのは…?」

左翼長「村の西側、あの…山に面してるとこだ」

盗賊「……」

召喚士「……行きましょうか」

左翼長「道具も適当に使ってくれ。奴らには話してあっから」

戦士「おう!」

テクテクテクテク

ジュニア「…どした?」

魔道士「…ううん、何でも…ないです!」
353 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 16:47:33.53 ID:AoAbU/co
ジャッ

ジュニア「ここか…」

召喚士「……」

ジュニア「おいおい、何だよみんなして辛気臭い顔しやがって…」

ザッザッザ

ジュニア「うぉーい。これ借りるぜー!」

北方兵「えっ!?あ…はい!!」

ジュニア「おら、お前らも働けぇ!!」

ビュッ…ザクッ…ザクッ

戦士「そうだよな…。もう、前に進むしかねーんだもんな!」

盗賊「…奴があんなに元気なのに…負けてられんな」

魔道士「……はいっ。マジシャンさんを…出してあげなきゃ!」

召喚士「……マジシャンさん」

ジュニア「おーい!早く手伝ってくれって…!これ重…っ!!」

召喚士「…すぐに行きます!!」
354 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 17:52:47.95 ID:AoAbU/co


戦士「なぁなぁ、これ…魔法でドカンといけないモンか?」

ジュニア「あのなー、俺を殺す気か?」

戦士「…?」

ジュニア「衝撃で土砂崩れ起きて、俺まで生き埋めになっちまうだろ」

戦士「そっかー…」

ジュニア「なんだ?親子共々ここに眠れってのか?」

戦士「い、いや…っ。よーし!頑張って掘るぞー!!」

召喚士「でも…闇雲に掘るわけにもいかないよね」

盗賊「…ああ。…崖も近いしな」

ジュニア「土砂整理は軍の連中に任せっか」

魔道士「……?」

ジュニア「俺等は崖下の捜索を進めようかね」

召喚士「…そうか、衝撃で崖下にも…っ」

ジュニア「ハッハ、そういう事!」
355 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 17:58:37.10 ID:AoAbU/co
〜最北の村、崖下〜

召喚士「……よ…っと」

スタッ

ジュニア「…あの位置があそこで…ここがこうか」

魔道士「……?」

ジュニア「さて、お前らが覚えてる事を鮮明に、明白に教えてくれ」

盗賊「……」

召喚士「…はい」

マジシャン「まずは…親父とアンデッドの剣士が競り合ってた場所だが…」

ザッザッザ

ジュニア「この真上で良かったか?」

戦士「…ああ。間違いねぇ」

ジュニア「あの崖の上で五行を放ったと…」

召喚士「それで、白い光が広がって…二人を…」

戦士「んで直後に、豪雨による土砂が発生した」
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/04(月) 18:16:51.72 ID:8ftnnYDO
つまりどういうことだってばよ!?
召喚士はリディアみたいなものなのか

>>1
357 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/04(月) 18:30:28.20 ID:AoAbU/co
ジュニア「あのさ……」

召喚士「はい」

ジュニア「俺も五行ってのは直に見たことないんだけどさぁ…」

召喚士「はい」

ジュニア「…肉体って残るモンなの?」

召喚士「…!?」

ジュニア「なんか光に包まれて消えたんでしょ?消滅したんじゃないの?」

召喚士「そうかもしれませんけど…可能性はゼロじゃないですよ」

ジュニア「そりゃそうだけどもさぁ…限りなく低い確率だよなー」

戦士「せめて形見の品でも見つかりゃいいんだがな…」

魔道士「……」

ジュニア「しゃーない。ダメ元でやってみようじゃないの!ハッハ!」

戦士「…んじゃ、こっちの土砂片付けるわ」

盗賊「…あ、手伝う!」

召喚士「それじゃ、俺はこっちを……」
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/04(月) 18:43:54.84 ID:AoAbU/co
こんばんはー!本日もご支援ありがとうございました!
週末から腰痛でペースががが…

>>329
何か…ありましたっけ…?

>>337
なんと…っ!ちょっと気になる…かも

>>341
きっと魔物が変化の魔法を使って…同一IDががが…
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 19:35:48.96 ID:Q3TGZgk0



チラ裏
召喚士の腰周りをナデナデしてみたい
たぶん「ちょっと……!」って顔赤くして困った表情が見れるはず
いよいよお尻にスルスルと手が下がって撫で始めると
「……んっ……!」っていってくれるに違いない
チラ裏
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/04(月) 20:00:32.88 ID:0DJWvm.0
1乙
魔道士ちゃんがこの前から何か言いたげなんだよなあ…
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 20:39:41.67 ID:puT1DfYo
ジュニアがマジシャンに進化したと思ったら進化キャンセルされた。
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 23:38:30.21 ID:ZxkjTKQP
蜘蛛切、雷切が出てるエロゲっつったら11eyesかな
他に童子切、小烏丸、鉋切、火車切、鬼丸が出てた
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 00:35:02.83 ID:htElbYDO
信じられんねーだろ?
初期には「いただきマンコ」とか言ってたんだぜこれ…
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 08:43:50.10 ID:EJbMkwMo
初期には盗賊に「(・・・抱かれてもいい)」とか思われてたんだぜ?
あんま違和感ないな…
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 16:55:35.43 ID:kEdY22AO
抱かれてもいいとかそんなセリフあったっけ?もう一年前だから記憶が…
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/05(火) 17:05:35.93 ID:a0KsZt2o
>>359
見てみたい…

>>360
魔道士「じ、実は……」

>>361
すみません…やってしまいました…

>>362
チェックしてみます!ありがとうございます!

>>363-365
えっ?そんな事が!?ハハッワロス

↓続き
367 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:06:54.58 ID:a0KsZt2o
カァーッカァーッカァーッ

戦士「……」

召喚士「……」

ジュニア「…何も…出ねぇぞ」

魔道士「で、ですね…」

盗賊「……もう…夕方か」

タッタッタッタ

北方兵「ご苦労様です!北方司令より引き揚げ命令が…」

召喚士「…戻りましょうか」

戦士「…だな」

〜本陣〜

左翼長「おうご苦労。成果はあったか?」

テクテクテク

召喚士「いえ、何も……」

左翼長「…ま、そうだろうな。焦らずまた明日やるといいさ」
368 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:07:41.16 ID:a0KsZt2o
召喚士「…はい」

左翼長「明日は俺も司令部へ戻っちまう。管轄はこの副官に任せっから」

副官「何かあれば私まで!」

ジュニア「あいよ、よろしく」

左翼長「すまねぇな。俺もやる事満載でよー…」

戦士「偉くなっちまったもんな!」

左翼長「ここも明日から民家の取り壊しや調査が入る」

召喚士「あ、そうだ…!」

左翼長「…?」

召喚士「そういえば、昨晩…探索をしていたのですが…」

魔道士「あ…っ」

召喚士「その時、一軒不審な現場がありまして…」

左翼長「不審…?」

ジュニア「あぁ。なにやら火事場泥棒みてぇのが潜った形跡が残ってた」

左翼長「……詳しく話せ」
369 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:08:43.06 ID:a0KsZt2o


左翼長「…ナルホドな。つまり…その一軒だけって事か」

盗賊「…ああ」

魔道士「泥棒さんにしては、おかしいですよね」

ジュニア「ああ…。明らかにお目当てのブツだけキッチリ抜いてやがる」

左翼長「…どこだ?その民家ってのはどこだ!?」

召喚士「…案内します!」

〜外れの民家〜

ジュニア「ここだ…」

左翼長「周囲を立ち入り禁止区域にしろ」

北方兵「了解です!…急ぎ、ロープを張れっ!!」

ザッザッザ…カチャッ…ギイイィィ…

左翼長「……何ら変哲もない民家だな」

スッ

ジュニア「待て!」
370 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:09:30.69 ID:a0KsZt2o
左翼長「!?」

ジュニア「しゃがんでよく見てみろ」

左翼長「……?」

スッ…ザッ

左翼長「……確かに、ぼんやりだが埃を引き摺った形跡があるな」

ジュニア「何か布のようなものを敷いたんだろう。靴底までは把握出来ん」

盗賊「…だが…一人なのは間違いない」

左翼長「…確実か?」

盗賊は黙って頷く。

ジュニア「おそらく…体重の掛かり具合だろ?」

盗賊は黙ったまま、再び頷く。

戦士「…そこまで分かるのかよ…っ」

召喚士「なるほど。床に積もる埃の具合で…」

ジュニア「その端に昨晩、俺等が歩いた後が残ってるだろ?」

召喚士「え、ええ…」
371 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:10:20.58 ID:a0KsZt2o
ジュニア「よく見てみ。五人もいると埃の散り方もランダムだ」

召喚士「!?……ほ、ホントだ…っ」

ジュニア「ところが、こっちは散り方が均等。つまりは単独の可能性が高いって事」

魔道士「ふ、ふえぇ〜!」

左翼長「しかし解せんな…」

ジュニア「……ああ」

戦士「何がだ?」

召喚士「何故…それが残っているのか…ですよね?」

左翼長「ああ。足跡を消すのは構わん。だが、何故それが残っているのか…だ」

ジュニア「一つはこの家の造りだな」

戦士「造り…?」

ジュニア「他の建物に比べ、全くと言っていい程破損してない…」

左翼長「外れにあるってのも理由の一つだろうが…」

召喚士「造り自体が……頑丈…!?」

ジュニア「…そうだ。他の民家に比べて、強度がズバ抜けてやがる」
372 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:12:04.21 ID:a0KsZt2o
魔道士「り、立派な…おうちだったんでしょうか…?」

ジュニア「まぁ…外れにあるって事は折からの北風がモロだし……」

盗賊「…災害対策?」

左翼長「かもしれねぇな…」

戦士「んで、次は?」

ジュニア「……足跡自体が新しいてこった」

戦士「そ、そうか…!古けりゃ風化する可能性は高い!」

左翼長「それが、僅かでも分かるような状態で残ってる。つまり…」

召喚士「わ、割と最近の出来事…っ!」

ジュニア「…コイツとしちゃ埃を払ったり、建物自体をぶっ壊す事が手っ取り早かった」

戦士「んじゃ、何であえて残したんだ?」

ジュニア「残したんじゃなく、残さざるを得なかったんだよ」

魔道士「……っ」

左翼長「今のタイミングであれば、可能だったがな…」

戦士「…何でだ?」
373 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:13:11.03 ID:a0KsZt2o
盗賊「……戦…か!」

左翼長「…そうだ。今なら破壊されてても、それは先日の戦いでの出来事で済む」

ジュニア「それ以前においては違和感バリバリだろうよ」

魔道士「でもぉ…他の民家も壊れてますよ?」

召喚士「破損といえど古いものと新しいものは分かってしまいますからね…」

魔道士「あ、そっかぁ……」

ジュニア「あえてこのまま残さざるを得なかったんだよ」

左翼長「時期の目処はつくか?」

ジュニア「……」

ザッザッザ

ジュニア「これを見てくれ」

左翼長「…?」

ジュニア「本棚のこの一角。ここだけがすっぽりと…」

左翼長「埃が抜けてるな」

ジュニア「…つまりそういう事」
374 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:14:31.95 ID:a0KsZt2o
戦士「どういう事だよ!?」

左翼長「埃が溜まってねぇって事だよ」

戦士「だからそれって……」

魔道士「……あ…っ」

盗賊「……?」

ジュニア「そんなに密封した空間だってな、埃ってのは溜まるもんなんだよ」

ザッザッザ

ジュニア「証拠にここだって、しっかり締まってた割に…こんだけ埃が積もってる」

戦士「あ、ああ…」

ジュニア「でもな、ここだけは全くと言っていい程埃がない」

魔道士「マジシャンさんの別荘もそうでした…!一ヶ月もすると埃が溜まって…」

戦士「…って事は…つ、つまり…」

召喚士「侵入者は比較的最近…!しかも直近の可能性がある…!?」

ジュニア「…と、言うのが俺の推測だ」

左翼長「……」
375 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:15:22.05 ID:a0KsZt2o
ジュニア「んで、どうする?」

左翼長「どうするったってなぁ、どうしようもねぇよ…」

召喚士「……」

左翼長「盗まれたブツは本一冊。しかも何かも分からねぇ」

ジュニア「本の並びも種類も…脈絡ねーからなぁ…」

左翼長「とりあえずこの一件はこっちで預かる。手間かけたな」

ジュニア「…さ、戻るとすっか」

盗賊「…うん」

テクテクテク…

左翼長「そんじゃ明日からは副官の管理下で頼む」

召喚士「分かりました」

魔道士「ありがとうございますっ」

戦士「さーて、メシにすっかね!」

左翼長「あ、お前はちょっと残れ」

ジュニア「…?」
376 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:16:15.08 ID:a0KsZt2o
召喚士「それじゃ先に失礼します」

盗賊「…します」

左翼長「おう、またな!」

テクテクテクテク

ジュニア「…んで、何だよ」

左翼長「…例の件と関係あんのか?」

ジュニア「例の…?あぁ、村の事か。ま…それ以外疑わしい事はねーからな」

左翼長「謎の村に一冊の本…。そして…」

ジュニア「全属性召喚可能な召喚士…か。ハッハ、何やらキナ臭いねぇ…」

左翼長「…明日から頼むぞ」

ジュニア「んーまぁ、この村にいる限りは助力するよ」

左翼長「…頼む」

ザッザッザ…

ジュニア「……なぁ」

左翼長「…?」
377 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:18:12.02 ID:a0KsZt2o
ジュニア「アンタ、親父と知り合いだったんだよなぁ?」

左翼長「……まぁな」

ジュニア「どんな男だった?」

左翼長「…酒飲みで女好き。馬鹿な笑い方に流れ者」

ジュニア「……へ、へぇ」

左翼長「それ以上に熱くて、世界一の魔道士だったよ」

ザッザッザ

ジュニア「…ふぅん」

左翼長「どっかの誰かさんにソックリだぜ。…お前」

ジュニア「……ハッハッハ!!」

左翼長「ヘンなところは似るなよ?」

ジュニア「……?」

左翼長「早死にしたりとか…な」

ザッザッザッザッザ…

ジュニア「…ハッハ。そこまでバカじゃねーよ…」
378 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:49:54.85 ID:a0KsZt2o
〜探索二日目〜

魔道士「おはようございます!」

召喚士「あ、おはようございます」

魔道士「今日もいい天気で…良かったですねぇ!」

召喚士「本当ですね!」

ザッザッザ

副官「おはようございます。本日より宜しくお願い致します」

召喚士「あ、副官さん…ですよね?こちらこそ宜しくお願い致します」

魔道士「よろしくお願いしますっ!」

召喚士「あの、左翼長さんは…?」

副官「あぁ、日の出前に既に出発いたしました」

召喚士「そうでしたか…」

副官「あの、何か…?」

召喚士「いえっ、見送り出来なかったな…って…」

副官「……ふふっ、お気にせず。何かあれば遠慮なくお申し付け下さい」
379 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:51:06.54 ID:a0KsZt2o
ザッザッザ…

魔道士「…女の人だったんですね…っ」

召喚士「昨日は軍帽を深く被ってたので…気付かなかったですね…」

テクテクテクテク…

盗賊「…おはよ。……どした?」

魔道士「盗賊さん、おはようございます!」

盗賊「…戦士とジュニアは?」

召喚士「…まだ寝てるんじゃないかな」

盗賊「…全く…起こしてくる」

召喚士「あ、俺が行きますよっ…」

盗賊「…ジュニアを頼む」

召喚士「あ、はい…」

魔道士「それじゃ私、朝ご飯の準備してますねーっ!」

ダンダンダンダンッ…バサッ

盗賊「…戦士っ、起きろ!!」
380 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:52:15.51 ID:a0KsZt2o
テクテクテク…

召喚士「ジュニアさーん、朝ですよー」

ジュニア「ぐあおおぉぉ…がぁ〜っ」

召喚士「…イビキすご…っ」

ジュニア「……ん〜っ」

召喚士「昨日はあんなに早かったのに…。ジュニアさんてば!」

ジュニア「……うぅ〜ん」

召喚士「ジュニアさん!」



戦士「……んーっ、もう時間かぁ…?」

盗賊「――っ!!」

戦士「…あん?盗賊……?」

盗賊「きゃああああぁぁーっ!!」

ガバッ!!

ジュニア「……な、何だ…今の声は!?」
381 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:53:51.14 ID:a0KsZt2o


ジュニア「いっただっきまーす!」

召喚士「いただきます」

魔道士「召し上がれーっ!」

戦士「……」

盗賊「……」

魔道士「戦士さん、そのほっぺた…どうしたんですか?」

戦士「…何でもねぇよ」

魔道士「えー?だって…赤く腫れて…」

戦士「何でもないっつの!」

盗賊「…そ、そうだっ!」

魔道士「……?」

ジュニア「何だぁ?朝から夫婦喧嘩でも…」

戦士「してないっ!!」
盗賊「してないっ!!」
382 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:56:21.57 ID:a0KsZt2o
ジュニア「…ハッハ!息ぴったし!」

戦士「だいたいよ、人のテントに確認もなしに入る方が悪いだろ…」

盗賊「だだっ、だからと言って…あのような格好で……」

戦士「俺は寝る時、いつもパンツ一丁なの!」

魔道士「……そ、そうなんですか!?」

召喚士「…ええ。寝巻きがない時、戦士はいつもそうですね」

魔道士「……っ」

召喚士「ど、どうしたんですかっ!?」

魔道士「あ、い…いえっ!何でもない…です…っ」

ジュニア「……ハッハ、ウブだねぇ」

戦士「だーかーらー、俺は悪くないの!!」

盗賊「お前は私が悪いと申すか!?」

ジュニア「…ハッハ!仲の良いこって…」

戦士「よくないっ!!」
盗賊「よくないっ!!」
383 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 17:58:17.19 ID:a0KsZt2o
〜北の村〜

ドドッドドッドドッ…

参謀「…司令?」

左翼長「大軍師は戻ってるか?」

参謀「え、えぇ。丁度戻っておりますが…」

バッ…ザッザッザ

左翼長「お前も付いて来い」

参謀「……は、はい」

左翼長は村の中央にある簡易的な軍部へと足を入れる。

大軍師「…これは北方司令」

左翼長「到着早々悪いな、難題だ」

大軍師「…?」

左翼長「いいか?まず順を追って話す。二人とも座れ」

参謀「…失礼します」

左翼長「実は、だ……」
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 17:59:03.46 ID:6HQkq7Uo
召喚士はいろいろ生まれに秘密がありそうだねえ
385 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 18:03:23.28 ID:a0KsZt2o


参謀「……っ!!」

大軍師「…それは…厄介ですね」

左翼長「屯田制の導入において俺もお前も何度か調査はしてたよな?」

大軍師「しかし…そこまでは気づきませんでしたね…」

左翼長「事を進めるのに気を取られ過ぎてた…っつーか、疑う余地もなかったよ」

参謀「確かに…建築物の調査までは…。想定外でしたね…」

大軍師「後々取り壊す予定でしたからね。それにしても……」

左翼長「すまんが本国へ戻った後、調べて貰えないか?」

大軍師「承知致しました。本部になら何かしら情報があるやもしれません」

左翼長「それと……」

参謀「謎の侵入者…ですか…っ」

左翼長「疑わしい輩の報告は?」

参謀「…いえっ、特には……」

大軍師「…いやっ、そういえば二人程…素性の知れぬ者がいました」
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 18:07:58.54 ID:Y6GODMAO
>>1

マジシャンジュニアの母親ってだれなんだっけ…占い師だっけ?


まぁそんなこた何でも良いんだが、最近の魔道士ちゃんは嬉しいモードなのか鬱モードなのかわからないときがある…今までずっと愛する彼女の事だから、心理状態など容易に把握できたのに…
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 18:10:02.90 ID:EJbMkwMo
>>386
母親については全く触れられてないな。
愛想尽かされたとかいうくらいだから占い師ではないだろう…たぶん
388 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/05(火) 18:15:17.97 ID:a0KsZt2o
左翼長「何ぃ!?それはいつだ!?」

大軍師「村々を調査している時です。丁度この村で会いました」

左翼長「本当か!?どんな奴だ…?」

大軍師「…一人は体格の良い中年で…何処かで見たような気がするんですよねぇ」

参謀「…ワーカーか?」

大軍師「もう一人は猿のようにすばしっこい…。あれは間違いなく盗人の類です」

左翼長「…ソイツだ。何か持ってたか?」

大軍師「いや…大事そうに荷物は抱えておりましたが…他には…」

左翼長「本一冊なら…?」

大軍師「まぁあの荷物の量なら…十分考えられますね…」

参謀「北方で名のある盗賊と言えば……」

左翼長「女頭領率いる四人組の連中か、男三人組の連中か…単独の通称『黒マント』か…」

参謀「一人だったのですよね?そうなると黒マントの可能性が濃厚…」

左翼長「そうとも言い切れん。隠密に単独は基本だし、魔物相手にゃ一人の方が逃げ易い…」

大軍師「顔は覚えています。手配書を作成致しましょう」
389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 18:37:22.42 ID:TlUALvso
     ____
   /__.))ノヽ
   .|ミ.l _  ._ i.)
  (^'ミ/.´・ .〈・ リ  召喚士はわしが産んだ
  .しi   r、_) |
    |  `ニニ' /
   ノ `ー―i
390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 18:41:55.00 ID:p0pmrMoo
話の流れ的に>>389が手配書の似顔絵に見えた
391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 19:53:31.43 ID:RebjAH20
>>389
お前はさっさと島野氏の代わりを探して来い

我らの監督になるのはそれからだ
392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/05(火) 22:57:48.31 ID:pE34m7k0
1乙
なるほど副官はハスキーボイスか

393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/06(水) 03:51:41.99 ID:0uudwwDO
戦士は朝立ちを見られたのかと思った自分はすさんでるなぁ
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/06(水) 03:55:50.71 ID:I3xbj7Eo
荒んでるんじゃない
オレもオマエもエロゲ脳なんだ(´・ω・`)
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 04:35:05.16 ID:BE.v282o
トランクスの股間の隙間からコンニチハしてるのかと思った俺は出家して煩悩捨ててきたほうがいいですね

世界観?技術水準?知るか
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 07:50:20.65 ID:rONKx6DO
むしろ素っパで息子が有頂天になってたの想像した俺はゲス野郎
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 08:00:29.51 ID:cHYfv2AO
俺も魔道士ちゃんの目の前で全てを解放したい
398 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:31:50.06 ID:6E6qb6oo
〜最北の村〜

ジュニア「さーて、今日もハリキっていきましょー!」

魔道士「おーっ!」

召喚士「お、おーっ」

戦士「……」

盗賊「……」

ジュニア「テンション低いなぁ…」

魔道士「盗賊さん、二人であっちの方…」

ジュニア「ダーメ」

魔道士「え?」

ジュニア「こういう現場では男女ペアってのが基本なの!」

魔道士「そ、そうなんですか!?」

ジュニア「そう!それに前日の状態はやった本人しか把握してない」

召喚士「…確かに」

ジュニア「昨日と同じペアで、同じ場所を作業なさい!」
399 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:32:43.62 ID:6E6qb6oo
テクテクテク

召喚士「ジュニアさん…」

ジュニア「んー?」

召喚士「さっきの話…本当ですか?」

ジュニア「あーもちろん嘘」

召喚士「……やっぱり」

ジュニア「あーでもしないといつまでもあのまんまだろ?荒療治だよ」

召喚士「すみません…」

ジュニア「気にすんなって。それよりほれ…」

ジュニアは召喚士の背後を覗き込み、こちらを見つめる魔道士に笑顔を見せる。

ジュニア「そっちも彼女が待ってんぜ?」

召喚士「か、彼女って…!?」

ジュニア「ハッハ!照れんなって!お似合いだよ、四人ともな」

召喚士「……」

ジュニア「あのなぁ…あんまり深く考え込むなって」
400 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:34:04.35 ID:6E6qb6oo
召喚士「…はい」

ジュニア「よく考えてみ?お前も今年で25なんだろ?」

召喚士「え、あ…ええ」

ジュニア「女の一人や二人、もしろいないとならん年齢だろう」

召喚士「一人や…ふ、二人って……」

ジュニア「それにな、うつつを抜かしちまえば破滅だが…」

召喚士「……」

ジュニア「守るべきものがあった方が、強くなれたりするモンだぞ?」

召喚士「…守るべき…もの」

ジュニア「世界〜とか、人々〜とか、そんな大きなものじゃなくだぞ?」

召喚士「……」

ジュニア「身近なものの方が実感沸くし、守りやすくもあるだろ?」

召喚士「…そりゃ…そうですけど」

ジュニア「質問攻めになっちまったな。ハッハ…すまんすまん!」

ジュニアはおどけた口調でその場を去って行った。
401 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:35:10.83 ID:6E6qb6oo
ザクッ…ザクッ…ザクッ…

戦士「……」

盗賊「……」

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

戦士「……」

盗賊「……」

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

戦士「……なぁ」

盗賊「え…っ!あ、何……か?」

戦士「お前さ、俺の事どう思う?」

盗賊「!?」

戦士「…くそっ!!」

カランッ……ガシッ!!

戦士「盗賊っ!」

盗賊「っ!!…は、はは…はいぃ…っ!!」
402 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:35:55.30 ID:6E6qb6oo
戦士「…すまん!」

盗賊「――っ!!……え?」

両目をぎゅっと閉じた盗賊が、慌てて目を見開く。

戦士「…分かっちゃいるんだが、いつも感情的になっちまって…」

盗賊「……」

戦士「本国の時もそうさ…。召喚士やお前のように、もっと冷静でいられたら…」

盗賊「……戦士」

戦士「役人に手を出して…みんなに迷惑をかけて……」

盗賊「…大丈夫だよ、戦士」

戦士「……?」

盗賊「…それが、お前の良いところだ」

戦士「盗賊…」

ザッ

ジュニア「おーい、コッチは…っと!す、すまんっ!邪魔したなっ!」

戦士「してないっ!!」
403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:36:47.84 ID:6E6qb6oo
戦士「…すまん!」

盗賊「――っ!!……え?」

両目をぎゅっと閉じた盗賊が、慌てて目を見開く。

戦士「…分かっちゃいるんだが、いつも感情的になっちまって…」

盗賊「……」

戦士「本国の時もそうさ…。召喚士やお前のように、もっと冷静でいられたら…」

盗賊「……戦士」

戦士「役人に手を出して…みんなに迷惑をかけて……」

盗賊「…大丈夫だよ、戦士」

戦士「……?」

盗賊「…それが、お前の良いところだ」

戦士「盗賊…」

ザッ

ジュニア「おーい、コッチは…っと!す、すまんっ!邪魔したなっ!」

戦士「してないっ!!」
盗賊「してないっ!!」
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:37:33.00 ID:6E6qb6oo
ザクッ…ザクッ…ザクッ…

魔道士「召喚士さん」

召喚士「はい?」

魔道士「召喚士さんは…どう思ってるんですか?」

召喚士「えっ!?」

魔道士「……召喚士さん、私は…その……」

召喚士「えっ、あ…っあの…っ」

魔道士「言い辛いんですが……」

召喚士「お、俺は…その…っ!魔道士さんさえ…よ、よけ」

魔道士「マジシャンさんは…もう、もう…いないんだと思います」

召喚士「れれ……え…っ?」

魔道士「私…必死にずっと、マジシャンさんは生きてる…きっと帰ってくる…」

召喚士「……」

魔道士「そう思ってました。だから笑顔で、みんなと笑顔で待っていよう…って」

召喚士「…魔道士さん」
405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:38:02.72 ID:6E6qb6oo
魔道士「でも、虚勢を張ればば張るほど…悲しみの反動も大きくて…」

召喚士「ええ…」

魔道士「本当は受け入れなくちゃいけないんだ…。マジシャンさんの死を…って」

召喚士「魔道士…さん…」

魔道士「この村に来て、それがやっと出来そうです…」

召喚士「…強いですね。魔道士さん」

魔道士「そんな事ありませんよ…。今でもほら…」

魔道士は小刻みに震える右手の掌を広げ、召喚士の前へ開く。

魔道士「弱いですよね…私……」

ギュッ

魔道士「え……っ」

召喚士「…弱くてもいいじゃないですか。それを受け入れられる強さがあるんですから」

魔道士「召喚士…さん…っ」

キュッ

震える魔道士の手を握る召喚士の手。それをまた魔道士が優しく握り返した。
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:39:11.20 ID:6E6qb6oo
テクテクテクテク…

ジュニア「おーい、こっちはどう…」

召喚士「!?」

魔道士「っ!!」

ジュニア「…ったく、あっちもこっちもイチャコラ…」

召喚士「ち、違いますよ!」

魔道士「そ、そうですっ!勘違いしないで下さい!!」

ジュニア「…んで、こっちはどうよ?」

召喚士「いえ…何も……」

ジュニア「キリがねーなぁ…」

魔道士「……」

ジュニア「今日いっぱい、ダメだったら諦めるぞ」

召喚士「そうですね…あまり時間を費やしていても…いけませんよね…」

魔道士「……」

ジュニア「まぁ国軍の連中もいるし、後は奴らに任せるとしようかね」
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:41:37.84 ID:6E6qb6oo
ザッザッザ…

魔道士「あの、どちらへ?」

ジュニア「おしっこアーンド休憩。お前らも休みつつやりなよ〜?」

テクテクテク

ジュニア「ふふんふんふーん」

テクテクテク…ピタ

ジュニア「ん…?何だこの音…?」

ジュニアは森を更に奥へと進み、音の原因である、小さな川へと差し掛かる。

ジュニア「川…か」

ザッ…ジャバジャバッ

ジュニア「…んー、飲めるみてぇだな。こりゃいい」

両手で水をすくい、ふと顔を上げるジュニアの目に、湯気が飛び込む。

ジュニア「……?」

テクテクテク…

ジュニア「……ははぁ、なるほどな…!!」
408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:43:31.83 ID:6E6qb6oo
ザクッ…ザクッ…ザクッ…

戦士「おい……っしょおぉ!」

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

盗賊「……くっ!」

戦士「どした?」

盗賊「…この岩…固い」

戦士「おっし…どきな」

戦士はつるはしをその場に置き、左腕の盾を斧の形状にし、右手に持つ。

ググッ……ヒュオッ!!…バゴォッ!!

戦士「……っしゃあ!」

盗賊「…流石」

ゴトゴトッ…ドドォ…

盗賊「……?」

戦士「…何だ?奥に空洞が…洞窟?」

二人は一度、顔を見合わせ、すぐに洞窟の中を覗き込んだ。
409 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:44:15.68 ID:6E6qb6oo
テクテクテク…カラーン

盗賊「…一度…引きかえした方が良くないか?」

戦士「…そんなに深くなさそうだし…この先まで行ってみよう」

盗賊「……」

テクテクテク…ザザァ

盗賊「…待て、何か音が聞こえる!」

戦士「!?」

ザッ…ザッ…ザッ

戦士「魔物か…!?」

盗賊「…いや、水の音だ」

戦士「地下水脈でもあんのかな?」

ザッ…テクテクテク…

戦士「おっ、道が開けたぞ」

盗賊「……」

洞窟内には地下水脈が川のように流れ、それを地上からの光が差し込み照らす。
410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:45:10.32 ID:6E6qb6oo
中央部分で泉のように溜まる水脈が反射し、幻想的な光景を生み出していた。

戦士「おぉ…っ!?」

盗賊「おぉ…!」

テクテクテクテクテク

戦士「すんげ…。あれ…何だ?」

盗賊「…井戸のようだな」

戦士「なるほどな。生活用水にも使ってたってわけか…」

盗賊「…道理で地滑りが起きるわけだ」

戦士「…?」

盗賊「…引き返そう」

戦士「…だな。特に異常もなさそうだし…」

チャポッ

盗賊「…どうした…行くぞ?」

戦士「あ、待てって」

戦士は覗きこんだ水面から顔を上げ、歩き出す盗賊の後を追った。
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:45:51.43 ID:6E6qb6oo


魔道士「…ジュニアさん、遅いですねぇ」

召喚士「……確かに。何してるんでしょうか」

魔道士「探しに行きます?」

召喚士「そうですね、休憩がてら行きましょうか」

テクテクテク…

魔道士「…んーっ!」

召喚士「ははっ、お疲れ様です」

森の中を歩きながら両手を伸ばす魔道士を見て、召喚士が微笑みかける。

魔道士「召喚士さんこそっ、お疲れ様です!」

魔道士も労いの言葉をかけ、笑顔で言葉を続ける。

魔道士「でも、ほーんと気持ちいいですねぇ」

召喚士「ええ…。ただ北に限りなく近い場所ですから…やはり心配ですね」

魔道士「そうですよね…」

召喚士「今は攻めてくる事もなさそうでうが、偵察との遭遇は考えられますね」
412 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:46:37.50 ID:6E6qb6oo
魔道士「気をつけないといけませんね…!」

魔道士の顔から笑顔が消え、同時に左右をきょろきょろと伺いながら歩き始める。

召喚士「…ふふ…はははっ」

魔道士「……?」

召喚士「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ」

魔道士「だってぇ……」

召喚士「……ま、まぁ…いざという時は俺」

魔道士「あーっ!!」

召喚士「!?」

魔道士「ジュニアさん!」

魔道士の指差す先には、川辺で寝転ぶジュニアの姿があった。

テクテクテクテク

魔道士「ジュニアさんっ!!」

ジュニア「…ん……うぉ…っ!」

召喚士「心配しましたよ…。もう…っ」
413 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:47:14.49 ID:6E6qb6oo
ジュニア「あん…?あ、結構時間経っちまったか…ハッハ」

魔道士「そうですよ〜!一人で昼寝なんかしちゃってぇ〜」

ジュニア「すまんすまん!いよ…っと…」

召喚士「こんな所に川なんてあったんだ……」

ジュニア「ああ。西からずっと続いてるみてぇだな」

召喚士「川下は…南東の方かな」

魔道士「あれ…?川なのに湯気が出てる気が…」

ジュニア「ありゃ天然の温泉だな」

魔道士「温泉!?」

ジュニア「ああ。源泉ってやつだな。川の水と混ぜれば、即興の露天風呂になるぜ」

召喚士「へぇ〜!あ、そうか……」

魔道士「…?」

召喚士「戦士の故郷。温泉あったじゃないですか!」

魔道士「そういえば…!て事は、北方は温泉が沢山あるって事ですか!?」

召喚士「戦士の故郷はここより南東、北関へ向かう途中にありますからね!」
414 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:48:48.97 ID:6E6qb6oo
ジュニア「ま、温泉は置いといて…ひとまず戻ってメシにすっか!」

魔道士「まだ何にもしてないじゃないですかっ!」

ジュニア「二人で仲睦まじく進めてくれたんだろ?ん?」

召喚士「ま、まぁ…。仲睦まじくって何ですか…」

ジュニア「ほれほれ、戻んぞー」

魔道士「仕方ないですねぇ…全く」

頬を膨らませ歩き出す魔道士に続いて、召喚士とジュニアが後を追った。

テクテクテク…

魔道士「あ、戦士さんと盗賊さんも戻ってたんですね!良かった!」

盗賊「…?」

召喚士「これからちょうど食事にしようかと…」

戦士「おう、いいタイミングだったな!そっちはどうだ?」

ジュニア「そりゃあもう、バッチリよ!」

盗賊「……?」

戦士「バッチリって……意味が分からん…」
415 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:51:25.79 ID:6E6qb6oo


戦士「…ふぅん。川と温泉がねぇ」

戦士はライスにかけたビーフシチューを頬張りながら話を聞く。

召喚士「戦士の故郷にもさ、温泉があったじゃない?」

戦士「あの辺りは掘れば湧くような温泉地帯だからな…」

魔道士「やっぱりそうなんだ!」

召喚士「この一帯はきっとどこもそうなんですね」

盗賊「……モグモグ」

ジュニア「んで、そっちの地下水脈ってのは何もないのか?」

戦士「ああ、何の変哲もない川……」

召喚士「川……」

戦士「もしかして……」

召喚士「繋がってる…?」

ジュニア「あー、可能性はあるだろうなぁ」

盗賊「……モグモグ」
416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/06(水) 17:52:56.33 ID:6E6qb6oo
戦士「とりあえず国軍の連中にも報告して調査しようと思ったんだ」

魔道士「なんだか目的が変わってませんか?」

戦士「いや、まぁ…確かにそうだけどよ…」

盗賊「…しかし…調査は早い方がいい」

魔道士「え…?」

盗賊「…地下水がある地形は…地滑りが起きやすい」

ジュニア「その通りだ。おそらく大雨による水害の土砂もその影響だろう」

召喚士「整備さえすれば…対処方はあるって事か…」

戦士「…なるほどな」

ジュニア「んじゃ、メシ食い終わったら、さっそく軍の奴らに報告だ」

魔道士「ですね!」

戦士「あ、おかわり」

盗賊「…私も」

召喚士「じゃ、じゃあ俺も……」

魔道士「…はいっ、沢山ありますからね…えへへ!!」
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/06(水) 18:40:22.55 ID:TelJYgDO
>>402>>403ときて>>404ですまんこってしないところが>>1のダメなところだよ
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/06(水) 20:02:24.72 ID:Pb8Gz9Mo
召喚士の故郷の秘密…まさか!温泉を独占しようと…!?
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 20:47:01.83 ID:MiGz6ZUo
魔王を全部倒し終わったらみんなで温泉宿か…たまらないな
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 21:33:01.33 ID:g99po7k0
男二人組は髪の色って茶髪だったっけ?
盗賊と魔道士はわかるんだが
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 21:46:22.32 ID:tINWz3Uo
>>420
髪の色なんて出てたっけ?
男二人組というか二人は戦士父と猿(盗賊団)じゃないのか。
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 23:43:51.95 ID:Z5F0BMko
最初は召喚士23歳だよな、作中では2年ぐらいたつのか
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 23:48:44.24 ID:JIWza4.0
戦士<召喚師<盗賊<魔道士の年齢順だったが…

そういえば年いくつだっけか?
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 23:51:14.05 ID:VcPRCLso
>>423
不等号逆じゃね
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 23:54:22.94 ID:XAszV3Io
不等号もまともに使えないのかよ……
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/06(水) 23:58:36.74 ID:EmbixaYo
さすがにそれはちょっと・・・
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 00:12:02.71 ID:Oury7KY0
素で間違えた
白虎嬢の胸の中で死にたい
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 02:49:39.98 ID:seKN6.SO
あぁ魔動士(86)か
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 08:30:56.72 ID:K49pK2AO
>>1

本当に可愛いなぁ魔導師ちゃんは^^
俺の股間の魔物に魔導師ちゃんが聖行を放つ日が早く来てほしいな
逝っても逝っても活力を取り戻してしまう、俺と言う名のアンデッドを浄化してくれ
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 08:41:48.56 ID:QoT9MyIo
こっちは魔導師♂(62)だっけ
なんか懐かしいな
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 16:50:54.13 ID:Y8ooFdUP
まだかっっっっっ!
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/07(木) 17:38:09.19 ID:q7B5jcDO
ここで>>1登場↓
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/07(木) 17:44:44.67 ID:ozAxWtko
登場〜!最近仕事が忙しい&腰痛でして…ほんとスミマセン…

>>417
しまった…!すまんこ!

>>420
髪型とかはご自由にどうぞって感じです!

>>422
もうすぐ2年ですね!

↓続き
434 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:45:28.07 ID:ozAxWtko
〜本陣〜

魔道士「失礼しますっ」

副官「はいはい」

召喚士「すみません、実はちょっとご報告がありまして…」

副官「何かしら?どうぞ、座って下さい」

副官の誘導に促され、五人はそれぞれ円卓に座する。

副官「それで、一体どういったご報告で…?」

召喚士「はい、実は……」



副官「…地下水脈?」

戦士「ああ。以前は村人の生活水としても使われてたみたいだ」

副官「成程…」

ジュニア「んで、悪いが早めに調査しておいた方がいいんじゃねーか?って話だ」

副官「…分かりました。すぐに調査致しましょう。皆を集めてきて」

北方兵「了解致しました!」
435 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:47:19.02 ID:ozAxWtko


盗賊「…ここだ」

副官「洞窟上になっているのね…」

北方兵「先遣隊、行くぞ」

数名の兵がロープや松明を手に、洞窟へと足を踏み入れる。

戦士「よし、案内する。行くぞ盗賊」

盗賊「…うん」

召喚士「俺らも続きましょう」

ジュニア「魔道士ちゃんよ、一応詠唱忘れずにな」

魔道士「あ、はいっ!」

副官「貴方達は入り口の見張りと確保を」

北方兵「はは!」

ザッザッザッザ

戦士「この奥だ」

盗賊「……待て」
436 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:48:01.64 ID:ozAxWtko
戦士「!?」

盗賊「…あのほとり…何かいるぞ!」

召喚士「!?」

ジュニア「微妙に岩壁で見えねーが…確かに影が動いてるな」

北方兵「ま…魔物でしょうか!?」

戦士「…盗賊」

盗賊「…分からん。気配を…感じない」

召喚士「……?」

副官「先遣隊、ゆっくり近づいて…!」

北方兵「二手に分かれるぞ」

ザザッ…スススッ

魔道士「……」

召喚士「……」

副官「今だっ!かかれぇ!!」

戦士「うおおぉぉ!!」
437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:48:29.31 ID:ozAxWtko
ババッ

戦士「……っ!!」

盗賊「何っ!?」

岩陰に隠れた体が驚きとともに起き上がり、その姿を見せる。

召喚士「……せ、戦士…っ!?」

魔道士「戦士さんが…ふ、二人…!?」

起き上がったその男はまぎれもなく戦士であり、

その戦士に向かい合う男もまた戦士である。

戦士「てめぇ…何モンだ!?」

戦士「そっちこそ何モンだ!!」

魔道士「な、何が…どうなって…!?」

召喚士「……偽者を捕まえるんだ!!」

北方兵「うおぉーっ!」

戦士「っ!!」

戦士「なっ!?」
438 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:49:11.66 ID:ozAxWtko
ドガッ…ガスッ…バタンッ

戦士「あっぶねぇな!!」

戦士「は、話せコラ!」

ジュニア「てめぇが偽モンかぁ!?こんのヤロー!!」

戦士「だー!待て待て!そっちに逃げたヤローが偽モンだ!」

盗賊「……ちっ!」

副官「回りこんで捕らえよ!」

戦士「!?」

ジュニア「……仕方ねぇ」

バチチッ…ビリビリビリッ

戦士「――っ!?」

ドドオオォォンッ!!…ガカアアァァ!!

戦士「ぐああぁぁーっ!!」

ジュニア「よーし、動きを封じた!今のうちに捕まえろ!」

盗賊「…この…偽者めっ!」
439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:49:44.57 ID:ozAxWtko
ギリギリギリッ…グイィ

戦士「い…いてぇ!手加減しろこのバカ!!」

盗賊「な…っ!?馬鹿だと…!?」

グイッ…ギリギリッ!!

戦士「大バカだよ!!偽者は…あっちだ!!」

盗賊「…!?」

召喚士「離すなっ!!」

北方兵「へ…っ?」

スルッ…スタッ

偽戦士「へっへっへ!単純な奴ら!」

魔道士「やっぱろこっちが偽者の……」

偽戦士「ほんじゃな!!」

ジュニア「逃げんぞ!食い止めろ!!」

北方兵「くっ!」

偽戦士「どけどけぇ!!」
440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:50:16.22 ID:ozAxWtko
ヒュバッ!!

召喚士「俺は…戦士の戟!?何もかもそっくりな…」

ジュニア「逃がすかよ!」

ジュニアは右手を振り下ろし、偽戦士の周囲に土壁を作り出す。

戦士「いよ…っと!」

ヒョイッ…タタッ…スタッ

召喚士「動きまで戦士そのものだ…」

ジュニア「魔道士ちゃん!氷だ!!」

魔道士「は、はいっ!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィッ

戦士「うおっ!」

魔道士の放つ氷の矢を、戦士は左腕の盾で防御する。

戦士「あっぶねー…」

魔道士「防がれた…っ?」

戦士「んじゃな!あっはははは!!」
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/07(木) 17:52:05.13 ID:ozAxWtko
あ…間違えた…
>>440の「戦士」は全て「偽戦士」です。あしからず…
442 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:53:20.31 ID:ozAxWtko
タッタッタッタッタ…

北方兵「……」

副官「早く追いなさいっ!」

北方兵「あ、はい!」

タッタッタ…

戦士「……いい加減離してくんない?」

盗賊「…本当に…本物だろうな?」

戦士「…あのなぁ」

召喚士「盗賊さん、離してあげて下さい」

盗賊「……」

スルッ…

戦士「……チキショー、力入れやがって…っ」

盗賊「…すまん」

戦士「お前じゃねぇよ。おいコラ!ジュニア!」

ジュニア「あん?」
443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:54:03.74 ID:ozAxWtko
戦士「あん?じゃねー!人様に雷ぶっ放しやがってこの野郎っ!」

ジュニア「だぁ、悪かったよ…ハッハ!」

戦士「…ったく!」

魔道士「偽者の戦士さん…。一体…何なんでしょうか?」

召喚士「……」

盗賊「…厄介だ」

召喚士「え?」

盗賊「…魔物の気配を…感じなかった」

戦士「何が厄介なんだよ」

召喚士「街や村に潜り込まれたら…探しようがない…」

盗賊「……そういう事だ」

戦士「どーすんだよ!?でもありゃ魔物の類に違いない…」

ジュニア「……ドッペルゲンガー」

戦士「…?」

副官「ドッペルゲンガーって…あ、あの…?」
444 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:56:17.20 ID:ozAxWtko
召喚士「魔物…ですか?」

ジュニア「ああ。滅多にお目にかからないレアだが…」

魔道士「……」

ジュニア「人間の姿形をそっくりそのまま模し…悪さするヤローだ」

盗賊「……!」

ジュニア「アレの厄介なところは姿だけじゃなく、そいつの思考をも模すってとこさ」

戦士「何…!?」

召喚士「…と、いう事は…!!」

ジュニア「そう。そいつの記憶にある出来事は全て把握してるって事…」

魔道士「そ、そんな事って…!」

召喚士「……非常に…マズイですね」

ジュニア「…ああ」

魔道士「まずいと言うのは…その…?」

召喚士「戦士に馴染み深い場所や人物に危険が及ぶ…」

ジュニア「それよかもっとマズイ事がある…」
445 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 17:59:54.98 ID:ozAxWtko
戦士「……?」

ジュニア「あのまま魔王んとこ行ってみろ」

召喚士「あ…っ!!」

魔道士「…?」

召喚士「こちらの知りうる情報が…筒抜けに…っ!」

副官「……包囲網を敷きましょう。すぐに北方司令部へ伝達を!」

北方兵「了解致しました!」

タッタッタ…

戦士「ど、どーすんだ!?」

ジュニア「何があったんだ?この場所で…」

戦士「何もしてねーよ!すぐに引き返しただけだ!」

召喚士「……」

ジュニア「敵さんは元々、ここに住み着いていた…」

召喚士「そこに戦士が現れ、標的とされたわけですか…」

ジュニア「…だな。まさかドッペルゲンガーなんかがいるとはなぁ…」
446 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 18:00:39.23 ID:ozAxWtko
副官「ひとまず…地上へ戻りましょう。他にもいるかもしれません」

盗賊「……だな」

ジュニア「その上で、ここは立ち入り禁止にした方がいい」

副官「ええ…。そうさせて頂きます」

召喚士「じゃあ、戻りましょう。早急に…!」

魔道士「はいっ!」

一同は地下水脈のある洞窟を足早に立ち去った。

〜本陣〜

ジュニア「…さて、今後の方針だが…」

副官「とにかく…偽者を捕まえない事には混乱を招きます」

ジュニア「今、追跡してる兵は?」

副官「50名程度。それに北方各方面へ伝令を飛ばしました」

ジュニア「第一に重要なのは…北方から出さない事だ」

召喚士「ですね。他地域へ向かわれると…探しようがありません…」

ジュニア「戦士、もう一度確認するが…魔王討伐に関する重要な話は…」
447 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 18:04:08.02 ID:ozAxWtko
戦士「ああ、特に知らねぇ。そこは問題ないと思う」

ジュニア「…そう考えると、まだ北へ向かってくれた方がマシだわな…」

盗賊「……」

戦士「…いや、待て。マズイ…!!」

魔道士「え…?」

戦士「マズイ事を知っちまってる…っ!」

ジュニア「な、何だよ…?」

戦士「南方だよ!」

召喚士「…し、しまった…っ!!」

ジュニア「おい、南方って何だよ?」

召喚士「南方で…人間と共闘してくれている魔族がいるんです…」

ジュニア「……んで?」

召喚士「今彼らは、世界中から同志を募り…大勢力を築きつつあります…」

ジュニア「な…っ!?だ、大丈夫なのか…?本当に信用出来る…」

召喚士「それは安心して下さい。信用に足る方々です」
448 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 18:16:43.65 ID:ozAxWtko
ジュニア「なるほどな…」

盗賊「…何かまずいのか?」

召喚士「もし反乱分子がいると知ったら…」

ジュニア「奴らはまず、そこを叩くだろうな」

戦士「アイツらは切り札なんだ…!知られるにはまだ早すぎる!」

魔道士「でも…南方での戦いで既に知られてしまっているのでは…?」

召喚士「それはあくまで表面。つまり最初から反乱組織であったスグリーヴァさん達のみだと思います」

戦士「ああ…。水面下で募兵してる事を悟られるのは痛い…」

召喚士「あぁっ!!」

戦士「な、何だよ急に立ち上がって…」

召喚士「もっと…マズイ事があるじゃん!!」

ジュニア「何だ…!?」

召喚士「要人ですよ…!」

ジュニア「要人?どの程度の…?」

召喚士「……く、国の…トップクラスの…」
449 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 18:23:17.77 ID:ozAxWtko
ジュニア「はぁ!?」

召喚士「本国で言えば…皇太子殿下にエリートさん、それから青龍先生に各司令官…」

ジュニア「……」

召喚士「西国の皇子に神官さん…。それに東方の名代さんに御館様…」

戦士「南東国の三男に白馬騎士。次男もか…」

ジュニア「おいおい…他国の要人もかよ…っ」

召喚士「……やっぱり駄目だ。放っておくわけにはいかない!」

ジュニア「…だわな。と言ってもどーすっかだなぁ…」

副官「北方は私達に任せて下さい。皆様は他の地域を…!」

盗賊「…東方には私が文を出しておく。藤蔵の者らに当たらせよう」

ジュニア「すまんが俺はこの後、鉱山に戻らにゃならん」

召喚士「…はい」

ジュニア「鉱山と北の街はこっちで何とか対処する」

召喚士「助かります」

戦士「んで…俺らは……」
450 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/07(木) 18:28:51.59 ID:ozAxWtko
召喚士「…ひとますは本国へ向かおう。そこで何とか…」

魔道士「国軍の方や殿下に予め注意を伝えては…?」

召喚士「それが良いと思います」

ジュニア「あとは遠くへ行ってない事を願うしかないな…」

盗賊「…ああ」

副官「混乱を避けるために、北方を離れたらこちらには近づかないで下さい」

召喚士「分かってます。あとはあくまで単独行動であるかどうか…」

戦士「だな。こっちは常に4人で動くとしよう。もし単独だったらそれは偽者だ」

副官「分かりました」

ジュニア「了解した。ワークショップにも極力居場所を明記してオープンにしといてくれ」

戦士「…すまん。ややこしい事になっちまって……」

召喚士「戦士のせいじゃないよ。とにかく大事になる前に終息させよう!」

盗賊「…ああ!」

魔道士「何としても偽者を捕まえなきゃ…!」

召喚士「…ええ!」
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 18:59:21.13 ID:tz4XDMDO
1乙
召喚士「俺は…戦士の戟!?何もかもそっくりな…」
召喚士は伝説の槍だったのか…
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 19:40:08.21 ID:43FKRi60
1乙
コピーされたのが召喚士じゃなくてよかった…
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/07(木) 21:03:20.22 ID:ADOdFeko
盗賊がコピーされれば…
ゲフンゲフン
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 23:28:59.86 ID:qBLlenwo
ほう…これは同一IDに期待ですな
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/07(木) 23:43:24.45 ID:b.U3PDko
コピー戦士の話の方向が読めた
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 00:02:49.91 ID:EKANV2DO
(キリッ
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 00:05:12.48 ID:T196RzMo
          ____
       / \  /\  キリッ
.     / (ー)  (ー)\
    /   ⌒(__人__)⌒ \   <コピー戦士の話の方向が読めた
    |      |r┬-|    |     
     \     `ー'´   /
    ノ            \
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))


          ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ    だっておwwwwwwwwwwww
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/
|     ノ     | |  |   \  /  )  /
ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))


458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/08(金) 00:08:02.67 ID:SxIVakso
キリュッ
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/08(金) 00:10:28.27 ID:SxIVakso
IDかわってた
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 01:24:52.66 ID:64ZZqOYo

 天才降板のお知らせ

謹啓 平素は天才を応援していただき、誠にありがとうございます。
このたび度重なる天才株暴落の影響を受け、この度『頼れる兄貴キャラ』から天才が降板する事となりました。
何卒今後とも応援して頂けますよう、これからは地道に功績を積み重ねていくつもりですので、ファンの皆様にはよろしくお願い申しあげます。
                                                                                    謹言


旧『頼れる兄貴キャラ』 天才


新『頼れる兄貴キャラ』 ジュニア
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 08:27:51.75 ID:SjfTAgAO
戦士達の実力が追い付いてしまったのか、それとも天才達が年齢的に折り返しポイントで日々弱体化しているのか…
なにせよ昔ほど頼れるベテランって思える奴がいなくなったな

黒い三連星…
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/08(金) 12:35:43.13 ID:6/DYNEDO
偽戦士取っ捕まえて、文官の前で処刑

若しくは、盗賊ちゃんのペットに決定だねっ!
463 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:20:40.51 ID:szoi7CQo


魔道士「それでは、お世話になりました」

召喚士「すみません…何だか途中で…」

副官「気にしないで下さい。本国、ひいては世界の大事に成りかねない事ですから」

戦士「……ほんとすんません」

副官「それに、これも仕事ですから。ふふっ」

盗賊「……では」

召喚士「失礼致します」

副官「お気をつけて。ご武運を…!」

テクテクテクテク…

魔道士「でも、良かったんですか?…ジュニアさん」

ジュニア「んー?」

魔道士「マジシャンさんの…その、お墓…建ててあげなくて…」

ジュニア「…ああ、いいよいいよ。こんな所まで墓参り来んのも面倒だし」

盗賊「……」
464 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:21:56.96 ID:szoi7CQo
ジュニア「それによ、いいんじゃねぇか?」

魔道士「え…?」

ジュニア「もしかしたら生きてるかも!?…ってのに希望持たせようじゃないの」

召喚士「…ええ。そうしましょう!」

ジュニア「んじゃ、俺はこのまま北の街経由で鉱山へ戻る」

召喚士「はい。色々とありがとうございました!」

魔道士「楽しかったです!えへへ!!」

ジュニア「こっちこそな。お前さん達に会えてよかったよ」

盗賊「…では…また」

戦士「んじゃ、元気で!」

ジュニア「おう!またなっ!……ハッハ!!」

ジュニアは笑顔で右手を上げ、北の街へと続く道を歩き去って行く。

ジュニア「あの日、本当になんとなく知った親父の住処へ行ったんだよなぁ…」

ザッザッザ

ジュニア「……これも…親父が引き合わせてくれたんかねぇ。ハッハ」
465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:23:14.44 ID:szoi7CQo


戦士「さて…俺らはどうする?」

召喚士「戦士の偽者はおそらく陸路を行ってるように思う」

魔道士「そうなんですか?」

召喚士「あの時…戦士は武具は身に付けていたけど、お金は持参していなかった」

盗賊「…そうか。船の乗車賃など払えるはずはない」

召喚士「それに北方は戦士の故郷。陸路でも十分に地理は把握してるはず…」

戦士「ああ…。姿を隠して進むなら、その方が手っ取り早い」

召喚士「……まずは北方司令部に顔を出しましょう」

戦士「そうだな。伝令も飛んでるが、直接話しておいた方がいいだろう」

魔道士「それじゃ北方司令部へ向かいましょうか」

盗賊「…同意!」

召喚士「ここからなら…北の村経由で司令部へ行くルートが楽かな…?」

戦士「北の村にも報告がてら立ち寄るとすっかね」

召喚士「うん。そうしようか」
466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:33:50.03 ID:szoi7CQo


大軍師「…いるとは…思えませんが」

ザッザッザ

〜女侍のアジト〜

大軍師「どこかでお会いしたと思えば、あの時の者だったとは…」

護衛「…お下がり下さい」

ザッザッザ……バンッ

護衛「……もぬけの殻です」

大軍師「全く…。折角の贖宥状を白紙にするとは…」

護衛「如何致します?」

大軍師「各方面へ伝令。指名手配をかけなさい!」

護衛「ははっ!」

タッタッタッタッタ

大軍師「……善悪があろうと、盗みは罪なのですよ」

何も無くなり、ポッカリと空いた空間。大軍師はアジトを見つめ溜息交じりに呟いた。
467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:38:17.28 ID:szoi7CQo
〜北の村〜

戦士「到着〜」

魔道士「何やら…慌しいですね」

青年「どうだ、情報は…!?

ヒゲの男「こっちは特にない。そっちは……」

召喚士「あの、何かあったんですか?」

ヒゲの男「え…?あ、ああ。実はワーカーの偽者やら賊やら色々と伝令が…」

魔道士「あ……っ」

戦士「それって……」

ザッザッザ

参謀「話は伝令より伺いましたよ。此度は災難でしたね」

召喚士「参謀さん!」

参謀「こちらが本物のワーカーさんです」

ヒゲの男「あ、そ…そうでしたか」

盗賊「……どうも」
468 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:41:55.68 ID:szoi7CQo


召喚士「と…まぁ、そういうわけなんです」

参謀「成程…。理解致しました」

戦士「それで、こっちに動きは?」

参謀「偽者については今のところ特に……」

盗賊「…賊については?」

参謀「はい。兄が思い当たる不審者を見かけたとの事で確認へ向かいました」

戦士「……ふぅん」

参謀「女リーダーと三人の男が部下に付いた、四人組の盗賊団です」

戦士「……ふぅん」

召喚士「……女リーダーに…四人組!?」

魔道士「えっ!?あの…それって……」

参謀「……?」

召喚士「あ、いえ…っ!何でもありません!!」

参謀「…は、はぁ」
469 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:46:13.40 ID:szoi7CQo
盗賊「…その者らが…犯人だと?」

参謀「…まだ容疑者の段階ですがね。あと二組、北では厄介な盗賊がおりまして…」

召喚士「そうなんですか?」

参謀「一つは男三人組のワーカー崩れの連中…」

戦士「……ふぅん」

参謀「もう一つは、最近巷を賑やかせている通称、黒マントと呼ばれる盗賊です」

召喚士「黒マント…ですか」

戦士「どんな奴なんだ?」

参謀「ええ…。身の丈2メートルに迫ろうかと言う大男でありながらすばしっこく…」

魔道士「す、すご…っ」

参謀「事を起こした後は煙のように消えてしまい、所在すらも掴めないと言う…」

召喚士「……手ごわそうですね」

参謀「実はその黒マントが、つい先程、姿を見せたらしいのです」

盗賊「……!?」

参謀「場所はここと司令部の中間あたり。さほど遠くはありません」
470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/08(金) 17:50:33.58 ID:szoi7CQo
戦士「…なるほどな。それで慌しかったってワケか」

参謀「日が暮れれば確実に捕らえる事は出来ません」

盗賊「…だな」

参謀「黒マントも容疑者の一人です。機会のあるうちに捕らえておきたいと…」

魔道士「召喚士さん、ここは……」

召喚士「そうですね。手伝わせて下さい!」

参謀「…宜しいのですか?」

戦士「どうせ通り道だ。全然構わねーさ!」

参謀「…分かりました、ありがとうございます。しかし…深追いは無用です」

盗賊「…分かってる。日没と共に…引き揚げる」

参謀「お願い致します。報告は司令部経由の伝令で結構ですので」

召喚士「分かりました。出来る限りの事は…頑張ります!」

戦士「大男か…!腕が鳴るぜ!!」

魔道士「で、でも…無茶は禁物ですよ…っ?」

盗賊「…日没前に…捕らえてやるさ」
471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/08(金) 18:04:22.79 ID:szoi7CQo
風邪引いてかなりヤバめなので失礼致します…
夜は来れたら来ますが期待薄で…ご支援感謝!ノシ
472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/08(金) 18:25:02.37 ID:WExd2TIP
おつかれ
明日から3連休だ
楽しむために、今日はゆっくり休んでください
473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 19:17:24.13 ID:UnW0OcAO
いちおつ!

無理せずしっかり完治してから楽しませてくれなんだぜ
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 20:23:33.77 ID:E9iXmIDO
まったく! 体が弱い>>1だなぁ!

あれほど皆で体に気を付けろと言ってるのに!

暖かくして早く寝なさいよね!

べっ 別に>>1が心配なんじゃなくて、ただ続きが読みたいだけなんだから!////
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/08(金) 21:43:45.92 ID:vAnezTU0
1乙
身体お大事に!
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/09(土) 03:48:33.93 ID:9rtIT2DO
>>1は病弱な黒髪美少女に違いない。結婚しよう
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 12:55:04.99 ID:Zvr5y3Ao
ジェミニか!!
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 16:51:09.64 ID:8nTksKUo
ここでまさかのジェミニ登場wwwwwwwwwwwwwwwwww
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/09(土) 21:10:37.63 ID:OVlydASO
ジェミニとか(笑)
乗ってくるわけがない
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/09(土) 23:05:14.36 ID:DwnXok.o
えっと…ジェミニというのは聖闘士星矢的なお話でいいのでしょうか…?
それくらいしか浮かびませんでした…↓続き
481 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:05:53.98 ID:DwnXok.o
〜北の山間部〜

夕暮れに赤く染まる空に。渡り鳥が群れを成して北の地を去りゆく。

ザッザッザッザ…

赤き空と大地は、次第にその色を黒へと変色を始め、それは夜の訪れを意味する。

ザッザッザッザ…

戦士「……あん?」

商人「ひ、ひいぃ…!命だけは…っ!!」

従者「ひゃあぁ!!」

タッタッタッタッタ

商人「こ、こらっ!ワシを置いて逃げ……」

ザッ

商人「ぎゃああぁぁ!!」

戦士「…何だっつうんんだよ、おっさん…」

商人「たたっ、助けてくれ…!黒マントだ!!」

戦士「黒マント…?」
482 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:08:09.49 ID:DwnXok.o
ザッザッザ…ピタッ

全身を黒い布で覆い、マントをたなびかせる大きな人影。

戦士「盗人か?」

黒マント「……」

商人「強盗だ!わ、私の金を狙っているんだ!」

戦士「…金なんか諦めろよ。命には代えられんだろ…」

商人「そ、そんな…!大切な財産なんだ…!!」

戦士「だーから、知らねっつの。命より大切なのか?」

商人「報酬は出す!奴から私と…金を守ってくれ!!」

戦士「……悪いが忙しいんだ。他を当たってくれや」

商人「そ、そんな…っ!!」

戦士「んじゃな」

テクテクテクテクテク

戦士「あん、何だ?…どいてくれよ」

黒マント「……」
483 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:09:04.47 ID:DwnXok.o
戦士「……つか、お前…デケェなぁ」

黒マント「…………」

戦士「こっちは急いでるんだ。通してくんねーかなぁ」

商人「お、おいっ!待て!!待ってくれぇ!!」

黒マント「……」

スッ

戦士「そうそう。すまねぇな」

テクテクテクテク

戦士「あん?」

黒マント「……?」

戦士「……お前」

ガシッ

黒マント「……!?」

戦士「……やっぱりな」

黒マント「っ!!」
484 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:09:35.87 ID:DwnXok.o
モミモミッ

黒マント「んな…っ!!」

戦士「へっへ。やっぱりな…!気が変わった。おっさん…助けてやんぜ!」

商人「……はっ?」

戦士「ほらどうしたよ?かかってきな!」

黒マント「…くっ!!」

ズサッ…タタッ

戦士「……ちっ、逃がしたか」

商人「……」

ザッザッザ

商人「あ、あのぉ…」

戦士「良かったな。命も金も助かってよ」

商人「え…あ、あの……」

戦士「じゃな」

呆気に取られる商人を後に、男はその場を立ち去って行った。
485 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:10:19.36 ID:DwnXok.o
〜数十分後〜

召喚士「目撃情報だと、この辺りになるのかな…」

魔道士「見つかりますかね…」

戦士「まぁ難しいだろうな。相手もプロの盗賊なんだろ?」

盗賊「…だろうな」

戦士「こう言っちゃ何だが、俺らの目的はあくまで偽物探しだ」

召喚士「うん。黒マントについてはあくまでついで……」

パッカパッカパッカ

商人「…あ、あああれぇ!?」

盗賊「……?」

商人「さ、先程はどうも…!!」

魔道士「へ…っ?」

商人「し、しかし…先程はお一人で…あ、あれ…?」

戦士「何言ってんだコイツ?」

召喚士「あ、あの…詳しく聞かせて頂けませんか…?」
486 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:10:51.76 ID:DwnXok.o


商人「…と、まぁ…そういうわけですが…」

盗賊「……」

召喚士「……間違いない、偽物だ」

魔道士「それに…黒マントも…!?」

商人「え、ええ…。こちらの方が悶着の後に撃退を…」

戦士「……」

召喚士「と、とにかくありがとうございます!」

商人「え!?あ、こちらこそ…どうも」

召喚士「急ぎましょう!まだこの近くにいるはずです!」

戦士「だな!おい…おっさん!!」

商人「…!?」

戦士「この先の北の村に国軍がいる!黒マントの事を伝えてくれ!」

商人「あ、は…はい!」

召喚士「よし…行きましょう!」
487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:11:42.09 ID:DwnXok.o
タッタッタッタッタ

盗賊「…それで…どうする!?」

召喚士「……」

魔道士「行き先が分からないんじゃ…近くにいても探しようが…」

召喚士「……戦士」

戦士「ん?」

召喚士「戦士ならこの先、どう人目につかず進む?」

魔道士「そっか…!戦士さんの偽物なら…」

盗賊「…戦士の思考を…読めばいい!」

召喚士「……そういう事です」

戦士「当然だが北方司令部は避けて、北関との間の山道を進むだろうな」

召喚士「…定石だよね。良かった」

戦士「……?」

召喚士「いや、戦士が通常の思考で良かったって」

戦士「どういう意味だ!!」
488 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:12:08.23 ID:DwnXok.o
タッタッタッタッタ

戦士「この道を真っ直ぐ南へ抜ければ司令部だ」

盗賊「…と…言う事は」

召喚士「左ですね!東側に向かいましょう!」

魔道士「はいっ!」

タッタッタ

盗賊「…待て!」

魔道士「!?」

盗賊「……気配が…こっちか!」

戦士「いやがったか…!」

盗賊「…いや…違う!」

脇道よりゆっくり姿を現すは、大きな図体の黒い影であった。

戦士「こいつ……まさか!?」

召喚士「黒マントかっ!!」

黒マント「……!!」
489 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:13:20.68 ID:DwnXok.o
ズカズカズカ…

戦士「噂通り…随分と大男……」

バシンッ!!

戦士「…へっ?」

素早く近づき戦士の頬を叩く黒マント。一同はただ唖然とその光景に固まる。

魔道士「……え、えっとぉ」

黒マント「……不埒な男!」

戦士「……は…っ?」

黒マント「……くっ!」

バチンッ!!

戦士「いってぇ!何しやがる!!」

黒マント「コッチの台詞だ、バカッ!!」

召喚士「し、知り合い…?」

戦士「んなワケねーだろ!!」

盗賊「……おい」
490 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:14:32.73 ID:DwnXok.o
ザッザッザ

黒マント「……!?」

盗賊「…何者かしらんが…いい加減」

チャキッ

盗賊「…離れろ!」

ヒュオッ!!

黒マント「!?」

戦士「お、おいっ!何もいきなり斬りかかる事……」

盗賊「…正体を…見せろ!」

盗賊は抜いた薄緑で黒マントの両足を斬りつける。

ズバシュッ!!

魔道士「きゃあぁ!!」

戦士「盗賊ーっ!やりすぎだ!!」

召喚士「い、いやっ…違う!これは…!!」

盗賊「……」
491 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:15:46.77 ID:DwnXok.o
ポトッ…ポトッ…

黒マント「……っ!!」

盗賊「…次は…その布切れだ」

チャキッ

戦士「…こ、これは!?」

魔道士「靴にしては…底が随分高いというか…厚いというか…」

召喚士「ブーツの底を高くして…身長を水増ししていたのか…っ!」

盗賊「……はぁ!」

ブンッ!!……ファサッ

黒マント「……くぅ!」

召喚士「な…っ!?」

盗賊「……!!」

戦士「お…女ぁ!?」

魔道士「え…ええぇぇ!?」

斬り裂かれた黒いマントの中より、小柄な女性が姿を現した。
492 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:17:05.55 ID:DwnXok.o
召喚士「……こ、これが…黒マントの正体…!」

黒マント「……ちっ!」

ババッ!!

盗賊「待てっ!逃がすか!!」

ヒュバッ…タタッ…ガシィ!!

戦士「おっしゃ!よくやった!!」

逃げ出す黒マントを背後から捕え、その場に押し倒す盗賊。

それを見て三人が急ぎ盗賊の元へと駆け寄る。

盗賊「…お前…東方の出か…?」

黒マント「……」

タッタッタ

戦士「…おいコラ、何でいきなり人の事引っ叩きやがった!?」

黒マント「何でだと…!?お前は自分がした事を忘れたのかっ!」

戦士「はぁ!?」

黒マント「いきなり人の…む、胸を揉みしだきやがって!」
493 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:18:50.63 ID:DwnXok.o
盗賊「……!!」

魔道士「え…!?」

召喚士「えぇっ!?」

戦士「……はっ?」

スルッ…

黒マント「離せっ!」

バキッ!!

盗賊「…くっ!」

黒マント「……ふーっ」

パンパンッ…ノソッ

戦士「ちょ、ちょっと待て…話が見えん。お前とは初対面…」

黒マント「さっき会っただろうがっ!!」

戦士「!?」

召喚士「まさか……偽物が!?」

戦士「それはいつだ!?どこでだ!?」
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/09(土) 23:35:58.83 ID:BotbAEAO
黒マントにとんでもないものを盗んでいかれたんだが
495 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:49:15.28 ID:DwnXok.o
黒マント「まだとぼけるつもりかっ!」

召喚士「ちょっと待って下さい!話を聞いて貰えませんか…?」

黒マント「……」

召喚士「え、えっと…まずは俺らの素性から…」



黒マント「……ふぅん。事情は分かった」

召喚士「信じて…頂けますか?」

黒マント「信じられると思うか…?」

召喚士「……い、いや…っ」

黒マント「だが…辻褄は合う。そう考えぬと納得がいかぬ…悔しいが」

盗賊「……」

魔道士「あ、あの…」

黒マント「……?」

魔道士「お、お名前…教えて頂けませんか?」

黒マント「……くの一だ」
496 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:50:19.81 ID:DwnXok.o
召喚士「くの一さん…ですね。宜しく…」

くの一「宜しくする気はない。もういいだろう」

ザッ

くの一「互いの疑問は解決したのだ。用はないだろ?」

戦士「黒マント…お前が正体なんだよな?」

くの一「……だから何だ?」

召喚士「最北の村に行った事は…?」

くの一「最北…?どこだそれは?何かお宝でもあるのか…?」

盗賊「……」

戦士「…嘘はついてなさそうだな」

くの一「だから一体…何なのだ!?」

召喚士「いえ、知らないならいいんです。むしろ…知らない方がいいかも…」

くの一「……歯切れが悪いな」

戦士「とにかく国軍にマークされてる。これを機に盗賊稼業から足を洗うんだな」

くの一「…余計なお世話だ。こっちも金がないと飯にもありつけぬ身だ」
497 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:51:23.48 ID:DwnXok.o
魔道士「だったら…泥棒なんて辞めて、ワーカーにでも…」

くの一「……ワーカー?」

盗賊「…用心棒みたいなものだ」

くの一「……ふぅん」

盗賊「…何故…東方を出た?」

くの一「……お前、同郷か!?」

盗賊は黙って頷く。

くの一「…出身は?」

魔道士「あ、盗賊さんはですね……」

盗賊「…都の北。湖の辺りだ」

くの一「……そうか。私は東だ」

盗賊「……それで…何故」

くの一「離す必要はない。もういいな?」

召喚士「……え、ええ」

くの一「……ふん」
498 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:53:48.69 ID:DwnXok.o
ザッ…

戦士「俺の偽物はどっちに行った?」

くの一「…知るかっ!」

ババッ…タッタッタッタッタ

魔道士「い、行っちゃいましたね……」

盗賊「…捕えなくとも…良かったのか?」

召喚士「犯人ではなさそうですし、何やらワケありのようですからね…」

戦士「それに…本命は近くにいるみてぇだしな」

魔道士「くの一さん…。決して悪い人には見えませんでしたね…」

召喚士「…そろそろ日が暮れます。急ぎましょうか」

戦士「…だな」

タッタッタ

魔道士「…盗賊さん」

盗賊「…ん?」

魔道士「何故…藤蔵だと名乗らなかったんですか?」
499 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/09(土) 23:54:38.49 ID:DwnXok.o
盗賊「……元より藤蔵の名は名乗るつもりはない。それに…」

魔道士「…それに?」

盗賊「…敵が多いのでな。特に…あの手の連中には」

魔道士「……な、なるほど」

盗賊「…さ、行こう」

魔道士「あ、はい…!」

戦士「…しかしこの先はもう山脈に入っちまうな」

召喚士「うん…。夜じゃおそらくもう…見つからないだろうね」

戦士「日没と同時に司令部へ向かうか」

召喚士「…そうしよう。流石に無理があるからね…」

戦士「盗賊っ、何か気配はあるか?」

盗賊「……特にない」

戦士「……くそっ!」

まもなく夕暮れの景色は、完全なる闇へとその色を変えた。

召喚士「……時間切れ…か」
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 00:27:20.86 ID:fzZQQIDO
>>1乙!
体調はもう大丈夫なのかー?
偽戦士は戦士の思考から倫理感が抜け落ちた感じなのかな?

もしそうなら、パーティーの他のメンバー偽物とかも見てみたいなww
みんながどんな行動するか面白そうだ
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 00:29:12.04 ID:Gr8JlG6o
まず召喚士が女装する
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/10(日) 01:11:49.44 ID:ZmCFXOs0
1乙
やっぱり戦士はおっぱいが大好きだったんだね
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 01:45:55.27 ID:9DXqVCgo
>>1乙です。
オレ、今日自分の結婚式なんだが、
新郎挨拶の時に召喚士級のいいまつがいを
しちゃわないか心配だぜ。
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/10(日) 02:08:34.75 ID:pwdvTHUo
>>500
少しずつですが復調です!ありがとうございます!

>>501
戦士「…ん?召喚士、なんで女装なんかしてんだ?」

>>502
戦士「そ、そんな事ねーし!何言っちゃってんだか…!はははっ!」

>>503
うおぉー!おめでとうございます!お幸せに!!

召喚士「人間…言い間違える事もあります。平常心です」

戦士「……説得力ねー」
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 02:09:31.06 ID:YvMX5kQ0
>>503
祝ってやる
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 06:14:12.17 ID:Xpw44ESO
>>503
なんてめでたいんだ………心の底から祝ってやるぜ
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/10(日) 07:07:37.43 ID:Rm/1MwDO
>>503
高見盛と末長くお幸せに!
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 07:12:04.92 ID:u1bgS8Uo
>いいまつがい
物凄く心配だな
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 08:20:36.30 ID:u1bgS8Uo
ジェミニというのは同じファンタジーカテゴリにまとめてある
スレタイに◆付けてる人の登場人物です
独特な世界観のファンタジー物でギルドや怪盗が登場します
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 09:10:17.64 ID:9DXqVCgo
>>504-508
ありがとうございます!
続きが気になりますが、逝ってきます!ノシ
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/10(日) 09:34:57.19 ID:LAOMrAAO
今北産業
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/10(日) 10:21:38.78 ID:lsOCS3gP
>>510
気をつけてな
今日はオマエがナンバーワンだ
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/10(日) 23:28:00.47 ID:pwdvTHUo
>>509
なるほど…SSなんて全然読まないもので、無知ですみません…

>>511
>>503
結婚式で
かみました

↓続き
514 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:28:55.24 ID:pwdvTHUo
〜北方司令部〜

ザッザッザ

騎士長「おう、ご苦労。待ってたぞ」

召喚士「すみません。またお世話になります」

騎士長「気にするな。俺らにとってもお前らにとっても想定外の出来事だ」

盗賊「……」

騎士長「とにかく左翼長も待ってる。ひとまず話を整理しよう」

〜司令室〜

カチャッ

騎士長「連れてきたぞ」

左翼長「…おう」

魔道士「失礼します」

左翼長「話は聞いた。それで、何か掴めたか?」

召喚士「…いえ、残念ながら……」

左翼長「……そうか」
515 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:29:55.01 ID:pwdvTHUo
・・・

騎士長「しかし…ドッペルゲンガーとはねぇ…」

召喚士「ご存じですか?」

騎士長「いんや、噂に聞いた事がある程度だ。何でも見たら寿命が縮むとか…」

左翼長「んなモン迷信だろ。とにかく…実際相まみえた事はねぇな」

戦士「寿命…!?か、勘弁してくれよ…っ」

左翼長「しかし…狙いは何なんだ?」

魔道士「狙い…ですか?」

左翼長「ああ。何が目的で戦士の姿を模して…うろついてやがるのか…」

召喚士「確かに…それは謎なんですよね…」

騎士長「引っ掛かるな…」

戦士「成りすましたところでメリットにもならんしな…」

左翼長「考えうる事は二つ…。一つはお前の記憶から情報を得る事」

召喚士「その可能性は高いですね。ただ…」

騎士長「…?」
516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:30:55.95 ID:pwdvTHUo
召喚士「もしそうならばもっと情報を持った人物と接触を持った方が…」

左翼長「ドッペルゲンガーはずっと洞窟にいたんだろ?」

魔道士「誰か来る事を待っていたとか?」

召喚士「その可能性も無論ありますが…どうなんですかね」

騎士長「確かに。変化前が設置型なら話は別だが…」

魔道士「そっか…!動けないから誰かが来るのを待ってた…?」

左翼長「考えられるな…」

戦士「んで、もう一つってのは?」

左翼長「ずばり撹乱だな」

戦士「撹乱?」

左翼長「つまりはだ、お前の姿形で例えば…犯罪を繰り返すとか…」

戦士「はぁ!?」

騎士長「…メリットはあんのか?」

左翼長「…ない。今は…な」

戦士「今は…?」
517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:31:54.21 ID:pwdvTHUo
召喚士「…あ、そうか」

盗賊「…?」

召喚士「例えば戦いが起きた時とか…」

左翼長「そう。北方で戦が起きたと仮定しよう」

魔道士「…はい」

左翼長「敵が北の村を狙ったとして、戦士の偽物がここを訪れる」

召喚士「その時、もし誤った情報…例えば北関を狙ってるとか吹聴すれば…」

騎士長「伝令が出てるとは言え、若干は北関へも兵を割くだろうな」

左翼長「そうだ。30分だろうが1時間だろうがのロスは作れるって事さ」

戦士「……ちっ、そう考えると怖い存在だな」

召喚士「とにかく…いち早く捕まえなくてはなりません…!」

騎士長「ああ、こっちは安心してくれ。北方中に捜索隊を派遣してある」

左翼長「手配書もバラ蒔いた。明日からはワーカーも動くだろう」

召喚士「あとはドッペルゲンガーの情報を得たいところですね…」

騎士長「得体の知れん相手だからな。原型や特性を掴みたいところだな」
518 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:33:05.31 ID:pwdvTHUo
魔道士「何か…知っている人でもいればいいんですが…」

左翼長「元特遊の俺らですら噂程度だからな……」

騎士長「書物でも片っ端から漁れば…手掛かりが掴めるかもしれないけどな…」

盗賊「……書物」

召喚士「書物…か。あるとすれば…あっ!国軍本部の資料室…!?」

戦士「ああ、あそこか」

騎士長「確かに本部の資料室ならば…手掛かりはあるやもしれんな」

魔道士「…行ってみますか?」

左翼長「こちらからも頼む。北の捜索は軍が引き受ける」

召喚士「すみません…お願いします!」

騎士長「今日は泊まっていくといい。夜のうちに本国へ伝令を飛ばしておく」

魔道士「あ、ありがとうございます…!」

左翼長「よし…。頼んだぞ!今日はこれにて解散だ」

戦士「……うっす!」

召喚士「勝負は…明日か」
519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:33:31.99 ID:pwdvTHUo


召喚士「……」

コンコン・・・カチャッ

戦士「…おっす」

召喚士「戦士…」

ドアを開け右手の酒瓶をかざす戦士。それを見て召喚士は微笑む。

トクトクトク

召喚士「…っと、ありがと」

戦士「こんな時に酒飲むなんてアレだけどな…」

召喚士「……」

戦士「…なんか落ちつかなくてよ」

召喚士「うん」

戦士「…しかし、怖いもんだな」

召喚士「ドッペルゲンガーの事?」

戦士「ああ…」
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/10(日) 23:34:10.36 ID:7XSV86co
フラグメイカーの戦士なら、寿命が縮まってもいいや
521 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:34:36.94 ID:pwdvTHUo
召喚士「…確かに…怖いよね」

戦士「皮肉な事だが、失うものが少なくて良かったと思うよ」

召喚士「……」

戦士「故郷の村はそんな気にする心配もないだろうし…」

召喚士「親父さんは?」

戦士「返り討ちだろ。俺でも勝てる気しねぇよ…」

召喚士「そっか…」

戦士「……はぁ。しっかし…ヘコむわぁ」

召喚士「…別に戦士のせいじゃないって」

戦士「…それは分かってるんだが…なぁ」

召喚士「……」

戦士「やっぱり気持ち悪いっつーか…」

召喚士「自分の姿をした魔物がうろついてるんだもんね…」

戦士「何もなけりゃいいけどさ…」

召喚士「……うん」
522 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:35:42.28 ID:pwdvTHUo
戦士「マジシャンの手掛かりも召喚士の手掛かりもなかったしな…」

召喚士「…だね」

戦士「でも、久々に故郷の村を歩いてさ、どうだった?」

召喚士「…いや、やっぱり…何もないかな」

戦士「……そか」

召喚士「故郷といっても、生まれた場所だけど…覚えてもいないしね…」

戦士「……」

召喚士「明日は頑張ろ」

戦士「…だな。いつまでもクヨクヨしててもしょうがねーしな…!」

召喚士「…うん!」

戦士「んじゃ戻るわ。サンキュな!」

召喚士「あ、うん。おやすみ!」

戦士「おう!」

テクテクテク…カチャッ…パタン

召喚士「……故郷…か」
523 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:37:06.33 ID:pwdvTHUo
〜次の日〜

左翼長「そんじゃ…頼むぞ」

魔道士「はいっ!行ってきます」

騎士長「心がけるべき事は…?」

召喚士「戦士の…単独行動はしない事ですかね」

騎士長「…ん。その通りだ」

盗賊「…分かってるな?」

戦士「んな事言われんでもするか!」

左翼長「北は気にしなくていい。とにかく何か情報を得たらすぐに教えてくれ」

召喚士「分かりました」

左翼長「ついでなんだが……」

盗賊「…?」

左翼長「黒マントって知ってるか?」

魔道士「あ…っ」

騎士長「…?」
524 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:38:04.73 ID:pwdvTHUo
召喚士「あ、あの…!噂程度は!」

左翼長「どうも昨日からこの辺りをうろついてるって情報が入ってな」

盗賊「…!!」

騎士長「最北での盗難容疑がかかってる。みかけたらそれも教えてくれ」

戦士「お、おう」

召喚士「それでは失礼します!」

魔道士「え、あ…あのっ」

戦士「ほれ!行くぞ魔道士!」

魔道士「あっ、それではまた…っ!」

タッタッタッタッタ

騎士長「忙しない奴らだな…」

左翼長「…ま、それなりに責任感じてるんじゃないのか?」

騎士長「そりゃそうだわな…。さて、こっちもボチボチ始めるとするか」

左翼長「おう。まずは近隣地域へ手配書をバラ蒔くぞ」

北方兵「ははっ!!」
525 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:39:34.33 ID:pwdvTHUo
テクテクテク…

魔道士「良かったんですか?」

戦士「何が?」

魔道士「あの、黒マント…くの一さんの事…」

戦士「何を話せってんだよ?」

召喚士「くの一さんは最北の件とは無関係だと思いますよ」

盗賊「…ああ」

魔道士「確かに…そうですよね」

戦士「でもなぁ、考えてみりゃ…盗賊しいてるんだよな…」

召喚士「あれで足を洗ってくれると良いんだけど…」

戦士「一応…正体は話しておくか…?」

盗賊「…少し…時間を与えよう」

戦士「時間…?」

盗賊「…足を洗うやもしれん」

魔道士「盗賊さん…」
526 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/10(日) 23:40:02.20 ID:7XSV86co
魔道士は口が軽いのかな…
527 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:40:52.49 ID:pwdvTHUo
盗賊「…それでも懲りぬようなら…捕えればいいさ」

召喚士「…それは賛成ですね」

戦士「そうすっか…。でもなぁ…」

盗賊「…もし奴を…捕まえるならば」

戦士「……?」

盗賊「…私や…女侍達も同様」

魔道士「た、確かに…」

召喚士「俺はくの一さんが一般市民から搾取するような人には見えなかった…」

戦士「……そうだわな」

魔道士「あ…じゃあ、あの商人さんがどんな人なのか調べてみます?」

盗賊「…成程」

戦士「でもよ、顔だけで手掛かり掴めるかねぇ…」

召喚士「いっそ大軍師さんに頼んでみようか」

戦士「大軍師に?」

戦士「商人はあの後、北の村へと向かったはず…」
528 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:42:58.66 ID:pwdvTHUo
魔道士「そうですよね…。伝言をお願いしましたもんね…!」

召喚士「そこで身分や素性を話していれば……」

戦士「そうか…。それが一つの手掛かりになるわけか…!」

召喚士「どちらが善で悪なのか、多少は判断着くと思いますよ」

戦士「…まぁ、とにかくこっちの件が終わってからだな」

盗賊「…うむ」

戦士「その間に捕まっちまうかもしれないしな…」

召喚士「多分、捕まらないさ」

戦士「…?」

召喚士「黒マントの正体がくの一さんとバレた以上、もうあの格好は出来ないさ」

魔道士「そうなんですか…?」

召喚士「あれは己の姿を悟られない為のカモフラージュですよ」

戦士「そうか…。盗みを働いた後の逃走時は…全く別の姿になる…!」

召喚士「そういう事」

盗賊「……変装だな」
529 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:44:42.72 ID:pwdvTHUo
魔道士「変装…ですか」

戦士「そういや東方の出身とか言ってたな?」

盗賊「…変装は……忍びの十八番だ」

召喚士「盗賊さんや藤蔵に近しい身分の人かもしれませんね」

盗賊「…可能性は…あるな」

戦士「そういやお前はニンジャなのに変装しないよな?」

盗賊「…一人の時は…してたぞ」

戦士「あ、そうなの?」

魔道士「ど、どんな格好とかするんですか!?」

召喚士「興味ありますね…!」

盗賊「……とか」

戦士「あん?」

盗賊「…男装とかっ!」

魔道士「だ、男装〜っ!?きゃ…っ!」

盗賊「も、もういいだろっ!行くぞ!」
530 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:46:39.84 ID:pwdvTHUo
陸路のため、時間を費やしながらも四人は本国へと辿り着いた。

辺りは既に灯りが点り始め、街の人々は夜を迎えようと慌ただしく動き回る。

〜本国〜

召喚士「とりあえず…ここまでは無事到着…」

戦士「だが手掛かりもなし。参ったな…」

召喚士「よし、このまま本部へと向かいましょうか」

魔道士「はいっ!」

テクテクテク…ヒソヒソ

町人「……あれ……ねぇ」

盗賊「…?」

ヒソヒソ…コソコソ

女性「……やっぱり!」

魔道士「…な、何だか騒がしいですね」

戦士「……こっち見てねぇか?」

召喚士「……まさか!?」
531 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:47:55.45 ID:pwdvTHUo
〜国軍本部〜

タッタッタッタ…

召喚士「すみません!司令か…いえ、誰か士官クラスの方を至急…」

門兵「……?」

――「それは無用です」

盗賊「!?」

ザッザッザ

召喚士「…あ、あの」

――「お待ちしておりましたよ」

戦士「……っ!!」

魔道士「戦士…さん…?」

数名の兵と共に、スーツ姿の男性が戦士の元へと歩み寄る。

戦士「……アンタ…は!」

カツカツカツ…バッ

高官「…この手配書、君だね?そして…数々の罪状を元に…」
532 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:50:56.85 ID:pwdvTHUo
ガチャッ

高官「戦士…君と言ったかな?君を逮捕する」

盗賊「!?」

召喚士「ちょっと待って下さい!!」

高官「……?」

召喚士「戦士は無罪です!全ては戦士の偽物が…っ!」

高官「それはこの…北方での話だろう?」

高官はヒラヒラと手配書を召喚士へと振り、見せつける。

高官「最大の罪状は住居不法侵入と、暴行罪…私へのね」

召喚士「――っ!!」

魔道士「…て事は…この人が……ウィッチちゃんの…っ!?」

高官「おい、連れて行け」

衛兵「はっ!」

タッタッタ…ガチャガチャッ…グイッ

盗賊「……戦士っ!!」
533 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:52:55.18 ID:pwdvTHUo
戦士「……く…っ!」

召喚士「待てって言ってるんだ!」

高官「手を貸せば…君らも逮捕する事になるぞ…?」

召喚士「……っ!」

魔道士「戦士さんっ!!」

戦士「…こっちはいい。とにかく三人で…偽物を…っ」

衛兵「喋るな!来いっ!」

グイッ

戦士「く…っ!」

高官「お仲間の処罰は追って報告するよ。ワークショップ経由でね」

カツカツカツカツ

魔道士「召喚士さん!何とか……」

バッ!!

盗賊「待て!……ここは…耐えるしかないっ」

召喚士「くそっ!!」
534 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:55:44.63 ID:pwdvTHUo


魔道士「どどどどーするんですかっ!?」

盗賊「…お、落ち着けっ」

召喚士「……」

盗賊「…しかし…どうする?不味い事になった」

召喚士「…すみません」

門兵「え…あ、は…はい」

召喚士「司令が無理なら…白虎長さんか…特殊遊撃隊の隊長さんを…」

盗賊「…召喚士?」

召喚士「お願いします」

門兵「は、はいっ!」

タッタッタ…

盗賊「…召喚士」

召喚士「今はっ!」

盗賊「!?」
535 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:57:12.32 ID:pwdvTHUo
召喚士「……今は…やるべき事をやりましょう」

魔道士「召喚士さん…」

召喚士「戦士も戦うつもりです。俺らが外から…助けてあげないと…」

盗賊「…すまん。お前の言う通りだな」

召喚士「いえ、こちらこそ…」

テクテクテク

門兵「お、お待たせしました!」

白虎長「召喚士くん…?それに……」

魔道士「こ、こんばんは…」

白虎長「どうしたの?険しい顔して…あっ、もしかして例の件?」

召喚士「……はい」

白虎長「それで、その調本人は?」

召喚士「たった今…逮捕されました」

白虎長「逮捕!?」

盗賊「……ああ」
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 23:57:26.07 ID:GvkPVyko
>>503
今日には間に合った
結婚を祝わせてくれ
だが私のようにハネムーンでまでここを読んじゃダメだwww
537 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:58:30.27 ID:pwdvTHUo
〜国軍本部、応接室〜

白虎長「……」

魔道士「そ、それで…戦士さんは…」

白虎長「…おかしいわね」

盗賊「…?」

白虎長「本部の見解では、単独行動での彼を見かけたら即座に捕えろ、と…」

召喚士「俺らが一緒だったじゃないですかっ!」

白虎長「だからおかしいのよ…。本物だと確実に分かってるはずなのに…」

召喚士「じゃあ、一体何故…っ」

白虎長「彼を逮捕したのはどこの隊?分かる?」

魔道士「あ、えっと…ウィッチちゃんの…」

召喚士「経済機関の高官だと言う事しかわかりません。どこの部隊かは…」

白虎長「経済機関…?どういう事…!?」

盗賊「……」

白虎長「国軍の動きじゃないわ…っ!」
538 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/10(日) 23:59:46.17 ID:pwdvTHUo
召喚士「え…っ!?」

白虎長「経済機関は本国直轄よ。軍とは全くの無関係…」

召喚士「しかし、逮捕の権限はあるんですか?」

白虎長「政府の人間である以上、令状さえあれば可能よ」

盗賊「…令状?」

召喚士「それは誰が…!?」

白虎長「国軍においては総司令か副司令……」

召喚士「政府においては…?」

白虎長「もちろん…国王よ」

魔道士「っ!!」

白虎長「でも陛下は…病で伏せてらっしゃるし…それに代行する者…」

召喚士「!?……そ、それって」

白虎長「……・皇太子殿下ね」

魔道士「そ、そんな…っ!」

召喚士「皇太子…様が……!?」
539 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 00:01:00.24 ID:ktKG5/ko
白虎長「に、しても…動きが早すぎるわね」

召喚士「それには一つ事情がありまして…」

召喚士は戦士とウィッチに関する事件を事細かに説明する。

白虎長「…そう。そういう事…か」

召喚士「だから、殿下が令状を出すとは…到底考えられないんです!」

白虎長「それに、どうも高官の私情が絡んでるみたいだしね」

召喚士「おそらく偽物なんてどうでもいいんですよ」

魔道士「……?」

召喚士「偽物が起こしたトラブルにつけこんで…あの事件の裁きを行うつもりなんです」

魔道士「そ、そんな…っ」

盗賊「…ところで…偽物は何をしでかしたんだ?」

召喚士「令状が出せると言う事は…既に何かトラブルを起こしているはずですよね」

白虎長「しかも…本国でね」

召喚士「調べられますか?」

白虎長「……いいわ。付いてらっしゃい」
540 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 00:02:05.85 ID:ktKG5/ko
〜国軍本部、一階〜

カツカツカツカツ

国軍兵「お疲れ様ですっ!」

白虎長「ご苦労様。ちょっと資料を見せて」

国軍兵「はいっ。どの事件でしょうか?」

白虎長「例の手配書が出てる…ワーカー偽物事件のやつ」

国軍兵「えぇっと……こちらですね」

ドサッ

白虎長「……何これ?」

国軍兵「…えっ?あの…資料ですが…?」

白虎長「……これ…全部?」

魔道士「こ、こんなに…ですか…!?」

召喚士「……」

白虎長「…まぁいいわ、ちょっと借りるわね。…そこのテーブルでいいわね」

魔道士「あ…はいっ」
541 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 00:03:04.63 ID:ktKG5/ko
カツカツカツ…ドサッ

盗賊「……こんなに…?」

召喚士「これ全部…資料ですか?」

白虎長「まぁ北方やら捜索隊からのレポートなんかも混じってるけど…」

魔道士「ふえぇ…っ」

白虎長「…あったわ。まずは……これね」

パサッ

召喚士「えぇと…っ、!?」

魔道士「えっ!?ど、どうしたんですか…?」

召喚士「……む、無銭飲食…っ」

白虎長「それと…これと…これもかしらね」

盗賊「……痴漢…覗き」

召喚士「食物の窃盗…器物破損…」

白虎長「これ全て……市民からの通報よ…っ!」

魔道士「……あ、あの…えっと…つまり」
542 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 00:05:00.67 ID:ktKG5/ko
召喚士「…偽物は戦士の姿で…街中で悪さをしていると…?」

白虎長「今はもう本国にいないみたい。昨晩から今日の昼過ぎにかけてで止まってるわ」

盗賊「……」

召喚士「な、なんて事…っ」

魔道士「あっ!!」

盗賊「……?」

魔道士「だから…街中で皆さんジロジロと……」

召喚士「そういう…事です…」

盗賊「……あ」

白虎長「…はぁ。困ったわね」

召喚士「…会って来ます」

白虎長「…えっ?」

魔道士「誰に…ですか?」

盗賊「……ま、まさか…!?」

召喚士「…皇太子殿下にです」
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/11(月) 01:02:27.50 ID:bRO8sBA0
1乙
左大臣一派は魔物よりやっかいだなあ
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/11(月) 11:55:44.07 ID:Y9febIAO
殴ったのは悪いけどな…
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 13:20:11.40 ID:OC.qdIDO
そういや皇太子はどこかで魔物に変な攻撃されてたっけ徐々に蝕む的なやつ
何もなければいいんだが
546 :503 [sage]:2010/10/11(月) 18:39:08.94 ID:S.LmHLwo
いち乙です。
お祝いありがとうございました。
2回程かみましたが、無事終わりました。

>>536
あなたはもしや伝説の…
私もハネムーン先で読みます!

ではROMに戻ります。ノシ
547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 19:01:37.76 ID:hbgM4zAo
禁書の新刊に雷切がでてニヤッとしてしまったww
548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 20:51:22.64 ID:zROrGus0
上条さんは犠牲になったのだ……
次のステップに進むための生け贄としてなぁ
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 22:15:33.00 ID:MjNdh.AO
1さん乙です
今日から入院なので寝る前の楽しみが入院中唯一の楽しみになってしまいましたorz
あと入院前の悪あがきに2キャラアプしましたので気が向いたら確認してください。
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 23:14:46.73 ID:cLqmj4Mo
1の話は面白くて好きなんだが・・
ハネムーンだとか入院だとかどうでもいいと思う。
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 23:34:57.82 ID:mXJ.9jQo
     /: : : : : __: :/: : ::/: : ://: : :/l::|: : :i: :l: : :ヽ: : :丶: : 丶ヾ    ___
     /;,, : : : //::/: : 7l,;:≠-::/: : / .l::|: : :l: :|;,,;!: : :!l: : :i: : : :|: : ::、  /     ヽ
    /ヽヽ: ://: :!:,X~::|: /;,,;,/: :/  リ!: ::/ノ  l`ヽl !: : |: : : :l: :l: リ / そ そ お \
   /: : ヽヾ/: : l/::l |/|||llllヾ,、  / |: :/ , -==、 l\:::|: : : :|i: | /   う う  前  |
.   /: : : //ヾ ; :|!: イ、||ll|||||::||    ノノ  イ|||||||ヾ、 |: ::|!: : イ: ::|/   な 思 が
   /: : ://: : :ヽソ::ヽl |{ i||ll"ン    ´   i| l|||l"l `|: /|: : /'!/l     ん う
 ∠: : : ~: : : : : : : :丶ゝ-―-      ,  ー=z_ソ   |/ ハメ;, :: ::|.   だ ん
   i|::ハ: : : : : : : : : : : 、ヘヘヘヘ     、  ヘヘヘヘヘ /: : : : : \,|.   ろ な
   |!l |: : : : : : : : :、: ::\    、-―-,      / : : :丶;,,;,:ミヽ   う  ら
     丶: :ハ、lヽ: :ヽ: : ::\__  `~ "      /: : ト; lヽ)   ゝ
       レ `| `、l`、>=ニ´        ,  _´ : :} `   /
         ,,、r"^~´"''''"t-`r、 _  -、 ´ヽノ \ノ   /    お ・
       ,;'~  _r-- 、__     ~f、_>'、_         |  で  前 ・
      f~  ,;"     ~"t___    ミ、 ^'t         |  は  ん ・
      ,"  ,~         ヾ~'-、__ ミ_ξ丶     |  な  中 ・
     ;'  ,イ ..          ヽ_   ヾ、0ヽ丶    l         /
     ( ;":: |: :: ..          .`,   ヾ 丶 !    \____/
     ;;;; :: 入:: :: ::      l`ー-、   )l   ヾ 丶
     "~、ソ:: :い:: :     \_  ノ ,    ヾ 丶
552 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 23:41:06.15 ID:ktKG5/ko
〜本国、王宮〜

皇太子「……馬鹿なっ!」

バンッ!!

青年兵「……」

皇太子「高官が…逮捕しただと!?」

エリート「……そのようです」

青年兵「一体なぜ…!?殿下は令状を出されては…」

エリート「…奴だよ」

青年兵「ま…さか…!」

エリート「陛下の代行として令状を発行出来るのは…」

皇太子「私と……左大臣だ」

青年兵「しかし、殿下を差し置いて令状の発行など…」

エリート「殿下は今朝より、海軍との軍議の為……本国を離れておられた」

皇太子「おそらく、私が不在の際に発行したのだろう」

青年兵「…なんという」
553 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 23:42:00.08 ID:ktKG5/ko
エリート「タイミングが良すぎる…。それも左大臣の狙いかもしれません」

青年兵「……そんな」

皇太子「…しかしこれは困った事になった」

エリート「ええ。よりによって…高官殿ですからね…」

青年兵「どうなさるのです!?戦士さんは無実ですよ…!?」

皇太子「分かっている…!」

エリート「ましてやこのままでは…左の連中を図に乗らせる要因にもなりかねない…」

青年兵「でも…これって裏を返せば…」

エリート「…?」

青年兵「逆手に取れば…左翼の連中を黙らせる要因にも出来ませんか…?」

皇太子「…確かに」

青年兵ト「あちらの顔を潰して事を収めれば…」

エリート「左の奴らも今後は下手に動けなくなる…か」

皇太子「手立ては?」

エリート「そうなるとまずは協力者…」
554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 23:42:36.08 ID:WW.9FUAO
召喚士たちがドラマを創って日々を歩んでるように
液晶の前にいる俺たちも毎日ドラマを創ってるって事だよ
555 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 23:44:22.60 ID:ktKG5/ko
青年兵「……召喚士さん…ですね?」

エリート「…そういう事だ」

青年兵「…探して参ります!」

タッ

右文官「し、失礼致します!」

青年兵「!?」

皇太子「どうした?急ぎか…?」

右文官「殿下にお目通り願いたいと、お客人が…」

エリート「殿下は忙しい。明日改めてお取り次ぎを…」

右文官「そ、それが…そのぉ……」

テクテクテクテク…

召喚士「失礼します」

青年兵「召喚士さん!?」

エリート「…ま、魔道士さん」

魔道士「こ…こんばんは」
556 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 23:45:59.78 ID:ktKG5/ko
召喚士「殿下、お聞きしたい事があって…参りました」

皇太子「…丁度良かった。こちらも君達に用があったのだ」

盗賊「…?」

召喚士「戦士の件ですか?」

皇太子「…ああ、そうだ」

召喚士「……何故、戦士を…」

エリート「召喚士くん。勘違いされては困る」

魔道士「…?」

エリート「彼を逮捕したのは我々ではない」

召喚士「じゃあ、一体誰が…」

青年兵「左大臣様です」

盗賊「……左大臣」

エリート「殿下と敵対する一派さ。通称左翼と呼ばれている…ね」

召喚士「!?」

皇太子「……すまない。だがそれも全ては私が不甲斐ない故だ」
557 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 23:51:19.62 ID:ktKG5/ko
皇太子は召喚士に対し、深く頭を下げる。

召喚士「で、殿下…っ!?」

皇太子「許して欲しい。そして…力を貸してくれ」

召喚士「あ、頭を上げて下さい!事情は分かりましたから…っ!」

エリート「…殿下。もう宜しいでしょう?彼もこう言っておられます」

皇太子「……」

召喚士「そ、それで一体…何をすれば……」

エリート「まずは詳細を聞かせて貰えないだろうか…?」

召喚士「そ、そうですね…」

青年兵「応接室の準備を整えて参ります」

カツカツカツカツ…

エリート「…彼、目つきが変わってきただろう?」

召喚士「…え、ええ」

エリート「殿下の元で日々、政治について学んでいる。ゆくゆくは優秀な指揮官になるだろうさ」

召喚士「…頑張ってるんですね。青年兵くんも」
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 23:53:34.37 ID:vN9/awco
>>553

> 青年兵ト「あちらの顔を潰して事を収めれば…」

どっちなんだ
559 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/11(月) 23:55:51.41 ID:ktKG5/ko
〜応接室〜

皇太子「…成程。事情はよく分かった」

青年兵「ドッペルゲンガー…ですか…」

魔道士「ご存じですか?」

エリート「いえ…申し訳ありません」

皇太子「…して、本国での犯罪については全てその偽物が行ったと…?」

召喚士「…はい。間違いまりません」

盗賊「…私達が本国へ到着したのは…ほぼ日没だ」

エリート「証拠は出せますか?」

召喚士「…朝まで北方司令部におりました。裏を取れば分かるかと…」

皇太子「陸路なら計算は合うな…」

青年兵「海路ではもう少し時間を縮める事も出来ますね…」

皇太子「そこを埋める必要があるな」

エリート「乗船名簿を入手すれば照明出来るでしょう」

皇太子「…成程な。これでアリバイは成立出来るか…」
560 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 00:01:27.35 ID:09omkN6o
青年兵「問題は本物と証明する必要がある事ですね…」

エリート「…まぁ、それは偽物を捕まえるしかないな」

皇太子「そこで頼みたいのが君達だ」

召喚士「…はい」

皇太子「逮捕されたからと、明日に判決が出るものでもない」

盗賊「……」

皇太子「こちらで何とか時間稼ぎをする。その間に偽物を捕まえてくれ」

召喚士「……時間は如何ほど?」

皇太子「長くて……三日」

召喚士「…やってみます」

エリート「そして最大の問題」

盗賊「…?」

エリート「戦士君の高官に対する罪をどうするか…だ」

魔道士「あ…っ」

エリート「せっかく国軍付にしてかわしたと言うのに…ここにきて明るみにでるとはな…」
561 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 00:05:54.46 ID:09omkN6o
皇太子「内密に処理した事が裏目に出たな…」

エリート「ええ。せめて各司令部にも伝えておくべきでした」

青年兵「手配書のお陰で素性がバレてしまったわけですもんね…」

皇太子「何か方法はあるか?」

エリート「策は…三つ」

皇太子「述べよ」

エリート「一つはその罪のみに収め、戦士君を有罪に致します」

盗賊「!?」

エリート「極めて軽いとは言えませんが、事件の一部始終を考えれば情状酌量の余地はあるかと…」

皇太子「人道に反したものではないからな」

召喚士「ちなみに判決としては…?」

エリート「軽くて執行猶予3年程度。重いと懲役1年と言ったところか…」

魔道士「1年ですか…!?」

召喚士「…長すぎます!他の手は…!?」

皇太子「…述べよ」
562 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 00:09:34.73 ID:09omkN6o
エリート「二つ目は偽物に罪を着せる事です」

青年兵「…そうか!あの事件も偽物の仕業という事に…!」

エリート「しかしこれにはかなり細工が必要かと…」

皇太子「…だな。今回の件とあの事件の関連性も低い…」

エリート「日も空き過ぎている為、困難な状況は予想されますね」

皇太子「して、最後は?」

エリート「……高官殿をこちらに引き込みます」

魔道士「…出来るんですか?」

皇太子「…無理だな。そのような事が可能ならば、とうの昔に出来ている」

エリート「その通りです。現実的には最も不可能に近いでしょう」

青年兵「それが出来れば…一番楽なんですけどね…」

召喚士「……」

皇太子「…とにかく、他の方法も考えてくれ」

エリート「…無論です」

盗賊「…お願い…します」
563 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 00:12:19.20 ID:09omkN6o
皇太子「…朱雀先生」

召喚士「はい」

皇太子「聞いての通りだ。最悪の場合は想定しておいてくれ」

召喚士「……」

エリート「とにかく偽物さえ捕らえられれば、事態は進展します」

皇太子「…頼んだぞ」

召喚士「……はい」

皇太子「…よし。それでは各々宜しく頼む!」

青年兵「はっ!」

エリート「今日のところはこれにて…」

魔道士「はい…。ありがとうございました」

エリート「…殿下、参りましょう」

皇太子「…ああ。それでは」

カツカツカツカツ

召喚士「……」
564 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 00:14:58.49 ID:09omkN6o
青年兵「召喚士さん…」

召喚士「青年兵くん…。久し振りだね」

青年兵「今回は…大変な事になりましたね…」

召喚士「……うん。まさかこんな事になるなんてね…」

青年兵「…その、ドッペルゲンガーって強いんですか?」

召喚士「…分からない。どんな魔物なのかも…」

魔道士「それも調べなくちゃいけないんですよね…」

盗賊「…ああ」

召喚士「明日の朝一で本部を訪ねましょう」

青年兵「本部…ですか?」

召喚士「うん。資料室に行けば、何か分かるかなって…」

青年兵「……あ…っ!」

召喚士「……?」

青年兵「…分かるかも…しれませんよ!?」

召喚士「……?」
565 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 00:19:23.81 ID:09omkN6o
魔道士「何が…ですか?」

青年兵「ドッペルゲンガ−についてです!」

召喚士「えっと…それは…?」

青年兵「先日、西方司令部を訪れたじゃないですか!」

召喚士「…あぁ、そういえば」

青年兵「あの時…殿下とエリート様が研究機関から写しを持ち帰っているんです!!」

盗賊「…写し?」

召喚士「それって……」

青年兵「魔物図鑑です!古代から伝わる魔物を記した図鑑ですよ!」

魔道士「!?」

召喚士「そ、そんな物が…っ!?」

青年兵「あれになら記載されてるかもしれない…っ!」

召喚士「それはどこに…!?」

青年兵「…付いてきて下さい!」

笑顔を浮かべながら会議室を飛び出す青年兵の後を、状況が理解出来ぬまま三人が追った。
566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/12(火) 00:25:43.74 ID:09omkN6o
こんばんは。本日もご支援ありがとうございます!

>>545
特に問題ありませんでした。殿下は今日も元気です!

>>546
いや、本当におめでとうございました!
お気にせずハネムーンうぃ楽しんで下さい!

>>547-548
なんと禁書にも!?刀キャラがいるんですかね?
小説読まないから詳しくなくてすみません…

>>549
なんと…お大事になさって下さい!
天才と女侍ありがとうございます!天才がカッコ良すぎる…!!

>>550>>554
いえいえ!皆様あっての…ですから!…すみません
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/12(火) 00:37:51.10 ID:09omkN6o
〜久々のオマケ、昨日本国での事〜

戦士「ふふんふ〜ん」

サワサワッ

女「きゃっ!」

戦士「おっと悪い!はははっ!」

女「も、もうっ…ま、まぁ許すけど…責任とってよねっ!///」

戦士「〜♪」

モモモミッ

女ワーカー「ひゃあぁ!!」

戦士「へへっ!」

女ワーカー「てめぇ何しや……イイ男///」

警備兵「…いたぞーっ!」

戦士「やっべ…!逃げろっ!!」

警備隊長「…何だか知らんが殺意を抱く…!何としても捕えろっ、死刑だ死刑ー!!」

警備兵「羨ま…許せん奴だ!うおおぉぉ!!」
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 01:04:48.32 ID:q6VdoWMo
やっべwwww
真剣にイケメン戦士ぶっ殺したなってきたうあくぇrftgyふじこlp;@:「
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 01:31:53.58 ID:j.hJcsAO
ワロタwwww
その警備隊長がキリヤマ隊長なら戦士はまず助からないな
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 06:23:29.38 ID:4iDyHgDO
>>1乙っす

殿下に何もないみたいだから安心だ
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 07:30:57.35 ID:ARieuqso
いちおつおつ
>>1の読者思いっぷりに泣いた

いや、濡れたかなw

>>546おまっ、ハネムーンうぃは新妻に集中しるwww
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/12(火) 08:34:28.14 ID:3p4RAqEP
>>546
オレも今年の5月にハネムーンに行ったが、
出発直前の成田でもココ読んでたぜww
海外で読めないのが辛かった・・・
573 :536 [sage]:2010/10/12(火) 12:21:51.26 ID:1W0CtMIo
>>572 ここにもナカーマがwww
つまり>>1がかわいすぎるわけだw

>>546 よ、読め、いや嫁を大事にだろ!
もし見つかったら向こう何十年ガクブル
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 16:10:08.17 ID:4iDyHgDO
リア充が多くて泣いた
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/12(火) 17:33:37.45 ID:Fc37voDO
正直きもちわるい

よ、嫁がwwガクブルww
576 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:40:32.27 ID:jRum4oco
〜バーテンの店〜

バーテン「……」

カチャッ…チリチリン

バーテン「いらっしゃ……!?」

パタンッ…テクテク…ドカッ

バーテン「…こりゃ珍しい客だな」

戦士父「…水くれ」

バーテン「…おい、これ見たか?」

バーテンは手元の手配書を戦士父へ見せる。

戦士父「見たよ。だから来た」

バーテン「…そうか。だが残念だな、ここにはいねぇよ」

戦士父「…ちっ。やっと見せの在り処探し出したってのによ」

ガタッ…テクテクテク

バーテン「…もう行くのか?」

戦士「いないなら用はない。……またな」
577 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:44:12.45 ID:jRum4oco
〜エリートの部屋〜

コンコン

エリート「…どうぞ」

カチャッ

青年兵「エリート様っ!」

エリート「どうした…?そのように慌てて…」

青年兵「書庫の鍵持ち出しと入室の許可を!」

エリート「何かあったのか?」

召喚士「ドッペルゲンガーの事について調べたいんです」

エリート「…ああ、そうか。魔物図鑑の複製か」

青年兵「あれになら記載があるかもしれません」

エリート「…分かった。ならば私も行こう」

魔道士「ありがとうございます」

エリート「あ、いえ…っ」

青年兵「それでは書庫へ向かいましょう!」
578 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:45:58.21 ID:jRum4oco
〜書庫〜

カツカツカツ…

エリート「ご苦労様」

衛兵「はっ!」

エリート「一番奥だ。そこに座って待っていてくれ」

召喚士「…はい」

エリートは書庫の奥へと進み、金庫のダイヤルを回す。

カチカチカチ…カチャンッ

エリート「……」

魔道士「厳重…ですね…」

青年兵「ま、まぁ…色々とワケ有りでして…」

盗賊「…?」

エリート「原本は研究機関所有の持ち出し禁止品でね」

ドサッ

エリート「しかも保有権は国軍。我々は無理をいって複製させて貰ったわけさ」
579 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:47:15.25 ID:jRum4oco
召喚士「…なるほど」

エリート「事が公になれば我等だけでなく、研究機関の博士も罪に問われてしまう…」

盗賊「……」

エリート「こちらが無理を言って頼んだものだ。迷惑はかけられんさ」

青年兵「……えぇと」

パラッ…ドサッ…パラパラッ

青年兵「ドッペル…ドッペル……」

エリート「名称不明の項目からも特性で探してみよう」

魔道士「はいっ」

盗賊「…綴りって…D?」

エリート「…んっ!?これではないか…?」

召喚士「!?」

青年兵「……間違いなさそうですね!」

魔道士「何と書かれてるんですか…!?」

エリート「えぇと…この魔物は全くの謎に包まれている」
580 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:48:10.69 ID:jRum4oco
魔道士「そ、そんな…いきなりですかぁ…」

エリート「…陰湿な場所や洞窟を好み、生きた人間の姿形をそっくり模す」

召喚士「間違いなさそうですね」

盗賊「…ああ」

エリート「その正体は……」

魔道士「…っ」

エリート「見た者がおらず…謎である」

青年兵「…どんな魔物なのかは分からない、か」

エリート「一度姿を変えると、他者を模す事は出来ないようである」

召喚士「……」

エリート「姿を変える直前の記憶と容姿を模す為、その後は独自の生活を営む」

魔道士「えぇと…つまり…」

召喚士「コピーした瞬間から、全く別の戦士が誕生するって事ですね」

エリート「本体の性質故か、理性や自律が欠損するようである」

青年兵「…厄介だな」
581 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:48:51.00 ID:jRum4oco
魔道士「つ、つまりどういう事です?」

召喚士「ただ欲望の為に生きるという事ですかね…」

エリート「その為、本人の見知らぬ所で犯罪行為を繰り返し、迷惑極まりない」

盗賊「……」

エリート「模された者にとっては寿命の縮むような思いだろう…」

魔道士「…な、なるほど」

盗賊「……」

エリート「…ん?…危険度は低ランクだな」

青年兵「そうなのですか…?」

召喚士「厄介ではあるが、さしたる危機にはならない…と?」

青年兵「見かけのみで実力は大した事ないとか…?」

召喚士「…いや、それは考えにくいかな」

盗賊「…ああ。動きは戦士そのものであった」

エリート「模する者によって強弱が変わるからであろうか…」

召喚士「そう考えると…ゾッとしますね」
582 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:50:42.79 ID:jRum4oco
盗賊「……?」

召喚士「もしあれが…天才さんだったりしたら…」

モワモワモワ〜ン

偽天才「ハーッハッハッハ!全員ミナゴロシDAAAA!!」

盗賊「くぅ…っ!!」

召喚士「どうやって倒せば…」

魔道士「無理いぃーっ!」

モワモワモワ〜ン

魔道士「う、うわぁ……」

エリート「…?」

青年兵「しかしそれだけで危険度を下げるでしょうか…」

召喚士「そうなんだよね。犯罪はするってしかり書いてあるのに…」

エリート「…すると、いや…しかしそれ以外には…」

召喚士「何か…引っ掛かりますか?」

エリート「悪党ではあるが…殺人や暴力行為は行わない…?」
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:52:05.89 ID:jRum4oco
青年兵「…それならしっくりきますが、有り得ますか?」

召喚士「そんな特性ならばむしろ人間に近しいですね」

エリート「人間に…。そうか!」

盗賊「…?」

エリート「姿を変えた時点で人間の記憶となるわけだな?」

召喚士「え、ええ…。そうみたいです」

エリート「そこで、記憶から人間的な要素が出るのでは…?」

青年兵「今までの罪状は何でしたっけ?」

召喚士「ち、痴漢に…覗きに…無銭飲食に…」

盗賊「…スリ…喧嘩…詐欺だ」

青年兵「……」

エリート「どれも迷惑ではあるが、軽犯罪だな」

魔道士「と、いう事はやっぱり…」

召喚士「核の部分は魔物であるが、外殻は人間そのもの…?」

エリート「それならば思考も読み取りやすいかもしれんな」
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:53:47.90 ID:jRum4oco
召喚士「他に何か情報はありますか?」

エリート「…いや、差し当たりこれと言って特にはないな」

盗賊「……」

青年兵「どうします?」

召喚士「真っ向から探すしか…人間の思考なら話も出来るだろうし…」

エリート「…分かった。そちらは君達に任せる」

魔道士「はいっ」

エリート「我等は予定通り、左の連中を牽制しよう。時間が欲しい」

青年兵「…ですね。早速右文官様、右秘書官様と打ち合わせます」

召喚士「よろしくお願いします」

エリート「そちらも宜しく頼む」

盗賊「…任せてくれ」

召喚士「今日は休んで、明日の朝一から行動開始しましょう」

青年兵「こちらもそうさせて貰います。頑張りましょう!」

書庫での調べ物を終え、召喚士達は王宮を後にした。
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:56:43.59 ID:jRum4oco
〜宿〜

フロント「お部屋は三階のこちらとこちらになります」

召喚士「ありがとうございます」

魔道士「それじゃ、明日から頑張りましょう!」

召喚士「ええ。おやすみなさい」

盗賊「…おやすみ」

テクテクテク

召喚士「……」

階段を上る魔道士と盗賊を見送り、召喚士は一人、街へと出る。

テクテクテクテクテク

召喚士「あの、すみません」

酔っ払い「あ〜ん?」

召喚士「この人、見ませんでしたか?」

酔っ払い「手配書…?さぁ、知らねーなぁ」

召喚士「…そうですか、ありがとうございます。あ、あの!すみません…この人を…」
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:58:08.29 ID:jRum4oco
〜警備所〜

警備兵「入れ!

グイッ…ドサッ

戦士「……ぐっ」

高官「乱暴に扱うな。こちらが手を出したら負けだぞ」

警備兵「し、失礼致しましたっ!」

高官「…閉めろ」

ガシャーン!!…ガチャン

高官「しばらく檻の中で頭を冷やすんだな」

戦士「俺は…やってないって言ってるだろ!」

高官「…ふん。、そんな事はどうでもいいのだ」

戦士「……」

高官「重要なのは、君が私に対して行った事…ただそれだけだ」

戦士「…俺は…間違った事をしたとは思ってねぇ」

高官「何…?」
587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 17:59:51.22 ID:jRum4oco
戦士「確かに殴った事は済まなかったと思う…。だが自分のした事に後悔はしてねぇ!」

高官「己が正しいと思うなら、他人を傷つけても良いと言うのかね!?」

戦士「それは違う!違うが…っ、少なくともアンタのやった事は間違ってる!」

高官「自分の娘だ。無関係の貴様が何を言うかっ!!」

戦士「関係ねぇだろ!人として間違ってるって言ってんだよ!!」

高官「……ふん」

戦士「……」

高官「全く…どういう教育を受けているのやら…」

戦士「……」

高官「親の顔が見てみたいわ…」

戦士「…ちっ」

高官「明日を楽しみにしてるんだな。迅速に処理してやるぞ」

戦士「好きにすりゃいいだろ!だが俺は…自分の信念は曲げねぇぞ!」

高官「……しっかり見張っておけよ」

警備兵「ははっ!」
588 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/12(火) 18:02:24.39 ID:jRum4oco
ザッ…カツカツカツカツ

戦士「…はー」

ドサッ

戦士は手械をはめられた両手を見つめ、溜息を吐く。

戦士「……」

格子状の窓から入る月明かり。戦士はそれを見上げる。

戦士「……何やってんだよ…俺」

警備兵「うるさいぞ!静かにしていろ!」

戦士「……へいへい」

警備兵の怒声をやんわりとかわし、戦士はそのまま仰向けに寝そべる。

ドサッ

戦士「…すまねぇな…魔道士、盗賊」

ゴロッ

戦士「……召喚士」

冷たい季節風が吹く中、本国には次の朝が訪れた。
589 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/12(火) 18:02:55.98 ID:zbvCcCko
それにしても、主人公たちが、第三者から見たらなかなかに悪だな…
罪を無きものにしようと考えるとは……仲間思いだけど………
590 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 20:43:58.30 ID:/LT2FoAO
>>1乙です

このSSを読めばハネムーンに行けると聞いて
王道ながら勧善懲悪でないとこが人間味出てて好き
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 06:22:31.24 ID:0wgf1QDO
基本的には勧善懲悪物だと思うけど
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 07:31:54.54 ID:Pe6fVzwo
>>1乙です

このSSはリア充が多いと聞いて
593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 08:33:15.01 ID:mLlGYcAO
>>1

俺と魔導師ちゃんのハネムーンはいつ執り行われるやら…
初夜はしっぽりぬっぽり熱い夜を過ごしたいな
594 :503 [sage]:2010/10/13(水) 13:38:27.29 ID:hJC/7noo
>>593
なぜだろう、今日はこいつがいると安心する。
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/13(水) 14:11:20.41 ID:IenFvzoP
>>594
おまえハネムーン中じゃないのかよww
どこに行ったの?
596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 15:20:37.61 ID:IQaYtGIo
コテつけろ糞ども
597 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:16:25.53 ID:84Qhv6Qo
ジャーッ…バシャバシャ

魔道士「おはようございます!早いですね」

盗賊「…おはよう。何だか…眠れなくてな」

魔道士「…あー」

盗賊「…?」

魔道士「やっぱりそうですよね…。私もです…」

盗賊「……行くか」

魔道士「え…?」

盗賊「…早めに出て、朝食でも買いに」

魔道士「…そうですね!召喚士さんの分も買いに行きましょうか!」

盗賊「…すぐ…準備しよう」

魔道士「はいっ!…あ、盗賊さん」

盗賊「…ん?」

魔道士「私に気を遣わなくて大丈夫ですから…。もう…挫けたりしませんから」

魔道士の言葉に少し間を置き、盗賊は「うん」と一言だけ呟いた。
598 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:17:08.47 ID:84Qhv6Qo


盗賊「……」

魔道士「……あ、あの…何ですこれ?」

召喚士「えっ?朝食ですけど…お二人の…」

盗賊「…買って…きたのか?」

召喚士「ええ、早く目が覚めてしまったので…」

盗賊「……ふ…ふふっ」

召喚士「え!?…あ、あの…っ」

魔道士「なーんだ!私達と同じ事考えてたみたい…!」

召喚士「あれ…?じゃあもしやお二人も…?!」

盗賊「…ああ」

召喚士「…す、すみません。余計な事してしましましたね…」

盗賊「…気にするな」

魔道士「そうですよ〜。ありがとうございます!えへへ!」

召喚士「…は、ははっ」
599 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:17:52.33 ID:84Qhv6Qo
〜大通り〜

テクテクテク

盗賊「…モグモグ…それで?」

召喚士「…ええ。聞き込みをしてはみたのですが、特にこれといって情報は…」

魔道士「そうですかぁ…」

召喚士「…あ、あったあった。ここですね」

コンコン

女「…はーい」

召喚士「すみません。ワーカーの者ですが…」

女「……何か…?」

カチャッ…キイィ

召喚士「おはようございます。実は昨日の事件についてお話を…」

女「……」

召喚士「あ、あの…怪しいものではありません。お話はこちらの女性二人に…」

魔道士「宜しければお聞かせ願いませんか?」
600 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:18:43.15 ID:84Qhv6Qo


トポトポトポ…カチャッ

女「…どうぞ」

盗賊「…頂きます」

魔道士「それで、昨日の事を…」

女「…ええ。あれは夕方頃…入浴中の事でした…」

盗賊「……ズズー」

女「窓の方から人の気配がしたので不審に思い、近づいてみると…」

盗賊「…この男が覗いていた」

盗賊は手配書を机の上に置き、女へと向ける。

女「…はい。ニヤつきながら覗いてました…っ」

魔道士「…サイテーですね」

盗賊「…そして?」

女「分かりません…。悲鳴を上げるとそそくさと逃げて行きました…」

盗賊「…なるほど。ありがとうございました」
601 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:19:41.59 ID:84Qhv6Qo
カチャッ…パタンッ

召喚士「…あ、おかえりなさい!どうでした!?」

玄関前の階段に腰掛ける召喚士が慌てて立ち上がり、二人に問う。

盗賊「…特に…なし」

魔道士「戦士さんの偽者には間違いなさそうですが…それ以上は…」

召喚士「……そうですか。では、次に行きましょうか」

〜八百屋〜

主人「そうそう!コイツだよ!いきなり店先で果物パクって逃げやがった!」

召喚士の右手に摘まれた手配書をバンバンと叩き、主人は声を荒げて言い放つ。

召喚士「この男はどちらへ逃走しましたか?」

主人「あっちだ。東の方へ走り去って行った!」

召喚士「…なるほど」

魔道士「あ、ありがとうございます!」

主人「絶対とっ捕まえてくれよーっ?」

魔道士「は、はーいっ!」
602 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:20:32.40 ID:84Qhv6Qo


召喚士「聞き込みはこれで以上ですね」

盗賊「…お疲れ」

魔道士「何も得られませんでしたね…」

召喚士「…いや、そうでもないですよ?」

魔道士「そうなんですか!?」

盗賊「…逃走経路」

召喚士「そうです。偽者の逃走ルートですが…」

召喚士は鞄より本国の地図を広げ、それを魔道士と盗賊が覗き込む。

召喚士「まず、偽者は本国の北側から犯罪を行っています」

魔道士「…なるほど」

盗賊「…北方から来た故だな」

召喚士「そうです。そして中央…即ちここ、大通りにぶつかり…」

スーッ…トントン

召喚士「東へ進み、再び犯罪を繰り返してます」
603 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:21:01.77 ID:84Qhv6Qo
魔道士「つまり…逃亡先は……」

盗賊「…東側」

召喚士「でも、半日経ってますし…追うのは難しいでしょう…」

魔道士「ど、どうします!?」

召喚士「本国より東には特に何もありません…」

盗賊「……」

召喚士「西には海沿いの村のみ」

魔道士「つ、つまり…?」

召喚士「偽者はきっと…本国に戻って来るのでは、と踏んでいます」

盗賊「…ならば」

召喚士「街の東側で待ち伏せましょう」

魔道士「…何としても捕まえましょうね!」

盗賊「…ああ!」

召喚士「では行きましょうか」

魔道士「はいっ!」
604 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:21:51.38 ID:84Qhv6Qo
〜警備所〜

ガンッ!!

戦士「……?」

警備兵「メシだ!さっさと食えっ!」

戦士「…いらねー」

警備兵「何だと!?」

カツコツカツコツ…

高官「そう目くじら立てるな。下げたまえ」

警備兵「…は、ははぁ!」

ガチャガチャッ…タッタッタッタ

高官「おはよう。よく眠れたかね?」

戦士「…お陰さんで。野宿せずに済んで大助かりだよ」

高官「…それは良かった。さぁ、出ろ」

戦士「……釈放かい?」

高官「お楽しみの取調べタイムだよ」
605 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:22:38.21 ID:84Qhv6Qo
〜取調室〜

ガチャッ

高官「入れ」

戦士「……」

高官「安心したまえ。その男はただの書記だ」

書記「……」

高官「そこの椅子に座れ」

戦士「…へいへい」

ガタッ…ドサッ

高官「名前、年齢、出身地」

戦士「戦士、えーと…もうすぐ28。北方の故郷の村だ」

高官「一連の騒ぎ、お前の仕業だな?」

戦士「…どこからどこまでが一連だ?」

高官「最初から最後までだ」

戦士「…本国での事は知らん。それ以外は…そうだ」
606 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:24:15.74 ID:84Qhv6Qo
高官「本国の事件は君ではないと?」

戦士「ああ、偽者だ。話ぐらい聞いてんだろ」

高官「偽者…ねぇ」

戦士「ドッペルゲンガーっつーんだっけ?そいつだよ」

高官「証拠は?」

戦士「……ない。証人はいる」

高官「お前のワーカー仲間だろ?他にいないのか?」

戦士「……北方司令部の副官って人と、数名の兵士」

高官「……すぐに連絡をとれ」

書記「警備兵、聞いたか?」

警備兵「了解致しました!」

戦士「もういいだろ?他に話す事なんてねーよ」

高官「……何故、あの時ウィッチ庇ったのだ?」

戦士「…あのなぁ、何度も言わせるなよ。自分の信念を貫いたまでだ」

高官「……」
607 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:25:37.51 ID:84Qhv6Qo
戦士「実の父親に…絶縁も同然にボロクソに言われて……」

高官「……」

戦士「そんな事って許せるのかよ…!?」

高官「事実を述べたまでだ。貴様には関係のない事だろう?」

戦士「ああ!関係ねーよ!関係ないから公平な目で見られるんだろうがっ!」

書記「お静かに」

戦士「……あんな…あんな突き放す言い方で」

高官「私はあいつに小切手も渡し、自由に金も使わせてやっていた」

戦士「……」

高官「それに、国軍の試験にも落ちるような無能をいつまでも面倒見ろと?」

戦士「それが親の義務だろ」

高官「勘違いするな。私は野垂れ死ねとは言っていない」

戦士「……」

高官「無能は無能らしく、しかるべき所へ嫁にでもだすつもりだ」

戦士「…あいつがそれを望むのかよ!?」
608 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:26:33.38 ID:84Qhv6Qo
高官「望むかどうかは関係ない。ウィッチにはそんな権利はない」

戦士「何で!?」

高官「私の娘だからだ」

戦士「…そうかよ」

高官「そうだ」

戦士「……」

高官「とにかくだ。お前が私に対し手を上げた事に関しては立派に罪が成立する」

戦士「……好きにしろよ」

高官「そうさせて貰うさ。判決を楽しみに待っているがいいさ」

戦士「……」

高官「…広報発表をしろ」

書記「……?」

高官「一連の騒ぎを起こした犯人を逮捕。判決は明日だとな」

戦士「!?」

書記「…畏まりました。早急に取り掛かります」
609 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:27:38.04 ID:84Qhv6Qo
〜北方司令部〜

左翼長「何ぃ!?それは本当か…?」

伝令「はっ!間違いありません!」

騎士長「…ちっ。一足遅かったか…」

左翼長「全捜索隊に引き上げ命令を出せ!」

北方兵「了解です!」

騎士長「よりによって本国かよ…」

左翼長「面倒事にならなきゃいいけどな…」

騎士長「これ…どうする?」

山積みとなった捜索隊からの報告書を指差し、騎士長が呆れて言う。

左翼長「…もう用無しだ。後で軽く目を通して破棄」

騎士長「…だよな。了解」

左翼長「偽者の件は本部に任せて、こっちは最北の盗人探しだ」

騎士長「それについては大軍師から報告書が届いてるぞ」

左翼長「…どれ」
610 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:28:56.27 ID:84Qhv6Qo
パサッ

左翼長「…………」

騎士長「何だって?」

左翼長「容疑者と思しき女リーダーの一派は既にアジトを破棄…だとよ」

騎士長「何で大軍師がアジト知ってんだ?」

左翼長「先の戦いで協力者だったらしい。偶然だろうがな」

騎士長「恩赦か…?」

左翼長「まさか。猶予を与えたが今回の件だ。本格的に指名手配だよ」

騎士長「そんじゃあもう北にはいねーだろ」

左翼長「…コイツらの行方はいい。捜索隊に指示を」

騎士長「…?」

左翼長「一派が最北から何の目的で書物を持ち出したのか…調べろ」

騎士長「…了解っ!北の村と最北の村にも伝えておく!」

左翼長「…頼む」

左翼長は書類を無造作に机へと投げ、暮れ始める太陽を窓から眩しそうに見つめた。
611 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:29:48.43 ID:84Qhv6Qo
〜本国〜

召喚士「……」

盗賊「……」

魔道士「…もう…夕方ですね」

召喚士「…ええ」

盗賊「…動きは…なし、か」

魔道士「通りすがる人達も…何も知らないようですし…」

召喚士「…時間だけが過ぎていく」

ダッ

魔道士「召喚士さん!?」

召喚士「周囲を探してきます!お二人はこの辺りを…!」

盗賊「お、おいっ!?」

召喚士「すぐに戻りますからっ!!」

魔道士「……っ」

盗賊「…召喚士」
612 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/13(水) 18:32:27.11 ID:84Qhv6Qo
〜警備所、牢屋〜

カツカツカツ…ガシャンッ!!

戦士「……」

高官「あと半日あまり、大人しくしてるんだな」

戦士「……へいへい」

高官「実刑は覚悟しておけ」

戦士「…どんぐらいだよ?」

高官「本国の役人を殴ったのだ。一年いや…三年としておこうか」

戦士「…!?」

高官「明日の答弁で泣き叫べば、裁判長も軽くしてくれるかもしれんぞ?」

戦士「……っ」

高官「夕飯は食した方がいいぞ?刑務所の食事はもっと質素なものだからな」

戦士「…ちっ!」

高官「…はっはっは!それでは…また明日」

声高らかに笑う高官は、下唇を噛む戦士をちらりと見た後、その場を去って行った。
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 21:52:58.82 ID:m/t4imco
これは・・・西国のどこぞの王子のイライラを感じさせるな
614 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 22:12:22.47 ID:6c2GekAO
>>613
この高官に匹敵するなんて、いったいどんな玉子なんだろうな
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 22:17:19.65 ID:1alZeHUo
でもさ、裁判は殿下の権限で中止なり延期できるんじゃね?
左大臣よりは権限上なんでしょ?
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 22:54:58.82 ID:TwadHUDO
上もクソも鶴の一鳴きだろ
中世なんかじゃ王族に逆らったら国外追放、左遷、死刑当たり前だしな
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 22:56:05.69 ID:1alZeHUo
うん、ここは中世じゃないから出直しといで
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 22:59:19.81 ID:TwadHUDO
>>617
一例挙げただけでこの言い草かよ
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/14(木) 00:40:48.34 ID:.NkVshw0
1乙
でも皇太子は、ちょっとリーダーシップが足らない感じかな
まだ国王じゃないから遠慮してんのかな
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/14(木) 03:46:45.08 ID:tJWRiek0
>>619
魔法が使えないことにコンプレックスがあるからじゃなかった?
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/14(木) 07:38:01.21 ID:X8Gh6YSO
>>1
国王に一筆書かせれば一発KOよ


まー戦士だしどっちでもいいけど
622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 17:46:24.42 ID:bDHLSMAO
まだかー
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 17:47:11.78 ID:bDHLSMAO
復活きたああああああああああああああ
624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 17:49:33.37 ID:lqcpIw.o
待ちわびた…待ちわびたぞ!
625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 17:49:45.69 ID:W49C8kAo
ふっかぁぁぁぁぁぁぁつ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 18:20:43.99 ID:P3ZsrN2o
復活ktkr!!!!!
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 19:07:29.43 ID:F/O/XRI0
一週間近く落ちてたのかwwwwwwwwwwwwww
628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 19:21:40.47 ID:H.NwlGU0
スケルトン「やったぁ!」
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 19:22:27.86 ID:L0Gds3k0
これでまた>>1の書く物語が読めるのか!!
復活して本当によかったよおおおおお
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/20(水) 20:20:07.64 ID:vBPsf/Uo
ktkr!
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 20:34:00.16 ID:SS.lBkSO
おめぇぇぇぇでとぉぉぉぅぅっ
バンジャーイ
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/20(水) 20:47:08.45 ID:XIrNYgSO
やったっーーー!!!!
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/20(水) 20:55:53.50 ID:AZ2WoEDO
復活おめでとう!!
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 21:03:48.57 ID:X7/M8wAO
7×でまとめ読んで追いついた! って思ったらまさかの鯖落ち…
嬉しく涙が出そうだ
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 21:05:22.70 ID:PxP4Nhko
復活してえううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/20(水) 21:10:11.89 ID:zB1AeoDO
復活ktkr!!

誰か>>1を呼んでこーい
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 21:19:48.62 ID:50X4SwDO
長かった〜
いゃっほぉぉぉい!
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/20(水) 21:29:36.25 ID:.C3avZ2o
こんばんはー!ようやく復活ですね!
しかしここで謝罪をしなくては…
全然書き溜めてません…すみません↓続き
639 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:30:13.04 ID:.C3avZ2o


魔道士「……はぁ」

盗賊「……」

二人は通りの階段脇に座り、通行人をぼーっと見つめる。

魔道士「…盗賊さーん」

盗賊「…んー?」

魔道士「…いませんねー」

盗賊「…うん」

魔道士「…盗賊さーん」

盗賊「…んー?」

魔道士「あれ…誰ですかねー?」

盗賊「…さぁ」

対面の建物前に止まる馬車。降りてくる男達を魔道士と盗賊がぼーっと見つめる。

魔道士「…と、ととっ盗賊さん!?」

盗賊「…んー?」
640 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:30:41.43 ID:.C3avZ2o
魔道士「あ、あの人…!!」

盗賊「…!?」

魔道士が指差す先、対面の通りに一人の男が歩いている。

魔道士「確か…特殊遊撃隊の…」

盗賊「…隊長?」

魔道士「あ…さっきの馬車の所っ、同じ建物に入って行きましたね」

盗賊「…軍の施設か?」

魔道士「盗賊さんっ!!」

盗賊「…こ、今度は何だ…!?」

魔道士「召喚士さんが戻ってきましたよ!ほらっ!」

盗賊「…本当だ」

タッタッタ

召喚士「すみません!今戻りました!」

魔道士「おかえりなさい!」

盗賊「…おかえり。首尾は?」
641 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:31:16.84 ID:.C3avZ2o
召喚士「…いえ、特に」

魔道士「そうですかぁ…」

盗賊「…それよりもあれを」

召喚士「…?」

盗賊「…先程からずっと…止まっている」

召喚士「馬車ですか?だいぶ立派な物ですね…」

盗賊「…それに、特殊遊撃の隊長が同じ建物に入って行った」

魔道士「何か、軍の施設じゃないかと思うんですが…」

召喚士「……」

盗賊「…関係はないかもしれんがな」

召喚士「…ですね」

魔道士「…はぁ。あ今日の収穫は偽者が東に逃げた事ぐらいですかねぇ」

召喚士「…いえ、そうでもないですよ」

盗賊「…?」

召喚士「実はさっき、聞き込みをしていて気付いたのですが…」
642 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:31:43.19 ID:.C3avZ2o
魔道士「何かありました?」

召喚士「どうも被害者は、さほど根に持ったり…怒ってるわけじゃなさそうなんです」

盗賊「…?」

召喚士「もちろん怒ってる方もいましたけど、窃盗関連の被害者でしたね」

魔道士「それ以外の被害者はあまり怒ってないって事ですか?」

盗賊「…それはつまり?」

召喚士「…偽者が危害を加えなかった、と考えます」

盗賊「…なるほど」

召喚士「喧嘩の当事者は結局見つかりませんでしたが、目撃者はいました」

魔道士「どうでした!?」

召喚士「仲裁に入ったところを殴られ、反撃したようです」

盗賊「…正当防衛だな」

魔道士「じゃあ…本国の方達はなぜそんなに逮捕したがるんでしょうか…?」

召喚士「そうですね…やはり大きいのは…」

魔道士「あっ、あれ…!!」
643 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:32:11.53 ID:.C3avZ2o
盗賊「!?」

召喚士「あれは…隊長と…戦士を逮捕した男…っ!!」

魔道士「ウィッチちゃんの…お父様!?」

盗賊「…何やら…口論しているようだが」

召喚士「…聞こえますか?」

盗賊「…無理だな。雑音が多すぎる」

召喚士「少し身を隠しましょう。気付かれると…厄介かもしれません」

魔道士「…はいっ」

三人は階段の淵に身を寄せ、影から二人のやりとりをじっと見つめる。

魔道士「隊長さん…。かなり怒ってますね…」

召喚士「もしかして…戦士の件で…?」

盗賊「……」

魔道士「…あっ、終わったみたいです!」

召喚士「…ここにいて下さい。ちょっと行ってきます!」

盗賊「…分かった」
644 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:32:39.51 ID:.C3avZ2o
タッタッタッタ…

召喚士「隊長さんっ!!」

隊長「…?おぉ、朱雀先生か…!」

召喚士「ちょっと…宜しいですか?」

ガシッ!!

召喚士「!?」

キョロキョロッ…コソコソ

召喚士「…な、何するんですか!?」

隊長「……他の二人は?」

召喚士「…反対側の…階段の所にいます」

隊長「…分かった。先に行くから戻ってろ」

召喚士「…は、はい」

隊長路地から通りを見渡し、人ごみに紛れるように立ち去って行く。

召喚士「…?」

それを見送った後、召喚士も魔道士と盗賊の待つ階段へと戻っていった。
645 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:33:06.22 ID:.C3avZ2o
テクテクテク

魔道士「おかえりなさい。どうでした?」

召喚士「……えぇと」

ザッ

隊長「…おう、待たせたな」

魔道士「隊長さん!」

召喚士「わざわざすみません。お聞きしたい事が…」

隊長「…こっちもだ。願ったりだぜ」

召喚士「…では、場所を変えましょうか」

隊長「…いや、ここでいい」

盗賊「……?」

隊長「むしろここがいい。対面からも死角になるしな」

魔道士「へ…っ?」

召喚士「…分かりました。ではここで」

隊長「まずはそっちの話を聞かせてくれ。ひとまず整理したい」
646 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:33:33.23 ID:.C3avZ2o


隊長「…大体の事情は飲めた。そういう事か…」

召喚士「戦士は大丈夫でしょうか!?」

隊長「…必ず助け出してやるさ」

魔道士「お、お願いします…!」

召喚士「それで、隊長さんは…?」

隊長「あん?」

盗賊「…先程の男…戦士を逮捕した者だな?」

隊長「…あれは本国の、経済機関所属の高官だな」

召喚士「経済の…っ」

隊長「所属や地位はどうでもいい。問題は奴の先にあるものだ」

盗賊「…先?」

隊長「左翼派だって事さ」

魔道士「そ、それってどういう事なんです?」

隊長「…まずはそこから話すとするか」
647 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:34:01.30 ID:.C3avZ2o


隊長「今、本国のトップってのは誰だ?」

召喚士「…国王ですか?」

隊長「そうだ。しかし陛下は病床に伏せられている…」

魔道士「え、ええ…」

隊長「そこで代行として実務を執り仕切っているのが…」

召喚士「…皇太子殿下、ですね」

隊長「…ああ。無論陛下が崩御なされれば、殿下が後を継ぐ事となる」

盗賊「…だな。当然だ」

隊長「ところがだ。なんとこれに反対している一派がいる」

魔道士「!?」

召喚士「それが…左翼長派…ですか?」

左翼長「そう。左大臣を筆頭とする政事を担ってる連中だ」

盗賊「…左大臣と言うのは…偉いのか?」

隊長「代々、陛下には両腕とも言うべき大臣が二人付く」
648 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:34:28.33 ID:.C3avZ2o
魔道士「あ…っ、エリートさんのお父様が…」

隊長「…そう、右大臣だ。主に軍事や外政を担ってる『右翼』の頂点だな」

召喚士「国軍も右翼所属なんですか?」

隊長「…いんや、国軍は独自権限を持ってるが…まぁ、結局は逆らえないのが常だ」

盗賊「……」

隊長「左右どっちにも…な」

盗賊「…それで?」

隊長「左翼の連中は殿下が後を継ぐって事を快く思ってねぇのさ」

魔道士「何でです!?だって…正当な後継者なんですよ?」

隊長「知ってるか?」

召喚士「え…?」

隊長「殿下は魔法…いや、魔力が一切ないんだよ」

魔道士「!!」

召喚士「…そ、そんな事…有り得るんですか!?」

隊長「現実にあるんだからしょうがねぇさ」
649 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:34:58.06 ID:.C3avZ2o
盗賊「…それとどんな関係が?」

隊長「王族ってのは代々、国の象徴として崇められてきた」

召喚士「……ええ」

隊長「その経緯は?」

召喚士「確か…えぇと……」

隊長「初代の王となった者が恐るべき魔力の持ち主で魔王を倒したって話だ」

魔道士「…あ、絵本で読んだ事がありますよっ」

隊長「誰もが知ってる…絵本にもなるくらい有名な逸話だ。真実かどうか置いといてな」

召喚士「…つ、つまり…っ」

隊長「王族の持つ魔力ってのは権威の象徴。人々への希望そのものなのさ」

召喚士「…しかし、殿下は魔法が無くとも立派に魔物の討伐を…」

隊長「今は…な」

盗賊「…?」

隊長「今後の魔王討伐には絶対と言っていい程、魔力が必要となる」

魔道士「じゃあ…私達のような魔道士が補佐をすれば…」
650 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:35:25.16 ID:.C3avZ2o
隊長「……出来ないんだよ」

盗賊「…出来ない?」

隊長「戦士みてぇに魔力が皆無でも、魔力を持ってさえいれば扱う事が出来る」

召喚士「……」

隊長「付加した魔法剣であれ、その刀みてぇな媒介であれ…な」

隊長は盗賊の背負う雷切を指差し、話を続ける。

隊長「ところが、魔力が全くないんじゃ…付加しようがそれを扱う事が出来ないのさ」

魔道士「そ、そんな…っ」

召喚士「だからっておかしいじゃないですか!そんな事…っ!」

隊長「ああ、おかしいんだよ。それを盾に正当化しようとしてるアイツらがな」

召喚士「…止められないんですか…?」

隊長「左翼の連中は、それを餌に…本国を乗っ取ろうと画策してるんだよ」

盗賊「何っ!?」

隊長「その為に殿下を失脚させようとゴチャゴチャやってるわけさ」

召喚士「だから、止められないんですか!?」
651 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:36:06.10 ID:.C3avZ2o
隊長「…現状じゃ難しいわな」

魔道士「…そんなぁ」

隊長「まず証拠がない。左が汚ねぇのは、それを表に出さねぇところだ」

盗賊「…厄介だな」

召喚士「でも、早くなんとかしないと…」

隊長「右の連中も必死で動いてるさ。だが証拠が掴めない限りどうしようもねぇ」

盗賊「……」

隊長「それに、殿下に対する国民の指示は非常に高い。簡単には納得させられまい」

召喚士「確かに…外征の時とか凄かったですもんね…」

隊長「ひとえに殿下の人柄さ。あの方には人を惹き付ける何かがある」

召喚士「確かに…。素晴らしい方ですよね」

隊長「国民を納得させるには殿下のイメージをドン底まで落とすか…」

魔道士「そんなの…無理だと思いますっ!」

隊長「ああ、後は…殿下自身に即位を辞退して貰うかだ」

盗賊「…確かにそうだが…それこそ不可能」
652 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:36:32.81 ID:.C3avZ2o
隊長「……殿下のカリスマ性はとにかく凄い」

盗賊「…あ、ああ。聞いたよ」

隊長「実は陛下自身はさほど国民からの支持が高くはない」

魔道士「そうなんですか!?あんまり聞かないですけど…」

隊長「当たり前だ。そんな噂話でもしてみろ。即座に逮捕されんぞ」

召喚士「…で、ですよね」

盗賊「…しかし、何故…?」

隊長「殿下は決して己から前線に立つような性格ではない」

召喚士「…まぁ、本来はそうあるべき姿ですが…っ」

隊長「だが、魔力は大変…目を見張るものがあるそうだ。俺も直に見た事はねぇが」

盗賊「…で?」

隊長「更に左の連中の功績により、先代の王から飛躍的な経済成長があった」

召喚士「なるほど…。民政において支持を集めたと…」

隊長「そういうこった。人々が豊かな暮らしが出来る。そんな国や街を整えていった」

盗賊「…では何故…評判が?」
653 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:37:09.14 ID:.C3avZ2o
隊長「短気なところがあり、若い頃は人や場所を選ばず問題を起こしたらしい」

魔道士「……」

隊長「それと…女癖が悪くてなぁ……」

召喚士「それは…マズイですね」

隊長「まぁさっき言ったように、それを差し引いても政治手腕での評価が高い」

魔道士「なるほどですね…」

隊長「だからこそ、甲冑を身に纏い前線で剣を振るう殿下が人気なのさ」

盗賊「…そういう背景が…あるのだな」

隊長「んで、ここからが最も重要な問題だ」

隊長はトーンを一つ下げ、三人を近くに手招く。

召喚士「……?」

隊長「女癖の悪さが仇となって、落胤がいるんだよ」

召喚士「っ!!」

盗賊「……っ」

隊長「何が言いたいか、お前なら分かるよな?」
654 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:37:44.49 ID:.C3avZ2o
召喚士「…も、もしその腹違いの落胤が現れ…」

盗賊「……」

召喚士「しかも…魔力を持っていたら……」

魔道士「…こ、後継者として成立する…?」

隊長「しかもだ、前線に立つ事を好む殿下は、執政や補佐にうってつけの存在となる」

盗賊「…なんと…いう…っ」

召喚士「しかも…殿下なら……同意しかねないっ!」

隊長「分かったろ?左の連中の狙いってのがよ…?」

魔道士「……っ」

隊長「奴らの魂胆はこうだ。まずは落胤を何が何でも手中にする」

召喚士「……」

隊長「んで、即位推進派の右翼連中を失脚させて、殿下を丸裸にする」

盗賊「……」

隊長「そうすりゃ殿下は自ずと即位を辞退するってシナリオさ」

魔道士「…そ…そんな…っ」
655 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:38:10.30 ID:.C3avZ2o
隊長「今回の件、確か高官から隠すために国軍付ワーカーになったんだよな?」

召喚士「…はい」

隊長「その支持を出し、協力者となったのは…誰だ?」

召喚士「……殿下とエリートさんです…っ」

隊長「…左翼の連中はその情報をどこかしらから掴んでやがる」

盗賊「…ま…さか…!?」

隊長「戦士の逮捕。真の狙いは…右翼連中を封じる事だ」

魔道士「!!」

召喚士「一体…誰が左大臣に…!?」

隊長「…ちなみに俺は戦士から直に聞いて初めて知った」

召喚士「つまり…国軍内では情報が流れていない…と?」

隊長「少なくとも通達はなかった。知っていても上層部ぐらいだろうな」

召喚士「…本国では?」

隊長「可能性として大きいのは、右翼の中にスパイがいるって事だな」

盗賊「…確かに…それが妥当か」
656 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:38:36.29 ID:.C3avZ2o
魔道士「ど、どうするんです!?」

隊長「だからこそ俺達が動いてるのさ」

魔道士「…?」

隊長「総司令の命でな。特遊で戦士を救出する」

魔道士「出来るんですか!?」

隊長「簡単にはいかんだろうな。なんせ魔物相手じゃねーんだ…」

召喚士「…あの、隊長さん」

隊長「…?」

召喚士「先程、高官さんと何を…?」

隊長「…ちょっと顔見知りでな。目を覚ませって一喝してやったが…無駄だったよ」

盗賊「……」

隊長「あれでも昔は夢に燃えてたんだがな…。人間変わっちまうもんさ」

魔道士「……」

隊長「さっきから止まってるあの馬車、あれは左大臣のモンだ」

召喚士「え…!?」
657 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:39:29.59 ID:.C3avZ2o
盗賊「…あの…建物は?」

隊長「あれは警備所。あの中に牢屋もある」

召喚士「じゃあ…あそこに戦士が!?」

隊長「そういうこった」

魔道士「そ…そうだったんですね」

隊長「…お前らは知ってて見張ってたんじゃねーのか?」

召喚士「いえ、俺達は偽者を探しててここに…」

隊長「…ああ、そういう事か」

ザッ

魔道士「…?」

隊長「…いいか?救出は特遊でやる。お前らは何としても偽者を捕まえてくれ!」

召喚士「…分かりました」

隊長「何かあったら本部まで頼む」

魔道士「はいっ!」

隊長は険しい顔のまま、その場を走り去っていった。
658 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:39:56.51 ID:.C3avZ2o
召喚士「……」

盗賊「……」

魔道士「…何だか…凄い話でしたね…っ」

召喚士「ええ…。整理するまでしばらく時間がかかりそうです…」

盗賊「…飯にしよう…腹が減った」

召喚士「…そうしましょう」

魔道士「はいっ!」

ヨロッ

魔道士「きゃ…っ!!」

フラッ…ガシィッ

魔道士「あ…っ、すす…すみませんっ!」

バランスを崩し転びかけた魔道士。それを階段の下で支え微笑む、フードを被った男。

フード男「大丈夫か?」

魔道士「ありがとうございました…!急に立ったら…足が痺れてしまって…」

フード男「気を付けてな」
659 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:40:26.24 ID:.C3avZ2o
テクテクテク…

魔道士「…あ、あの…っ」

タッタッタ

召喚士「だ、大丈夫ですか!?」

魔道士「え、ええ…。あの方が助けてくれて……」

盗賊「…今の男」

魔道士「…?」

召喚士「知り合い…ですか?」

盗賊「……いや、何でもない」

魔道士「ご心配かけました。行きましょうか!」

盗賊「…ああ」

召喚士「どうします?何か食べたい物とか…」

魔道士「あっ、お任せしますよ〜!」

召喚士「…では、念の為この周辺で済ませましょうか」

盗賊「…うん。それがいいだろう」
660 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:41:14.38 ID:.C3avZ2o
タッタッタッタッタ

――「…隊長っ」

隊長「っ!?」

ズザァ!!…タッタッタ

細い路地から小声で自分の名を呼ぶ女性の声。

隊長は慌てて向きを変え、声の主の元へと駆け寄る。

ザッザッザ

隊長「…すまん。待たせた」

女隊員「いえいえ、問題ないッス!」

男隊員「んで…どーなんだ?」

隊長「警備所の牢屋に捕まってるのは確かだな」

格闘家「…どうします?」

隊長「お前は偽者探しに専念。街の東側にいる可能性が高い」

格闘家「…了解」

隊長「頼んだぞ。見つけ次第…交戦も許可。だが…殺すなよ」
661 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:41:41.27 ID:.C3avZ2o
格闘家「……了解」

ザッ…タッタッタ…

隊長「お前ら二人は警備所と左の連中の動きを探れ」

男隊員「ラジャー」

隊長「悟られるなよ?特に…左大臣にはな」

女隊員「…了解ッス!」

男隊員「隊長は?」

隊長「王宮に向かい、殿下に謁見を求めてくる」

男隊員「…無理すんなよ?」

隊長「そっちもな。よし…行け!」

女隊員「ういッス!!」

ババッ!!…タタタタタッ…

隊長「…さーてと」

ゾクゥ!!

隊長「――っ!!」
662 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:42:18.99 ID:.C3avZ2o
ゴゴゴゴゴゴ

隊長(……は、背後だ…っ)

ザッザッザ

隊長(振り向けねぇ…!なんだこの…威圧は…っ!?)

ザッザッザ…ピタッ

隊長「……な、何者だ…っ」

フード男「……」

フッ

隊長「!?」

ガクンッ

隊長「…はぁ…っ、はぁ…はぁ…っ!」

フードの男が威圧を解く。同時に、隊長は金縛りから解かれるように上半身を脱力させた。

隊長「…一体…っ」

クルッ…

隊長「な…っ!?」
663 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:42:49.63 ID:.C3avZ2o
ザッザッザ

フード男「……」

驚愕の表情で立ち尽くす隊長の元に、フードを上げながら男がゆっくりと歩み寄る。

隊長「……あ…なたは…っ!」

ザッザッ……ザッ

戦士父「…付いて来い」

隊長「初代……一番槍!!」

戦士父「ほう…?俺を知ってるのか?」

隊長「……無論です」

戦士父「……」

クルッ…ザッザッザ…

隊長「…どちらへ?」

戦士父「とにかく付いて来い」

隊長「……はい」

先へ進む戦士父に従い、隊長は薄暗い路地裏を立ち去った。
664 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:43:21.25 ID:.C3avZ2o
〜王宮〜

タッタッタッタッタ…バンッ

エリート「…騒がしいな、どうした?」

青年兵「警備所から…連絡がございました…」

エリート「…急ぎか?」

青年兵「たった今…左大臣様がご訪問なされた、と…」

エリート「何っ!?直々にか!」

青年兵「…はい…っ」

エリート「…来い。玉座へ向かうぞ」

青年兵「はっ!」

カツカツカツカツ…

青年兵「左大臣様の狙いは何でしょうか…?」

エリート「…さっさと公判を終わらせて、処分を下す…。そんなところだろう」

青年兵「……」

エリート「失礼致します」
665 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:43:48.82 ID:.C3avZ2o
カチャッ…パタン

エリート「殿下、ご報告が…」

皇太子「動きがあったのか…!?」

エリート「左大臣殿が警備所へ向かったとの報告が…」

皇太子「……そうか」

エリート「奴らは判決を早めるつもりです。下手をすれば明日にも…」

皇太子「…警備所にはこちらも書簡を送った。あとはあちらが判断するさ」

エリート「しかし偽者は今だ見つからず。どうするのです!?」

皇太子「その時は止むを得まい。本当の事を公表するまでだ」

青年兵「そ、それでは…殿下のお立場が…!」

皇太子「事実は事実。余計な迷惑は掛けぬようにと黙ってはいたが…」

コツコツ…カツ

皇太子「やはり包み隠さず公表すべきであったのかもな…」

エリート「……」

皇太子「下がって良い。深夜に動きはないだろう…ひとまず明日を待とう」
666 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:44:16.68 ID:.C3avZ2o
エリート「……はい」

青年兵「失礼します」

カツカツカツ…ガチャッ…ギイィ

青年兵「どうなさるおつもりで…?」

エリート「…殿下に罪はない」

青年兵「勿論です」

エリート「首謀者は私だ。最悪の場合は私が責を負う」

青年兵「っ!?」

エリート「青年兵…君は右文官殿らと合流し、延長及び無罪の手段を考えたまえ」

青年兵「エリート様は…?」

エリート「…警備所へ行ってくる」

青年兵「!?……一体…どうするのですっ!」

エリート「左大臣殿へ…直に話してみるさ」

青年兵「……」

エリート「頼むぞ。行ってくる!」
667 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:44:54.91 ID:.C3avZ2o


テクテクテク

戦士父「お前が今の特遊の…隊長らしいな」

隊長「……」

戦士父「隠す必要はない」

隊長「何でそのような事を…?」

戦士父「情報なんてのはな、幾らでも入ってくるもんだ」

隊長「……」

戦士父「何代目なんだ?」

隊長「…さぁ。今は特に数えられてませんよ」

戦士父「そうなのか?」

隊長「ご存知の通り、任務が任務ですから。入れ替えが激しくてね…」

戦士父「……」

隊長「だからこそ、任期も長かった初代の方々が語り草になっとるんです」

戦士「……どうでもいい話だ」
668 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:45:21.32 ID:.C3avZ2o
テクテクテク…ザッ

隊長「……ここは?」

路地裏の小さな、お世辞にも綺麗とはいえない建物の前で戦士父は足を止める。

戦士父「…馴染みの店さ」

テクテクテク

戦士父「邪魔するぞ」

手狭な室内奥にあるカウンター。そこから男が顔を出す。

隊長「……」

戦士父「情報屋だ。馴染みの…な」

情報屋「…珍しいな。顔を出すとは…っ」

戦士父「本国まで来たついでだ。…それで、情報は?」

情報屋「…芳しくねぇな。進捗はない」

戦士父「…そうか」

隊長「…息子さんの件ですか」

戦士父「お前らも動いてるんだろ?」
669 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:45:47.40 ID:.C3avZ2o
隊長「ええ…まぁ」

情報屋「唯一新しい情報としては……」

パサッ

情報屋「眉唾モンだが、既に偽者を捕らえたって話がある」

隊長「バカなっ!?そんな話…聞いてねぇぞ!?」

情報屋「高齢な商人の目撃情報なんでな…信憑性が疑わしい」

隊長「気にはなるが…見間違いだろ」

戦士父「…何か分かったらまた教えてくれ」

情報屋「…鳩にする?それとも店にするか?」

戦士父「どちらでも構わん。頼むぞ」

ザッザッザ

隊長「…少なくとも軍にはそんな話、入っておりません」

戦士父「……ああ」

隊長「…畜生…っ。何をどうすりゃいいんだ…!」

戦士父「……」
670 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:46:27.92 ID:.C3avZ2o
ザッ…テクテクテク

隊長「…?」

戦士父「警備所へ行ってみる」

隊長「…無駄ですよ。左翼の連中には何を話しても通じません」

戦士父「……」

隊長「…さっきも話しましたが…暖簾に腕押し」

戦士父「……」

隊長「…分かりましたよ!俺も行きます」

テクテクテク

隊長「……あ」

戦士父「……」

隊長「待てよ…!?もしかしたら……っ」

戦士父「…行かんのか?」

隊長「行きます!行きますとも!!」

戦士父「…?」

隊長「貴方ならもしかしたら…。さぁ、早く行きましょう!」
671 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:46:56.77 ID:.C3avZ2o
〜警備所〜

警備兵「……」

ザッザッザッザ

警備兵「…?」

隊長「高官を頼む!」

警備兵「…はぁ、少々お待ちを」

隊長「早くしてくれよ」

警備兵は怪訝な表情で奥へと歩いて行く。

隊長「あとは……良心があるかどうか…」

ザッザッザ…ワイワイ

隊長「…?」

左大臣「ではァ、頼んだぞ」

カツカツカツカツ…

隊長「……っ」

高官を待つ隊長の背後を過ぎ行く左大臣の一団。
672 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:47:22.93 ID:.C3avZ2o
左大臣「…あれは誰だァ?」

左秘書官「…さて、存じませぬが。誰か知っておるか?」

左文官「…あれは…国軍の特殊遊撃の者では…?」

左秘書官「特遊の?なぜこのような所に…?」

左大臣「……」

左文官「…さぁ、手下がヘマでもやらかして訴訟でも抱えたのでは?」

左文官「ふはははっ!それは滑稽な事だ…!」

左大臣「…おい」

左秘書官「はっ」

左大臣「このタイミング…気になる。一応調べておけぃ。それと……」

左秘書官「…成程。畏まりました」

カツカツカツカツカツ…

隊長「……」

カツカツカツ…

警備兵「…お待たせ致しました」
673 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:48:00.71 ID:.C3avZ2o
隊長「…おう」

高官「…何なのだ貴様は。先程から…」

隊長「悪いな」

高官「…分かっておるのだろう?今は無駄話などしている場合ではないのだ」

隊長「分かってるっての。だが、ちょっと会って欲しい人がいんだわ」

高官「……?」

隊長「10分…いや、5分でいい。時間をくれ」

高官「…どこにいる?この近くか?」

隊長「ああ。すぐ外で待って貰ってる」

高官「……」

隊長「付いてきてくれ」

警備兵「……」

高官「…心配するな。すぐに戻る」

警備兵「は、はは…っ!」

随行しようとする警備兵を、高官は手で追い払い、隊長に続いて警備所を出る。
674 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:48:26.64 ID:.C3avZ2o
ザッザッザ

隊長「今…ちょうど左大臣の連中も帰ったようですな」

戦士父「…ああ。見たよ」

高官「…それで、会って欲しいというのは?」

隊長「ああ、この方だ。覚えてるだろ?」

戦士父「……」

高官「……ぁ…っ…!?」

隊長「…お前もモチロン覚えてるよな?」

高官「……っ」

隊長「覚えてるとかそんなチンケなもんじゃねーか…」

高官「…一番…槍の……っ」

戦士父「それで、俺はこの者と話をすればいいのか?」

隊長「コイツにとって…いや、俺らにとって貴方は命の恩人なんすよ」

戦士父「……」

隊長「なぁ、一番槍と話をしてくれ」
675 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:48:54.19 ID:.C3avZ2o
高官「…は、話すのは構わん。だが…この方と何が関係あるのか!?」

隊長「…勘ぐるなよ。俺だってたまたま会ったまでだ」

高官「……っ」

隊長「だが、妙な噂を聞いたぜ?」

高官「噂…?」

隊長「お前が逮捕した戦士っての。この旦那の息子らしいぜ」

高官「な…っ!?」

戦士父「…すまぬ。子供の責任は親の責任…。変わって詫びる」

戦士父はその場に膝をつき、深々と頭を下げる。いわゆる土下座である。

高官「な…何をなさってらっしゃる!!頭をお上げ下さいっ!!」

隊長「……っ!!」

戦士父「許してくれとは言わん。変わりに…何か方法はないだろうか?」

高官「とっ、とにかく…頭をお上げ下さい!」

隊長「…戦士父様、目立ちます。頭を上げて下さい」

戦士父「……」
676 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:49:22.87 ID:.C3avZ2o
ザッ

隊長「…なぁ、もういいだろ。戦士を開放してくれ」

高官「……」

隊長「お前の下らん逆恨みでな、みんなが迷惑してんだよ」

戦士父「……」

隊長「ブン殴られたぐらい殴り返して仕舞いでいいだろがっ!」

高官「……そうは…いかんのだ」

隊長「あん?」

高官「最早…そんな簡単な問題ではないのだよ」

隊長「…どーいう意味だよ?」

高官「知っているか?朱雀先生のパーティーが国軍付になっただろ?」

隊長「…ああ。それが何だよ」

高官「その情報は…たったの二日で左大臣様の耳に入ったのだ」

隊長「!?」

高官「立ったの二日だぞ!?その意味が分かるか…!?」
677 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:49:54.17 ID:.C3avZ2o
隊長「……最初から…狙われてたのかよ…っ」

高官「戦士…殿が私を殴った当日より、私はすぐに素性を洗った」

戦士父「……」

高官「無論、突き止める事など容易い。次の日には朱雀先生らだと判明した」

隊長「…んで?」

高官「逮捕の手続きを進めていた折だ。とんでもない情報が入ってきたのは…」

隊長「…国軍付に右翼が絡んでるって話か」

高官「ああ…そうだ。そうなっては一官僚の権限では下手に動けない」

隊長「だろうな」

高官「そこで……」

戦士父「左大臣へ相談をして…という事だな?」

高官「…その通りです」

隊長「…それで左翼の連中は嗅ぎつけたわけだ。美味しい餌の臭いをよ…!」

戦士父「…待っていたのだな。戦士や他の仲間が問題を起こす刻を」

高官「……仰る通りです。それからは…恐らくご存知の通り…」
678 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:50:20.65 ID:.C3avZ2o
ドドッドドッ…ドドォ

戦士父「馬車…?」

高官「あれは……っ」

ガチャッ…ザッザッザ

左大臣「…おやおやァ?忘れ物を取りに戻ればァ…どういう事かなァ?」

高官「左…大臣…様」

隊長「……っ」

左秘書官「…左大臣様、こ…この男…っ!」

左大臣「……?」

戦士父「……」

左大臣「…見覚えがあるなァ。そう…かつては英雄と称えられた男に似ておる」

戦士父「…人違いだな。英雄になどなった覚えはない」

左大臣「…して、高官。こ奴らと何をしておるのだァ?」

高官「……い、いえ。知人でございますので…世間話を…」

左大臣「…ほぉ。そうであったかァ」
679 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:50:55.37 ID:.C3avZ2o
隊長「…何か問題でも」

左大臣「…いいやァ。だが高官殿は多忙の身…あまりお引き留めなさいます様…」

戦士父「…ああ、済まなかったな」

カツカツカツ

左文官「書類を取って参りました」

左大臣「…おう、これこれ。年を取ると…物忘れが酷くてなァ…ふははっ!」

高官「……っ」

左大臣「では失礼。高官殿…明日もやる事は数多くある。早めに引き上げよ」

高官「…はっ。ご心配感謝致します」

左秘書官「では…」

カツカツカツカツ…バタンッ

戦士父「……」

左大臣「……出せ」

左秘書官「はっ。いいぞ、出発しろ」

ドドッ…パッカパッカパッカ…
680 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:51:23.63 ID:.C3avZ2o
高官「……く…っ」

隊長「…悟られましたね。完全に…」

戦士父「ああ。書類もあえて置いていったのであろう」

高官「……」

戦士父「……あれは?」

ドドッドドッドドッ…

エリート「……はぁっ!」

ドドォ…ザッ

エリート「……!?」

隊長「…確か、本国の…エリートっつったか?」

エリート「高官殿に…特殊襲撃隊の…っ」

高官「エリート…殿?」

エリート「……貴方は…?」

隊長「戦士の父親だ。元特遊の…一番槍と言った方が馴染み深いか」

エリート「!?……な、なんとっ」
681 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:52:08.31 ID:.C3avZ2o
ザッ

戦士父「初めてお目にかかる。右翼の腹心…エリートさんか」

エリート「…はい。父は右大臣です。貴方には多々お世話になったかと」

戦士父「こちらこそ右大臣殿には大変世話になった」

高官「エリート殿…何故ここへ?」

エリート「率直に申し上げます。戦士殿の公判についてですが…」

高官「…時間が欲しいと…申されるのであろう?」

エリート「…如何にも。お願い出来ませんでしょうか?」

高官「……」

隊長「…この期に及んで無理とか言わねーだろうな…?」

高官「……三日」

エリート「!?」

高官「いや…引き延ばせて二日です。それで宜しいか?」

エリート「……ありがとうございます。感謝致します」

高官その間に解決なされて下され。間に合わなければ…当然判決を下します」
682 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:52:36.79 ID:.C3avZ2o
戦士父「…分かった。その時はその時だ。素直に受け入れざるを得ないだろう」

エリート「…お任せ下さい。必ずや…!」

高官「…では、私はこれで」

隊長「もう行くのか…?」

高官「…書類が山積みだ。早めに片付けておきたい」

隊長「…あんま無理すんじゃねーぞ?」

高官「……お前に言われると…鳥肌が立つよ」

隊長「んだとぉ!?」

ザッザッザ

高官「……私が出来るのはここまでだ。明日からはまた…」

隊長「…ああ。分かってるよ」

戦士父「感謝する!」

高官は無言で会釈し、警備所内へと戻って行った。

隊長「これでなんとか首の皮一枚…繋がったか」

エリート「…ええ。しかし勝負はこれからです」
683 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:53:03.54 ID:.C3avZ2o


パッカパッカパッカ…

左大臣「……」

左文官「…どうなさいました?」

左大臣「…高官め、ここにきて…役に立たん男よ」

左秘書官「……」

左大臣「拾ってやった恩を仇で返すとはなァ…」

左秘書官「…如何致しますか?明日にでも被告を実刑判決にて…」

左大臣「…いや、たかがしれておるわァ」

左文官「…と、申しますと?」

左大臣「分からんかァ?高官は起訴を取り下げるであろうなァ」

左秘書官「そうか…っ、そうなると残る罪は国民からの軽い起訴のみ…」

左文官「大した罪にはならない…。実刑は難しいですね…っ」

左大臣「それでは右の連中に打撃とはならん…。だったらだァ……」

左秘書官「……?」
684 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:53:29.91 ID:.C3avZ2o
〜警備所、事務室〜

カチャッ…テクテクテク…ドサッ

高官「…………」

コトッ

高官「…一番槍…か」

高官は革張りの椅子に深く腰を降ろし、天井を見上げ目を瞑る。

高官「……」

――……

ズドオオォォンッ!!…ドガアアァァ!!

兵士「…だ、駄目だ…っ!壊滅…退却だ退ー…」

グシャアアァァッ!!

高官「……ひ…っ!?」

ドラゴン「グルオオォォ…ッ!」

高官「う……うわ…あぁ!!」

キュイイィィ……バキャアァッ!!
685 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:54:09.56 ID:.C3avZ2o
ドラゴン「ッ!?」

隊長「…ふーっ!何してやがる!立てっ!!」

高官「…あ、ああ…っ」

隊長「……おらっ、魔道兵!さっさと付加でも何でも手伝えよ!!」

高官「す、すまん…!」

フオオォォ

ドラゴン「グアアァァーッ!!」

隊長「なに…ぃ!?

ビュオッ!!…バゴオオォォッ!!

高官「ぐああぁぁ!!」

隊長「ぐは…ぁ!!」

ドシャアァ…

高官「ぐ……うぅ…っ」

隊長「くそ…っ、仲間はみんな死んだ…。これが限界なのかよぉ…!」

ドズンドズン…ドズン
686 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:54:54.82 ID:.C3avZ2o
高官「い…いやだ…っ!死にたくないっ!!」

隊長「俺だって死にたかねぇよ……っ!!」

ドラゴン「グアオオオォォーッ!!」

キュイイィィ…

隊長「出世して出世して…偉くなりてぇんだよぉ!!」

ドラゴン「ガアアァァ!!」

隊長「くっそおおぉぉ!!」

フォンッ……ビュオオォォ!!

隊長「!?」

高官「……!!」

ドズウウゥゥ…ズグウウゥゥ!!

ドラゴン「ギイィアアァァーッ!!」

ブシュウウゥゥ……ドズウウゥゥンッ

隊長「…い、一撃……っ!?」

高官「…い、今の…槍は…?」
687 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:55:23.15 ID:.C3avZ2o
ザッザッザ…

戦士父「…大丈夫か!?」

隊長「一番槍…戦士父様っ!?」

高官「こ、この人が…噂の…!」

戦士父「他の者らは!?」

隊長「…パーティーの者は全滅致しました…っ」

高官「こちらの魔道隊も…私以外は……」

戦士父「…そうか。ここは引き受ける。後退せよ」

隊長「…し、しかし…っ」

戦士父「早く行くんだ!魔物はまだ来るぞっ!」

高官「…は、はい!行こう…っ!」

隊長「……一番槍殿っ!!」

戦士父「……?」

隊長「ご武運を……!!」

戦士父「…ありがとう!君達も気を付けてくれ……勇敢であったぞ!」
688 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:55:51.56 ID:.C3avZ2o
……――

パチッ

高官「……」

コンコン

高官「…どうぞ」

警備兵「失礼致します。こちら…明日の資料です」

高官「……すまん。戻してくれ」

警備兵「え…っ?」

高官「…資料や証拠が乏しいのでな。明日の公判は延期する」

警備兵「…か、畏まりました…!」

高官「…それから」

警備兵「…?」

高官「戦士殿に対する私の起訴を……取り下げておいてくれ」

警備兵「…よ、宜しいのですか…!?」

高官「…ああ。良いのだ…これで。……良いんだ」
689 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:56:56.64 ID:.C3avZ2o


魔道士「はぁ〜、美味しかったですねっ!」

召喚士「ええ!戦士が戻ってきたらまた行きましょうか」

盗賊「……だな」

テクテクテクテク

召喚士「…あ、あれ?」

警備所の脇に集う顔見知りの存在に気づき、召喚士が駆け寄る。

召喚士「エリートさん!隊長さんも…!」

エリート「召喚士君…!」

魔道士「えっと…こちらの方は…?」

盗賊「…あれ?……この人」

隊長「あれ?お前ら初めてか?初代特遊の一番槍…戦士の親父だ」

魔道士「ええぇぇーっ!?」

戦士父「…初めまして…なのかな?その節は世話になった」

召喚士「髪切って…誰か全然分からなかった…っ」
690 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:57:32.46 ID:.C3avZ2o
盗賊「…に、似てる…!」

戦士父「…?」

魔道士「記憶戻って…良かったですねぇ!」

戦士父「本当にありがとう。感謝している」

召喚士「気にしないで下さい!」

戦士父「今回の件も……息子が申し訳ない…っ」

魔道士「そんな事ないですよ!戦士さんは正しい事をしたんだと思います!」

盗賊「…ああ」

隊長「だが相手が悪すぎた」

エリート「しかし、これで一段落着きそうですね」

召喚士「一段落…ですか…?」

エリート「たった今動きがありまして…。高官殿が公判を引き伸ばしてくれると…」

盗賊「まことか…っ!?」

隊長「いーや、それだけじゃねぇ」

魔道士「……?」
691 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:58:20.08 ID:.C3avZ2o
隊長「うまくいけばアイツ…起訴を取り下げてくれるかもしれん…」

エリート「なんと…っ!」

隊長「そのぐらい俺達には…こちらの旦那に借りがあるって事さ」

戦士父「……」

魔道士「じゃあ…戦士さんは…」

エリート「高官殿の罪が無くなれば余財は大したものではない」

隊長「しかも偽物さえとっ捕まえちまえば、晴れて無罪ってワケだ」

魔道士「完璧じゃないですかっ!」

召喚士「…あとは…偽物がどこにいるのか」

戦士父「そういう事だな」

隊長「話はシンプルになったが…一筋縄じゃあいかねぇな」

魔道士「ど、どうします…!?」

エリート「手分けして探す以外ないでしょう」

盗賊「……だな」

隊長「…待て」

召喚士「…?」
692 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:58:55.93 ID:.C3avZ2o
隊長「他の奴らが左の動きを探ってる。その報告を待ってからでもいいだろう」

召喚士「…なるほど。そうですね」

エリート「…して、他の方々は?」

隊長「向こうもぼちぼち戻ってる頃だろう。本部へ向かおう」

エリート「分かりました」

隊長「……構いませんね?」

戦士父「……ああ」

エリート「では、本部へ参りましょうか」

召喚士「はい」

〜国軍本部〜

ザッザッザ

門兵「隊長殿っ!お疲れ様です!!」

隊長「他の連中は戻ってるか?」

門兵「はっ!戻られておりますよ。……そちらは?」

隊長「知人だ」
693 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:59:29.18 ID:.C3avZ2o
魔道士「こ、こんばんはー」

門兵「おぉ…朱雀先生のご一行に…エリート様!」

召喚士「ど、どうも…」

エリート「失礼するぞ」

テクテクテク

門兵「…ど、どうぞ」

戦士父「ああ、すまんな」

門兵(……誰だっけ?)

スタスタスタ

門兵「あ…っ!!」

盗賊「…?」

門兵「あ、いえ…っ。何でもありません…!」

盗賊「……はぁ」

スタスタ

門兵「……相変わらず…かわいい」
694 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 21:59:59.68 ID:.C3avZ2o
〜会議室〜

カツカツ…カチャッ

隊長「おう、いるかぁ?」

男隊員「遅っせーな!」

女隊員「おかえりなさいッス!…これまた大勢ッスなぁ」

格闘家「…あれは…朱雀先生か?」

魔道士「あーっ!皆さんお揃いで…!お久し振りです!!」

隊長「時間がねぇ…手短に話す。各自着席を」

女隊員「ういッス!」

戦士父「……」

ガタガタッ…ストッ

隊長「ますは報告」

女隊員「はいッス。左の連中は今のところ、特に動きはないッス」

男隊員「つーか左大臣が直々に警備所へ出張っちったもんだから収穫ナシだわ」

隊長「……そうか」
695 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:00:26.86 ID:.C3avZ2o
格闘家「…どちらかと言うと、気になるのはそれまでの動きです」

エリート「それまで…とは?」

格闘家「ええ。公判を控えたにしては、警備所への出入りが少なく…」

戦士父「……」

隊長「高官に任せっきりって事か」

女隊員「そういう事ッスね」

男隊員「よっぽど信頼されてんだなぁ…ヒャハハ!」

召喚士「……」

エリート「…どうみる?」

召喚士「…殿下を陥れようという連中にしては…妙に軽率というか能天気というか…」

エリート「既に綿密な計画は立ててあるのかもしれんな…」

戦士父「もし戦ならば…」

盗賊「……?」

戦士父「大事な捕虜を本陣の奥ではなく、前線の砦に放置しておくであろうか…」

召喚士「しかも砦にはごく僅かの兵…。幾ら国相手言えど奪還がないとは限らない…」
696 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:01:00.80 ID:.C3avZ2o
エリート「…居なかったのではなく……居られなかった!?」

隊長「…つまり、何かをしていたって事か」

男隊員「その何かってのは…?」

隊長「…そこまでは知らん。何か情報はねーのか?」

女隊員「申し訳ないッス…」

隊長「…まぁいい。高官が言うには二日は伸ばせるって話だ」

召喚士「つまり、判決は明後日…!」

エリート「そういう事だな。明後日までに偽物が見つかれば…」

盗賊「…晴れて…無罪」

隊長「見つからなくても、高官のヤローが起訴を取り下げれば…」

召喚士「罪は偽物が起こした些細なものばかり…っ!」

戦士父「おそらくそんなものは執行猶予で実刑には出来まい」

男隊員「権威があろうと法律までは突然変えられねーだろ」

エリート「しかもそれが自分達の作ったものであれば…尚更だな」

魔道士「……と、いう事は…?」
697 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:01:27.11 ID:.C3avZ2o
召喚士「執行猶予中に罪を犯さなければ…問題ありません」

隊長「しかもだ。その最中に偽物を捕まえちまえば…」

盗賊「…晴れて…無罪」

魔道士「す、凄いじゃないですかっ!完璧ですよ!!」

隊長「この勝負、俺達の勝ちだ」

エリート「…ええ。しかし最後まで油断はなさらないように」

戦士父「……相手があの左大臣だからな。何かしら妨害してくる恐れもある」

召喚士「ええ…。気を引き締めて挑みましょう!」

男隊員「おうっ!」

隊長「明日の予定だが、朱雀先生達は偽物を当たってくれ」

召喚士「分かりました」

隊長「俺らは最後まで左の動きを追う。いいな!」

格闘家「…はい」

エリート「では、解散と致しましょうか」

女隊員「はいッス!…お疲れ様でしたッス!!」
698 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:02:01.32 ID:.C3avZ2o
カチャッ…テクテクテク

隊長「宿は…どうする?」

召喚士「あ、俺らは既に用意してあるので…」

エリート「私は王宮へ戻ります。それではお先に」

魔道士「おやすみなさーいっ!えへへ!」

隊長「戦士父さんは…どうします?」

戦士父「気にしなくていい。大丈夫だ」

隊長「…そうっすか」

召喚士「明日は本部に集合で宜しいですか?」

隊長「おう、頼む!」

盗賊「……では」

魔道士「お先に失礼しまーす!」

戦士父「…俺もここで失礼する」

隊長「あ、お疲れさんです。また明日…!」

戦士父「…ああ」
699 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:03:01.28 ID:.C3avZ2o
テクテクテクテクテク…

隊長「…出口…こっちですよ?」

戦士父「分かってるよ。昔は一応ここにいたんだぞ」

隊長「は、はぁ…。それじゃあ…失礼します」

テクテクテクテク

秘書官「……?」

戦士父「いるか?」

秘書官「お、おりますが…あのぉ、どちら様で…」

ガチャッ

秘書官「ちょ、ちょっと…っ!」

戦士父「……」

司令官「…これは珍しいお客様だ」

戦士父「外してくれ」

秘書官「…し、しかし」

司令官「…構わないよ。外してくれ」
700 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:03:28.41 ID:.C3avZ2o
秘書官「……は、はい」

カツカツカツ…パタン

司令官「今日は一体、どういう風の吹きまわしかな?」

戦士父「探してたんだろう?捜索依頼の件、左翼長に聞いたぞ」

司令官「……北は既に君と会っていたのか」

戦士父「奴らに罪はない。俺が逃げ出したまでだ」

司令官「別に問おうなどとは思ってないよ。まぁ掛けたまえ」

ギシッ…ドカッ

戦士父「それで、何の用だ?」

司令官「五ヶ年計画。耳にした事は?」

戦士父「なんとなくは…」

司令官「……ゾディアック」

戦士父「……」

司令官「ある程度は所在も掴めているんだが、どうしても分からない物があってね…」

戦士父「…それが何か?」
701 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:04:06.65 ID:.C3avZ2o
司令官「以前、君が南方で使っていた三叉の鉾…」

戦士父「…どうだったかな。記憶にない」

司令官「それは…困ったなぁ」

戦士父「…今更あんな物を集めてどうする!?あれは危険すぎる!」

司令官「……今更?今だからこそ集めるのだよ」

戦士父「あんなものは人の手におえるものではない」

司令官「だが、魔王をも葬り去る代物には違いない」

戦士父「誰かが犠牲になったとしても…か?」

司令官「……一人の命で何千何万もの命が救える。違うか?」

戦士父「仮にそうだとしても…扱える者などおらんぞ」

司令官「いるよ。今…目の前にね」

戦士父「……!?」

司令官「何万もの命の為だ。…死んでくれ」

戦士父「……っ!!」

司令官「かつてその為に命を預けた。そうだろう?一番槍」
702 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:04:49.96 ID:.C3avZ2o
〜次の日〜

ザワザワザワッ

魔道士「何だか…騒がしいですね」

盗賊「…何かあったのかな?」

召喚士「…とにかく本部まで行ってみましょう」

タッタッタッタッタ…

召喚士「隊長さん!」

隊長「!!…ちょうど良かった、警備所へ急ぐぞ!」

魔道士「な、何か…あったんですか!?」

隊長「話は後だ!」

〜警備所〜

タッタッタ…

魔道士「凄い人だかりが…っ!」

隊長「…おう、どうだ!?」

女隊員「まだッス!もうじきだとは思うんスけど……」
703 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:05:29.58 ID:.C3avZ2o
男隊員「…ったく、一体どういうつもり何だよぉ!」

召喚士「…そ、それでこの状況は一体…っ」

隊長「ああ、今日の朝一で突如、戦士が……」

ガチャッ

町人「出てきたぞ!!」

左秘書官「ほらっ、押すな!通してくれ」

戦士「…………」

召喚士「戦士っ!!」

戦士「召喚士…っ!それに…みんな…」

左文官「…えー、この者は先日街を騒がせた容疑者である」

ザワザワザワ…

左文官「既に存じておる者もいるとは思うが、証拠不十分として…本日、無罪釈放とする!」

左秘書官「異議のある者は当件責任者である、高官殿まで申し立てよ。以上!」

盗賊「……せ、戦士が」

召喚士「…無罪っ!?」
704 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:06:16.91 ID:.C3avZ2o
ザワザワザワザワ

男「おいおい、なんだよ無罪ってよぉ!」

老人「目撃者も多数おるんじゃぞ!罪は明白だ!!」

女性「…ま、まぁ反省してくれれば…いいんじゃないかしら…っ」

町人「何でも殿下お墨付きの国軍付ワーカーなんだろ?」

男「そうなのか?」

町人「裏で殿下が暗躍した可能性もあるぜ?」

老人「…むぅ。殿下の考えならば…。しかし…腑に落ちぬのぅ」

町人「…へっ」

ドドッドドッ…ズシャッ

男「あの馬車…本国の人間だな」

エリート「……」

町人「やっべ!」

タタタッ

エリート「……?」
705 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:06:55.81 ID:.C3avZ2o
カツカツカツ…

エリート「…戦士君が無罪?何がどうなって…っ」

戦士父「…左の仕業ではないのか?」

エリート「…これは、戦士父殿」

戦士父「我らが勝機を見出した途端にこの動き。何かあるとしか思えん」

エリート「…ええ。みすみす無罪にするなど捨てたも同然です」

戦士父「そんな簡単に諦めるような男ではないだろう」

エリ−ト「…でしょうね。とりあえず彼らに合流しましょう」

戦士父「ああ」

ザッザッザ

町人「……エリートに…あれは誰だ?」

パッカパッカパッカ

町人「…こ、これは左大臣様っ!」

左大臣「流布はうまくいったかァ?」

町人「はい。国民も噂に惑わされ混乱しているようです」
706 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:07:29.36 ID:.C3avZ2o
左大臣「…あまり大袈裟な事は吹聴するなよ?」

町人「畏まりました」

左大臣「…さて、帰るとするかァ。フハハハハッ!!」

パッカパッカパッカ

町人「…ふっ。まこと恐ろしきお方よ」

タッタッタッタッタ…

エリート「召喚士君っ!!」

召喚士「エリートさん!それに…戦士父さんも!」

戦士父「それで、戦士は?」

魔道士「今…荷物をまとめているようで。もうすぐ出てくると思います」

隊長「男隊員、格闘家」

格闘家「…はい」

隊長「お前らは王宮と、経済庁舎などの左関連の部署をあたれ!」

男隊員「…はいよ!21時に本部へ戻りまっす!」

タタッ
707 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:08:01.89 ID:.C3avZ2o
盗賊「…出てきたぞ!」

戦士「……」

高官「……」

テクテクテクテク

町人「このヤロー!無罪だなんて認めねーぞ!」

男「そうだそうだっ!」

戦士「……」

ザッザッザ

召喚士「戦士……」

高官「本日付で無罪釈放となった。ここに戦士を解放する」

魔道士「あ、ありがとう…ございます」

隊長「…お前の一存なのか?」

高官「……」

隊長「おい、何とか言えよ!?左大臣の罠なんじゃねーのかよっ!」

高官「……すまない」
708 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:08:35.00 ID:.C3avZ2o
エリート「……」

高官「私にも…分からないのだ」

戦士父「……」

高官「明け方早くにそのように決定したと通告があり、ただ…それだけだ」

隊長「……っ」

盗賊「…戦士…無事か?」

戦士「ああ。すまなかったな」

召喚士「……とにかく…良かった…っ」

戦士「なんて言ったらいいか…ほんと…」

ザッ

戦士「……お、親父…!?」

戦士父「…お前は何をやっているんだ」

戦士「……すまん」

戦士父「どれだけの者達に迷惑をかけたか…」

女隊員「……」
709 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:09:50.22 ID:.C3avZ2o
高官「それでは、失礼…」

隊長「あ、おい!」

高官「…?」

隊長「……んー、あーまーなんつーかよぉ…」

高官「……」

クルッ…ザッ…

隊長「助かったわ。サンキューな」

高官「…………」

ザッザッザッザッザ…

エリート「申し訳ありませんが皆様、この場を一度離れましょう」

召喚士「……?」

エリート「国民も同様しておられます。王宮へ移りましょう」

隊長「王宮!?それじゃ逆に反発を……」

エリート「いいえ。ここは隠さず、素直に行動した方が有効的です」

召喚士「……分かりました。エリートさんの言う通り王宮へ行きます」
710 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:10:49.52 ID:.C3avZ2o
〜王宮〜

エリート「戻ったぞ」

右文官「エリート殿、殿下がお待ちですぞ!」

エリート「ええ、すぐに向かいます」

〜玉座の間〜

右文官「失礼致します。エリート殿、お戻りになられました」

皇太子「どうであった?」

エリート「ご覧の通り、戦士殿は無事…釈放と相成りました」

皇太子「……そうか」

戦士「ご迷惑をかけました」

皇太子「構わん。気にするな」

エリート「しかし、本当にこのまま終わるのでしょうか…?」

皇太子「……」

エリート「左大臣殿の事です。とてもすんなり釈放とは考えにくいのです」

皇太子「……うむ」
711 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:11:16.99 ID:.C3avZ2o
青年兵「しかし無罪で釈放してしまってはその後どのような手を…?」

隊長「そこなんですよ。奴らの次の一手が読めません」

戦士父「ただで終わるとは思えんな…」

隊長「とにかく、左の動きは我ら特遊が追います」

皇太子「君らが担ってくれるなら心強いな。助かる」

隊長「はっ!」

皇太子「戦士君。隊長は問題ないか?」

戦士「はい。特に問題ありません」

皇太子「そうか。それならば良かった」

青年兵「召喚士さん…この後はどうなさるのです?」

召喚士「うん…。しばらくは本国から離れようと思う」

青年兵「そうですか……」

エリート「確かにこれ以上騒ぎが大きくなると厄介であるからな」

戦士父「しかし、気を付けろよ?」

盗賊「……?」
712 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:11:44.20 ID:.C3avZ2o
戦士父「本国にいるうちは味方も多いが、離れればそうもいかぬ」

魔道士「……」

エリート「左大臣殿の狙いはそこかもしれませんしね」

女隊員「本国以外も安全とは言えないわけっすね…」

召喚士「でも、これ以上皆さんや街の人に迷惑をかけるわけにはきません」

戦士「…ああ。その通り」

召喚士「それに、いつまでも偽物を野放しにはしておけませんから…」

皇太子「確かに…そうであるな」

青年兵「何か困った事があれば、いつでも申して下さい!」

エリート「ああ。すぐに手助けする」

魔道士「ありがとうございます」

隊長「街の外まで送ろう」

召喚士「あ、大丈夫ですよ。お構いなく」

女隊員「でも…何かあったらまずいッスよ…」

戦士父「いや、見送りまで護衛が付くと民に良からぬ風評を立てる事になる」
713 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:12:27.94 ID:.C3avZ2o
女隊員「あ…っ」

戦士父「外までは俺が共に行く。安心してくれ」

エリート「では、お願い致します」

召喚士「それではお世話になりました」

青年兵「何卒、お気を付けて…!」

戦士「……すんません」

皇太子「また、近いうち必ず」

魔道士「はいっ」

隊長「では、我々も失礼します」

皇太子「うむ。此度は大変ご苦労であった」

隊長「勿体なきお言葉!……それでは」

ザッザッザッザッザ

エリート「では私達も…。行くぞ、青年兵」

青年兵「はい。失礼致します!」

皇太子「うむ。君達もご苦労だった。ゆっくり休むが良い」
714 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:13:03.96 ID:.C3avZ2o
カツカツカツ…パタン

皇太子「……これにて、ひとまずは一件落着か」

皇太子は玉座に腰を据えると、天井を見つめ大きく息を吐いた。

カツカツカツカツ

青年兵「…エリート様、今後はいかが致しますか?」

エリート「うむ。特殊遊撃も動いてはいるが…」

青年兵「……」

エリート「私達は私達で調査を継続しよう」

青年兵「…ですね。一刻も早く偽物を捕えなければ…」

エリート「もう一度聞き込みを行い、目撃証言を検証しよう」

青年兵「はっ。早速手配致します」

エリート「ではそちらの士気は君に任せる。頼むぞ」

青年兵「畏まりました」

エリート「なんとしても…解決するぞ」

青年兵「・・…はい!」
715 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:13:31.62 ID:.C3avZ2o
〜国軍本部〜

隊長「それでは、我々はこれにて失礼します」

戦士父「色々と世話をかけたな」

隊長「気にしないで下さい。これも仕事です」

女隊員「皆さんもお気を付けて!ご武運を祈るッス!」

魔道士「ありがとうございますっ」

召喚士「何かあったらすぐに報告します」

隊長「頼む。こちらも動きがあれば、逐一連絡する」

戦士「…すまん」

戦士父「では、行くか」

盗賊「…うん」

召喚士「それじゃ…また」

隊長「ああ。頑張れよ!」

戦士「…うっす!」

魔道士「それでは…また!」
716 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:13:59.71 ID:.C3avZ2o
ザッザッザッザッザ

戦士父「…それで、どこへ向かうのだ?」

召喚士「……特に決めてはいません」

盗賊「…身を隠すには…遠方が好ましいが」

魔道士「それだと…偽物を探せなくなっちゃいますよね…」

戦士「じゃあどうする?」

召喚士「まずは港街辺りまで行きましょうか」

魔道士「そうしましょうか!」

戦士父「……そうか。くれぐれも気を付けてな」

戦士「親父は行かねーのか?」

戦士父「本国近辺は面倒事が多くてな。出来れば離れたい」

召喚士「そうですか…」

戦士父「すまんな。力になれなくて」

魔道士「いえっ、気にしないで下さい!充分ですよ…えへへ!」

盗賊「…ああ」
717 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:14:28.76 ID:.C3avZ2o
戦士父「…それじゃあな」

召喚士「…はい。それでは」

戦士父「……ああ、そうだ」

盗賊「…?」

戦士父「戦士、その戟をよこせ」

戦士「は…?」

戦士父「前にも言ったと思うが、ゾディアックはやはり危険だ」

召喚士「ゾディ…アック…」

戦士「んな勝手な…」

戦士父「勝手…?」

戦士「…そ、そうだろ」

戦士父「まともに扱えもせぬ者が何を言うか…っ!」

戦士「……!!」

戦士父「お前も重々分かっているだろう?ゾディアックがどういったものなのか」

戦士「……」
718 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:14:59.18 ID:.C3avZ2o
戦士父「どうせ槍など未熟な腕。扱いきれんのだから良いだろ」

戦士「…でもよ、親父はそれをどうする気なんだ…?」

戦士父「……」

召喚士「あの…何か、目的が…?」

戦士父「……まさか。封印するまでだ」

盗賊「……」

戦士父「…さ、分かったらよこせ」

戦士「……ちっ、渡しゃいいんだろ」

魔道士「い、いいんですか…?」

戦士「親父が言うんだ。仕方ねーだろ…」

魔道士「そ、そうです…よね」

戦士「……ほらよっ」

手にした戟を戦士は戦士父へと放り渡す。

ポイッ……パシッ

戦士父「…確かに」
719 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:15:29.10 ID:.C3avZ2o
戦士「でもなぁ、それがねーと武器が……」

盗賊「…戦士」

盗賊は胸元の紐を解き、背中の雷切を戦士へ放り渡す。

戦士「…おっ、サンキュ!」

召喚士「……」

戦士「これでいいんだろ?」

戦士父「ああ。確かに預かったぞ」

ザッ

戦士父「……もし」

召喚士「…?」

戦士父「もし俺に用がある時は、本部南の路地裏にある小さな飲み屋を訪ねろ」

魔道士「え…っ?」

戦士父「店主に伝言すればそれでいい。それじゃあな」

召喚士「あ…ありがとうございます…っ!」

二本の長得物を手に、戦士父は無言でその場を立ち去って行った。
720 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:16:04.12 ID:.C3avZ2o
盗賊「……」

魔道士「と、とにかく…無事で良かったですね…っ!」

召喚士「…ええ。改めて…おかえり、戦士」

戦士「…おう。ただいま」

魔道士「おかえりなさい!えへへっ!!」

盗賊「……おかえり」

戦士「済まなかったな。心配かけちまって…」

魔道士「何言ってるんですか!仲間ですもの…!」

戦士「仲間……」

召喚士「そうだよ。気にする必要なんてないよ!」

戦士「……ありがてぇな」

盗賊「…何だ、改まって」

戦士「んー、改めて分かるってやつ?仲間のありがたさ」

盗賊「…そっか」

戦士「さぁ行こうぜ…冒険の続きによ!」
721 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:16:30.84 ID:.C3avZ2o


格闘家「……」

男隊員「……動いたぞっ!」

民家の屋根の上。二人の男が向かい側の建物の様子を探っている。

格闘家「…出て来ました。脇の出入口です」

男隊員「馬車も移動したな…」

格闘家「……」

男隊員「警備所から何を運ぶ気だ…?書類にしては大事すぎんぜ」

格闘家「…中央の男、左大臣…ですか?」

男隊員「ああ、そうだ。よーくツラを拝んどけ。長い付き合いになるかもしれん。ヒャハハ」

格闘家「…何か…布に包まれたものを積んでますね」

男隊員「……よし、先回りすんぞ!」

格闘家「どこへです?」

格闘家「…左大臣の屋敷だよ。行き場所はおそらくそこしかねーだろ」

格闘家「……了解」
722 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 22:17:00.06 ID:.C3avZ2o


パッカパッカパッカ

左秘書官「……事は、全て終わりましたね」

左大臣「あァ。ご苦労だったなァ…」

左文官「本当に宜しかったので…?」

左大臣「んー?」

左文官「あの者…解放してしまって……」

左大臣「構わんよ。代わりに得たものは大きい」

左秘書官「高官の処置は如何なさいますか?」

左大臣「なぁに、構う事はない。何も出来んさァ」

左秘書官「……畏まりました」

左大臣「…さァて、面白くなってきたわァ。ハハッ…フハハハハッ!!」

意味深な左大臣の笑い声を残し、馬車は警備所を走り去って行った。



〜第二十三部、完〜
723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/20(水) 22:18:41.91 ID:.C3avZ2o
休憩&お風呂入ってきますー!
24部スタートは23時頃にて!ノシ
724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 22:35:42.63 ID:M5fTfkDO
戦士父△

>>1超乙乙!!
725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 22:41:03.54 ID:cjzefoMo
>>1乙!
復活で久々だったけど
量が多くて満足ですたい
726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 22:55:51.78 ID:wpzKw.DO
>>1乙っす
左大臣はやく死なないかなあ
727 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 23:06:14.57 ID:nXRpAgDO
書きためが無いとか言っといて

最高だあんた
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:07:10.70 ID:.C3avZ2o
召喚士「…えぇと」

テクテクテク

召喚士「あ…っ、あったあった」

タッタッタ

召喚士「本国は栄えてて便利なんだけど…いっつも迷っちゃうんだよなぁ」

テクテクテク…カチャッ

〜ワークショップ〜

召喚士「こんにちはー」

店員「いらっしゃいませ!」

召喚士「えぇと、この手紙をジュニアさんと…あと北方司令部に」

店員「はい。お預かりいたします」

召喚士「あと…お金を下ろしたいんですが…」

店員「畏まりました。少々お待ち下さいませ」

スタスタスタ

召喚士「……」
729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:07:47.24 ID:.C3avZ2o


ジャラッ…ゴトッ

店員「以上で宜しいですか?」

召喚士「はい。じゃあ…お願いします」

店員「お預かりいたします!ありがとうございました!」

カチャッ…テクテクテク

召喚士「…よし、あとは消耗品を買い揃えて……」

ドドッドドッドドッ

青年兵「召喚士さんっ!!」

召喚士「青年兵…くん!?」

ドドォ…

青年兵「良かったぁ。まだいてくれて…」

召喚士「ど、どうしたの!?」

青年兵「大した物ではないんですが、一応これをお渡ししたくて」

召喚士「……?」
730 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:08:42.87 ID:.C3avZ2o


召喚士「これ…っ」

青年兵「魔物図鑑の…ドッペルゲンガーの写しです」

召喚士「…い、いいの…っ?」

下馬した青年兵は紙を手渡すと同時に、召喚士の耳元で囁く。

青年兵「……内密にお願いします」

召喚士「…うん。分かった」

青年兵「偽者の行方は予測出来ますか?」

召喚士「…いや、難しいね」

青年兵「馴染みのある地域に逃亡したとか…?」

召喚士「それも考えて北方司令部とこの件を知る人には手紙を送ったよ」

青年兵「そうでしたか…」

召喚士「でも、わざわざ本国へ来たって事は逆に北方以外の地域へ行くって事も…」

青年兵「確かに…考えられますね」

召喚士「ひとまずは港街へ行き、本国と北方の間辺りを捜索しようと思ってるよ」
731 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:09:33.34 ID:.C3avZ2o
青年兵「…了解です。ならば本国近辺は任せて下さい」

召喚士「い、いや…何もそこまで…」

青年兵「いえいえ。これは最早、召喚士さん達だけの問題ではありません」

召喚士「青年兵くん…」

青年兵「いつも助けて頂いてるんです。このぐらいはさせて下さい!」

召喚士「……分かった。ありがと」

青年兵「いえ…っ。ところで…召喚士さんお一人ですか?」

召喚士「…うん。流石に直後だし…街中をうろつくのも…って」

青年兵「…た、確かにそうですね」

召喚士「青年兵くん、色々とありがとう!」

青年兵「いえっ!この程度しか出来ずすみません」

召喚士「ううん!大助かりさ!」

青年兵「…では、近いうちまた…!!」

召喚士「ありがとう!!」

グイッ…パッカパッカパッカ…ドドッドドッ…
732 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:10:00.47 ID:.C3avZ2o
召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第二十四部〜
733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:10:28.81 ID:.C3avZ2o


盗賊「……」

戦士「……」

魔道士「…召喚士さん、まだかなぁ」

ガサガサッ

魔道士「っ!?」

盗賊「これを被れっ!」

戦士「お、おうっ!」

ゴソゴソッ

盗賊「…………」

ガサッ…テクテクテク

召喚士「…あ、お待たせしました」

魔道士「ビックリしたぁ…っ!」

召喚士「え?あれ、何してんの戦士?」

戦士「な、何って…だってよ…」
734 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:10:57.66 ID:.C3avZ2o
盗賊「…流石に公には…まずいだろう」

召喚士「本国を出てしまえば大丈夫ですって」

魔道士「そうですかぁ…?」

召喚士「もう無罪なんですよ?堂々と行きましょうよ」

戦士「そ、それもそうだわな…」

盗賊「…まぁ…そうだが」

召喚士「…さ、元気を出して…出発〜!」

テクテクテク

魔道士「…随分…ご機嫌ですね」

盗賊「…召喚士なりに励ましているんだろう」

魔道士「……」

戦士「……」

盗賊「…さ、行こう」

戦士「…おう」

魔道士「そうですよね。いつまでもクヨクヨしてたってしょうがないですもんねっ!」
735 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:11:29.09 ID:.C3avZ2o
テクテクテクテク

戦士「そんで、港街まで行ってどうすんだ?」

召喚士「……どうしよっか」

盗賊「……」

召喚士「…占い師さんさえ無事だったらなぁ」

魔道士「あっ!そうですよね…っ。占い師さんなら居場所なんて一発で…」

召喚士「しかし今はそれも出来ず…。自分達の足で探すしかないですね」

盗賊「…ああ」

召喚士「そういえばさっき、青年兵くんに会いましたよ」

魔道士「青年兵さんですか!?」

召喚士「これを貰いました」

カサッ

戦士「何だこれ?」

召喚士「魔物図鑑の…ドッペルゲンガーの写しさ」

戦士「!?」
736 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:12:09.77 ID:.C3avZ2o
盗賊「…へぇ。こんな物まで」

召喚士「い、一応極秘と言う事で…」

魔道士「わ、分かりました…っ!」

召喚士「あと、本国近辺の捜索はあちらが担当してくれると」

魔道士「本当ですか!?」

召喚士「ええ」

戦士「こりゃ楽だな。」

盗賊「…という事は」

召喚士「北方も司令部やジュニアさんへ顛末を記した手紙を出しました」

戦士「…ほぉ」

召喚士「今日の朝現在で、乗船名簿に戦士の名はありませんでした」

魔道士「え、えぇと…つまり…?」

召喚士「泳いででも行かない限り、東方、南方、西方へは行ってないと思われます」

盗賊「…つまり…いるとすれば」

召喚士「…そう。この大陸のみという事です」
737 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:12:46.94 ID:.C3avZ2o
魔道士「ずいぶん絞られましたねっ!」

召喚士「そうは言ってもこの広い大陸…探しきれるかどうか…」

戦士「本国はともかく北なんて山に逃げ込まれた探しようがねーぜ」

召喚士「そうなんだよね…」

盗賊「…どうする?」

召喚士「…何か別の切り口がないだろうか」

盗賊「……」

召喚士「…ひとまずバーテンさんの所へ行きましょうか」

魔道士「そうですね…!」

戦士「そこでメシでも食いながらじっくり考えようぜ」

召喚士「うん」

魔道士「それでは港街目指して頑張りましょうっ!えへへ!」

戦士「おうよっ!」

盗賊「…おう」

四人は街道を進み、大陸港の街を目指す。
738 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:13:20.29 ID:.C3avZ2o
テクテクテク…

子供「おじちゃーん!もう一回ーっ!」

男「はいはい。じゃあ順番に並んでね」

魔道士「なんだか賑やかですね」

戦士「催しものか?」

四人は港街手前の開けた平野に構えられた、大きなテントを見つける。

召喚士「あぁ、サーカスみたいですね」

魔道士「本当だっ!うわぁ〜!」

召喚士「近くまで行ってみましょうか!」

魔道士「はいっ!!」

戦士「…ったく、急にはしゃぎやがって。…なぁ?」

盗賊「…す、すごい」

タッタッタ

戦士「お、おいっ!お前もかよ!?」

目を輝かせ走る盗賊を見て、溜息まじりに戦士が後を追った。
739 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:14:00.42 ID:.C3avZ2o


団長「さぁさぁ、空中ブランコにライオンの火の輪潜り…」

魔道士「…うわぁ」

団長「小熊の玉乗り…おっと、続きは今夜開催予定の…当サーカスにて!」

子供「もっと見たい〜!!」

団長「じゃあ特別にマジックをご披露だぁ!」

子供「うわぁ〜い!」

盗賊「……ゴクッ」

魔道士「楽しみですねぇ!」

召喚士「ええっ!」

団長「それじゃピエロくん、マジックをご披露だ〜!」

ピエロ「ハイハーイ。ソレじゃマジックをヒロウするゼ!」

コトッ

ピエロ「ココにフタツのコップがあル。コッチはアカ。コッチはアオ!」

男性客「……ドキドキ」
740 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:14:35.72 ID:.C3avZ2o
盗賊「…ドキドキ」

ピエロ「それじゃアカいコップにサイコロをヒトツいれるヨ!」

コロンッ…カラカラカラッ

ピエロ「ソレをサカサマにテーブルへおくヨ!」

タンッ

ピエロ「さぁサイコロがハイッテいるのはドッチ?カンタンすぎたカナ?」

男性客「そんなの赤に決まってんじゃーん!!」

魔道士「赤ですよっ!赤っ!!」

盗賊「…赤だ!」

ピエロ「……それデハ…ジャジャーン!!」

カパッ

男性客「あれぇ〜!?サイコロがなくなった!!」

魔道士「じゃ、じゃあ……青のコップですか!?」

ピエロ「……フフッ、ジャジャーン!!」

カパッ
741 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:15:05.50 ID:.C3avZ2o
盗賊「…な、ないっ!詐欺だ!!」

ピエロ「サギ!?ノンノーン!ひとギキわるいデスネー!」

パチンッ

ピエロ「アナタ…どろぼうサンですネー?」

盗賊「…ち、違うわ!たわけっ!!」

ピエロ「じゃあソノ、むねノあいだニはさまッタ…サイコロはなんデスカー?」

盗賊「んな…っ!!」

モゾモゾッ

盗賊「…サ、サイコロが…!」

召喚士「い、いつのまに…っ!?」

ピエロ「おっきなバストだと…カクしやすいデースネー!」

盗賊「……くっ!!」

ポイッ

ピエロ「ハイ、それじゃサイコロはボウヤにプレゼントしますヨー」

子供「ありがとー!!」
742 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:15:39.09 ID:.C3avZ2o
団長「楽しんで頂けましたか?お次はこんなマジック〜!」

ワイワイワイ

戦士「…おい、まだ行かんのか?」

召喚士「あ、そうだね。そろそろ行こうか」

魔道士「で、ですね…。すみません…夢中になっちゃいました…ははっ」

盗賊「……うん」

戦士「いや、別にいいけどよ」

召喚士「それじゃ行きましょうか」

魔道士「でも凄かったですねー!」

盗賊「…ああ」

戦士「お前ならサーカスみてぇな事は容易いんじゃねーの?」

盗賊「…そ、それはそうだが」

召喚士「……」

盗賊「…見世物と実戦では……鍛錬も動きも違う」

戦士「ふぅん。そんなもんかぁ」
743 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:16:06.33 ID:.C3avZ2o
〜大陸、港の街〜

魔道士「到着〜!!」

召喚士「それじゃバーテンさんのお店に行きましょうか」

戦士「おうっ!」

〜バーテンの店〜

カチャッ…チリチリン

魔道士「こんにちはー…」

召喚士「……あれ?いないのかな?」

戦士「裏じゃないのか?」

召喚士「…バーテンさーん?」

テクテクテク…ガチャッ

召喚士「…あっ、バーテンさん!」

バーテン「!?」

召喚士「やっぱり裏口にいましたか。こんにちは」

バーテン「おう、今日はどした?」
744 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:16:35.16 ID:.C3avZ2o
召喚士「あ、いや…これといったわけでもないんですが…」

バーテン「…そうか。すまんな、すぐそっち戻るから」

召喚士「何やってるんです?手伝いますよ…」

バーテン「あー気にすんな。薪だ、すぐ終わる」

召喚士「……分かりました」

テクテクテク

戦士「いたか?」

召喚士「うん。座って待ってよう」

盗賊「……ああ」

テクテクテク…ドサッ

バーテン「おう、待たせたな」

魔道士「こんにちは〜!」

バーテン「色々と大変だったみたいだな。手配書見たぜ?」

召喚士「はは…っ」

バーテン「お前もついにお尋ね者かぁ〜。ははっ」
745 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:17:08.47 ID:.C3avZ2o
戦士「ははっ、じゃねぇ!もう無罪で釈放になったよ!!」

バーテン「冗談だよ、さっき新聞で見たさ。まぁ無事で何よりだ」

召喚士「まだ終わったわけではないですが…」

バーテン「偽者だろ?全く…どこウロついてやがんのかねぇ…」

盗賊「……」

バーテン「あ、そうだ…!そういやお前の親父だ来たぞ」

戦士「…ああ、会ったよ」

バーテン「…なんだ、そうだったか」

召喚士「戦士父さんには色々と助けて頂きました」

バーテン「んで、アイツは?またぶらり旅か…?」

召喚士「……みたいです」

バーテン「…ったく、落ち着きのねぇ奴だ」

ゴトッ

バーテン「ほれ、まずは酒…。それと魔道士ちゃん手伝ってくれや」

魔道士「ご飯ですね!?…お任せ下さいっ!えへへ!」
746 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:17:36.97 ID:.C3avZ2o


戦士「カンパーイ!!」

魔道士「乾杯〜!」

チィンッ!!

戦士「…んっ…んっ…ぷはぁ!うめぇ!!」

バーテン「んで、その偽者はどうするつもりなんだ?」

召喚士「目的も行動も読めないんじゃ…何ともしようが…」

バーテン「コイツの思考を持ってんだろ?単純そうなモンだがなぁ」

グリグリッ

戦士「…あのなぁ、俺だってちゃんと考えながら生きてるっつーの!」

魔道士「でも、戦士さんなら堂々としてそうですけどねぇ…」

盗賊「…確かに」

召喚士「それは考えたんですけど、目撃証言がなさすぎるんですよ…」

盗賊「……」

召喚士「事件後…ピタリと煙のように消えてしまっているんです」
747 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:18:06.55 ID:.C3avZ2o
バーテン「…もしかして死んだ?」

召喚士「まさか…相当の腕前じゃなきゃ難しいですよ」

魔道士「そうですよ、仮にも戦士さんなんですからっ」

バーテン「そりゃそうか…」

召喚士「本国にいない事はほぼ確かです。何日も滞在すれば流石に…」

バーテン「目撃証言の一つくらいは出る…か」

盗賊「…例えば」

魔道士「へ…っ?」

盗賊「…例えば…誰かに匿われていたり…とか」

魔道士「偽者をですよ!?一体誰が……」

召喚士「そ…そうか、待てよ…?」

魔道士「…?」

召喚士「偽者と知らず、本物の戦士として匿っていたならば…?」

バーテン「誰がそんな事するってんだ?」

召喚士「本国で戦士を知っている者といえば…」
748 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:18:42.15 ID:.C3avZ2o
魔道士「本国や国軍の皆さんは…まず違いますよねぇ…」

盗賊「…ドクターは?」

召喚士「有り得ますが病院は真っ先に捜索が入るでしょう…」

バーテン「だな。そういう施設は真っ先に疑われるからな」

召喚士「それに病人や怪我人も多数います。手配書や警備もいち早く入るでしょう」

魔道士「な、なるほどですね…」

盗賊「…あとは」

召喚士「……そ、そうだよ…っ。何で気付かなかったんだ…!!」

魔道士「……ウ、ウィッチちゃん…っ!!」

召喚士「今回の張本人だ!彼女なら匿う理由も大いにあります!!」

バーテン「…確かに偽者を本人と思っているなら…可能性はあるだろうな」

盗賊「…どうする!?」

召喚士「…今からワークショップへ行ってきます!」

ダッ…カラカランッ

魔道士「お、お気をつけて!」
749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/20(水) 23:18:54.20 ID:WaBlXLg0
>>1乙!
更新量多過ぎて濡れた…///
マジで超乙なんだぜー!!
23部面白かった!今後に繋がりそうな伏線もあったし
>>1の日常パートは読むと登場人物のキャラが固まってドンドン魅力的になっていくから大好きだ!
今回の話は日常なのに緊張感もあったしな

これからも頑張ってくれ!>>1乙!!
750 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:19:14.96 ID:.C3avZ2o
タッタッタッタ

召喚士「……っ」

バンッ

召喚士「…はぁ…はぁ」

店員「い、いらっしゃい…っ」

召喚士「……手紙を…お願いします!」

店員「…?は、はぁ…っ」



召喚士「……よしっ」

キュキュッ

召喚士「これをお願いします」

店員「はいはいっ。本国の青年兵様ですね…?今夜中には届くと思います!」

召喚士「よろしくお願いします」

店員「あ、お待ち下さい。ご伝言が届いてますよ!」

召喚士「…?」
751 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:19:53.66 ID:.C3avZ2o
テクテクテク…カチャッ…チリチリンッ

戦士「おかえり〜」

召喚士「ただいま」

魔道士「大丈夫でしたか?」

召喚士「ええ。今夜のうちに届くようです」

盗賊「……それは?」

召喚士「左翼長さんとジュニアさんから伝言の返事です」

バーテン「何だって?」

召喚士「えと、左翼長さんは『こっちは俺らに任しとけ!見つけたらとっ捕まえる!』」

魔道士「頼もしいですねっ!」

召喚士「ジュニアさんは『了解!出来る限りはフォローすんぜ!ハッハ!』」

バーテン「アイツは今、どこにいんだ?」

盗賊「…鉱山の街」

召喚士「とりあえずこれで包囲網は完成…かな?」

魔道士「頼もしいですねっ!」
752 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:20:23.41 ID:.C3avZ2o


バーテン「あとはどうするつもりだ?」

召喚士「何か別の手段はないか考えようかと…」

戦士「別ったって…何かあんのか?」

召喚士「いや…特に何も…」

バーテン「釣りってのはどうだ?」

魔道士「釣り…ですか?」

バーテン「ああ、餌をぶら下げて向こうから食いつくのを…待つ!」

盗賊「……なるほどな」

召喚士「でも、餌がないんですよね…」

バーテン「…確かに、そうもそうか」

魔道士「何かいいアイディアがあればいいんですけど…」

召喚士「とにかく…青年兵くんからの返事を待ちましょう」

バーテン「明日、改めてだな」

召喚士「…はい」
753 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:20:50.92 ID:.C3avZ2o
〜本国、王宮〜

ドドッドドッドドッ…

門兵「何用か!」

ワーカー「青年兵さんはいらっしゃるか?」

門兵「…?」

ワーカー「手紙だ。渡してくれ」

門兵「…ふむ、確かに預かった」



カツカツカツ…コンコン

青年兵「はい」

門兵「失礼します。ワーカーより手紙を預かって参りました!」

ガチャッ

青年兵「ありがとうございます」

門兵「はっ!失礼致します!」

青年兵「……召喚士さんから…!?」
754 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:21:33.71 ID:.C3avZ2o
ガサッ…パラパラッ

青年兵「……成程…っ」

ガチャガチャガチャッ…バサァ

右秘書官「…おや?おでかけかな、青年兵殿?」

青年兵「…すみません!」

タッタッタッタッタ

右秘書官「…はて…?」

タッタッタッタ…コンコン

青年兵「エリート様っ!!」

エリート「青年兵か?開いているぞ…入りたまえ」

青年兵「失礼致します!」

カツカツカツ

エリート「夜分にどうした?」

青年兵「…ウィッチさんは王宮へ戻られてますか!?」

エリート「ウィッチさん…?いや、知らぬぞ?」
755 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:22:11.69 ID:.C3avZ2o
青年兵「……ならば、大丈夫です」

エリート「何があったのだ?」

青年兵「これを…」

パラッ

エリート「……成程。確かに彼女は戦士君に対して恩があるからな」

青年兵「もしや…と思ったのですが…」

エリート「君も知っているだろう?彼女は行ったんだ」

青年兵「…ええ」

エリート「自分の運命を自分自身で変える為、彼女は自ら旅立ったのだ」

青年兵「…そうですよね」

エリート「しかし…逆に厄介かもしれんな…」

青年兵「…え?」

エリート「もし旅先でばったり出会ったら…彼女は偽物をどう思う?」

青年兵「……あ…っ!!」

エリート「これは早めに手を打った方が良いかもしれん…」
756 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:23:02.19 ID:.C3avZ2o
青年兵「そ、それでは…戦士さんと関わった人間全てを…」

エリート「国軍の目が行きとどく所は問題ないはずだ」

青年兵「そうか…っ。問題はワーカーや馴染みの店…」

エリート「こればっかりはカバーしきれんな。どうする…何か手は…」

青年兵「まさか左大臣様はそこまで考えて……」

エリート「……待て、今…なんと申した?」

青年兵「え…?いやっ、左大臣様が…」

エリート「…ナイスだ青年兵」

青年兵「…?」

エリート「逆だよ逆っ!もし…無罪の判決を下したにも関わらず…偽物が再犯したら?」

青年兵「当然、責任や風評は……さ、左大臣様達に…っ!?」

エリート「左の連中がそんな過ちを犯すと思うか?」

青年兵「…まさか」

エリート「そうなると偽物は…偽物…は……っ」

青年兵「エ、エリート様…!?」
757 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:24:18.02 ID:.C3avZ2o
〜バーテンの店〜

バーテン「さーて、今日はキリねぇし休んでおけ」

盗賊「…だな」

召喚士「そうしましょうか」

魔道士「はいっ!お風呂の準備してきます!」

戦士「んじゃ、明日は青年兵からの返事を待って…」

召喚士「うん。次の一手を考えよう」

戦士「…うっし。そうだな」

盗賊「……」

バーテン「俺も何か手助けしてやりてぇところだが…」

召喚士「いえいえ、お構いなく」

バーテン「…んじゃ、ここを自由に使ってくれ」

戦士「い、いいのかよ…?」

バーテン「どうせ寂れたバーさ、好きにしな」

盗賊「……助かる」
758 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:24:54.12 ID:.C3avZ2o
テクテクテク

魔道士「お風呂の準備出来ましたよー」

盗賊「…今、行く」

スタスタスタ

魔道士「よいっしょ」

パサッ…ヌギヌギッ…カチャッ

盗賊「……」

ジャーッ…バシャバシャッ

魔道士「……はぁ〜」

盗賊「……はー」

魔道士「なんか…『は〜』っておばちゃんっぽいですね…へへっ」

盗賊「…そ、そうか?」

魔道士「だ、だめですよ!私達まだまだ若いんですからっ!!」

盗賊「…う、うん」

魔道士「気をつけよっと……」
759 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:25:33.97 ID:.C3avZ2o


召喚士「戦士、飲み直す?」

戦士「おーそうだな」

トクトクトクッ…コトッ

戦士「サンキュ」

召喚士「…災難だったね」

戦士「んーまぁな」

召喚士「警備所、大変だった?」

戦士「ん、ああ…。まぁそうでもなかったかな…ははっ」

召喚士「……そっか」

戦士「ま、こうして出てこれたし…もういいさ」

召喚士「…そうだね」

戦士「明日からまた頑張ろうぜ!」

召喚士「……うんっ!」

戦士「へへっ!」
760 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:26:09.43 ID:.C3avZ2o
〜次の日〜

テクテクテク

召喚士「おはようございます」

店員「おはようございます。任務ですか?」

召喚士「いえ、手紙か伝言…届いてますか?」

店員「少々お待ち下さい。あ、こちらに記入をお願いします」

召喚士「はい」



店員「…お待たせしました。こちらですね」

召喚士「ありがとうございます」

カサッ

召喚士「青年兵くんだ…!」

召喚士は青年兵からの手紙を開封し、目を通す。

召喚士「……なるほど、そう言う事か」

手紙を封筒へと戻すと、召喚士は急ぎ足でバーテンの店へと戻って行った。
761 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:26:35.63 ID:.C3avZ2o
〜バーテンの店〜

バーテン「…んで、何だって?」

召喚士「ウィッチさんは本国にいないようです」

バーテン「て事は匿ってる線もなし…か」

召喚士「ええ…」

魔道士「それじゃ一体…どこにいるんでしょうね?」

盗賊「…やはり…街の外に?」

召喚士「……そうですね」

バーテン「他に何か良い手があればいいんだがな…」

コンコン…カチャッ

バーテン「いらっしゃい」

団長「あ、すみません。客ではないんです」

魔道士「あれ…?あの人、確か昨日の…?」

召喚士「サーカスの方ですね…!」

団長「おっ、存じて頂いてましたか!実は…宣伝に!」
762 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:27:28.13 ID:.C3avZ2o
団長は手にしたビラを一同へと手渡す。

戦士「…この後、公演か」

団長「良かったらこちらのお店にもチラシを置かせて貰えませんかえ?」

バーテン「構わんが…店は夜からだぞ?」

団長「問題ありません!公演は明日も明後日もございますので!」

盗賊「……サーカス…か」

団長「宜しければ皆様もぜひ!」

魔道士「はいっ!えへへ!」

団長「では失礼します!お邪魔しました〜!」

チリチリンッ…パタン

バーテン「そういや街の外にサーカスが来てたわな」

召喚士「…良かったら観に行ってみましょうか」

魔道士「本当ですか!?行きたいですっ!」

盗賊「…・・是非!!」

召喚士「…それじゃ早速行ってみましょうか!」
763 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:28:25.55 ID:.C3avZ2o
ワイワイガヤガヤ

魔道士「うわぁ…凄い人だかり…!」

召喚士「人気のサーカスみたいですね」

戦士「…チケットは…こっちか」

召喚士「すみません、大人四枚」

女性「はいよ!ありがとうございます!」

盗賊「……楽しみだな」

魔道士「ほんと!サーカスなんて子供の頃以来…」

盗賊「…私は…初めて」

魔道士「東方にはないんですか?」

盗賊「…ないな。曲芸師はいたが」

召喚士「入口はこっちですね。入りましょうか」

団長「まもなく公演が始まるよ〜!さぁ入って入って!!」

戦士「んじゃ、行くとすっかね」

魔道士「はいっ!!」
764 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:29:09.52 ID:.C3avZ2o


盗賊「……おぉ」

召喚士「ここかな?……よっと」

魔道士「結構大っきな規模だぁ!」

戦士「そうなのか?」

魔道士「だって、こんなに大きなテントですよ?」

戦士「ふぅん」

ザッザッザ

団長「ようこそおいで下さいました!当サーカスへ!!」

男性客「いよっ!待ってました〜!」

団長「私、当サーカスの団長でございます!お見知りおきを〜!」

子供「サーカス早く見た〜い!!」

団長「でーは早速……スタート!!」

召喚士「いよいよですね!」

魔道士「楽しみです…えへへっ!!」
765 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:29:51.47 ID:.C3avZ2o
団長「さぁ、まずは猛獣使いの登場だぁ!!」

ワーワー

団長「彼の手にかかれば、どんな猛獣も従順で大人しくなってしまう!」

スタスタスタ

猛獣使い「……どうぞよろしく」

テントの中央に照らされたスポット。光を一身に浴びる猛獣使いがにこりと笑う。

猛獣使い「まずは誰もが知る、獰猛なライオンのご紹介」

ザッザッザ

ライオン「グルルウゥ…ッ」

子供「ライオンだ!怖い〜っ!!」

猛獣使い「大丈夫。この子はとっても大人しくて、とってもお利口なんだ」

魔道士「す、すごい…。ライオンがあんなに大人しく懐いて……」

盗賊「…あ、ああ」

猛獣使い「まずはこのライオン君が、火の輪を次々とくぐってみせます!」

団長「よーし、早速準備しよう!」
766 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:30:41.54 ID:.C3avZ2o


メラメラメラッ

猛獣使い「さぁさぁ、成功したら拍手喝采!いざ……っ!」

子供「頑張れライオンさぁん!」

猛獣使い「…はいよぉ!!」

ピシッ

ライオン「ガウッ!!」

ダダッダダッダダッ…ピョンッ

盗賊「…おぉーっ」

召喚士「お見事っ!!」

ワアアァァッ

団長「見事成功!ライオン君に盛大な拍手をーっ!」

ワアアァァ…パチパチパチ…

猛獣使い「お次はお次は…この子の登場だぁ!」

戦士「うぉっ!?」
767 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:31:25.95 ID:.C3avZ2o
ノソッ…ドスッドスッ

団長「なんとお次は…凶暴なクマの登場ですっ!」

女性客「きゃっ!」

猛獣使い「ご心配なく…!このクマ君も大人しくてとってもカワイイ子なんです」

団長「さぁ彼が挑戦するのは…?」

猛獣使い「…こちら!」

戦士「…大玉?まさかあれに乗るのか…?」

猛獣使い「お客さん、お目が高い…ご名答!」

ザワザワザワ

猛獣使い「さぁ、クマ君。この玉に…うまく乗れるかなぁ〜?」

クマ「グオオォォ」

ピョイッ…ダンッ

子供「凄い凄ーいっ!!」

ヨロヨロッ…フラフラッ

猛獣使い「そうそう、うまくバランスとって…そう!上手だ!!」
768 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:32:19.03 ID:.C3avZ2o
ワアアァァッ!!

団長「お見事〜!!」

魔道士「上手〜!」

召喚士「かわいいですねぇ」

団長「さぁさぁ、クマ君にも大きな拍手を〜!」

パチパチパチパチッ

猛獣使い「今回はここまで!夜の部では鼻の長〜いあの動物も登場するよ!」

子供「ゾウさんだっ!ねぇ、夜も見に来ようよ〜!」

団長「猛獣使いさんありがとうございました!さぁてお次は上をご覧下さいっ!」

ザワザワザワッ

戦士「お…っ!」

魔道士「空中ブランコですね!」

団長「お次は、男くんと女さんが魅せてくれる…空中ブランコ〜!」

ワアアァァッ

歓声の中、上空に下げられたブランコを勢いよく振る男女二人。
769 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:33:38.96 ID:.C3avZ2o
男「はあっ!」

女「やぁ!」

タンッ!!

団長「さぁ二人同時に飛び出した〜っ!うまくキャッチ出来るのか〜?」

男「…いいぞっ」

女「せー…っの!」

ヒョイッ…パシィ

男性客「お見事!!」

盗賊「…おぉー」

魔道士「すご〜い!!」

戦士「互いの呼吸と信頼が為せる技だな」

召喚士「うん。そういう意味では戦いに似てるかもね」

団長「さぁさぁ、ブランコの熱演の中…登場するはピエロの男〜!!」

ピエロ「…ヒヒヒ!ヨロシクおねがいシマス!!」

団長「彼が魅せるは摩訶不思議、種も仕掛けもないマジック!!」
770 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:34:26.55 ID:.C3avZ2o
魔道士「あっ、あのピエロさんは昨日の…」

召喚士「ええ。マジックで客寄せしていた人ですね」

団長「挨拶代わりはお得意の…アレでどうだい?」

ピエロ「アレ…だね!いいヨ!!」

団長「おっと…胸元から取り出したるは、ただのハンカチ…?」

ピエロ「これをネ…こうスルと……」

シュルシュルッ…グイッ!!

ピエロ「ハイ!!」

パッ…バサバサバサッ!!

魔道士「鳩になった…っ!?」

子供「すっごーい!!」

召喚士「いやいやお見事!どうなってるんだろう…?」

盗賊「…召喚士も…出来るではないか」

召喚士「い、いや…あれは召喚術であって…マジックじゃないですよ」

戦士「はははっ!でも…見るヤツによっては同じ様に見えるかもなぁ」
771 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:35:24.27 ID:.C3avZ2o
ピエロ「おつぎハ…このハコをつかッテ…」

ゴロゴロゴロッ

ピエロ「ええと…アナタ!」

戦士「俺…!?」

ピエロ「このソードを…ハコにサシテみてクダサイ」

戦士「は!?」

テクテクテク…ゴソゴソッ

団長「おっと、ピエロが箱の中に入ったぞ!?」

ピエロ「さぁドウゾ」

戦士「い、いいのかよ…っ」

団長「さぁさぁ、箱の前までどうぞ!」

戦士「……」

テクテクテク

戦士「さ、刺せばいいんだな…?」

ピエロ「はい…ドウゾ!」
772 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:36:16.59 ID:.C3avZ2o
戦士「……し、しらねーぞ!」

シュッ…ドスッ!!

女性客「きゃあぁ!!」

団長「おぉーっと一突き!ピエロは無事なのか…っ!?」

ピエロ「ギャアアァァー!!」

魔道士「!?」

盗賊「……ゴクッ」

ピエロ「……なんてネ!」

戦士「…ふー、分かってても緊張するぜ…っ」

団長「お見事!!箱の中のピエロは無事だぁ〜!」

ワアアァァ!!

ピエロ「ありがとうゴザイマシタ!」

戦士「こっちこそ!」

魔道士「ここ、こういうのゾワァ〜ってして…苦手です…っ」

召喚士「わ、分かります…」
773 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:37:06.12 ID:.C3avZ2o
ピエロ「おつぎハ…これダ!!」

ガラガラガラッ…コトッ

魔道士「あっ!コップ…!!」

盗賊「…昨日の手品だな」

戦士「よーし、今度こそ見破ってやるぜ!」

団長「さぁ、この赤と青のコップ…どう使うのか!?」

ピエロ「このサイコロを…コップに」

カランッ…コトッ

ピエロ「どちらニはいりマシタカ?」

男性客「赤!」

子供「赤いほう〜!」

魔道士「赤です!」

召喚士「……」

ピエロ「これヲ…さかさまニするト…」

クルッ…コトッ
774 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:38:11.70 ID:.C3avZ2o
召喚士「……」

ピエロ「さぁ…ドッチ?」

子供「そんなの赤に決まってんじゃん!」

魔道士「やっぱり…どう見ても赤にしか思えないですね…」

盗賊「…ああ。おかしな動きは…全くなかったぞ」

召喚士「……」

戦士「いーや、そう思わせて青なんだろ?」

ピエロ「…アオ?これは…ザンネン!」

カパッ

子供「やっぱり赤だ!」

ピエロ「アカ…?それもザンネン!!」

カパッ

魔道士「ま、またサイコロが…消えた!?」

男性客「おいおい…どうなってんだよ?」

ピエロ「…ヒヒヒヒ!」
775 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:38:55.19 ID:.C3avZ2o
ザワザワザワッ

召喚士「……」

魔道士「召喚士さん…?」

ピエロ「サイコロは…」

パチンッ!!……コツンッ

召喚士「……痛っ!」

盗賊「…サイコロが」

魔道士「降ってきた!?」

ピエロ「ヒヒヒ、それはプレゼントしまス!」

召喚士「…ど、どうも」

戦士「どした?ボーっとして。トリックでも考えてたのか?」

召喚士「えっ!?あ、う…うん」

召喚士は足元に転がったサイコロを手で拾い上げる。

召喚士「……は…っ!!」

盗賊「…どうした?」
776 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:39:39.61 ID:.C3avZ2o
召喚士「…赤のコップに……青のコップ」

団長「さぁさぁ、続いてはピエロの手捌きをご披露しよう〜!」

召喚士(……確かに…それなら理由も納得いく)

団長「まずは…ナイフ5本をお手玉して貰おうかな!」

召喚士(しかし確証がない…。挙句、あちらにとってもハイリスク…)

団長「お見事っ!さぁ更に……」

召喚士「……」

魔道士「…さん?…召喚士さん?」

召喚士「…え!?あ、はいっ!!」

魔道士「どうしました?」

召喚士「いえ…っ、何でもないですよ…!」

魔道士「凄かったですね〜!」

盗賊「…ああ。…また観に来たいな」

戦士「だな。さーて戻るとすっか」

召喚士「……あ、もう…終わりか」
777 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:40:20.93 ID:.C3avZ2o
ワイワイワイ…ゾロゾロ

団長「昼の部はここまで!ありがとうございました!」

子供「ママー!また絶対来ようね!!」

戦士「いやー凄かったなぁ」

魔道士「ですねー!また観にきましょうね!」

盗賊「…もちろんだ」

魔道士「あ…っ」

戦士「ん…?どした?」

魔道士「バーテンさんの店に戻る前に、今日の食材買って行こうかな」

召喚士「あ、じゃあ一緒に行きますよ!!」

戦士「だな。んじゃちょっくら……」

盗賊「…戦士」

戦士「あん?何だよ?」

盗賊「…いいから来い。先に戻るぞ」

召喚士「そ、それじゃ行ってきますね!」
778 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:41:08.56 ID:.C3avZ2o
テクテクテクテク

戦士「何だよ、皆で行きゃ…」

グイッ

盗賊「…気の利かん奴だな。少しはマシになったかと思ったが」

戦士「んだよ。まぁいいか…先に戻って休んでっかね」

盗賊「…それがいい」

テクテクテクテクテク

魔道士「まずは港の市場へ行ってみましょうか。まだやってるかも…」

召喚士「え、ええ…」

魔道士「それから…商船もいたら香辛料も欲しいなぁ」

召喚士「…魔道士さん」

魔道士「はいっ?」

召喚士「ちょっと…いいですか?」

魔道士「……?」

召喚士「……あ、あの…っ」
779 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:41:50.77 ID:.C3avZ2o
魔道士「…はい…っ?」

召喚士「…え、えぇと…なんて言ったらいいか…その」

魔道士「……っ!!」

モジモジ

魔道士「あ、あのっ…でも……」

召喚士「大変言いにくい事なんですが……あの」

魔道士「わっ!!」

召喚士「へ…!?」

魔道士「わっ、私も……その…」

召喚士「…魔道士さん?気付いてたんですか…?」

魔道士「い、いやっ…気付いてたというかその…何ていうか…」

召喚士「…やっぱり。間違ってなかったんだ」

魔道士「……は、はい。その…っ」

召喚士「何かいい方法はありますでしょうか!?」

魔道士「ほ、方法と…言いますと…っ!?」
780 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:42:49.29 ID:.C3avZ2o
ザッ…コソコソ

召喚士「その…実際どうなのか確認する方法です」

魔道士「え…!?」

召喚士「心は一緒です。後は…身体?」

魔道士「かか、かっ…身体……っ!?」

召喚士「あ、それも一緒か。でも…何か違和感があるはずなんです!」

魔道士「……っ!」

フラァ

召喚士「魔道士さんっ!?」

魔道士「……あふ…っ、ごめんなさい…のぼせてしまったようで」

召喚士「え…?あ、すみません……」

魔道士「いえ…っ。でも……」

ヨロッ

魔道士「召喚士さんのご希望に沿える様…そ、その…頑張ります!」

召喚士「……は、はぁ」
781 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:43:24.48 ID:.C3avZ2o
〜バーテンの店〜

ガチャッ…チリチリン

戦士「おっ、帰ってきたか」

バーテン「悪いな。なんだか仕入れまでしてくれたみたいで…」

魔道士「お、お構いなく…!すぐ準備します…っ」

タッタッタッタッタ

戦士「なんだ俯いて…。何かあったのか?」

召喚士「え…?い、いや…特に……」

盗賊「……」

バーテン「あ、そうそう。ひとつ考えたんだがよ」

戦士「あん?」

バーテン「あん、じゃねーよ。お前の偽者探しの話だよ」

戦士「ああ、んで…何だ?」

バーテン「あのよ、占い師の予言…」

戦士「あーダメダメ。今は入院中で能力使えないんだとよ」
782 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:44:41.52 ID:.C3avZ2o
バーテン「いや…だからよ、そうじゃなくってさ」

盗賊「……?」

バーテン「だったら占い師を治す手段を考えたらどうだって話よ」

召喚士「…そ、そうか…っ!」

盗賊「……なるほど」

バーテン「占い師の能力さえ戻れば何の弊害もないだろ」

戦士「でもよぉ、そんな易々と方法なんて見つかんのかよ…?」

召喚士「…確かに。あれはおそらく…精神的なものによるところが大きいででしょうし…」

バーテン「心のケアってやつか…。もしくは何かきっかけがあればな…」

タッタッタ

魔道士「バーテンさぁん!……あれ?何のお話です?」

召喚士「あ、実はですね…」

今の会話魔道士へと話す召喚士。自分や周囲へ要約を繰り返す事も兼ねている。

魔道士「……いますよ!」

召喚士「……へ…っ!?」
783 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:45:43.27 ID:.C3avZ2o
バーテン「今…なんつった…?」

魔道士「いますよ。そういう事を行ってらっしゃる方」

盗賊「…し、知り合いなのか!?」

魔道士「まぁ…知り合いといえば知り合いですけど…」

戦士「どこにいんだ?」

魔道士「ここからだと東…船なら半日くらいですかね?」

召喚士「ち、近いですね。海峡の辺りですか?」

魔道士「えぇと……はいっ!そうですね」

バーテン「海峡の手前辺りって……もしかして…」

戦士「知ってんのか?」

バーテン「あの辺りで有名な場所って言や…当方司令部か…」

盗賊「……」

バーテン「魔道学校しかねぇぞ…?」

魔道士「…はいっ!魔道学校です…えへへ!」

召喚士「魔道学校…っ!?」
784 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:47:15.26 ID:.C3avZ2o
戦士「魔道学校って…お前が行ってたとこか?」

魔道士「そうですよっ」

バーテン「て事は…もしかして、あのババアか!?」

魔道士「そ、そんな言い方は…」

戦士「ババアって?」

バーテン「魔道学校の学園長だよ」

盗賊「…学園長」

召喚士「その方が…治せると…?」

魔道士「治せるかは分かりませんが、カウンセリングとかケアを…」

バーテン「へぇ。そんな事までやってんのかあのババアは」

魔道士「バーテンさんっ!!」

バーテン「へいへい。キッチン見てるから打ち合わせしとけ」

テクテクテク

召喚士「それで、学園長さんには会えますか?」

魔道士「はい。いつでもいるので問題ないと思いますよ!」
785 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/20(水) 23:48:31.13 ID:.C3avZ2o
召喚士「それなら魔道学校へ行ってみましょうか」

盗賊「……だな」

召喚士「戦士も問題ない?」

戦士「ん?ああ…いいぜ」

魔道士「夜はやってないので明日ですかね…?」

召喚士「ええ。朝一で出れば昼過ぎには着くでしょうし」

魔道士「あ…じゃあ……」

盗賊「…?」

魔道士「夜のサーカスも観ていけますねっ!」

盗賊「…おぉー」

バーテン「おい、そりゃ困るぜ?」

魔道士「え…っ?」

バーテン「こんな身近にイベントが来てんだ。商売のチャンスだろ」

戦士「普段は寂れた…とか言ってるくせして…」

バーテン「うるせぇ!こっちも生活がかかってるんだよ。手伝いやがれっ」
786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/20(水) 23:51:06.88 ID:.C3avZ2o
書き溜め終了です〜!
1週間分なのに対して進まず…申し訳ありません
そして本日も多数のご支援ありがとうございました!
一つ一つレスしたいところですが多謝という事で…!ノシ
787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 23:53:34.74 ID:P3ZsrN2o
乙!!
788 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 23:58:11.33 ID:Yzhmai.o
乙!
789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 00:00:59.22 ID:RhsjBZYo
乙!
これでまた毎日の楽しみが戻ってきたぜ
790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 00:11:56.68 ID:Dm19i7Mo

俺の中で魔道士ちゃんのイメージは
マジックハロウィンのアリスちゃん
791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 00:15:25.61 ID:n/iLVUgo
乙!!
792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 00:21:05.08 ID:P0bHrk2o
乙!!!
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 00:26:07.94 ID:20EOLSE0
>>1乙!
ワクワクが止まらないのう
794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 00:31:51.60 ID:eB9oI2DO
乙!!
795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/21(木) 00:56:17.02 ID:fC3EccDO
>>1乙!!超乙!!

1週間ぶりの行けコカ
1週間ぶりの誤字脱字
1週間ぶりの魔道士ちゃん

左翼長派の後に、左翼長出てきた時には、爆笑させてもらいました。

あざっす
796 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 01:14:23.93 ID:P0bHrk2o
wktktk
wktkkk
いやもうツライ一週間だた
797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 01:26:56.14 ID:Dpfj8EDO
乙です。
確かに一週間、辛かった。
だが、今は安堵と満足感に満たされてるからオッケー
798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/21(木) 02:20:19.59 ID:7W4dC.DO
乙です!
799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 04:29:21.23 ID:5ZxdC2AO
>>1乙乙!
専用の避難所があっても良いかも、と思った
800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 05:10:56.55 ID:FlsD76DO
>>1乙と言わざるを得ない
801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 08:27:52.48 ID:phmhawSO
待ってました。
1乙
802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/21(木) 10:23:22.93 ID:Xi5Kk4IP
スゲー書き溜めてたんじゃねーかww
vipスレで書き溜めてないはずが無い!って言った通りだったなww
>>1乙
803 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 12:33:26.82 ID:CM9dyKso
メンバーのイメージが黄金の太陽だなぁ
召喚士=ロビン
戦士=ジェラルド
魔道士=ジャスミン
盗賊=シバ

戦士とかジェラルドにしか見えない
804 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 12:42:46.27 ID:a3cmUsDO
>>803
むしろ戦士父がロビンだろ新作的に考えて
805 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 13:15:52.43 ID:pQWisiUo
>>795
私も左翼長派ですが何か?
806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 13:58:34.41 ID:JaokKboo
>>1乙!!!

相変わらずスゲー面白いwwwwwwww



戦士ぃ…ドッペルと会った後の行動を思い出して細かく言ってみろ
807 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/21(木) 19:06:25.77 ID:kF7l4ZY0
>>1乙!

魔道士「分かりましたよー。その代わり深夜手当て三割と、祭日出勤手当て五割増しの時間給でお願いしますね!えへへっ!」
808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 19:33:15.49 ID:U9/ARUE0
>>807
…乙


コカトリス読めなくてついやる夫スレを幾つも読破したぜww
809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 22:32:42.18 ID:azSeGd2o
魔道士勘違い可愛すぎワロタ

それにしても>>1
810 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/21(木) 23:21:04.61 ID:bjxoRg6o
こんばんはー!沢山のご支援ありがとうございます!!
書き溜めは1週間分なので全然普通かと…

誤字は本当すみません…。久し振りに激しいのやらかした…↓続き
811 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:21:31.79 ID:bjxoRg6o
〜王宮〜

エリート「……」

コンコン…カチャッ

青年兵「失礼致します」

エリート「急にすまんな」

青年兵「先程、手配が完了致しました」

エリート「ご苦労。知っているのは?」

青年兵「総司令官、特殊遊撃の四名のみです」

エリート「…こちらは右文官殿、右秘書官殿だけだ」

青年兵「やはり殿下には…」

エリート「これ以上、殿下が足を踏み入れるのは危うすぎる」

青年兵「…ですね」

エリート「これだけの緘口を敷いた状態だ。もし左に動きがあればそれは…」

青年兵「内通者が…いる?」

エリート「…そういう事になるな」
812 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:21:59.67 ID:bjxoRg6o
青年兵「……」

エリート「今夜のうちに動けそうか?」

青年兵「特殊遊撃が既に動いているようです。問題はないかと」

エリート「…分かった。問題はどう動くか…」

青年兵「悟られずに動くには…」

エリート「……」

青年兵「……あ、そうだ。司令から手紙を預かっております」

エリート「私に?」

青年兵「はい」

カサッ

エリート「……っ!?」

青年兵「司令は何と…?」

エリート「…病院へ向かうぞ」

青年兵「病院…ですか?」

エリート「占い師さんの容態が芳しくないそうだ…!」
813 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:22:26.40 ID:bjxoRg6o
バサッ…カツカツカツカツ

右文官「おぉ…お二方、丁度良かった。例の件なのですが…」

エリート「すみません。また後ほどにて」

右文官「…?」

青年兵「病院へ行って参ります。占い師さんの容態が良くないそうでして…」

右文官「そ、そうであったか…。それはお気をつけて」

カツカツカツカツカツ…

右文官「…仕方ない。殿下にお渡しするとしよう」

足早に立ち去る二人を呆然と見つめ、右文官は皇太子の部屋へと向きを変えた。

カツカツカツ…ザッ

衛兵「お出かけですか?」

エリート「ああ、病院までだ。案ずるな」

衛兵「ははっ!」

エリート「馬を飛ばすぞ!遅れるなよ!」

青年兵「はいっ!」
814 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:22:57.58 ID:bjxoRg6o
〜皇太子の私室〜

コンコンコン

皇太子「開いているぞ」

右文官「失礼致します。書類をお持ち致しました」

皇太子「書類?」

テクテクテク…パサッ

右文官「高官殿より先日の起訴取消についての写しです」

皇太子「エリートではなく、私にか?」

右文官「エリート殿はおでかけになられたようで…殿下に直接と思いまして」

皇太子「出かけた?」

右文官「ええ。何でも占い師殿の容態が悪化したとか…」

皇太子「なんと…そうであったか。私も後日見舞うとするかな」

右文官「では確かにお渡し致しました」

皇太子「うむご苦労。下がって良いぞ」

右文官「はっ。失礼致します」
815 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:23:40.29 ID:bjxoRg6o
カチャッ…パタン

右文官「……ふーっ」

右秘書官「まさか…話してはおらぬだろうな?」

右文官「!?……お、お主か。脅かすでないっ」

右秘書官「殿下に…」

右文官「声が大きいっ!話せるわけなかろう」

右秘書官「なら良いが…」

右文官「とにかく…殿下には手を引いて頂く。これ以上は危険すぎる」

右秘書官「うむ。実働はエリート殿や青年兵殿…国軍の連中が務めてくれよう」

観日文官「我らに出来る事といえば……」

右秘書官「情報収集と王宮内での牽制」

右文官「殿下のか?」

右秘書官「無論、左翼もだ」

右文官「腕力はなくとも…頭で戦う…か」

右秘書官「…ああ。その通りよ」
816 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:24:20.65 ID:bjxoRg6o
ドドッドドッドドッドドッ…ズザァ

エリート「ここだ。急ぐぞ!」

青年兵「はい!」

タタッ…カツカツカツ

夜分の病院に灯りは少なく、闇が薬品の臭いと交じり合い不気味さを醸し出す。

青年兵「それで……占い師さんはどのような…」

エリート「…あれはおそらく嘘。方便さ」

青年兵「!?」

エリート「おそらくは極力悟られずに皆を集める為の…」

――「流石ですね。ご名答です」

コツコツコツ

青年兵「!?」

エリート「……大軍師殿か」

大軍師「司令がお待ちです。…どうぞ」

カツカツカツ…ガチャッ
817 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:24:57.06 ID:bjxoRg6o
青年兵「手術室…ですか?」

大軍師「ええ。正確には手術室手前の控え室ですがね」

先を進む大軍師の案内に、エリートと青年兵が手術室への通路を進む。

大軍師「エリート殿、青年兵殿がご到着なされましたよ」

エリート「失礼致します」

司令官「…ご苦労さん」

青年兵「隊長…!」

隊長「これで全員か…?」

大軍師「特殊遊撃の各隊員は任務に出ておりますので…これで全員ですね」

ギイィ…バタンッ

司令官「忙しいところ…すまないね」

エリート「こちらこそ。ご協力感謝致します」

大軍師「ご存じの通り、事は内密に進めたいのでこのような場をお借り致しました」

隊長「まぁ気休め程度の目くらましだが、多少は効果があるだろう」

大軍師「まずは状況を整理させて下さい。…エリート殿」
818 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:25:25.84 ID:bjxoRg6o
エリート「はい」

大軍師「先程、貴方から司令宛の文を読ませて頂きましたが…まことですか?」

エリート「確証はありません。しかしそう考えるのが妥当かと」

司令官「…ふむ」

隊長「今、ウチの連中がそれについては探りを入れてる」

青年兵「動きはありましたか?」

隊長「昨日の話だが、警備所から左翼の一派が何か運び出していたらしい」

エリート「……」

隊長「布で隠れていた為、何かは分からんそうだ」

エリート「大きさは…?」

隊長「2メートルないくらいのモノらしい」

大軍師「……ビンゴかもしれませんね」

エリート「問題はもし、そうだとしても…誰が動くか…ですね」

隊長「空振りだった時が痛い。国軍や本国の者は無理だろうな」

大軍師「運び出した場所は?」
819 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:25:58.05 ID:bjxoRg6o
隊長「左翼長の屋敷だ。だからこそヤバイのさ」

司令官「…外部の者に委託するしかないねぇ」

青年兵「外部の者…。ワーカーですか?」

大軍師「それも足のつかない方ですね。そう、例えば…」

エリート「ワーカー登録していない者や引退した者…ですか」

隊長「そう都合良く……」

司令官「……」

隊長「…いた。心強いのが一人…!」

大軍師「所在は掴めますか?」

隊長「先日まで本国にいた…。そう遠くには行ってないとは思うが…」

司令官「もしかして…彼、かな?」

隊長「……待てよ?確か…いきつけの情報屋があった…っ!」

エリート「まさか…っ、一番槍殿…では?」

隊長「それ以外に頼める人はいないだろう…」

司令官「……ふふ」
820 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:26:26.92 ID:bjxoRg6o
エリート「引き受けてくれますかね…?」

大軍師「大丈夫でしょう。自分の息子の問題ですから」

司令官「しかし、一人では心細いな」

大軍師「……ダメ元で一人声をかけてみますか」

青年兵「どなたか心当たりが…?」

大軍師「…まぁ、一番槍殿にお願いして頂いた方が効果的かもしれませんね」

青年兵「は、はぁ…」

隊長「それでも二人か…。あと一人くらいは何とかしたいな」

司令官「…いいよ。そこは引き受けよう」

エリート「どなたかいらっしゃいますか?」

司令官「ワーカーだけどね。動かせるから」

大軍師「……」

青年兵「一応、これで三人か…」

隊長「基本軸はその三人で、特遊がフォローに入ろう」

大軍師「では、実動部隊はその面々にてお願い致します」
821 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:27:00.29 ID:bjxoRg6o
エリート「決行は…?」

大軍師「三名が揃った段階で始めましょう」

隊長「だな。早速手配してみる」

エリート「…宜しくお願い致します」

大軍師「お二人は殿下の動きと左翼の動き、それぞれに十分ご注意を…」

エリート「はい。心得ております」

大軍師「では以上で。当日も此方の場より決行致します」

エリート「分かりました」

隊長「二人は先に出てくれ。全員同時だと怪しまれるからな」

青年兵「…分かりました。それではまた、後日」

大軍師「くれぐれもお気をつけて」

エリート「失礼致します」

カツカツカツ…ガチャッ…パタン

大軍師「それでは、我らもしばらくの後に出るとしましょう」

隊長「ああ」
822 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:29:47.47 ID:bjxoRg6o
〜バーテンの店〜

魔道士「いらっしゃいませー!!」

男「…まま、魔道士さんっ!?」

盗賊「……こちらへどうぞ」

男性客「サーカスで興奮したせいで喉が乾いちまったぜ…酒くれ!」

戦士「あいよ!」

召喚士「魔道士さん、注文いいですか?」

魔道士「はいっ、よろこんでー!えへへ!!」

バーテン「……うーむ…大成功」

戦士「あん?」

バーテン「何でもない」

老人「…相変わらず美味いのぅ。ずっとおればいいのに…」

魔道士「ありがとうございます!ふふっ!」

男性客「酒おかわり!!」

召喚士「はい!すぐにお持ち致します!」
823 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:32:19.10 ID:bjxoRg6o
〜本国、路地裏〜

隊長「…確か…ここを右?」

テクテクテク…

隊長「あったあった!」

ザッ

隊長「邪魔するぜ」

情報屋「……」

隊長「すまんが急ぎで一番槍とコンタクトを取りたい」

情報屋「…北にいる」

隊長「…ちっ、もう出た後だったか」

情報屋「…書面にまとめろ。すぐに飛ばす」

隊長「……?」

情報屋「伝書鳩だよ。早くしろ…急ぎなんだろ?」

隊長「あ、ああ…。すまん、すぐに書く!」

情報屋「……」
824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/21(木) 23:33:56.86 ID:bjxoRg6o
>>819
あぶないあぶないっ!セ、セフセフ…?

× 隊長「左翼長の屋敷だ。だからこそヤバイのさ」
○ 隊長「左大臣の屋敷だ。だからこそヤバイのさ」
825 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:37:11.79 ID:bjxoRg6o
〜左大臣の屋敷付近〜

ザザッ

男隊員「…動きは?」

女隊員「特にねッス」

格闘家「……静かなものです」

男隊員「…そっか」

ガサガサッ

女隊員「…なんスか、それ?」

男隊員「アンパンと牛乳だよ。ほれっ」

格闘家「……どうも」

女隊員「なんつう組み合わせッスか…」

男隊員「バーカ!昔から張り込みにはアンパンと牛乳って決まってんだよ!」

女隊員「こんな屋根の上で…呑気なもんスね…」

男隊員「気ぃ張り詰めててもしょーがねぇだろ!ヒャハハ!」

格闘家「……言い得て妙です」
826 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/21(木) 23:41:08.37 ID:bjxoRg6o
男隊員「あと少し粘って動きがなければ、今日は一旦引き揚げんぞ」

女隊員「了解ッス」

格闘家「…待って下さい!あれは…!?」

格闘家の指差す先、左大臣の屋敷の庭へ馬車が入って行く。

女隊員「大型ッスね。人が乗ってるみたいッスよ?」

格闘家「…降りましたね」

男隊員「…ワーカー…用心棒だな」

女隊員「用心棒!?」

格闘家「私設警備を増やした…という事ですね?」

男隊員「…やっぱり何かあるな」

女隊員「ものタイミングで警備の増加…。入られたくないって事ッスね」

格闘家「…どうします?今のうちに潜入しますか?」

男隊員「…いーや、俺らで判断出来る範疇じゃねぇ。一旦引き揚げんぞ」

女隊員「あ、ちょっと…アンパンと牛乳は…!?」

男隊員「んなモン走りながら食えっ!行くぞオラ」
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/21(木) 23:53:44.81 ID:SaCrGZ.o
戦士一人のせいで、色々面倒なことになっちまったな

チッ…
828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 23:55:20.12 ID:JaokKboo
これってもし召喚士のドッペルだったら同時召喚とか出来んのかな?
つまり魔翌力までコピーできんの?
829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 00:11:43.98 ID:3bz5W8Yo
左翼=魔物と繋がってる→図書館(?)ですれ違った召還士たちのことを左翼が調べる→
北のほうに行ったことを知る→ドッペルは左翼が洞窟に配置した

現在召還士たちと一緒に居るのはドッペル
830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/22(金) 00:13:05.75 ID:TVwiCjIo
短いですが、ここまでにて失礼致します…
ご支援感謝です!おやすみなさい!ノシ

>>828
えぇと…後々分かる…かもしれまん

>>827
〜オマケ〜

左翼長「戦士被害者の会によくご参加頂いた」

騎士長「……」

隊長「ったく、困ったモンだぜ」

エリート「ええ」

バーテン「その上、女にモテてやがる…」

男隊員「ゆ…許せねぇ!」

召喚士「うんっ!うんっ!」

青年兵「!?」

ザッ

戦士父「…馬鹿息子がご迷惑をお掛けして…本当にすまん!」

隊長「よし…許す!いや、こちらこそ許して下さい!」

左翼長「…ダメだこりゃ」
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 00:17:51.14 ID:s7s0A8go
戦士父が頭を下げれば何でも許されるのか
アレとかアレとか
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 00:20:09.25 ID:xOQi/LIo

…ああ。その通よ
      r ‐、
      | ○ |         r‐‐、
     _,;ト - イ、      ∧l☆│∧ 腕力はなくとも…頭で戦う…か
    (⌒`    ⌒・    ¨,、,,ト.-イ/,、 l
    |ヽ  ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒)
   │ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /|
   │  〉    |│  |`ー^ー― r' |
   │ /───| |  |/ |  l  ト、 |
   |  irー-、 ー ,} |    /     i
   | /   `X´ ヽ    /   入  |
833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 00:20:22.72 ID:AiHDwQwo
乙!
834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/22(金) 00:39:35.04 ID:k4g7.oc0
1乙
王宮の魔物は、ほんとやっかいだなあ
835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 01:16:29.92 ID:psQxj2DO
>観日文官「我らに出来る事といえば……」

新キャラ?
836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/22(金) 08:21:25.42 ID:8gATmLAP
>>825
今日からオレはを思い出した
837 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 17:31:50.22 ID:nLT0ZGco
〜次の日〜

戦士「こっちはオッケーだ」

召喚士「…こっちも大丈夫。それじゃ行きましょうか」

魔道士「はいっ!」

召喚士「それじゃ…行ってきます」

バーテン「おう、気を付けてな。そんじゃまた」

盗賊「…うん」

ガチャッ…パタン

魔道士「どうやって行きましょうか?」

召喚士「そうですね。陸路で捜索がてら進みたいところですが…」

盗賊「…海路で時間を短縮するか?」

召喚士「ええ…。早めに学園長さんのお話を伺いたいですね」

戦士「…なるほどなぁ」

召喚士「それに占い師さんも治るのなら、一石二鳥ですからね」

魔道士「じゃあ海路で一気に進みましょうか!」
838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/22(金) 18:29:10.87 ID:t22xg72o
キテター
839 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 18:37:46.12 ID:nLT0ZGco
召喚士「じゃあチケットを取ってきます」

盗賊「…いいよ。私達が行くから」

戦士「え?俺もかよ!?」

召喚士「…じゃあお願いします。俺らはワークショップへ行ってきます」

魔道士「すぐに港へ向かいますねっ!」

召喚士と魔道士は二人と別れ、ワークショップへと向かった。

〜ワークショップ〜

店員「いらっしゃいませー」

召喚士「手紙…来てますか?」

店員「…えぇと、召喚士さん。……あ、一通ございますね!」

魔道士「誰からですか?」

召喚士「…青年兵くんですね!」

カサッ

召喚士「……」

魔道士「…良いお話ですか?それとも…っ」
840 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 18:49:11.83 ID:nLT0ZGco
召喚士「……どちらも、といったところでしょうか」

魔道士「そうですかぁ…」

召喚士「やはり…考えは間違っていなかったかもしれません…」

魔道士「…えっ?」

召喚士「昨晩の話です。本国の皆も疑いを持ち始めているようで…」

魔道士「昨晩……あ、あぁ…っ」

召喚士「…?」

腑に落ちぬような表情を見せる魔道士に、召喚士は手紙を渡す。

魔道士「…えぇと」

状況が把握出来ぬまま手紙に目を通す魔道士。その顔がみるみる変わり始める。

魔道士「そんな…っ、嘘…戦士さんが……っ!?」

召喚士「ま、魔道士さん…!?」

魔道士「戦士さんはっ!戦士さんは無事なんですよね!?」

召喚士「…仮にそうだったとしても…あちらにとって殺すメリットはありません」

必死にしがみ付き涙を浮かべる魔道士に、召喚士は励ますように語りかけた。
841 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 18:49:53.19 ID:nLT0ZGco
〜港〜

戦士「おう、遅かったな」

召喚士「ごめんごめん。お金下ろすのに手間取っちゃって」

盗賊「…行くか」

魔道士「あれ…?船はもう来てるんですか?」

戦士「定期便らしいから本数は多いみたいだぞ」

召喚士「へぇ。昔はそんな事なかったのに…便利になったなぁ」

船員「間もなく出航致します。お乗りの方はいらっしゃいませんかー?」

魔道士「じゃあ行きましょっか」

盗賊「…うん」

四人は急ぎ、船内へと駆け込んだ。

ボーッ…ボーッ

召喚士「魔道学校か…楽しみですね」

戦士「ああ…。無縁の場所だから興味あるぜ!」

魔道士「私も一年以上行ってないから…楽しみですっ!」
842 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 18:50:50.19 ID:nLT0ZGco
〜本国、国軍本部〜

カツカツカツ…コンコン

格闘家「…おはようございます」

隊長「……一人足りねぇな」

女隊員「まだ寝てるッスよ」

隊長「ったく、あのバカは…」

格闘家「そう言え、と言われました」

隊長「……」

格闘家「男隊員さんは、一人で張りこみを続けています」

隊長「最初からそう言やいいものを…」

女隊員「恥ずかしいんスよきっと。真面目に働いてるとこ見せるの」

隊長「…まぁいい。そんで…警備が増えたとか聞いたが」

格闘家「はい。昨夜遅くに動きがありました。まるで人目を避けるように…」

女隊員「ワーカーで施設傭兵みたいッスよ」

隊長「……そうか」
843 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 18:54:31.26 ID:nLT0ZGco
格闘家「…見解としては、あの屋敷に何かあるのではないかと」

隊長「…決まりだな」

女隊員「…?」

隊長「付いて来い」

格闘家「……?」

女隊員と格闘家は顔を見合わせ、隊長に続き部屋を出る。

ザッザッザッザ

女隊員「そこ行くんスか?」

隊長「…いいから付いて来い」

格闘家「……」

三人はそのまま本部を出て、街の路地へと場を移す。

女隊員「なんスか?こんな路地裏に…」

ザッザッザ…ピタッ

隊長「……ここだ。入れ」

女隊員「は、はぁ…。お邪魔しまッス」
844 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 18:55:51.72 ID:nLT0ZGco
情報屋「……今日はまた、大人数だな」

隊長「例の件は…?」

情報屋「…ほれ」

隊長「…?」

情報屋「返信だよ」

カサッ

隊長「……なんと…っ!」

情報屋「あと数時間内には到着するだろ」

隊長「…すまない…助かった!」

情報屋は無愛想に右手だけ挙げ、再び新聞へと目を移した。

テクテクテク

女隊員「…いやぁ、感心したッス!」

隊長「…あ?」

女隊員「いや、まさか隊長が情報屋を抱えてるとは思わなかったッス!凄いッス!」

隊長「…あ、あぁ。まぁな……がはははっ!」
845 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 19:06:04.67 ID:nLT0ZGco
ボーッ…ボーッ…ザザーン

船員「ターミナルへ到着致しました!お降りのお客様は……」

テクテクテク…スタッ

魔道士「到着〜!」

盗賊「…ここは?」

魔道士「ターミナルです」

召喚士「ターミナル…大型の船着場って感じですね」

魔道士「そうですっ。この辺には港も街もないので、ここに集約されてるんですよ」

戦士「へぇ…。なんか船がいっぱいで面白いな!」

召喚士「民間の船だけでなく、商船や軍船もありますね…」

盗賊「…他国へは行けないんだな」

召喚士「これだけ国内の船が集まってると、他国船は難しいかもしれないですね」

戦士「なーるほどなぁ」

魔道士「それじゃ行きましょうか!こっちです!」

召喚士「はいっ。右も左も分からないので魔道士さんにお願いしますね」
846 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 19:07:06.72 ID:nLT0ZGco
テクテクテク

魔道士「ここが市場…と言うか、露店街みたいなものでしょうか…」

召喚士「近くに街がないので、こうして売買してるわけですね」

盗賊「…現地だと安い」

戦士「…?」

盗賊「…原価で購入出来るだろ?普通に買うより安いのだ」

召喚士「そういう利点もあるんですね」

魔道士「そうなんですよっ!しかもここでしか手に入らない掘り出し物とかも!」

戦士「……さすがというか何と言うか」

魔道士「あそこ見て下さい!」

召喚士「…?」

魔道士「あれは商人さん同士が直取引してるわけです!」

盗賊「…本当だ」

召喚士「そっか。ここで仕入れてそれを売るわけですね」

戦士「差し引きが利益ってわけか」
847 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/22(金) 19:07:42.88 ID:nLT0ZGco
魔道士「もちろん大商人になれば、直にワーカーを雇って狩りも出来ますけど…」

召喚士「小規模な場合はそこまで出来ないので、こういった方法でやる…と」

戦士「なるほどなぁ…。まぁ勉強もいいがそろそろ行かねぇか?」

魔道士「あ、すみません…。つい熱くなってしまって…」

召喚士「いえいえ、ありがとうございました」

盗賊「…それじゃ行こうか」

戦士「んで、こっからは歩きか?」

魔道士「馬車が出てますからそれで行くと楽だと思いますよ!」

召喚士「それではそうしましょうか」

テクテクテクテク

戦士「…すまん、魔道学校まで行けるか?」

御者「へい。お安い御用で!四名ですね…こちらの馬車へどうぞ!」

テクテクテク…ガチャッ

御者「お乗り下さい!入らないお荷物はこちらへ!」

召喚士「…んっしょ。大丈夫そうですね」
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/23(土) 01:17:41.62 ID:pokBgH20
1乙
849 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 03:47:05.18 ID:DxKNgEDO
乙です。
850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 09:00:15.55 ID:vkStCSo0
チラ裏
女隊員ちゃんにいきなり抱きつきたい
そして「うわっ!?や、やめるっスよ!」って言われたい
顔真っ赤にしてモジモジする女隊員ちゃんをナデナデしてあげたい
チラ裏
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 20:36:18.63 ID:vkTPT.AO
|−`).。oO(マダカナ〜)
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/23(土) 21:50:38.56 ID:7zv7Og20
|ョω・`)
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 22:01:40.08 ID:l7KxFowo
黙って待ってろ!!!!
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/23(土) 22:57:27.09 ID:g0D7Oz6o
こんばんは!遅くなりました!
今週末はバタバタとしてまして…すみません↓続き
855 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 22:58:12.85 ID:g0D7Oz6o
ガタガタッ…ゴトン

戦士「うお…っと!」

召喚士「結構揺れますね…」

魔道士「ええ…っ」

御者「頭ぶつけないように気を付けて下さいねー!」

戦士「おーう」

御者「おっきな街の方は道も整備されてるんでしょうけど…この辺りはねぇ」

盗賊「…整備しないのか?」

御者「あははっ!それは国のお偉いさんに言って下さいよ!」

召喚士「…なるほど」

御者「便利な世の中になってきたけど…まだ魔物は多いですしねぇ」

魔道士「そうなんですよねぇ…」

御者「ま、私らが愚痴っててもしょうがないですがねっ!あはは!!」

召喚士「……ええ」

御者「もうしばらくの辛抱ですから!」
856 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 22:59:14.43 ID:g0D7Oz6o


御者「…おっ、見えてきましたよ!」

魔道士「あ…っ!本当だ!」

召喚士「あれが…魔道学校…!」

戦士「思ってたより随分でけぇ建物だなぁ…」

盗賊「…す、凄いな」

ガラガラガラッ…ゴトンッ

御者「…到着〜。すいやせん、お待たせしちまいました!」

召喚士「いえいえ、ご丁寧な運転で助かりました。ありがとうございます」

御者「へい!そいじゃこちらがお代です」

召喚士「…あ、すみません…大きいのしかなくて…」

御者「へいっ……あ、こっちも細かいお釣りがないなぁ…」

召喚士「あ、じゃあお釣りはいいです」

御者「へっ!?いやいやいやっ、こんなに頂くわけには…」

召喚士「いえ、タダというわけにはいきませんから…受け取って下さい」
857 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 22:59:52.04 ID:g0D7Oz6o
御者「……な、なんか申し訳ないですね。すんません…っ」

召喚士「いえ、こちらこそありがとうございました」

魔道士「それじゃ行きましょうかっ!」

盗賊「…うん」

戦士「そんじゃどーもな!」

御者「あっ、じゃ…じゃあせめてお名前だけでも…」

召喚士「はい。召喚士と申します」

御者「召喚士さん…。あっしは御者です!次の機会があれば無料でお送りしますんで!」

召喚士「あ、はいっ!ありがとうございます!」

テクテクテクテク

御者「若けぇのに立派な皆さんだなぁ。……よっと」

ゴトッ

御者「まぁ今日のところはありがたく頂戴して…感謝感謝」

女「すみません。ターミナルまでお願い出来るかしら…?」

御者「へいっ、ターミナルですね!お任せを!」
858 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:00:44.41 ID:g0D7Oz6o
テクテクテク…

魔道士「…着きました〜!」

召喚士「この門をくぐれば…」

魔道士「はいっ。いよいよ魔道学校ですよ〜」

盗賊「…それじゃ」

戦士「行くとすっかぁ!」

〜魔道学校〜

テクテクテク

戦士「…へぇ。何だか部屋がいっぱいあんだな」

魔道士「ここは教室ですよ。クラスに分かれて色々と勉強するんです」

盗賊「…教室」

召喚士「クラスというのは属性とか…ですか?」

魔道士「一部そういうのもありますけど…」

盗賊「……」

魔道士「基本的には資質で分かれます…かね」
859 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:01:34.60 ID:g0D7Oz6o
戦士「お前は上のクラスだったのか?」

魔道士「あ、いえ…っ」

召喚士「……」

魔道士「私はその……一番下の…」

召喚士「そ、そうなんですか…!?」

魔道士「え、ええ…。お恥ずかしながら…」

戦士「お前程の魔力でも下のクラスなのか…」

魔道士「魔道学校時代は五行とか付加とか…さっぱりでしたから…」

盗賊「…そうか」

戦士「何で急に出来るようになったんだ?」

魔道士「……師匠さんや…マジシャンさんのお陰ですよ」

召喚士「……」

魔道士「…えっと、学園長室はこちらです」

召喚士「あ、はい…」

魔道士の誘導に従って、召喚士達は廊下を真っ直ぐ奥へと進む。
860 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:08:17.48 ID:g0D7Oz6o
〜学園長室〜

コンコン…カチャッ

魔道士「失礼しまーす」

召喚士「お邪魔します」

魔道士「…学園長〜!」

魔道士が学園長と呼んだ先、一人の老女が椅子から腰を上げる」

学園長「…あら、貴女は確か……」

魔道士「魔道士ですっ!ご無沙汰してます!」

学園長「そうそう魔道士さん。お久しぶりね…元気?」

魔道士「はいっ!学園長もお元気そうで何よりです!」

学園長「…そちらの方々は?お客様かしら…?」

魔道士「あ、はい…ええと……」

召喚士「初めまして、召喚士と申します」

盗賊「…盗賊…です」

戦士「戦士だ。ヨロシク」
861 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:15:47.23 ID:g0D7Oz6o
学園長「…もしかして、パーティーの皆さんかしら?」

魔道士「そうです!えへへっ!」

学園長「あらあら…それならそうと言って頂かなくては」

ススッ…テクテクテク

学園長「応接室へ案内するわ。付いてきて頂ける?」

召喚士「あ…っ、お構いなく」

テクテクテク

教頭「…学園長、お客様ですか?」

学園長「そうよ。ほら、卒業生の魔道士さん。お茶の用意をして頂ける?」

魔道士「教頭先生っ!ご無沙汰してます…!」

教頭「これはこれは、では…すぐにお持ち致します」

〜応接室〜

学園長「…さぁ、入って頂戴」

戦士「失礼しまーす!」

応接室のソファーに腰を落とすと、しばらくの後に教頭が再び姿を見せる。
862 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:18:14.04 ID:g0D7Oz6o
コンコン…

教頭「失礼致します」

召喚士「…なんだか、すみません」

教頭「いえいえ。大したものでもありませんから」

教頭は口髭を上げ、にっこりと笑う。

教頭「…さ、それではごゆっくり」

学園長「ありがとう」

テクテクテク…パタン

学園長「確か…卒業してからここへ来るのは二回目だったわよね?」

魔道士「あ、そうですね…」

学園長「この前来られた時に、皆さんのお話を色々と聞かせて頂いたわ」

召喚士「そ、そうなんですか…!?」

戦士「…いつの話だ?」

魔道士「えっと…召喚士さんが師匠さんの所へ戻った、一ヶ月間…」

盗賊「…ああ、あの時か」
863 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:21:09.20 ID:g0D7Oz6o
召喚士「そういえば魔道学校へ行かれると言ってましたね!」

学園長「皆さんとてもお強いそうで」

召喚士「い、いえっ…そんな事は…!」

学園長「それで、今日はまた皆でどうなさったのです?」

魔道士「あ、実はですね……」

魔道士はこれまでの経緯を事細かに学園長へと伝える。

学園長「……」

魔道士「……と、言うわけなんです」

召喚士「…何とか…解決の糸口はありませんでしょうか?」

学園長「…ドッペルゲンガーに…能力の消失…ですか」

魔道士「学園長のお力で…何とか治せませんか?」

学園長「……」

戦士「……」

学園長「…構いませんよ」

召喚士「本当ですかっ!?」
864 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:28:02.28 ID:g0D7Oz6o
魔道士「ありがとうございますー!」

学園長「但し……」

盗賊「…?」

学園長「占い師さん…彼女が必ず治るとは限りません」

召喚士「心得てます」

学園長「それでも良い、というのであれば…診る事に関しては構いませんよ」

魔道士「やったぁ!ありがとうございます!」

学園長「他ならぬ魔道士さんの頼みならば断われませんわよ」

盗賊「…助かります!」

召喚士「良かったね戦士!」

戦士「お、おうっ!」

学園長「でもこちらから出向く事は出来ませんから…」

召喚士「はい。占い師さんに話して、再び魔道学校へ来させて頂きます」

学園長「…分かりました。いつでもお待ちしておりますよ」

召喚士「本当に…ありがとうございます!」
865 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:47:37.69 ID:g0D7Oz6o
学園長「魔道士さん、折角ですから皆さんに校内をご案内して差し上げれば…?」

召喚士「い、いいんですか!?」

学園長「ええ。お見せするような立派なものもありませんが…」

戦士「興味あるな!ぜひ見てみたいぜ」

魔道士「はいっ!それじゃあ案内しますね!」

盗賊「…うん。宜しく」

魔道士「じゃあ行ってきます!」

学園長「はいはい。あ、魔道士さん?」

魔道士「はいっ」

学園長「昔の様に廊下は走ってはいけませんよ…?」

魔道士「ちょ、ちょっと学園長…っ!」

戦士「ははっ!昔っからその辺は変わらずか…」

学園長「あら…今もお変わりないようですねぇ」

魔道士「戦士さんまで…もうっ!」

召喚士「あははっ!」
866 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/23(土) 23:53:34.23 ID:g0D7Oz6o


魔道士「まず…こちらが一般教室です!」

戦士「…お、授業が始まってるみたいだな」

魔道士「はいっ。今は教科書を元に講義を受けてるみたいですね」

盗賊「…どんな事をするんだ?」

魔道士「そうですね。ここは高等部の一年生だから…魔法の基礎あたりでしょうか」

召喚士「五行とかそういう事ですか?」

魔道士「ええ。まずは知識を付けて、それから実践に入るんです!」

戦士「…ほぉ。俺も基礎を学べば魔法使えるようになるのかな?」

召喚士「まぁ資質によるところもあると思うけど…可能なんじゃないかな」

戦士「ふぅん。まぁ俺はややこしい事より剣振りまわしてる方が性に合ってるわな」

盗賊「…同意」

召喚士「俺も…召喚術の方が楽でいいかな」

魔道士「それじゃ次に行きましょうか」

戦士「おうっ!」
867 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:01:07.16 ID:ExGij1ko


召喚士「ここは何ですか?」

魔道士「ここが実践室ですね。…あ、あっちの教室で授業中のようです!」

テクテクテク

魔道士「…見えます?丁度二行合体の練習をしてるみたい…」

盗賊「…成程な」

魔道士「流石に五行は教わりませんでしたけどね…」

召喚士「確かに危険なものですからね。学校では教えないんでしょうね…」

魔道士「師匠さんもそんな事を仰ってましたね…」

召喚士「ええ。でも、それが正しい事なんだと思いますよ」

盗賊「…命を犠牲にしてまで得るものはない…か」

魔道士「あと…こっちが魔法研究室ですね」

戦士「研究?」

魔道士「ここは先生方がメインなのですが、新たな魔法を考案したりしてます」

召喚士「…へぇ」
868 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:07:30.03 ID:ExGij1ko
テクテクテクテク

召喚士「研究って何をしてるんですか?」

――「例えば同じ火の魔法でも、火の玉や火柱や…色んな形状や用途があるじゃろ?」

魔道士「あっ!火の先生!!」

火の先生「ひょひょ…お主は確か……」

魔道士「魔道士です!ご無沙汰してます!!」

火の先生「そうか…魔道士かぁ。何年ぶりかの?」

魔道士「えぇと…卒業してからだから…二年ぶりくらいですかね?」

火の先生「そうかそうか。して、こちらの者は?」

召喚士「パーティー仲間の召喚士と申します」

火の先生「そうか、ワーカーになったのか…。頑張っておるか?」

魔道士「はいっ!何とか頑張ってやってます!」

火の先生「それは何よりじゃ」

魔道士「火の先生は火行を得意とする魔道学校でも優秀な先生なんですよ〜」

盗賊「……ほぉ」
869 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:13:59.50 ID:ExGij1ko
戦士「研究もやってんのか?」

火の先生「そう、今申したように色んな用途があるじゃろ?その研究をしておる」

召喚士「なるほど…。大切な事ですもんね」

火の先生「流石に魔法は古代からあるの。ある程度はもう確立されておる」

魔道士「それでも、まだまだ色々な使い方があるはずですもんね!」

火の先生「そうじゃ。人間探究心を失ったらそれまでじゃよ」

盗賊「……だな」

戦士「何か研究の成果はあるんですかい?」

火の先生「そうじゃの…。今考えておるのは…」

ヒュイイィィ…ドドオォンッ…ズゴゴゴゴ

魔道士「これは…火と土の合体魔法…?」

火の先生「そうじゃ…。そして…これをこうして…」

ギュオオォォッ……ゴトンッ!!

召喚士「こ、これは…っ!?」

火の先生「…壺じゃ」
870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 00:15:11.70 ID:Wbmk//.o
陶芸wwwwwwwwww
871 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:17:07.42 ID:ExGij1ko
戦士「……壺?」

魔道士「え、えぇと…これを…どうするんです?」

火の先生「…うむ。その先はまだ考えておらん」

召喚士「土の形状を変え、高温で焼き…壺を作りだしたと…」

戦士「……実用性ねぇな」

火の先生「…あのな、さっきも申した通り探究心……」

パチンッ…ドドオオォォンッ!!…ザザアアァァッ!!

盗賊「!?」

魔道士「つ、壺の中に…水が…!?」

火の先生「誰じゃ!?」

テクテクテクテク

水の先生「壺に水を入れておけば…貯水は出来ますね」

火の先生「水の…貴様か」

水の先生「火の先生は相変わらず怒りっぽい。少し水で頭を冷やしたらどうです…?」

火の先生「なんじゃとぉ!?この青二才がっ!!」
872 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:20:11.62 ID:ExGij1ko
召喚士「あ、あの…こちらは?」

魔道士「水の先生…。水行を得意とする若いけど一流の先生ですよ」

水の先生「魔道士、久し振りだな」

魔道士「水の先生もお元気そうで!」

火の先生「水のっ!ワシの話を聞かんか!」

水の先生「火の先生。ですからそんな壺だけでは役立たずだと…」

火の先生「ワシが役立たずじゃとぉ!?まだまだ若いモンには負けんわいっ!」

戦士「……仲、悪そうだな」

盗賊「…火と水って…どこも仲が悪いのかな?」

魔道士「…二人とも…もう止めて下さいよっ!」

火の先生「えぇい五月蠅い!黙っておれ!」

水の先生「魔道士、ここはいいから他へ行きなさい」

魔道士「……は、はいっ」

召喚士「そ、それじゃ行きましょうか」

戦士「……だな」
873 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:22:55.38 ID:ExGij1ko
テクテクテク

魔道士「…あの二人は昔からいっつも喧嘩してるんですよ」

召喚士「まぁ喧嘩する程、仲が良いともいいますから…」

戦士「そうそう。あんぐらい元気じゃねーとな!ははっ!」

盗賊「…次は?」

魔道士「そうですね…あ、この先は屋上ですね」

召喚士「屋上…」

魔道士「昔はよく、屋上でウィッチちゃんとお弁当食べたりしましたねぇ…」

召喚士「せっかくなんで行ってみましょうか」

魔道士「……そうですね!」

テクテクテク…カンカンカン

魔道士「ここが屋上ですー!……あれ?」

戦士「…誰かいるな」

召喚士「…あれ?……あの人…っ」

屋上の手すりに腕を乗せ、外をぼーっと眺める一人の男。
874 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:27:49.04 ID:ExGij1ko
盗賊「……知り合いか?」

召喚士「確か…北の港で詩人さんの歌を聞いていた時…」

――「……ふぅ」

魔道士「!!」

タッタッタ

魔道士「け、賢者…さんっ!?」

男の元に駆け寄る魔道士。賢者と呼ばれたその者がゆっくりと顔を向ける。

賢者「…ふぅ。君は……えぇと」

魔道士「以前お世話になった…魔道士ですっ!」

賢者「……あぁ、魔道士さん……ふぅ」

召喚士「確か、北の港にいらっしゃいましたよね…?」

賢者「北…?あぁ、よく行くからね……ふぅ」

魔道士「賢者さんは魔法も回復も出来る凄い人なんですよ!」

戦士「世話になったって言ってたな?」

魔道士「はい…。あの一ヶ月の時に助けて貰ったりしたんです」
875 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 00:31:13.68 ID:ExGij1ko
召喚士「あ…っ、そういえば賢者に知り合いがいるって…」

魔道士「…はい。それがこちらの賢者さんです」

賢者「……よろしく…ふぅ」

魔道士「でも、賢者さんが何故ここに…?」

賢者「元々僕はここの出身でね。臨時講師をしてるのさ……ふぅ」

盗賊「…成程」

召喚士(…そうか。だからあの時…魔力に詳しかったわけだ)

賢者「…ふぅ、もう休憩も終わりか…失礼」

テクテクテク

魔道士「あ…っ」

賢者「…何か?」

魔道士「いえっ、あの時はお礼も言えず…ありがとうございました!」

賢者「気にしないで。僕は自分の事以外全く興味がないから…ふぅ」

テクテクテクテク

戦士「…変わった奴だな」

召喚士「…う、うん」
876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 00:34:43.54 ID:MPgAvcAO
賢者ってそっちかwwww
877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 00:47:15.06 ID:exMk8gSO
一言喋る度に果てることによって常に賢者モードってか
878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 00:56:40.91 ID:WssNy.g0
       ____
     /_ノ ' ヽ_\
   /(≡)   (≡)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   シコシコ…ああっ、いいお、いいお…シコシコ
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /        シコシコ…そろそろイクお……ウッ!


      / ̄ ̄ ̄\
    / ─    ─ \
   /  (●)  (●)  \.  世界からどうして
   |    (__人__)    |  戦争が無くならないのだろうか
   \    ` ⌒´    /
   /              \
879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 01:08:08.89 ID:Aw83Jrk0
1乙
賢者はナルシストか…
天才の方がすごそうだけど
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 01:19:10.75 ID:.rJJgoA0
そういや最初の投降からぼちぼち一年か
なんだか胸が熱くなるな
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 01:54:44.91 ID:p1iyqGco
>>879
最近の天才ってそこまでつよくな……いやなんでもない
882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 03:52:01.61 ID:sEKeU6DO
つまり土と水と火でオナホができるわけだ
883 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:21:26.41 ID:ExGij1ko
テクテクテク

魔道士「大体、主要所はこんな感じですかね」

召喚士「色々勉強になりました。ありがとうございます」

魔道士「良かったです…えへへ!」

テクテクテク

生徒「さようなら〜」

魔道士「はーい、さようなら〜」

盗賊「……元気だな」

召喚士「これからの国軍や未来を支える卵達ですね」

戦士「そういう事になるんだなぁ」

魔道士「とりあえず一旦、学園長室に戻りましょうか!」

召喚士「そうですね」

戦士「時間も結構遅くなっちまったしなぁ」

盗賊「…だな」

四人は校内の見学を終え、再び学園長室へと戻った。
884 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:22:02.54 ID:ExGij1ko
〜学園長室〜

魔道士「ただいま戻りました〜」

学園長「おかえりなさい。いかがでした?」

召喚士「はい。色々と勉強させて頂きました」

学園長「それは何よりです」

召喚士「今日はお世話になりました」

学園長「あら…?もうお帰りになられるのですか?」

盗賊「…?」

魔道士「この辺りには宿もありませんし…早めに戻らないと…」

学園長「今から戻られても何かと大変でしょう。今日はお泊りになられたら?」

戦士「そうは言っても野宿はちょっとなぁ…」

学園長「まさか、お客様にそこまでさせませんわよ」

召喚士「……?」

学園長「私の家で宜しければ…」

召喚士「そ、そうはいきませんよ!」
885 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:22:30.53 ID:ExGij1ko
魔道士「そうですよ…っ!わざわざ学園長の御屋敷にだなんて…」

学園長「どうせ一人の身ですし、旅のお話でもお聞かせ頂けないかしら?」

盗賊「…い、いや…っ」

魔道士「ど、どうします…?」

召喚士「…そこまで言われては…お断りするのも逆に失礼ですね」

学園長「…ふふっ。礼義の出来た方ですね。良かった」

戦士「そんじゃ…お世話になるとすっか!」

魔道士「学園長…何だか、本当にありがとうございます」

学園長「気になさらないで。これも私の楽しみなのよ?…ふふっ」

ガタッ…スタスタスタ

学園長「それでは参りましょうか」

魔道士「…はいっ!」

盗賊「…お世話になります」

学園長「言えはすぐ傍にありますから、馬車ですぐですわ」

召喚士「何から何まですみません…」
886 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:23:06.97 ID:ExGij1ko
ガラガラガラッ…ドドッ

学園長「…見えてきましたね、あれが我が家です」

戦士「…立派な屋敷じゃねぇっすか!」

学園長「そんな事はないわ」

召喚士「あんな大きな屋敷にお一人で…?」

学園長「身の回りの世話をしてくれる者が一人おりますが」

盗賊「…そっか」

ドドォ…ガチャッ

学園長「さ、どうぞ」

魔道士「はいっ、失礼致します!」

召喚士「よっと…」

テクテクテクテク

学園長「戻りましたわ」

カチャッ

メイド「…お帰りなさいませっ!…あら?お客様ですか!?」
887 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:24:04.51 ID:ExGij1ko
学園長「ええ。卒業生とそのパーティー仲間の方々よ」

メイド「あらあら、それでは急いで準備しなくては…!」

召喚士「あ、お構いなく…!」

メイド「奥様も事前に仰って頂ければ良かったのに〜」

学園長「ごめんなさいね。急だったもので」

魔道士「何だかすみません…」

メイド「良いんですよ。さぁお上がり下さい!こちらですわ」

盗賊「…お邪魔します」

テクテクテクテクテク

メイド「さ、どうぞ」

戦士「ういっす。失礼しまーす」

学園長「適当に寛いで頂戴。荷物はその辺りにでも…」

召喚士「はい。失礼します」

メイド「奥様、紅茶で宜しいですか?」

学園長「ええ、お願いね」
888 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:25:01.41 ID:ExGij1ko


学園長「それでね、魔道士さんたら…」

魔道士「も、もうその話はやめて下さいよっ!」

戦士「あははは!」

テクテクテク

メイド「お待たせ致しました!お食事の準備、整いましたよ〜」

学園長「ありがと。それでは食卓に参りましょうか」

召喚士「あ、はい…!」

スタスタスタ

戦士「おぉ〜!いい匂い!!」

メイド「大した物でもありませんけど…お口に合うかしら…?」

トスッ

盗賊「…いただきます!」

戦士「……んおっ!うんめぇ〜!!」

メイド「本当っ!?良かったぁ〜!」
889 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:25:51.71 ID:ExGij1ko


学園長「…南東国まで!?」

召喚士「そうなんですよ!そこでは後継者争いをしてまして…」



魔道士「それで、盗賊さんてば東方のお姫様だったんですよ〜!」

学園長「まぁ…!それは素敵…っ」

盗賊「そ、そんな大したものでは…ないのだ!」

メイド「いいなぁ〜お姫様かぁ…!」



戦士「んでだ、でけぇ牛の化物で牛魔王ってのがだな…」

召喚士「そうそうっ!山の様に大きくて…」



魔道士「北からの帰りに怪盗黒マントが現れてですね、その正体が…」

召喚士「!?……あっ!!」

学園長「……?」
890 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:26:44.78 ID:ExGij1ko
召喚士「…そ、そういえば……学園長さんは昔から魔道学校にいらっしゃるんですよね?」

学園長「え、ええ…。そうね…もう随分長い事お世話になってるわ」

召喚士「あの…っ、師匠とマジシャンという二人はご存じですか…?」

学園長「……」

召喚士「やっぱり…知らな…」

学園長「勿論存じているわ。問題児の二人でしたからね」

魔道士「やっぱりご存じなんですか!?」

学園長「先日の新聞で拝見したわ。……マジシャン…亡くなったそうね」

盗賊「……」

召喚士「…はい」

学園長「問題児ではあったけれど、二人共素晴らしい素質の持ち主だったわ」

戦士「…ああ。凄い二人だった」

学園長「仲も良くて…。師匠もさぞ、嘆いた事でしょうね……」

召喚士「あ、いえ…。師匠は……」

学園長「……?」
891 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:27:34.63 ID:ExGij1ko
召喚士「マジシャンさんより前、一年以上前に…亡くなりました…」

学園長「!?……そうだったの」

召喚士「…はい」

学園長「…惜しい二人を亡くしたわね。まだこれからという時に…っ」

召喚士「師匠は…俺の師匠なんです」

学園長「…まぁ!そうだったの」

召喚士「はい。朱雀先生として…立派に全うされました」

学園長「では…貴方が今の…?」

召喚士「はい。名ばかりですが…朱雀先生を引き継がせて頂きました」

メイド「…朱雀先生って…あの伝説の…ですよね!?」

学園長「若いのにご立派だと思ったら…。やはリ只者ではなかったのですねぇ」

召喚士「そんな事は…」

魔道士「四人共、自信をお持ちなさい。その若さで立派にやってらっしゃるのですから」

魔道士「…はい!学園長に言って頂けると…自信が付きます…えへへ!」

盗賊「…うん」
892 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:28:20.71 ID:ExGij1ko


メイド「お風呂のご用意が整いましたよ〜。いつでもどうぞ!」

学園長「宜しければお先に入ってらっしゃいな」

魔道士「…あ、じゃあ学園長も一緒にどうです?」

学園長「構いませんけど…狭いお風呂だから大丈夫かしら…?」

召喚士「あ、先に入って下さい。俺らは後で構いませんから」」

学園長「それじゃ先に失礼しましょうかね」

盗賊「…は、はい」

魔道士「行きましょう!」

テクテクテクテク

メイド「お二人はお酒などお飲みになられますか?」

戦士「…是非!!」

メイド「ふふっ。すぐにお持ち致しますね〜」

召喚士「あ、ありがとうございます」

戦士「いやぁ…至れり尽くせりですみません!…ははっ!!」
893 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:28:50.94 ID:ExGij1ko
カポーン

魔道士「……ぜ、全然広いじゃないですかっ!」

盗賊「…すご」

シズシズシズ

学園長「それでは入りましょうか」

盗賊「!?」

魔道士「が、学園長…!お綺麗ですね!!」

学園長「そうかしら…?もう歳には勝てないわよ」

魔道士「いえいえ!肌のハリとか…凄ぉい!!」

盗賊「…ほんと…お幾つなんですか?」

学園長「…ふふっ。幾つに見えるかしら?」

魔道士「…知ったら驚きますよ…っ」

盗賊「…え、じゃ…じゃあ……50…くらい?」

学園長「そう見える?」

盗賊「…い、いやっ!あの…ごめんなさい!」
894 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 21:29:26.47 ID:ExGij1ko
学園長「…ふふっ、違うの。そんな若く見えるという事」

盗賊「…も、もっと…上!?」

学園長「もう80よ」

盗賊「はちじゅう!?」

魔道士「…全然見えないですよね」

学園長「もう歳の話はやめましょう?貴女達が羨ましくなってしまうもの…」

盗賊「…み、見えない」

魔道士「若さの秘訣か何か…あるんですか?」

学園長「そうねぇ…。特に何もしてないけど…常に魔力を意識してる事かしらね?」

魔道士「…魔力…かぁ」

盗賊「…魔法…習おうかな」

魔道士「私も頑張ろ…。うん」

学園長「さぁさぁ、身体が冷えてしまいますわよ?浸かりましょう」

魔道士「あ、はいっ!!」

盗賊「…魔法…魔法」
895 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 22:01:30.56 ID:QeKVf9.o
じ、熟女のサービスシーンだと…!?ゴクリッ




今日は寝るか
896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:07:23.36 ID:Wbmk//.o
>>891
>魔道士「四人共、自信をお持ちなさい。その若さで立派にやってらっしゃるのですから」
自分でフォローしちゃう魔道士ちゃんカワイイね!!
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 23:21:05.98 ID:.RgYC.Uo
戦士はメイドともフラグをたてるのか


ギギギ・・・
898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 23:37:06.64 ID:ExGij1ko
〜国軍本部〜

隊長「……」

カツカツカツ

秘書官「…司令なら不在ですよ」

隊長「何?…こんな時に…」

秘書官「何でも顔見知りのワーカーに会いに行くとか…」

隊長「…そうか」

クルッ…カツカツカツ

隊長「…おっ」

男隊員「…特に動きナシ」

隊長「…それでいい。下手に動かれると厄介だ」

男隊員「んで、どーしますかね?」

隊長「…司令も事を進めてるようだし、しばし静観といくかね」

タッタッタッタッタ

女隊員「隊長ーっ!」
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 23:37:32.91 ID:ExGij1ko
隊長「……?」

女隊員「お客さんス!すぐに正門まで…!」

隊長「客…?まさか…っ!」

タッタッタッタッタ

男隊員「…う…お!」

隊長「……来て頂けましたか!」

戦士父「……」

戦士父は手にした情報屋経由の手紙を見せる。

戦士父「事情は把握した」

隊長「すんません。お手間をかけます」

戦士父「なに…不肖の息子がしでかした事だ。親が動かんでどうする」

隊長「……」

ガラガラガラッ…ドドォ

女隊員「馬車…?」

ガチャッ…ザッザッザ
900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 23:37:36.95 ID:tYWpLkDO
本物の戦士だったらな
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 23:37:59.18 ID:ExGij1ko
大軍師「おや、皆様お揃いでしたか」

隊長「大軍師殿か。そちらは……なっ!?」

戦士父「…お…前!」

ザッザッザ

バーテン「……はぁ」

隊長「初代…隊長!!」

バーテン「いいか?俺はあくまで間接的に手を貸すだけだからな」

戦士父「まさかお前まで出張ってくるとはな…」

バーテン「仕方ねぇだろ。事が事だ」

隊長「そうか!大軍師殿の言っていたもう一人というのは…このお方か!」

大軍師「はい。一番槍殿からもお願い頂けますか?」

戦士父「ああ。是非…力を貸してくれ」

バーテン「何度も言わせるな。間接的にだ。もう戦えるものは持ち合わせてねぇよ」

戦士父「それで構わんさ。メインは俺が引き受ける」

隊長「あとは司令の連れてくるワーカーか…」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 23:39:31.68 ID:ExGij1ko
大軍師「では病院へ向かいましょうか」

男隊員「司令を待たなくていいのか?」

大軍師「ワーカーは格闘家が案内しているはずです」

女隊員「……見ないと思ったら」

大軍師「司令は直接関わりませんし、指揮は私に一任されてますからね」

隊長「なるほどな…。そんじゃあ行くとするか」

一同は国軍本部を後にし、再び病院の手術室へと足を進める。

〜病院〜

カツカツカツ…

女隊員「明かりがついてるッスね」

大軍師「やはり既にお越しになられているようですね」

ザッ……カチャッ

格闘家「…これで全員集合ですね」

隊長「ワーカーってのは…っ!?」

戦士父「……お前か」
903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/24(日) 23:42:05.32 ID:ExGij1ko
ザッ

天才「…ほぉ、懐かしい顔ぶれが揃ってんじゃねーか」

バーテン「…お前さん、まだ現役だったのか」

天才「はーっはっは!お言葉だな。アンタこそシケたツラしてまだ生きてたのかい」

バーテン「……けっ」

格闘家「しかし、まさか師匠が手を貸して頂けるとは思いませんでした」

天才「俺だってやりたかねーけど、お偉いさんには逆らえねーよ…はぁ」

大軍師「さて、これで侵入メンバーのお三方が揃ったわけですね」

バーテン「だから、俺は間接的にだな…」

戦士父「では概要を頼む」

男隊員「いよいよか…」

女隊員「いよいよッスね」

戦士父「……」

天才「おーし、そんじゃ始めてくれや!」

大軍師「それでは、戦士殿奪還作戦の詳細を説明致します」
904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 23:47:55.26 ID:QeKVf9.o
て、天才は幾つなんだ…
905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 23:54:52.15 ID:kvPaeMDO
なにやら熱い展開に
906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 23:55:49.49 ID:Wbmk//.o
若くて凄腕だから天才かと思ったら老兵だったでござるの巻
907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/10/25(月) 00:10:59.60 ID:NF96zMDO
天才は20年くらい前から功績1位だって描写無かったか?

魔法剣士が眼鏡と行動してたから、黒い三騎士が出てきた章だったと思うんだけど…
908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 00:11:21.67 ID:0hxS6rUo
きっと正体はマス…ゲフンゲフン
909 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 00:34:55.60 ID:VTPsIsSO
マス…オ……?
910 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 06:25:01.19 ID:IV6p02SO
マスカキ…
911 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 07:27:06.69 ID:sKIiWxU0
マダオだろJK
912 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 11:28:16.34 ID:QePccjUo
マスケット兵だと!?
913 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 11:56:25.84 ID:TYlnEPEo
|\_/ ̄ ̄\_/|
\_|  ▼ ▼ |_/
   \  皿 /
  (⌒`::::  ⌒ヽ
   ヽ:::: ~~⌒γ⌒)  俺の出番かな?
    ヽー―'^ー-'
     〉    │
914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 16:33:31.91 ID:a2odHMSO
マスターベーション…だと……!?
915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 17:05:44.07 ID:csFaHcgo
>>829
こういうことか
916 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:24:43.25 ID:n6Xj8qso
カサッ…パラパラッ

大軍師「それでは概要をご説明致します。お手元の資料をご覧下さい」

隊長「……」

天才「……」

大軍師「まずは目的。これは言わずもがな…戦士殿の奪還です」

戦士父「……」

大軍師「無罪までの経緯はご存知かと存じますが、それ以降の流れを簡単に…」

バーテン「…」

大軍師「偽者についてですが、資料に情報が記載されております」

格闘家「…ドッペル…ゲンガー」

隊長「発端は最北の村でコピーされた事だったよな?」

大軍師「はい。その後偽者は逃走。陸路経由で本国へ辿り着きました」

男隊員「そんんで罪を犯したってっわけか…」

大軍師「事件当日は日中から夕方にかけて行われました」

戦士父「…夜間は?」
917 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:25:27.28 ID:n6Xj8qso
大軍師「偽者は行方をくらまし、それ以来…所在は不明でした」

天才「まー当然、偽モンは街の外へ逃亡したと思うわな」

バーテン「目撃情報はなかったのか?」

女隊員「確か…一件だけあったッスよ」

隊長「行商の老人だかが目撃したってやつか」

戦士父「間違いないのか?」

隊長「あくまで戦士『らしき』者を、国軍『らしき』者らが取り押さえてたって話です」

男隊員「しかも目撃者はそのジーサン一人…」

バーテン「その時、国軍や本国は動いてたのか?」

大軍師「いえ、調べましたが動きはありませんでした」

天才「……偽者だな」

格闘家「…?」

天才「その国軍ってのも偽者だって事だよ」

隊長「偽者?でも誰がんな事を…」

天才「決まってんだろ。左の連中だよ」
918 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:26:01.03 ID:n6Xj8qso
女隊員「!?」

大軍師「そう考えるのが一番矛盾はありませんね」

男隊員「でもよ、何の為にそんな事…」

バーテン「……駒として使うつもりだったのか…?」

格闘家「…しかし何故」

大軍師「厄介だからではないでしょうか」

男隊員「…?」

大軍師「戦士殿のパーティー、つまりは朱雀先生の存在が…」

女隊員「厄介って…別にそんな事はないッスけど…」

隊長「俺らにとってはな。むしろ頼もしいくらいの存在だ」

女隊員「じゃ、じゃあ……」

戦士父「…厄介なのさ。魔物にとってはな」

格闘家「!!」

大軍師「そういう事です。一人で全属性の召喚を行える彼は、厄介なのです」

戦士父「左大臣の奴、裏で奴らの事を調べていたようだな」
919 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:26:29.09 ID:n6Xj8qso
大軍師「当初は犯罪を犯した戦士殿を、独自に捕らえたつもりでいた」

隊長「だが、調べてみると…それが偽者だと言う事が判明した…」

天才「そこで奴らはそれを駒に何か企んでたわけだわな」

戦士父「しかも…本物達が現れ、戦士を捕らえる事にも成功した…」

格闘家「…かつての高官事件に紐付け…一石二鳥で右翼を退けようとも…」

男隊員「ところが、高官が何故か起訴を取り下げ…計画が狂った…」

女隊員「そ、そこで…偽者と本物をすり替える作戦に変更したわけッスね…!」

バーテン「つまり…今、パーティーにいる戦士は……」

大軍師「偽者でしょうね」

戦士父「釈放のタイミングで入れ替わったっというわけだな」

男隊員「そんで本物は左大臣の屋敷へ護送。俺らが見たのはそれだな」

格闘家「…間違いないでしょう」

隊長「私兵を増やしたって事は、つまり戦士は…左大臣の屋敷にいる!」

天才「それを俺らが侵入して奪還しろってんだな」

大軍師「…皆様、流石ですね。以上が当作戦の概要です」
920 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:26:59.89 ID:n6Xj8qso
戦士父「……」

バーテン「……」

格闘家「……」

女隊員「…で、でもなんでわざわざすり替えたりしたんスかね?」

大軍師「行動の制約と問題をおこさせる為…と推測します」

隊長「そういやエリート殿やら本国の連中は?」

大軍師「作戦中にアリバイがないと真っ先に疑われますから…」

戦士父「本国待機か?」

大軍師「それも兼ねて左大臣殿の動きを抑えて頂くつもりです」

天才「…さーてと、そんじゃ行くか」

ポイッ…パシッ

戦士父「…?」

天才「ナイフだよ。んな槍やら大剣担いで行くワケいかんだろ。素性もバレる」

戦士父「…それもそうですね」

天才「さーていよいよ作戦開始だっ!はーっはっは!!」
921 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:27:29.63 ID:n6Xj8qso
〜王宮〜

青年兵「……」

エリート「…連絡はまだ来ぬか?」

青年兵「はい。早ければ今夜中に動くと思うのですが…」

ダダダダッ…バンッ!!

右文官「エリート殿っ!」

エリート「ど、どうなさいました!?」

右文官「…ふ、文を…はぁ…はぁっ」

息を切らした右文官がおぼつかぬ手で紙切れをエリートへと手渡す。

カサッ

エリート「…来たぞっ!!」

青年兵「よし…!右文官殿、すぐに左大臣様を招聘致しましょう!」

右文官「うむ!既に右秘書官が手配しておる。あとは…殿下か」

エリート「大丈夫ですよ。殿下もきっと分かってらっしゃる…きっと」

青年兵「……」
922 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:28:00.32 ID:n6Xj8qso
カツカツカツ…コンコン

皇太子「…空いているぞ」

カチャッ

エリート「失礼致します」

皇太子「夜分に如何した?」

エリート「昨日、大軍師殿より報告書が届きました」

皇太子「報告…?あぁ、屯田制の成果か。して…?」

エリート「開墾や村の復興については、特に問題ないようです」

皇太子「何が問題なのだ?」

エリート「治安ですね。魔王軍然り…賊然り」

皇太子「賊か…」

エリート「先日も最北の村で賊による盗掘が行われていたようです」

皇太子「それで、どうするつもりだ?」

エリート「…これより左大臣殿と会合を行い、予算案の修正を提案致します」

皇太子「…なんと!」
923 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:28:28.60 ID:n6Xj8qso
エリート「軍備にしろ北の整備にしろ、早急に何かしらの着手をせねばなりません」

皇太子「…しかし、予算の修正など左大臣が許すかな」

エリート「…父上にも参加して頂きます」

皇太子「右大臣にもか…!?」

エリート「はい。会合は22時に王宮内、議事堂にて行おうと考えております」

皇太子「この後か?随分性急だな」

エリート「占い師殿の予言なき今、打てる手は打たねばなりません」

皇太子「…ははっ、お前もなかなか似てきたな」

エリート「…?」

皇太子「…右大臣殿にさ。そういう強引なところ…そっくりだ」

エリート「…こ、これは失礼を…っ」

皇太子「構わぬ。嫌いではない…そういうところは、な」

エリート「…では、手配を」

皇太子「うむ、頼んだぞ」

エリート「…はい。失礼致します」
924 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:28:58.25 ID:n6Xj8qso
カツカツカツカツ…

青年兵「いかがでしたか?」

エリート「こちらは問題ない。後は……」

青年兵「左大臣様が動くかどうか…」

エリート「臨時召集は珍しい事ではない。悟られなければ問題はないさ」

青年兵「平静を装う…ですね」

エリート「そうだ。敏感なお人だ、おかしな素振りを見せると悟られかねん」

青年兵「…頑張ります」

エリート「気張らず普通でいいさ」

カツカツカツ

右文官「おそらくではあるが、無事に招聘出来そうだぞ」

エリート「では、計画通りに」

右文官「うむ。心得た」

青年兵「いよいよですね…」

エリート「…ああ」
925 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:52:30.60 ID:n6Xj8qso
〜学園長の屋敷〜

召喚士「…あ、お風呂ありがとうございました」

学園長「お疲れ様。貴方お酒は…?」

召喚士「嗜む程度は…」

学園長「そう。良かったら酌をして頂ける?」

召喚士「もちろんです。喜んで」

トクトクトクッ

学園長「…ありがと」

召喚士「…あの」

学園長「……?」

召喚士「学園長さんは…召喚術などにもお詳しいんですか?」

学園長「…そうねぇ、専門ではないから詳しいとは言えないかしらね」

召喚士「そうですか…」

学園長「何かお悩み?」

召喚士「あ、ええ……」
926 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:53:12.74 ID:n6Xj8qso


学園長「…そう…全ての属性を…っ」

召喚士「はい。何か原因とか分かれば、と思いまして…」

学園長「……ごめんなさいね。聞いた事もないですわ」

召喚士「そうですよね…」

学園長「魔力、という意味合いでは…」

召喚士「…?」

学園長「魔力は遺伝によるものが大変大きいの。それはご存知よね?」

召喚士「…ええ」

学園長「つまり貴方のご両親にヒントがあるのではないかしら」

召喚士「両親…ですか?」

学園長「例えば…貴方は師匠から朱雀を学びましたね?」

召喚士「はい」

学園長「例えばご両親が他の属性を持っていれば…」

召喚士「……」
927 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:54:21.45 ID:n6Xj8qso
学園長「ご両親は召喚士だったの?」

召喚士「い、いえ…。分かりません…幼い頃に死別してますので…」

学園長「…そう」

召喚士「でも、仮にそうだったとしても…それは限りなく低い可能性ですよね…?」

学園長「そうですわね」

召喚士「両親が…白虎と青龍であっても、更にその上に玄武と…東方の式神が…」

学園長「五行揃う事なんて…皆無かもしれませんわね」

召喚士「そうですよ…っ」

学園長「意図的にでも仕組まれない限りは…難しいわね」

召喚士「……」

学園長「生まれはどちらなの?」

召喚士「最北の村です」

学園長「手掛かりは…なし?」

召喚士「はい」

学園長「……そう」
928 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 17:55:14.02 ID:n6Xj8qso
召喚士「誰か…召喚術に詳しい方は存じてますか?」

学園長「付き合いのある者といえば…青龍先生はご存知?」

召喚士「はい。お世話になってます」

学園長「彼ぐらいかしらね…。あとは……」

召喚士「……」

学園長「私の師匠が召喚術にも大変精通していましたけど…」

召喚士「その方はどちらに!?」

学園長「所在はおろか…今は生存しているかどうかすら…」

召喚士「…そ、そうですか」

学園長「ごめんなさいね。お力になれなくて」

召喚士「いえ、とんでもありません。ありがとうございます」

学園長「…さて、そろそろ失礼しようかしら」

召喚士「あ、はい。おやすみなさい!」

学園長「おやすみなさい。また明日……」

召喚士「……」
929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 18:21:17.33 ID:nSg5J2c0
1乙
毎日みてるよー
930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 18:23:22.09 ID:GlHiTsUo
いちおつおつ
毎日の潤滑油です
濡れまくりです
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 18:41:50.19 ID:riHJ1EAO
すり替えておいたのさ!
932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 18:42:10.19 ID:X6p2ewM0
1乙
人間相手の戦闘はやりにくそうだな
933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 20:03:50.30 ID:YnZeUUMo
戦士父「…それもそうですね」

えらい丁寧だな
934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 20:18:51.23 ID:TYlnEPEo
天才はいったい何歳なのか・・・
935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 20:52:51.03 ID:7grlOJUo
天才っていうか、ただ単に熟練なだけなんじゃ…
936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:01:47.65 ID:Zpi152DO
熟練でも剣術、五行(しかも五行合体もお手の物)、回復と三拍子揃っているしやっぱり天才だと思う
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:56:55.71 ID:Mg/qFwDO
ここで予想厨が一言↓
938 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:57:50.79 ID:M5GJVWIo
展開が全く読めない
939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 22:30:27.23 ID:E8Fm096o
なんで合言葉とか決めなかったんだろ
940 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 23:32:33.85 ID:oZpgW2Mo
ホーッ…ホーッ

深夜を迎え、本国といえど住宅街は閑散とした街並みへと姿を変える。

ザッ…ジャリッ

天才「さーてと、そんじゃま…行きますか」

戦士父「……」

バーテン「しかし不思議なモンだわな」

男隊員「…?」

バーテン「こうして新旧の特遊が共同で任務こなすとはなぁ…」

隊長「た、確かに…」

女隊員「胸をお借りするッス…!」

戦士父「しかも…」

天才「…あん?」

戦士父「…いや、突入は俺とアンタだ。ルートはどうする?」

天才「……んなモン決まってんだろ。正面突破だ!ハーッハッハッハ!」

戦士父「……」
941 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 23:33:37.38 ID:oZpgW2Mo
ザッザッザ

大軍師「手順は宜しいですね?」

男隊員「一応、もう一回確認させてくれ」

大軍師「まずは三手に分かれます」

天才「俺とコイツら」

バーテン「俺は…間接的だかんな」

隊長「んで、俺と男隊員と女隊員」

女隊員「一旦本部で待機ッスね!」

大軍師「はい。騒ぎが大きくなったところで駆けつけて下さい」

大軍師「そして私と格闘家殿」

格闘家「…はい」

大軍師「我らは遊撃として補佐します。常に移動してますので」

戦士父「了解だ。増援の数には数えん方が良いよいうわけだな」

大軍師「以上です。突入は左大臣殿が出発してから10分後に開始で」

天才「あいよ。まぁ任しときな!」
942 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 23:34:23.97 ID:oZpgW2Mo
隊長「よーし、そんじゃ本部に戻るぞ!」

女隊員「ういッス!」

男隊員「病院の裏口から出た方が近いな」

大軍師「それならば私達は正面より出ますか」

格闘家「…はい。師匠、頑張って下さい」

天才「テメーこそ足引っ張んなよ…?」

格闘家「……ふっ」

ザッザッザッザッザ

天才「……ふっ、って何だよ!」

バーテン「さてと、そんじゃどうするかね?」

戦士父「お前は屋根からサポートしてくれ」

バーテン「…!?」

戦士父「持ってきてるんだろ?その荷物量って事はよ」

バーテン「…はー、そういうとこはお見通しかよ」

天才「おら特遊ども!行くぞ!!」
943 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/25(月) 23:38:06.43 ID:oZpgW2Mo
ザッ

天才「…何年振りかね、こーいうのはよ」

戦士父「…さぁな。幾星霜だよ」

天才「あのバカガキ共もいりゃ…面白かったんだがなぁ…」

バーテン「……」

戦士父「…アイツらは……」

天才「…知ってるよ。バーテンはあの屋根の上にスタンバってくれや」

バーテン「…あいよ」

天才「俺らは屋敷の対面の…そうだな、あの角辺りにすっか」

戦士父「…頼んだぜ」

バーテン「ああ。そっちも気を付けてな」

天才「んじゃまた後でな〜」

スタスタスタ

バーテン「……相変わらず頼もしい事」

バーテンは少し微笑み、二人を見送った後、路地裏へと消えていった。
944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/26(火) 00:31:23.09 ID:sx72t4Qo
〜オマケ〜

その頃、学園長の屋敷では…

盗賊「…魔道士…先生!」

魔道士「なな、何ですか!?急に…」

盗賊「…ぜひ、ご指導ご鞭撻のほど」

魔道士「急に改まって…魔法…ですか?」

盗賊「…はい」

魔道士「教えられるほどのものでもないですけど…」

盗賊「是非っ!!」

魔道士「じゃ、じゃあ…まずはリラックスして集中力を高めましょう!」

盗賊「…リラックス…ふーっ」

魔道士「目を瞑って…ゆっくり深呼吸……」

盗賊「…………」

魔道士「……あれ!?盗賊さんっ!?」

盗賊「……すーっ…すーっ…zzz」
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 04:51:07.24 ID:bOM9P6AO
盗賊ちゃん… 可愛いなぁ…
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 07:39:48.41 ID:yrgZr2DO
盗賊可愛すぎワロタ
947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 09:26:36.76 ID:G7PAxcAO
可愛い過ぎるだろ盗賊…
948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 12:13:32.93 ID:Fb43pfE0
どんだけ可愛いんだよ俺
949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 16:16:59.47 ID:bOM9P6AO
>>948

どんだけ可愛いんだよお前
950 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:10:33.38 ID:fFx2v8Qo
ホーッ…ホーッ

天才「……」

戦士父「……」

ガサッ

天才「……モグモグ」

戦士父「……」

天才「食うか?」

戦士父「…いや…っ」

天才「張り込みにはアンパンと牛乳って、昔から決まって…」

戦士父「…!?」

天才「…馬車だ。あの大きさ…おそらく左大臣に間違いねぇな」

戦士父は背後の屋根を見上げ、待機するバーテンへ手振りで合図を送る。

バーテン「……よっと」

タタッ…スタッ

バーテン「…うーん、見えねぇな」
951 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:11:01.52 ID:fFx2v8Qo
大通りへと進む馬車を見送り、バーテンは首を傾げながら戦士父へ手振りを返す。

戦士父「……」

天才「…どうだって?」

戦士父「上からも見えない…との事」

天才「…ま、問題ねーだろ。10分後に突入だ……モグモグ」

戦士父「…了解」

ゾロゾロゾロ…

天才「…おっやぁ?お強そうなのがゾロゾロ出てきたぜ」

戦士父「正面に20…」

天才「あの屋敷、入った事あっか?」

戦士父「…随分前に一度だけ」

天才「建物内部の構造は変わってる可能性があるな」

戦士父「正門を抜けて玄関まで距離もある…」

天才「上から見えるか?」

戦士父「……聞いてみよう」
952 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:11:33.56 ID:fFx2v8Qo
ササッ…バッ

バーテン「…えぇと」

スッ

バーテン「…おーおー、わんさかいやがる」

左大臣の屋敷を覗き込み、点在するワーカーを確認しながらバーテンが呟く。

バーテン「…庭に30近くいるぞ…と」

ススッ

戦士父「トータル50程度かと」

天才「うっわ…。めんどくせぇ」

戦士父「殺さずに50は結構骨が折れるな…」

天才「そんじゃ殺しちまうか?」

戦士父「……本気じゃないでしょうね?」

天才「冗談に決まってんだろ。バーカ」

戦士父「本当に正面から行くのか…」

天才「だから行くって何度も言ってんだろ。あと5分ぐらいだ…準備しとけっ!」
953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:12:02.36 ID:fFx2v8Qo
パッカパッカパッカ

左秘書官「しかし、こんな時間に召集とは…」

左大臣「右翼の奴等も焦っておるのだろう」

左文官「焦り…ですか?」

左大臣「例の一件で挽回しようと躍起になっておるのだろうよ」

左秘書官「此度も差し詰め、予算案の修正が提案されると思われます」

左大臣「好きにさせておくがいいさァ」

左文官「…?」

左大臣「占い師の容態も悪いのだろう?もはや好き勝手出来んさァ」

左文官「それも…そうですね」

左秘書官「だからとて易々と話を受け入れるつもりはございませんよ」

左文官「…うむ。徹底的に芽を摘んでやりましょう」

左大臣「フハハハァ!あまり虐めるでないぞ?」

左秘書官「虐めとは…っ、これはまた人聞きの悪い事を仰りまするな…」

左文官「…おっ、着きましたぞ!」
954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:12:31.05 ID:fFx2v8Qo


天才「さーて、時間だ」

戦士父「…行くか」

天才「待て待て」

戦士父「…?」

天才「正面から行くとは言ったが、何も強行するとは言ってねぇぞ」

戦士父「じゃ、じゃあ……」

天才「……いよ…っと」

ゴソゴソッ

戦士父「……」

天才「コイツを被って……っとぉ」

戦士父「…それで?」

天才「いいか?俺がこの覆面姿で強盗を装う。んでだな……」

戦士父「……なるほど。了解した!」

天才「…さぁて、行くぜっ!」
955 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:12:58.07 ID:fFx2v8Qo
ダッ!!

戦士父「……」

威勢良く飛び出す天才を見送り、戦士父は屋根上のバーテンへと合図を出す。

バーテン「…あいよ」

戦士父「……よし!」

タタッ

ワーカー「…おぉっ!?」

ザッザッザッザッザ

天才「……」

スキンヘッド「コイツ…何だっけ?ほら…っ」

ワーカー「あーアレだわ。UFRの…フールマスクだか何だかってヤツ」

天才「おうコラ、バカにしてんのか?…あ?」

ワーカー「テメーこそ真夜中に何してんだこのコスプレ野郎がっ!」

スキンヘッド「こっから先は私有地だ。さっさと帰り…」

バキャアァッ!!
956 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:13:28.54 ID:fFx2v8Qo
スキンヘッド「ぐげえぇ!!……は、歯ががが…っ」

ワーカー「…っ!!」

天才「誰がコスプレ変態フールクソ野郎だぁ…?」

ワーカー「コ、コイツ…頭おかしいんじゃねーのか!?」

タッタッタ

大男「何を騒いでる!?」

ワーカー「不審者だ!他の奴らも呼べ!」

天才「不審者じゃねぇっつってんだろ!!」

ワーカー「……何なんだお前は?」

天才「……強盗だよ!どっからどー見ても強盗だろうがっ!!」

ワーカー「……」

タッタッタッタッタ

大男「…コイツだ!一人やられてるようだ…一応、警戒しろ!」

ワーカー「強盗だとよ!屋敷内にも報告しろっ!」

無精髭「囲め!捕らえれば報酬も増えるぞ!!」
957 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:13:59.00 ID:fFx2v8Qo
ザッ

天才「…さーて」

大男「身の程を知るんだな。コスプレヤローが…」

ボキボキッ…ザッザッザ

天才「…おっ、いいねぇ!」

大男「…?」

天才「やられキャラの常套文句じゃねーか」

大男「んだとぉ!!」

バッ!!…ガシィッ

大男「っ!?」

天才「おいおい、本気で殴りかかってこいよ」

ギリギリギリッ…グググッ

大男「ぐ…っ、くっ……!!」

ワーカー「手加減する必要ねーぞ!腕か足でも折って動けなくしろ!!」

大男「…ぐ…うおおぉぉ!!」
958 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:14:29.49 ID:fFx2v8Qo
ズドォッ!!…ドサッ

ワーカー「……!?」

無精髭「は…っ?」

天才「…ほれ、次かかって来いよ」

ワーカー「……おい」

無精髭「…ああ、一斉に仕掛けんぞ」

屋敷前に集うワーカー達が天才をゆっくりと取り囲む。

ジャリッ…

ワーカー「うおりゃあぁ!!」

無精髭「斬り殺すなよぉ!」

ババッ!!…フォンッ…ブンッ…ヒュオッ!!

天才「やーれやれ」

天才は小さなナイフを手に取り、襲いかかる剣の数々を次々と往なす。

無精髭「こんな…っ、ナイフ如きでぇ!!」

キィンッ!!
959 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:15:05.14 ID:fFx2v8Qo
無精髭「…っ!?」

天才「寝てな」

バキィッ…ドサッ

ワーカー「後ろから羽交い絞めろ!」

男「んな事言ったって…近づけ…ぐわっ!!」

ドサッ

天才「これで…7人、いや8人目か…?」

タンッ…スタッ…ザッザッザ

ワーカー「屋敷内に侵入されたぞ!追い出せっ!!」

ヒゲ「うおおぉぉー!!」

バキャアァ!!…ドカッ

天才「9人目…っと」

ワーカー「何たじろいでやがる!早く…」

天才「……うおっと。コイツはなかなか強そうな奴だな!」

ザッザッザ…ザッ
960 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:15:49.76 ID:fFx2v8Qo
戦士父「……」

天才「どきな。怪我するぜ?」

戦士父「……」

チャキッ

天才「…へっ、やる気マンマンかよ!!」

ダンッ!!…チュインッ…キィンッ…ガキイィンッ!!

戦士父「……っ」

天才「…やるじゃねぇか」

クルッ…スタッ

天才「ふーっ」

天才は足元に倒れたワーカーから剣を拾い上げ、一振りの後、身構える。

戦士父「……誰か、剣を」

ワーカー「お、おう…っ」

パシッ

戦士父「……来い」
961 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:16:45.33 ID:fFx2v8Qo
天才「行くぜ……」

受け取った長剣を身構える戦士父。そこへ天才が一気に間合いを詰める。

戦士父はそれを制止するように長剣を水平に振り、一歩後ろへと退く。

ブオンッ!!

天才「はん…っ!」

天才はそれをしゃがんで潜り抜け、再び詰め寄る足に加速を付けた。

一気に振り上げた天才の剣が、戦士父の顔正面へ襲いかかる。

戦士父「…甘いっ!」

天才「何!?」

振り上げられた刀身を戦士父は柄の底で一気に突き放つ。

グオッ…バキャアァッ!!

天才「武器破壊…っ!?」

戦士父「ふんっ!!」

ゴスッ!!…ドドオォンッ

天才「ぐは…っ!」
962 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:17:52.02 ID:fFx2v8Qo
がら空きとなった腹部に戦士父の強烈な膝が繰り出され、

よろめく天才の後頭部へ再び柄の底が打ちつけられると、天才は地面へと倒れこんだ。

戦士父「……」

天才「……」

ワーカー「…よ、よぉし…っ!」

ザッザッザ…ガシッ

ワーカー「お、おい…どこへ!?」

戦士父「…屋敷内だ。気を失っているうちに縛り上げる」

ワーカー「お…おぉ。…って、ちょっと待て!手柄横取りする気じゃ…」

戦士父「あんたから報告してくれ。あと…まだ仲間が居るかもしれん」

ワーカー「そ、そうだな!警備を強化しねーと…!」

筋肉質「だな…。おいみんなっ、周囲を警備するぞ!」

ボソッ

戦士父「……うまく言ったな」

天才「…ああ」
963 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:19:25.92 ID:fFx2v8Qo
〜王宮〜

カツカツカツ

エリート「お待ちしておりました。ご足労かけ、申し訳ありません」

左大臣「なァに、気にするでない。して…今宵は何用かァ?」

右秘書官「大会議室のご用意が出来ております」

左大臣「うむ」

左秘書官「夜分である、。手短に頼むぞ」

エリート「無論です。こちらとて長引かせるつもりは毛頭ありません」

カツカツカツ…ガチャッ

青年兵「…ご苦労様でございます。こちらです」

左文官「…な、なんと…っ!?」

左大臣「…ほぉ、これは珍しい者がおるなァ」

椅子から立ち上がる年配の男を見つめ、左大臣が目を細める。

左大臣「陛下の犬が…今日の機嫌取りは良いのかァ?」

右大臣「ふん…。見舞いにも顔を出さぬ不義が何を申すか…!」
964 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:20:22.07 ID:fFx2v8Qo
エリート「…父上」

右大臣「…分かっておるわ」

左大臣「すまぬすまぬ。どうも顔を会わせると、喧嘩腰になって敵わんなァ…」

青年兵「それではご着席下さい。まもなく殿下もお見えになられます」

ガタガタッ…スッ

左文官「…まさか右大臣様が…っ」

右文官「何か問題でも…?」

左秘書官「いや、既に政治からは隠居されたかと思っておりましたので…」

右大臣「勝手に隠居されては困る」

左文官「失礼致しました…っ」

ガチャッ

青年兵「殿下、お見えになられました」

カツカツカツカツ

皇太子「待たせた。それでは始めるとしよう」

青年兵「…これより、臨時会合を始めさせて頂きます」
965 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:40:30.11 ID:fFx2v8Qo
〜左大臣の屋敷〜

戦士父「誰かいるか」

タッタッタッタ

執事「は、はい…っ!」

戦士父「強盗を捕らえた。何か縛るものを…」

執事「はい…っ」

戦士父「あと…この屋敷に牢屋代わりになりそうな所はないか?」

執事「し、少々お待ちを…っ!」

タッタッタッタッタ

戦士父「…腹、大丈夫か?」

天才「問題ない……と、言いてぇが…手加減しろよな」

戦士父「……す、すまん」

テクテクテク

執事長「お話は伺いました。こんなもので宜しいでしょうか?」

執事長は太さのあるロープの束を戦士父へ手渡す。
966 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:45:15.12 ID:fFx2v8Qo
戦士父「…うむ、問題ない」

グイッ…ギュッ

戦士父「左大臣様は?」

執事長「外出中にございます」

戦士父「それは何より。運が良かったですね」

執事長「ええ。タイミングが良すぎますね」

戦士父「……して、牢屋代わりになりそうな部屋は?」

執事長「しかし、暴れまわったりされては…」

戦士父「国軍が来るまでだ。地下…とかないのか?」

執事長「…在るには、在りますが」

戦士父「そこでいい。このまま取り押さえてるから案内してくれ」

執事長「……」

天才「……ぅ」

戦士父「…マズイ、意識が戻り始めたぞ…っ!」

執事長「……分かりました。…こちらです」
967 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:49:04.10 ID:fFx2v8Qo
テクテクテクテク…

戦士父「…この下か?」

執事長「……」

戦士父「…早く行ってくれ」

執事長「…やはり地下では手狭です。此方に致しましょう」

テクテク…ガチャッ

執事長「物置ですがほとんど使用致しておりません。錠もございます」

戦士父「…分かった」

テクテクテク…ポイッ…ドサッ

戦士父「鍵はあるか?」

執事長「……」

ジャラッ…パシッ

戦士父「ここで見張らせて貰うが…万が一を考えて、この近辺の人間を避難させてくれ」

執事長「……畏まりました」

戦士父「地下に鍵は?」
968 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 17:54:21.40 ID:fFx2v8Qo
執事長「…ございます」

戦士父「そこから逃亡出来るか?」

執事長「行き止まり…ただの保管室です。なぜそのような事を?」

戦士父「強盗がもし逃亡した時、どのルートで脱出出来るか知っておく必要がある」

執事長「…ならば、屋敷内の衛兵を呼んで参ります」

戦士父「すまんな」

テクテクテク…

戦士父「…ふーっ」

天才「だいぶ疑ってたなぁ…」

戦士父「踏み込んで聞きすぎたか…?」

天才「いいさ、お陰でよーく分かったわ」

戦士父「ああ。戦士はこの地下だな」

天才「あとは…どうやって救出するかだな」

戦士父「……」

天才「さーて、どうしたもんかねぇ…ハーッハッハ」
969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/26(火) 18:13:33.18 ID:fFx2v8Qo
ありゃ…もう残り30ぐらいになってましたね…
残りも僅かなので今回はオマケなしで次スレ行こうと思います!
それでは、ご支援ありがとうございました!ノシ
970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 18:23:16.01 ID:Cssuz6DO
>>1
うむ、続きが気になって寝れん
971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 19:46:02.47 ID:sKCwGZQo
>>1
しかし焦らされて少々悶々としているので
このカステラは>>1にはやらんぞモグモグ
972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 20:18:36.21 ID:yrgZr2DO
>>971
食い意地はって盗賊みたいだな
973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 20:34:06.61 ID:vJI5d6DO
今日は盗賊が多いな。
974 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 22:41:22.46 ID:JRZafmQ0
1乙
975 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 23:58:03.75 ID:sx72t4Qo
〜国軍本部〜

タッタッタッタ

女隊員「動いたッスよ!」

隊長「おーし!行くぞ!!」

男隊員「おうよ!!」

ダダッ

隊長「いいか、俺らの役目は左の連中や他の国軍を屋敷に近づけない事だ!」

男隊員「ワーカーの連中はどうする!?」

隊長「適当に理由付けて退かせろ!」

男隊員「あいよ」

女隊員「でも…左翼の連中が近くまで戻ってきたらどうするんスか?」

隊長「その辺は大軍師様々が何とかしてくれんだろ」

女隊員「な、なるほどッスね…」

隊長「目くらましに各自、衛兵を10人程度率いて行け!!」

男隊員「楽しくなってきたぜ…ヒャハハ!!」
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/26(火) 23:59:33.21 ID:sx72t4Qo
ザワザワザワ

老人「これは一体…何の騒ぎじゃ?」

野次馬「何でも強盗が入ったとかいう噂だぜ…?」

ワーカー「おら下がれ!まだこの辺りに仲間がウロついてるかもしれねーんだぞ!」

スタッ

バーテン「…よーし、いい感じに騒ぎになってきたぞ。あとはアイツら…うまく侵入してるかな」

〜屋敷内〜

天才「とりあえず、俺が地下を見てくるしかねぇわな」

戦士父「身代わりはどうする?」

天才「その辺にぶっ倒れてるワーカーでも一人連れてきて、放っとけ」

戦士父「……なるほど」

天才「悟られたら終わりだ。うまく頼むぞ」

戦士父「…了解」

二人は辺りを見回し、人気がない事を確認すると、天才は地下へと階段を降り、

戦士父は玄関前に倒れるワーカーの元へと走りだした。
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2010/10/27(水) 01:07:19.35 ID:e6scHNgo
〜王宮、会議室〜

左大臣「して、話とは如何なるものかなァ?」

右大臣「分かっておろう」

左秘書官「予算案の修正ですかな?それならば難しいと、以前にもお話したはずです」

右秘書官「しかしだな、今は状況が異なるのだ」

左文官「占い師殿の事かな?それならば屯田制度自体を中止すれば良かろう」

右文官「予言が見えぬからこそ北への防備を厚くせんでどうするのだ!」

青年兵「その通りです。軍備が難しいのなら道の整備などを優先的に進めて頂きたく…」

エリート「なんなら、国軍の提唱する地獄の壁への予算を増やす事でも構いませんよ」

皇太子「……」

左大臣「言う事、確かに一理ある。しかしだ、すぐには決めかねる内容だなァ」

エリート「勿論、この場で決を頂こうとは毛頭思っておりませぬ」

左秘書官「議会にでも提案してみては如何ですか?」

左大臣「ふぅむ。それも手かなァ」

エリート「……っ」
978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/27(水) 01:09:31.31 ID:e6scHNgo
色々やってたらこんな時間に…
次回分からは次スレ立てて再開と致します!
ご支援ありがとうざいました!おやすみなさい!ノシ

残りのレスは…もうすぐまさかの一周年なので、
何か要望というか…ありましたらリクなんぞを…
979 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 01:17:44.98 ID:78rKsTgo
おつ!!!
980 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 06:38:08.81 ID:gqQ5kRM0
一周年忌年とかやめて
師匠死んだよ
981 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 08:11:14.75 ID:ZhXbsv.o
30日は俺たちで盛大に祝ってやらねばな!ゴゴゴゴ
982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 09:58:57.69 ID:bu1CzzYo
いただきまんこ!とか言ってたころを振り返る話で
983 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 13:03:31.77 ID:OA0jjAAO
リクというか質問
>>1の嫁(二次元的な意味で)は誰ですか?
984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/27(水) 13:32:07.41 ID:TNPDiQgo
ちょっと会社抜けるので先に次スレ&投下させて頂きました!
また後ほど…!それでは!!ノシ

次スレです
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/

>>980
誤字には気をつけます…

>>981
ありがとうございます!楽しみにしてても良いですか!?

>>982
なるほど…ありがとうございます!

>>983
嫁は…特にいませんねぇ。アニメもマンガも今は見てないので…
ちょっと考えてみます!!
985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 13:36:36.07 ID:rJyLbUAO
スレの一周年を祝して東西南北の各界から一言
986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 20:47:26.96 ID:KFgLipso
うめぼし
987 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 20:50:28.15 ID:gqQ5kRM0
うめしゅ
988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 20:52:14.04 ID:tCLkpGMP
うめとらまん
989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 20:53:18.99 ID:2opFZxco
うまれ
990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 21:04:26.00 ID:cOj1s/6o
埋め埋め
991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 21:24:21.34 ID:lVJ6lADO
以下俺と占い師ちゃんの愛の日記

・・・なんも思い付かないww
992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 23:46:22.04 ID:oRnzdsAO
うめおつ
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 23:53:20.94 ID:eHRFD2so
召喚士「行けっ!スイフィンクス!!」

シュイィィン

             __
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     /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | 三 ⌒(__人__)⌒三 |      埋め
 .   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: \     |r┬-|     /
                    ノ     `ー‐'     \
                  /´               ヽ
                r──|   l              \
           / ̄ ̄ ̄ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
          /  ̄ ̄  ̄ ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 00:01:19.67 ID:o9Ql3mgo
うめてやんよ
995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 00:19:59.77 ID:n9/HtV.o
うめ
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 00:30:04.77 ID:x7EketcP
まつざか
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/28(木) 00:41:48.89 ID:2SAE8owo
召喚士「埋めありがとうございます!!」

魔道士「それでは21スレにてお会い致しましょう」

召喚士「しかし…寒いですね」

魔道士「あっちで盗賊さんと戦士さんがこたつに入ってましたよ?」

召喚士「こたつかぁ…いいなぁ」

魔道士「私達も行きましょ!」

召喚士「あ、はいっ!!」

魔道士「こたつ〜えへへっ!!」

タッタッタッタッタ…
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 00:49:35.55 ID:vTaJIASO
こたつ買うか
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 00:51:22.73 ID:/q/y9IDO
行けっ!>1000!!
1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 00:52:00.50 ID:vdm9jIMo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
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       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
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       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
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      ヽ;;;>     \;;>

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江戸川コナン…短髪さ… @ 2010/10/28(木) 00:46:06.86
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l @ 2010/10/28(木) 00:45:10.27
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江戸川コナン…短命さ… @ 2010/10/28(木) 00:43:40.65
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1288194220/

江戸川湖畔…観光さ… @ 2010/10/28(木) 00:42:32.90
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1288194152/

江戸川コナン…単純さ… @ 2010/10/28(木) 00:35:01.94
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